売上高

利益

資産

キャッシュフロー

配当(単独)

ROE

EPS BPS




E36637 Japan GAAP


2 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。

(1) 財政状態及び経営成績の状況

当第3四半期連結累計期間(2023年6月1日~2024年2月29日)における我が国経済は、雇用・所得環境が改善する中、各種政策が奏功し緩やかな回復が続きました。一方で、地政学的リスクの長期化や円安、原材料価格及びエネルギー価格の上昇による物価高もあり、依然として先行き不透明な状況下で推移いたしました。

当社グループが属する情報サービス産業におきましては、AI活用によるDXの実現スピードの加速、既存システムのクラウドシステム移行、ローコード/ノーコード(※1)の活用・一般化等を背景に、ビジネスへの参入機会の増加・拡大が継続しております。ゲームコンテンツ事業が属するゲーム市場は、コンテンツサービスの多様化を背景に市場規模は拡大傾向にあり、ユーザーを引き付ける魅力的並びなコンテンツの追求やサービス内容の複雑化・高度化がより顕著となり、開発費の増加やその期間の長期化という傾向が継続しております。

このような状況の下、当社グループは、成長戦略のひとつであるM&A戦略を実行し、2023年12月にはリーサコンサルティング株式会社並びに株式会社Skyartsを、2024年1月には株式会社X-VERSE PLUSをそれぞれ連結子会社化する等、グループの規模拡大に向けた各種施策に積極的に取り組んでまいりました。なお、新たに連結子会社となったリーサコンサルティング株式会社の業績は、当第3四半期連結会計期間の12月より、株式会社X-VERSE PLUS並びに株式会社Skyartsの業績は、同連結会計期間の1月より計上しております。

加えて当社は、2024年2月1日に経済産業省が定める「DX認定事業者」(※2)となりました。今後も引き続きお客様の利益創造及び社会に貢献する企業グループを目指してまいります。

以上の結果、当社グループの当第3四半期連結累計期間の経営成績は、売上高は3,523百万円(前年同四半期比15.6%増)、営業利益は335百万円(前年同四半期比3.4%増)、経常利益は335百万円(前年同四半期比10.5%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益は198百万円(前年同四半期比22.2%増)となりました。

 

セグメントの経営成績は次のとおりであります。

 

(ITソリューション事業)

ITソリューション事業につきましては、売上高は2,693百万円(前年同四半期比11.7%増)、セグメント利益は686百万円(前年同四半期比14.0%増)となりました。

IT開発の内製化トレンドを事業機会ととらえ、「内製化支援ラボ」・「内製化支援のためのローコード・ノーコード」・「内製化のためのMicrosoft利活用」を引き続き推進してまいりました。

当社は、Microsoft 365の先駆けとなるシステムから15年以上にわたり積み上げた専門性の高い支援実績を保有しております。また、Amazon Web Services(AWS)のコンサルティングパートナー・セレクトティアに認定されております。現在、デジタル庁が「ガバメントクラウド」(※3)及び「ガバメントソリューションサービス」(※4)を推進しておりますが、その主目的は、行政機関の効率化、セキュリティの強化及び遠隔作業のサポート充実にあり、Microsoft Azure及びAWSが「ガバメントクラウド」の対象クラウドサービスの一つとして選定されております。こうした国策とSI領域における確実なリソース調達力、技術基盤を背景により、当社は単独もしくはパートナー企業様との協業による公共セクター支援を実施しており、足元におきましても、「ガバメントクラウド」及び「ガバメントソリューションサービス」に関連する複数のプロジェクトに参画しております。

 

(ビジネスプロダクト事業)

ビジネスプロダクト事業につきましては、引き続き積極的な営業戦略を計画的に推進するものの堅調であった前年同期に至ることなく、売上高は390百万円(前年同四半期比8.0%減)、セグメント利益は88百万円(前年同四半期比31.8%減)の減収減益となりました。

マニュアルトータルソリューションの推進をキーワードに、製品の導入から実際のマニュアル作成支援までを一貫して行うなどのサービスを強化し、戦略的パートナーシップ契約をはじめとする営業領域拡大を推進いたしました。

また、自社プロダクト製品「Dojo」(※5)シリーズに続く次世代製品開発にも積極投資を行っております。具体的には、生成AIの影響力拡大をビジネスチャンスととらえ、自社プロダクト製品「Dojoウェブマニュアル」に生成AIを活用した各種機能(マニュアル作成の自動化)の実装、リリースが完了しております。

 

(ゲームコンテンツ事業)

