売上高

利益

資産

キャッシュフロー

配当(単独)

ROE

EPS BPS




E00898 Japan GAAP


2 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において当社グループ(当社及び連結子会社)が判断したものであります。

 

(1) 経営成績の状況

当第3四半期連結累計期間におけるわが国経済は、社会経済活動の正常化が進む中で、個人消費や企業の生産活動に持ち直しの動きが見られ、緩やかな回復基調で推移しましたが、原材料・エネルギー価格の高止まりや為替の変動幅が大きい状況は続いており、依然として先行きは不透明な状況となっております。また、世界経済におきましても、米国で個人消費が底堅く推移するなど緩やかに持ち直す動きとなりましたが、世界的な金融引き締め政策による影響や不動産市場停滞に伴う中国や欧州の景気減速懸念など下振れリスクもあり、先行きは不透明な状況が続いております。

当社グループの主要な供給先であります自動車業界では、半導体や部品の供給不足が緩和され、世界的に生産台数の回復傾向が見られ、国内においても前年を上回る水準で推移しました。もう一つの柱であります鉄鋼業界においては、自動車向け鋼材需要は回復しているものの、建設や機械向けは低調となり、国内の粗鋼生産量は前年よりやや減少し、世界では横ばい推移となりました。

このような状況のなか、当社グループでは、昨年度よりスタートさせた第4次中期経営計画の下、全事業セグメントにおいて、既存事業の深耕、新規分野の開拓、グローバル事業の拡大に加えて、環境問題などの社会課題解決に積極的に取り組むなど、長期的な視点で企業価値の向上に取り組んでおります。また、お客様から信頼をいただける製品・サービスを提供するために、グループ全体の品質管理と品質保証の強化にも努めております。

売上高は910億40百万円(前年同期比4.5%増)となりました。事業の種類別セグメント毎の売上高は、前年同期に比べ薬品事業が7.0%の増収、装置事業が5.5%の増収、加工事業が1.6%の増収、その他が0.5%の減収となりました。また、地域別セグメントは、国内が6.3%、アジアが0.5%、欧米が10.0%の増収となりました。

営業利益は113億8百万円(前年同期比23.4%増)、経常利益は146億95百万円(前年同期比21.1%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益は92億75百万円(前年同期比17.4%増)となりました。なお、経常利益及び親会社株主に帰属する四半期純利益は、四半期開示が始まった2004年3月期から、過去3番目の高い水準となりました。

海外業績の換算による損益計算書に与える影響額は、売上高で21億3百万円程度の増収、営業利益で2億30百万円程度の増益となっております。

 

 

セグメント情報ごとの経営成績は、次のとおりであります。

 

【事業の種類別セグメントの概況】

(単位:百万円)

報告セグメント

外部顧客に対する売上高

セグメント利益又は損失(△)(営業利益)

前第3四

半期累計

当第3四

半期累計

増減額

増減率

前第3四

半期累計

当第3四

半期累計

増減額

増減率

薬品事業

39,577

42,363

2,785

7.0%

5,751

7,583

1,832

31.9%

装置事業

10,640

11,229

589

5.5%

△468

18

487

104.0%

加工事業

34,681

35,253

571

1.6%

4,738

4,596

△142

△3.0%

その他

2,205

2,194

△11

△0.5%

36

37

0

2.3%

調整額(消去)

△897

△927

△30

△3.4%

連結損益計算書計上額

87,104

91,040

3,935

4.5%

9,160

11,308

2,147

23.4%

 

 

①薬品事業

売上高は423億63百万円(前年同期比7.0%増)となり、営業利益は75億83百万円(前年同期比31.9%増)となりました。当事業部門は、あらゆる産業分野における素材の洗浄、防錆、塗装下地、潤滑、意匠などを目的として表面処理剤の製造・販売と、これに伴う最新のノウハウ、技術サポートを提供しております。国内では主要顧客の生産回復に伴い、緩やかな回復基調で推移しました。また、国内外での販売価格上昇やインド、インドネシアでの販売拡大も寄与し、薬品事業全体では売上高は増収となりました。利益面では、原材料価格は高値圏での推移が継続しておりますが、売上高の増加により営業利益は増益となりました。

