売上高

利益

資産

キャッシュフロー

配当(単独)

ROE

EPS BPS




E36130 Japan GAAP


2【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。

 

(1)経営成績の状況

 当第3四半期連結累計期間におけるわが国経済は、雇用・所得環境が改善する下で、各種政策の効果もあり、個人消費や企業収益に持ち直しの動きがみられました。景気の先行きについては、円安による物価の上昇や、金融資本市場の変動等により、依然として不透明な状況となっております。

 当社グループが属するエネルギー業界を取り巻く環境におきましては、ロシア・ウクライナ情勢の悪化以降、資源価格高騰の影響を受けた電力会社の財務状況の悪化が見られましたが、電気料金の値上げや卸電力市場価格の落ち着きに伴い、一部電力会社においてユーザー獲得に前向きな動きが見られる状況です。

 長期的な観点でのエネルギー業界を取り巻く環境におきましては、引き続きグリーントランスフォーメーション(GX)が進展しました。日本政府による2022年12月22日の第5回GX実行会議において「GX実現に向けた基本方針~今後10年を見据えたロードマップ~」が掲示され、150兆円のGX投資を官民で実現していくため、日本政府としても20兆円規模の先行投資支援を実行する旨の意見表明がなされる中、こうしたGXの動きの中心となる電力業界においては、2016年4月の電力の小売全面自由化以降、当社のベース市場である電力販売額は約18兆円(注1)と拡大しております。また、乗用車の新車販売における電気自動車(EV)をはじめとした電動車比率を2035年までに100%とする目標が掲げられる(注2)など、EVの普及とそれに併せたEV充電インフラの需要が高まることが見込まれております。

 このような環境のもと、当社グループでは、「エネルギープラットフォーム事業」においては、「エネチェンジ」(家庭向け電力・ガス切替プラットフォーム)及び「エネチェンジBiz」(法人向け電力・ガス切替プラットフォーム)の2サービスについて、電力会社との連携を強化しつつ、スマートメーター由来の電力データが一定のルール下で開放される中、当該データを活用したサービスとして「エネチェンジ・マイエネルギー」の提供を開始しました。本サービスを通じ、多様化・複雑化する電気料金プランに対し最適な電力プランを提案することで、継続的な新規顧客獲得及び既存顧客のサポートを強化する方針です。

 「エネルギーデータ事業」においては、主に電力ガス事業者向けにクラウド型で提供する、デジタルマーケティング支援SaaS「エネチェンジクラウドMarketing」及び家庭向けデマンドレスポンスサービス「エネチェンジクラウドDR」等のサービスにつき、継続的な新規機能開発と営業強化に努めてまいりました。また、「EV充電エネチェンジ」アプリのノウハウを活用した、EV充電アプリの開発運用や全国のEV充電スポット情報のAPI提供などのEVサービス向けソリューション「エネチェンジクラウドEV」を展開し、ENEOS株式会社が提供する「ENEOS ChargePlusEV充電アプリ」の開発を受託するなど、サービス展開を強化しております。

 「EV充電事業」においては、引き続きEV充電分野における当社のシェア向上に向けた積極的な営業活動や投資に加え、EVユーザーの更なる利便性の向上に資する取り組みを継続しました。また2023年の夏以降、1か月間で500口以上の充電器を設置するなどEV充電器の設置も順調に進捗しました。

 

 以上の結果当第3四半期連結累計期間の当社グループの経営成績は売上高3,923,019千円(前年同期比39.1%増)営業損失1,248,173千円(前年同期は営業損失531,855千円)経常損失1,336,033千円(前年同期は経常損失528,740千円)親会社株主に帰属する四半期純損失1,382,861千円(前年同期は親会社株主に帰属する四半期純損失623,191千円)となっております

 なお、営業外収益で補助金受贈益114,278千円、営業外費用で固定資産圧縮損114,067千円、持分法による投資損失37,678千円を計上しております。補助金受贈益及び固定資産圧縮損は、EV充電サービス事業における充電インフラ整備に係るものであります。持分法による投資損失は、持分法適用関連会社であるJapan Energy Capital 1 L.P.及びJapan Energy Capital 2 L.P.への投資に係るものであります。また、特別損失で減損損失21,948千円を計上しております。これは「エネルギーデータ事業」の一部無形資産の収益性の低下によるものです。

