売上高

利益

資産

キャッシュフロー

配当(単独)

ROE

EPS BPS




E00879 Japan GAAP


2 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において当社グループ(当社及び連結子会社)が判断したものであります。

(1) 財政状態及び経営成績の状況

※画像省略しています。

世界経済の状況 -景気先行きの不透明感が高まる- 

 

当第3四半期連結累計期間(2023年4月1日~2023年12月31日)は、世界の分断が深刻化し、ウクライナ問題の長期化、中東情勢の悪化などの地政学リスクによる影響が続きました。また、欧米の金融引き締めや中国経済のシュリンクが、グローバル経済の回復の足かせとなっています。

世界各国のインフレは徐々に緩和され、欧米の金融政策が転換期を迎えつつあるなかで、未だ多くの製造業では需給調整が続いており、景気の先行きは不透明な状況となっています。

 

※画像省略しています。

当社グループの業績 -減収減益- 

 

このような状況のなか、当社グループの当第3四半期連結累計期間の業績は、売上高は564,728百万円前年同四半期連結累計期間(以下、前年同期)比0.4%減)、営業利益は21,611百万円(前年同期比21.8%減)、経常利益は19,351百万円(前年同期比27.3%減)、親会社株主に帰属する四半期純利益は13,438百万円(前年同期比28.9%減)となりました。

厳しい需要環境が続く中、当第3四半期連結会計期間(2023年10月1日~2023年12月31日)は第2四半期連結会計期間(2023年7月1日~2023年9月30日)の収益水準を上回り、回復が進んでいます。E & I Technology、Performance Fibersの海外需要が想定以上に遅れ、Health Care SUでは一時的な需要調整が続きました。Nutrition SU領域では更に収益が拡大しました。ポートフォリオ変革は着実に進んでいます。

 

2024年3月期 第3四半期 連結業績      (単位:百万円)

 

2023年3月

第3四半期

連結累計期間

2024年3月

第3四半期

連結累計期間

前年同期比

(同増減率)

売上高

567,143

564,728

△2,415
(△0.4%)

営業利益

27,621

21,611

△6,010
(△21.8%)

経常利益

26,601

19,351

△7,249
(△27.3%)

親会社株主に帰属する

四半期純利益

18,890

13,438

△5,451
(△28.9%)

 

 

セグメント別売上高                                    (単位:百万円)

 

売上高

2024年3月

前年同期比
(同増減率)

第1四半期

連結会計期間

第2四半期

連結会計期間

第3四半期

連結会計期間

第3四半期

連結累計期間

Material SU

77,659

78,814

81,444

237,919

△12,788
(△5.1%)

Quality of Life SU

40,878

43,880

46,638

131,397

388
(0.3%)

Health Care SU

17,745

18,448

17,209

53,403

751
(1.4%)

Nutrition SU

46,037

46,006

49,038

141,082

9,094
(6.9%)

その他

419

226

280

925

137
(17.5%)

182,740

187,376

194,611

564,728

△2,415
(△0.4%)

 

 

 

セグメント別営業利益                              (単位:百万円)

 

営業利益

2024年3月

前年同期比
(同増減率)

第1四半期

連結会計期間

第2四半期

連結会計期間

第3四半期

連結会計期間

第3四半期

連結累計期間

Material SU

5,513

6,610

6,996

19,119

△3,351
(△14.9%)

Quality of Life SU

2,939

4,159

4,655

11,754

△1,301
(△10.0%)

Health Care SU

2,967

2,926

2,451

8,344

△3,636
(△30.4%)

Nutrition SU

2,277

2,298

3,820

8,395

4,002
(91.1%)

その他

288

101

151

541

146
(37.0%)

調整額

△8,381

△9,093

△9,070

△26,545

△1,869
(-)

5,603

7,002

9,004

21,611

△6,010
(△21.8%)

 

 

各セグメントの状況は次のとおりであります。

 

① Material Solutions Unit

当セグメントは、欧米の需要停滞が長期化するなか、Performance Polymersのモディファイヤー・変成シリコーンポリマーが回復しましたが、Vinyls and Chlor-Alkaliの市況低迷により、売上高は237,919百万円前年同期と比べ12,788百万円5.1%減)の減収となり、営業利益は19,119百万円前年同期と比べ3,351百万円14.9%減)の減益となりました。

Vinyls and Chlor-Alkaliは、塩ビ・か性ソーダともに中国経済のシュリンクやアジア市況の下落により、低調に推移しました。市況回復にはやや時間を要する見通しですが、グローバルニッチ市場において特異技術を磨き、原料・市況の変動に強い体質を強化しています。

Performance Polymersのモディファイヤーは、欧米での高インフレ・高金利が継続し、建築用途の需給調整が長引くなか、当第3四半期連結会計期間以降、非塩ビ向けやアジア市場の需要が着実に回復しています。エポキシマスターバッチは、EVの構造接着剤向けで採用案件が増加し、新規用途の開発が進んでいます。

変成シリコーンポリマーは、建築需要が停滞するなか、他にはない機能特性が評価され、販売が堅調に推移しました。スプレッド改善の取り組みも寄与し増収増益となりました。新地域・新規用途への拡販が進んでおり、ベルギーでの生産能力増強を計画通り進め、グローバルな需要増大に応えてまいります。

生分解性バイオポリマー「Green Planet®」は、日米欧の大手ブランドホルダーとの共同開発が順調に進んでいます。大型案件に向けた能力増強工事は計画通り進んでおり、加工技術を含めたサプライチェーンの構築に注力しています。

