売上高

利益

資産

キャッシュフロー

配当(単独)

ROE

EPS BPS




E36323 Japan GAAP


2【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 文中の将来に関する事項は、当四半期会計期間の末日現在において判断したものであります。

 

(1)経営成績の状況

 「知を創集し道具にする」をミッションに掲げる当社は、マーケティングのデジタルトランスフォーメーション(以下、「DX」という。)への関心の高まりを捉え、市場成長率若しくは収益性の高い領域を成長させる事業構造の構築を進めるべく、人材の採用及び定着率向上、ソリューションの強化及び拡張、増加するフリーランスと企業を結びつける人材マッチング事業の育成、研究開発とマーケティングへの投資を進めてまいりました。

 

 当社は、企業のDXを強力に支えるべく、これまでコンサルティングとデータ分析・改善提案SaaSで培ったナレッジとベストプラクティスを、マーケティングDX実現に必要なサービス群に落とし込み、戦略や施策の策定から社内の組織づくり、マーケティング施策の実装と改善まで、事業推進を一気通貫で支援しております。

 戦略フェーズでは、デジタルマーケティングに留まらないデジタル活用戦略の立案を行う「DXコンサルティング」を、戦術フェーズではデジタルマーケティングのPDCAを支える分析・改善提案ツールである「AIアナリスト」を提供しております。また、そうした設計がなされても実行・実装のできない企業向けに、実行・実装の代行を行うBPOソリューション群と実行・実装を行う人的リソースを提供する人材マッチング事業を提供しております。

 

 当第1四半期累計期間においては、当社の保有するナレッジを活用してのインバウンドマーケティングの強化を行い顧客獲得を進めながら、インキュベーション事業でAI活用支援のプロジェクトを既存顧客から受注したり、顧客の新規事業立ち上げに伴走してきた中でその事業の拡大に合わせて当社の支援の規模を拡大させるなど、既存顧客との密接な関係の構築を進めてまいりました。

 

 全社としての新規顧客獲得のためのマーケティング活動においては、当社ナレッジをベースとしたウェビナーの継続的な開催や各種マーケティング関連メディアへの登壇、展示会への出展を行いました。2024年4月に行われた、ECで一番効果があった施策を競い合う「E-1グランプリ(イーイチグランプリ)」においては、上場EC支援会社などを抑え、当社執行役員マーケティング本部長安藤健作が当社の豊富なデータとナレッジを元にしたベストプラクティスを発表し、視聴者の投票で1位を獲得、優勝しております。このイベントでの優勝により、多数のリードの獲得に至ることができました。

 

 また、各事業それぞれが新規顧客の開拓と既存顧客の継続と拡大を推し進めております。

 

 プロダクト事業では、2023年はGoogleアナリティクスの旧バージョンであるUA(ユニバーサルアナリティクス)から最新バージョンであるGA4(Googleアナリティクス4プロパティ)への移行年であり、当社が提供するデータ分析ツール「AIアナリスト」においても、2023年4月にGA4との連携機能をリリースいたしました。それからおよそ1年後の2024年3月時点で、新規の連携数が2,000件を突破しております。現在も件数が順調に拡大しており、引き続きGA4との連携機能強化を進めてまいります。「AIアナリストSEO」では、社内制作システムへの生成AIの導入をさらに進展させております。安価であるが検索上位を取れないAIと検索上位を取り得るが高価なライターの、最適なミックスによるコンテンツSEO制作オペレーションの構築に取り組んでおります。

 

 「DXコンサルティング」を提供するインキュベーション事業は、「AIアナリスト」で培った“勝ちパターン”をもとに企業のマーケティング戦略、組織設計、オペレーション構築など、マーケティングのDXコンサルティングを提供しております。近年ではインキュベーション事業とプロダクト事業での協働案件を意識的に行うことで、「AIアナリスト」の担当者のコンサルタントスキル向上を図り、コンサルタントプールの拡充を進めております。

 また、数ヶ月で完了する戦略立案のプロジェクトで終わらず、その実行に伴走するプロジェクトが増加しております。特に顧客の新規事業の立ち上げ時に当社の持つナレッジを活かして垂直立ち上げを行うプロジェクトもあり、こうしたプロジェクトでは顧客の事業の拡大に伴い当社の支援も規模が拡大しており、コンサルティング事業だけでなくプロダクト事業のメンバーも参加して、マーケティングだけにとどまらず、PRや営業へのトスアップといった前後工程とのスムーズなつなぎ込みまで含めた総合的なご支援に至っております。

 そのほか、AIやCRMの構築/導入や、マーケティング/セールスでの活用シーンを明確にしたうえで機能設計・構築を行うプロジェクトに、PMOの立場で参加することをご依頼される案件が増えております。これまでAIの活用やDXの実現といった、最新技術等の活用先を何とかひねり出そうとする「プロダクトアウト型」の問い合わせもありましたが、近年は逆に、どういったアウトプットを現場が必要としているかを考え、そのために必要なデジタル開発を強化するといった「マーケットイン型」の発想を持つ企業からの引き合いが増えております。

 

 「Marketer Agent」を展開する人材マッチング事業は、引き続き順調な売上拡大をさらに推進すべく、当社独自の精度の高いマッチングを効率化・高速化する人材データベースの初期開発を完了し、社内運用を開始しました。マッチング可能な人材の幅を広げながら、データベースのさらなる開発を行い、最適かつ効率的、高速なマッチング実現の基盤を競合との差別化可能な水準まで引き上げます。また、将来的にはデータベースの外部公開によるダイレクトリクルーティングサービスの開始も視野に入れて開発を続けてまいります。

 

 この結果、当第1四半期累計期間の経営成績は、売上高453,156千円(前年同四半期比6.4%増)、EBITDA37,044千円(前年同四半期比61.8%減)、営業利益5,772千円(前年同四半期比91.7%減)、経常利益5,036千円(前年同四半期比92.7%減)、四半期純損失698千円(前年同四半期は四半期純利益57,123千円)となりました。

 また、重要な経営指標である2024年5月末の理論LTV(顧客生涯価値)は5,349千円(2023年5月末5,087千円)、クロスセル率は2024年5月末20.5%(2023年5月末20.1%)となりました。

 なお、当社はDX事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載は省略しております。

 

(2)財政状態の状況

(資産)

 当第1四半期会計期間末における資産合計は、前事業年度末と比較して55,961千円減少し、2,178,445千円となりました。これは主に、ソフトウエア仮勘定が25,853千円増加した一方、現金及び預金が39,548千円減少したこと、ソフトウエアが30,975千円減少したことによるものであります。

 

(負債)

 当第1四半期会計期間末における負債合計は、前事業年度末と比較して56,780千円減少し、955,881千円となりました。これは主に、未払金が32,897千円増加した一方、返済により1年内返済予定の長期借入金が26,165千円、長期借入金が22,401千円減少したこと、納税により未払法人税等が22,380千円減少したことによるものであります。

 

(純資産)

 当第1四半期会計期間末における純資産合計は、前事業年度末と比較して818千円増加し、1,222,563千円となりました。これは主に、新株予約権が1,517千円増加したことによるものであります。

 

(3)会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

 前事業年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定の記載について重要な変更はありません。

 

(4)経営方針・経営戦略等

 当第1四半期累計期間において、当社が定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。

 

(5)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

 当第1四半期累計期間において、当社が優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。

 

(6)研究開発活動

 当第1四半期累計期間における当社の研究開発活動の金額は、6,565千円であります。

 なお、当第1四半期累計期間において、当社の研究開発活動の状況に重要な変更はありません。