 

 セグメントの経営成績は、次のとおりであります。

 

①エネルギープラットフォーム事業

 「エネルギープラットフォーム事業」においては、家庭向け・法人向け共に切替件数が堅調に推移した結果、ユーザー数は前年同四半期比23.1%増の539,772件となりました。四半期のARPU(注3)は、切替時に提携企業から受領する一時報酬単価の上昇影響により、前年同四半期比55.8%増の1,591円となりました。以上の結果、セグメント売上高は2,443,485千円(前年同期比17.1%増)、セグメント利益は278,703千円(前年同期比8.6%増)となりました。

 

②エネルギーデータ事業

 「エネルギーデータ事業」においては、デジタルマーケティング支援SaaS「エネチェンジクラウドMarketing」、家庭向けデマンドレスポンスサービス「エネチェンジクラウドDR」等の既存顧客への継続的なサービス提供や新規顧客への導入及びプロダクト開発を進めた結果、顧客数は前年同四半期比21.2%増の63社となりました。また、四半期のARPUは、ストック型収益の減少により、前年同四半期比10.6%減の3,746千円となりました。以上の結果、セグメント売上高は716,861千円(前年同期比1.9%減)、セグメント利益は127,116千円(前年同期比6.6%増)となりました。

 

③EV充電事業

 「EV充電事業」においては、事業推進のためにエンジニア・セールス人員を中心とした採用の増加による組織体制の拡大や、タクシー・エレベーター広告等の積極的なマーケティングの実施等先行投資を進めた結果、受注件数は事業開始以来の累計で7,329台となりました。また、2023年夏以降、1か月間で500口以上の充電器を設置しました。以上の結果、セグメント売上高は762,672千円(前年同期は2,891千円)、セグメント損失は1,107,505千円(前年同期はセグメント損失406,510千円)となりました。

 

(注)1.電力・ガス取引監視等委員会「電力取引報結果」の電力販売額より算出。

2.経済産業省「第6次エネルギー基本計画」(2021年10月22日)、電動車は電気自動車(EV)、プラグインハイブリッド車(PHV)、燃料電池車(FCV)、ハイブリッド車(HV)を含む。

3.Average Revenue Per Userの略称であり、1ユーザー当たりの平均収益を意味する。

 

(2)財政状態の分析

(資産)

 当第3四半期連結会計期間末における流動資産は3,885,949千円となり、前連結会計年度末に比べ641,126千円減少いたしました。これは主に売掛金及び契約資産が615,298千円、商品及び製品が343,192千円、未収入金が200,952千円増加し、現金及び預金が1,646,891千円、前渡金が159,836千円減少したことによるものです。

 また、当第3四半期連結会計期間末における固定資産は2,314,034千円となり、前連結会計年度末に比べ82,287千円増加いたしました。これは主にソフトウエアが133,282千円増加し、のれんが62,719千円減少したことによるものです。

 この結果、総資産は、6,199,984千円となり、前連結会計年度末に比べ558,838千円減少いたしました。

 

(負債)

 当第3四半期連結会計期間末における流動負債は3,022,250千円となり、前連結会計年度末に比べ939,044千円増加いたしました。これは主に短期借入金が564,775千円、未払金が396,290千円、買掛金が162,185千円、前受金が59,069千円増加し、販売促進引当金が340,307千円減少したことによるものです。

 また、当第3四半期連結会計期間末における固定負債は1,025,006千円となり、前連結会計年度末に比べ148,148千円減少いたしました。これは主に長期借入金が133,497千円減少したことによるものです。

 この結果、負債合計は、4,047,257千円となり、前連結会計年度末に比べ790,896千円増加いたしました。

 

(純資産)

 当第3四半期連結会計期間末における純資産合計は2,152,727千円となり、前連結会計年度末に比べ1,349,735千円減少いたしました。これは主に親会社株主に帰属する四半期純損失1,382,861千円の計上によるものです。

 この結果、自己資本比率は34.6%(前連結会計年度末は51.7%)となりました。

 

(3)会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

 前事業年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定の記載について重要な変更はありません。

 

(4)経営方針・経営戦略等

 当第3四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。

 

(5)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

 当第3四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。

 

(6)研究開発活動

 該当事項はありません。