 

② Quality of Life Solutions Unit

当セグメントは、スマートフォン市場及びアフリカ頭髪市場の回復遅れにより、売上高は131,397百万円前年同期と比べ388百万円0.3%増)の増収となり、営業利益は11,754百万円前年同期と比べ1,301百万円10.0%減)の減益となりました。

Foam & Residential Techsは、スチレン系発泡樹脂の需要は低調でしたが、価格改定などによりスプレッドが改善しました。発泡ポリオレフィンは、自動車向け需要が国内外ともに回復し、EV用途での採用も拡大しています。全体としては増収増益となりました。

PV & Energy managementは、戸建て住宅向け高効率太陽電池の販売が堅調に推移しています。また、車載用途や非戸建て住宅向けの開発にも注力し、今後の採用拡大を見通した生産基盤の強化を進めています。

E & I Technologyは、スマートフォン市場の需要は徐々に回復しているものの、ポリイミド製品の本格回復は第4四半期連結会計期間(2024年1月1日~2024年3月31日)以降と見ています。大型TV向けアクリル樹脂は、一時的な需要調整がありましたが、有機EL向けポリイミドワニスの需要が堅調に推移しました。

Performance Fibersは、アフリカ頭髪市場が第1四半期連結会計期間(2023年4月1日~2023年6月30日)に底を打ちましたが、需要回復が想定以上に遅れ、低調に推移しました。軽量・撥水・抗菌など高機能新製品の市場評価は高く、アフリカの未開拓地域への販路拡大と併せて、拡販の取り組みに注力しています。

 

 

③ Health Care Solutions Unit

当セグメントは、Medicalは堅調な業績となりましたが、Pharmaは顧客の出荷調整が想定以上に長びき、売上高は53,403百万円前年同期と比べ751百万円1.4%増)の増収となり、営業利益は8,344百万円前年同期と比べ3,636百万円30.4%減)の減益となりました。

Medicalは、血液浄化器・カテーテルともに国内外で堅調な販売となりました。業容拡大の大きなチャンスがある米国市場で、既に販売体制強化の手を打ちました。北海道の血液浄化器工場は、本年春の稼働に向けて計画通り進捗しています。導入予定の革新技術を着実に立上げ、高付加価値製品を投入し続けます。また、生分解性マグネシウムステント技術を持つ会社の買収や血栓回収用ステントの輸入販売など、Open Innovationによるカテーテル製品のラインアップ拡充を進めています。

Pharmaは、コロナワクチン領域を含めた顧客の出荷調整が、想定以上に長びいています。カネカユーロジェンテックのバイオ事業は、プラスミド技術の高い評価をテコに多種多様なスケールある新規案件に注力しています。
mRNAについては、グローバル需要の増大に応えられる生産体制を強化するとともに、引続き遺伝子疾患やがん治療薬用での採用を進めてまいります。低分子医薬品は、実績をベースとした国内外市場での大型案件の獲得を進めています。

 

④ Nutrition Solutions Unit

当セグメントは、Foods & Agris、Supplemental Nutritionともに好調を持続し、売上高は141,082百万円前年同期と比べ9,094百万円6.9%増)の大幅な増収となり、営業利益は8,395百万円前年同期と比べ4,002百万円91.1%増)の大幅な増益となりました。第4四半期連結会計期間も堅調な業績が見込まれます。

Supplemental Nutritionは、還元型コエンザイムQ10が米国での販売が堅調に推移し、中国越境EC向けなど、アジア・オセアニアでの拡販が進みました。「BtoB」「BtoC」の戦略的な技術開発及び販促活動を強化し、市場創出を目指します。腸内環境を整え、未病を促進する乳酸菌事業も着実に拡販が進んでおり、最大市場の米国及び中国・アジア・ロシア・中南米地域への新規開拓や生産基盤の強化に注力しています。

Foods & Agrisは、高付加価値品への販売シフト及びスプレッドの改善が大きく寄与しました。マーケティングや商品企画力の強化を継続し、事業基盤の強化に努めます。更に有機乳製品をはじめ、ヨーグルトなど付加価値の高い新規事業の拡大が進んでいます。カネカ食品における業務のDX化を加速させ、収益力を強化してまいります。

 

⑤ その他

当セグメントの売上高は925百万円前年同期と比べ137百万円17.5%増)の増収となり、営業利益は541百万円前年同期と比べ146百万円37.0%増)の増益となりました。

 

※画像省略しています。

資産、負債および純資産の状況

 

当第3四半期連結会計期間末の総資産は、棚卸資産の増加に加え、設備投資の拡大による固定資産増加、円安による海外グループ会社の資産額増加等により、前連結会計年度末に対して67,980百万円増加850,620百万円となりました。負債については、借入金及び社債の増加等により48,894百万円増加395,111百万円となりました。純資産については、円安による為替換算調整勘定の増加や保有株式の時価上昇によるその他有価証券評価差額金の増加等により19,086百万円増加455,509百万円となりました。この結果、自己資本比率は51.2%となりました。

 

(2) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

当第3四半期連結累計期間において、当社グループの「経営方針、経営環境及び対処すべき課題」については、重要な変更又は新たな発生はありません。

 

(3) 研究開発活動

当第3四半期連結累計期間におけるグループ全体の研究開発活動の金額は26,085百万円であります。