売上高

利益

資産

キャッシュフロー

配当(単独)

ROE

EPS BPS




E00776 Japan GAAP


2【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績

 当第3四半期連結累計期間は、米国でいわゆるソフトランディングが話題となる一方で、中国の経済が低迷しました。日本とユーロ圏の経済が対照を成すように推移し、複数の新興国は成長を持続しました。産業ごとに見ても、好・不調の差が目立ちました。流動的な情勢の中にあって当社は、顧客との意思疎通を密に保ち、求められる品質の製品を安定供給し、機敏な販売を遂行しました。その一方で、財務内容を健全に保つために、市況変動を踏まえた費用計上を実施しました。引き続き業績の伸長に取り組んでいきます。今後とも、顧客にとって価値ある製品の開発を急ぎ、かつ顧客と市場からの要望・需要に適時に応えられるよう、中長期の展望を持って、投資と開発を継続します。

 

 当第3四半期連結累計期間の業績は、売上高は、前年同期に比べ15.7%(3,398億3千4百万円)減少し、1兆8,234億3百万円となりました。営業利益は、前年同期に比べ30.8%(2,486億9千9百万円)減少し、5,595億2千8百万円となり、経常利益は、前年同期に比べ25.3%(2,084億8千5百万円)減少し、6,157億3千2百万円となりました。また、親会社株主に帰属する四半期純利益は、前年同期に比べ29.7%(1,719億9千万円)減少し、4,065億2千9百万円となりました。

 

 セグメントごとの状況は以下のとおりです。

 

[生活環境基盤材料事業]

 塩化ビニルに関しては、中国メーカーによる輸出圧力が収まらない状況が続きましたが、価格水準の維持に努めました。か性ソーダについても、同様な状況でした。

 その結果、当セグメントの売上高は、前年同期に比べ24.9%(2,514億8千万円)減少し、7,573億5千5百万円となり、営業利益は、前年同期に比べ42.3%(1,859億2千1百万円)減少し、2,535億7千7百万円となりました。

 

[電子材料事業]

 半導体市場は、一昨年秋以降の調整局面が当該期でも続きましたが、その収束の兆しがようやく表れました。そのような事情のなか、シリコンウエハー、フォトレジスト、マスクブランクス等の半導体材料を計画通りに出荷することに注力しました。希土類磁石も、ハードディスクドライブ向けや産業機器用で調整が続きましたが、車載市場ほかへの拡販に努力しました。尚、安定供給を期すため手厚く抱えてきた希土材料の在庫について、最近の市況を踏まえた評価減を行いました。当該評価減を除けば、当セグメントの10~12月の営業利益は7~9月並みでした。加えて、光材料事業の再構築費用を特別損失として計上しました。

 その結果、当セグメントの売上高は、前年同期に比べ4.5%(299億2千9百万円)減少し、6,425億7千5百万円となり、営業利益は、前年同期に比べ11.4%(278億4千3百万円)減少し、2,154億7千4百万円となりました。

 

[機能材料事業]

 汎用製品群で中国経済の不振に起因する在庫調整や市況軟化の影響が続きましたが、機能性の高い製品群で収益を補うことに努めました。尚、シリコーンの製品と原料在庫の一部について、最近の市況を踏まえた評価減を計上しました。当該評価減を除けば、当セグメントの10~12月の営業利益は7~9月並みでした。

 その結果、当セグメントの売上高は、前年同期に比べ15.0%(575億1千7百万円)減少し、3,266億2千9百万円となり、営業利益は、前年同期に比べ30.5%(323億3千6百万円)減少し、738億2千9百万円となりました。

 

[加工・商事・技術サービス事業]

 半導体ウエハー関連容器は調整局面が続きましたが、自動車用入力デバイスは自動車産業の回復を受け堅調を維持しました。食品包装用塩ビラッピングフィルムはインバウンド需要の増加を背景に外食産業向けの販売が伸びました。

 その結果、当セグメントの売上高は、前年同期に比べ0.9%(9億8百万円)減少し、968億4千3百万円となり、営業利益は、前年同期に比べ12.1%(25億3千5百万円)減少し、184億1百万円となりました。

 

 

(2)財政状態

 当第3四半期連結会計期間末(以下「当四半期末」という。)の総資産は、前連結会計年度末(以下「前期末」という。)に比べて3,933億9千1百万円増加し、5兆1,237億8千5百万円となりました。主に円安の影響を受け在外連結子会社資産の円換算額が増加したこと、有形固定資産が増加したことによるものです。

 当四半期末負債合計額は、前期末に比べ70億4千4百万円減少し、6,971億4千1百万円となりました。円安に伴う在外連結子会社負債の円換算額の増加の一方、支払手形及び買掛金の減少や法人税等の支払いによるものです。

 当四半期末純資産は、前期末に比べ4,004億3千4百万円増加し、4兆4,266億4千3百万円となりました。剰余金の配当及び自己株式の取得による減少の一方、親会社株主に帰属する四半期純利益や円安に伴う為替換算調整勘定の増加によるものです。

 その結果、自己資本比率は、前期末に比べ1.3ポイント上昇し、83.1%となりました。

 

(3)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

 当第3四半期連結累計期間において、当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)が優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。

 

(4)研究開発活動

 当第3四半期連結累計期間における当社グループ(当社及び連結子会社)の研究開発費は48,933百万円です。なお、当第3四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。