ゲームコンテンツ事業につきましては、売上高は421百万円(前年同四半期比99.6%増)、セグメント利益は53百万円(前年同四半期比535.1%増)となりました。

当社のゲームコンテンツ部門と昨年連結子会社化した有限会社熱中日和を統合し、新たに株式会社テンダゲームスとし組織的な営業強化を行うことで大手ゲーム会社からの受注獲得に注力いたしました。また、株式会社ヤマダデンキが運営するゲームプラットフォーム「ヤマダゲーム」へのサービス提供が順調に推移しており、引き続き協業領域の拡大推進を目指しながら「ヤマダゲーム」利用者様の満足度向上へのご支援を継続してまいります。

株式会社Skyartsは、コンシューマーゲームからネイティブアプリまで、幅広い顧客層をターゲットとしたゲームエフェクトに特化した事業を展開しており、業界屈指の技術力を特徴としております。中でも同社が得意とするリアルタイムなエフェクト調整技術は、ゲーム市場において高度な専門性が要求されることから参入障壁が高い分野であり、マーケットニーズを背景に人材不足が常態化しております。同社の連結子会社化により、従来当社グループが保有するゲームの長期運営ノウハウとデベロッパー機能に、特徴ある技術領域(ゲームエフェクト・VFX分野)を取り込むことができ、企画デザイン、システム構築&運用、ユーザーサポート、プロモーション、分析までワンストップで実現することが可能となりました。

さらに、株式会社X-VERSE PLUSのIP(知的財産)を用いたビジネスが付加価値として加わることで、新たな市場へのリーチが可能となりました。株式会社テンダゲームスが展開してまいりましたゲーム開発・運営などの事業領域にIPビジネスを融合させることにより、新たな価値と体験を創出すると共に、世界に楽しみや感動を届けてまいります。

(※1)ローコード/ノーコード:アプリケーションやシステム開発において、プログラミングの専門知識を必要とせず、コードを書かないか、少ないコードで開発できる手法。

(※2)DX 認定制度:2020年5月15日に施行された「情報処理の促進に関する法律の一部を改正する法律」に基づく制度。

<参照URL>https://www.meti.go.jp/policy/it_policy/investment/dx-nintei/dx-nintei.html

(※3)ガバメントクラウド:政府共通のクラウドサービスの利用環境。

(※4)ガバメントソリューションサービス:政府共通の標準的な業務実施環境(パーソナルコンピュータやネットワーク環境)の提供。

(※5)Dojo(ドージョー):マニュアルの自動作成・共有・更新がかんたんにできる自社開発ツール。累計導入社数は3,000社超。

 

財政状態については、次のとおりであります。

① 資産の部

当第3四半期連結会計期間末の総資産は、前連結会計年度末に比べ635百万円増加し、3,857百万円となりました。

(流動資産)

流動資産は、前連結会計年度末に比べ87百万円増加し、2,811百万円となりました。これは主に現金及び預金の減少が350百万円あったこと、受取手形、売掛金及び契約資産の増加が219百万円あったこと、仕掛品の増加が54百万円あったこと、その他の増加が167百万円あったこと等によるものであります。

(固定資産)

固定資産は、前連結会計年度末に比べ547百万円増加し、1,045百万円となりました。これは有形固定資産の増加が42百万円あったこと、ソフトウエアの増加が15百万円あったこと、のれんの増加が457百万円あったこと、投資その他の資産の増加が32百万円あったことによるものであります。

 

② 負債の部

当第3四半期連結会計期間末の負債合計は、前連結会計年度末に比べ506百万円増加し、1,438百万円となりました。

(流動負債)

流動負債は、前連結会計年度末に比べ516百万円増加し、1,266百万円となりました。これは主に買掛金の増加が97百万円あったこと、短期借入金の増加が200百万円あったこと、前受収益の増加が43百万円あったこと、その他の増加が178百万円あったこと等によるものであります。 

(固定負債)

固定負債は、前連結会計年度末に比べ9百万円減少し、172百万円となりました。これは長期借入金の減少が27百万円あったこと、その他の増加が17百万円あったことによるものであります。

 

③ 純資産の部

当第3四半期連結会計期間末の純資産は、前連結会計年度末に比べ128百万円増加し、2,418百万円となりました。これは主に親会社株主に帰属する四半期純利益を198百万円計上したこと、剰余金の配当を86百万円行ったこと等によるものであります。

 

(2) 会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

前事業年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定の記載について重要な変更はありません。

 

(3) 経営方針・経営戦略等

当第3四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。

 

(4) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

当第3四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。

 

(5) 研究開発活動

当第3四半期連結累計期間における研究開発活動の総額は、4百万円であります。

なお、当第3四半期連結累計期間において当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。

 

(6) 従業員数

① 連結会社の状況

当第3四半期連結累計期間において、リーサコンサルティング株式会社、株式会社Skyarts及び株式会社X-VERSE PLUSを連結の範囲に含めたこと等により、「ITソリューション事業」において47名、「ゲームコンテンツ事業」において20名、「その他」において6名増加しております。

② 提出会社の状況

前事業年度末に比べて著しい変動はありません。