②装置事業

売上高は112億29百万円(前年同期比5.5%増)となり、営業利益は18百万円(前年同期は4億68百万円の営業損失)となりました。当事業部門は、輸送機器業界を中心に前処理設備、塗装設備及び粉体塗装設備などを製造・販売しております。前期計上した大型案件の影響がなくなったタイなど東南アジアでは販売が伸び悩みましたが、企業の設備投資が持ち直している国内や北米では回復基調となり、装置事業全体では売上高は増収となり、利益面では前期の営業損失から営業利益へと転換しました。

③加工事業

売上高は352億53百万円(前年同期比1.6%増)となり、営業利益は45億96百万円(前年同期比3.0%減)となりました。当事業部門は、潤滑性・高密着性などの機能性を付与する「防錆加工」、金属の強度や耐久性を高める「熱処理加工」、素材表面に薄膜金属を被膜することで高耐食性、耐摩耗性などを付与できる「めっき処理」などの表面処理の加工サービスを提供しております。国内では主要取引先である自動車部品メーカーの生産回復に伴い販売が回復し、海外ではメキシコ、インドネシアで回復したほか、為替レートが円安に進んだこと等から、加工事業全体では売上高は増収となりました。一方で、中国や台湾では販売が伸び悩んだことに加えて、国内外ともに原材料費・光熱費の上昇により収益性が低下し、営業利益は減益となりました。

④その他

売上高は21億94百万円(前年同期比0.5%減)となり、営業利益は37百万円(前年同期比2.3%増)となりました。当事業部門は、ビルメンテナンス事業、太陽光発電事業などを営んでおります。主にビルメンテナンス事業において、受注件数が減少したものの大型案件の割合が増えた影響により、減収増益となりました。

 

 

 

(2) 財政状態の状況

(資産の部)

資産合計は、前連結会計年度末と比較し191億83百万円増加し2,557億17百万円となりました。流動資産は111億62百万円増加いたしました。主な要因は、現金及び預金が62億38百万円、受取手形、売掛金及び契約資産が40億22百万円それぞれ増加したことによるものです。固定資産は80億21百万円増加いたしました。主な要因は、有形固定資産が41億61百万円、投資その他の資産が44億65百万円それぞれ増加したことによるものです。

(負債の部)

負債合計は、前連結会計年度末と比較し38億71百万円増加し440億13百万円となりました。流動負債は35億10百万円増加いたしました。主な要因は、流動負債その他に含まれる契約負債が24億75百万円、支払手形及び買掛金が5億41百万円それぞれ増加したことによるものです。固定負債は3億60百万円増加いたしました。主な要因は、繰延税金負債が10億43百万円増加した一方で、長期借入金が5億円減少したことによるものです。

(純資産の部)

純資産合計は、前連結会計年度末と比較し153億12百万円増加し2,117億4百万円となりました。主な要因は、為替換算調整勘定が48億70百万円、利益剰余金46億53百万円、非支配株主持分が31億86百万円、その他有価証券評価差額金が25億71百万円それぞれ増加したことによるものです。

以上の結果、自己資本比率は69.8%と前連結会計年度末と比較し0.5ポイント減少した一方、1株当たり純資産は1,547円14銭と105円16銭増加いたしました。

 

 

 

(3) 事業上及び財務上の対処すべき課題

当第3四半期連結累計期間において、当連結会社の事業上及び財務上の対処すべき課題に重要な変更及び新たに生じた課題はありません。

 

(4) 研究開発活動

当第3四半期連結累計期間の研究開発費の総額は、14億71百万円であります。

なお、当第3四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。

 

(5) 従業員数

① 連結会社の状況

当第3四半期連結累計期間において、連結会社の従業員数の著しい増減はありません。

なお、従業員数は当社グループから当社グループ外への出向者を除き、当社グループ外から当社グループへの出向者を含む就業人数であります。 

② 提出会社の状況

当第3四半期累計期間において、提出会社の従業員数の著しい増減はありません。

なお、従業員数は当社から他社への出向者を除き、他社から当社への出向者を含む就業人数であります。 

 

(6) 生産、受注及び販売の実績

当第3四半期連結累計期間において、生産、受注及び販売実績の著しい変動はありません。

 

(7) 主要な設備

    当第3四半期連結累計期間において、新たに確定した重要な設備の新設計画は次のとおりであります。

 

会社名及び
事業所名

所在地

セグメントの名称

設備の内容

 投資予定金額

(百万円)

着手及び完了予定

着手

完了

日本パーカライジング㈱

福岡県北九州市

若松区

薬品事業

薬品製造工場

 10,000

2025年

4月

2026年

9月

 

    (注) 資金調達方法は、自己資金になります。