売上高

利益

資産

キャッシュフロー

配当(単独)

ROE

EPS BPS




E05232 Japan GAAP


2【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。

(1)財政状態及び経営成績の状況

①経営成績

 当第3四半期連結累計期間における日本経済は、新型コロナウイルス感染症の5類移行による行動制限や入国規制の解除に伴い、経済活動の正常化が進むとともに、インバウンド需要の高まり等により消費活動も持ち直しが続き、景気は緩やかに回復いたしました。しかしながら、ウクライナ情勢の長期化や中東情勢の緊迫化をはじめとする不安定な国際情勢、資源価格や原材料価格の高騰による物価上昇、円安基調の継続、海外景気の減速懸念等、景気回復の足かせとなる問題は依然として解消されていない状況です。

 また、国内の雇用情勢は2023年11月の有効求人倍率(季節調整値)が1.28倍、完全失業率(季節調整値)が2.5%と、各雇用関連指標は緩やかに改善しているものの、依然として企業等の人手不足は解消されておりません。

 このような事業環境の中、当社グループでは既存事業のさらなる拡大とともに、新たなマーケットの開拓、グループ内での連携強化等により、顧客企業の人材に関する課題解決をサポートし、他社との差別化や顧客満足度の向上に取り組んでおります。また、人材への投資による事業基盤の強化も進めております。

 この結果、当第3四半期連結累計期間における当社グループの売上高は22,240百万円(前年同四半期比5.6%増)、営業利益は4,519百万円(同7.5%増)、経常利益は4,579百万円(同7.6%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益は3,130百万円(同3.7%増)となりました。

 なお、第1四半期連結会計期間より、事業内容をより適正に表示するため、従来「IT・ネット関連事業」としていた報告セグメントの名称を「HRプラットフォーム事業」に変更しております。この変更はセグメント名称の変更であり、セグメント情報に与える影響はありません。

 セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。

(人材サービス事業)

1.人材紹介

 人材紹介では、注力分野である建設や電気・機械、自動車等の分野で企業の採用ニーズが引き続き旺盛でした。また、医療・福祉分野における看護師や保育士の採用ニーズも引き続き高い水準で推移しました。こうした中、注力職種やエリア等の新たなマーケットの開拓や登録者獲得に向けた効果的なプロモーション、求人企業及び転職希望者との面談強化、迅速かつ丁寧な対応等に継続して取り組みました。この結果、建設関連職種や各種エンジニア、看護師、保育士をはじめとする特定領域の人材紹介は堅調に推移しました。

2.人材派遣・紹介予定派遣・業務請負等

 人材派遣・紹介予定派遣・業務請負等では、新型コロナウイルス感染症の5類移行に伴い、コロナ関連業務の派遣ニーズは減少しました。こうした中、上半期から取り組みを進めてきた介護施設や病院等への営業強化が奏功し、看護師派遣の業績は堅調でした。また、保育士派遣も、旺盛な派遣ニーズが続く中、派遣希望者と派遣先とのマッチング精度の向上に取り組んだことで派遣稼働者数が順調に拡大し、増収となりました。

 これらの結果、人材サービス事業の売上高は15,762百万円(前年同四半期比8.3%増)、営業利益は4,040百万円(同11.9%増)となりました。

(リクルーティング事業)

 リクルーティング事業では、新型コロナウイルス感染症の5類移行に伴う行動制限の緩和に加え、年末年始の繁忙期を見据えて、飲食業や宿泊業、サービス業、物流業等において企業の採用ニーズが旺盛でした。また、慢性的な人手不足に悩む医療・福祉分野でも採用ニーズは引き続き旺盛でした。

 こうした中、注力商品のIndeedの取り扱いが順調に拡大しました。また、コロナ禍からの経済回復に伴う企業の新卒採用意欲の高まりやインターンシップの強化を背景に、新卒採用メディアの取り扱いも好調でした。一方、旺盛な求人需要を背景とする広告効果の減退、それに伴う競合メディアへの顧客流出等を背景に、アルバイト・パート及び派遣スタッフ採用メディアの取り扱いが減収となり、中途採用のための正社員採用メディアの取り扱いも引き続き厳しい状況となりました。

 求人広告取り扱い以外のサービスは、新卒採用のためのインターンシップや会社説明会のプログラム作成等のコンサルティング領域が拡大したことに加え、採用サイトや会社案内等の制作領域の業績も改善傾向となりました。

 この結果、リクルーティング事業の売上高は2,301百万円(前年同四半期比3.6%減)、営業利益は337百万円(同15.7%減)となりました。

(情報出版事業)

 情報出版事業では、生活情報誌において、新型コロナウイルス感染症の5類移行や年末年始の繁忙期に向けた顧客の販促マインドの回復を背景に、飲食店やショップ等の販促広告の取り扱いが堅調でした。さらに、北陸及び新潟の旺盛な求人需要を受けて求人広告の取り扱いは拡大しましたが、住宅広告の取り扱いが伸び悩み、生活情報誌全体の業績はほぼ横ばいでした。また、各家庭に折り込みチラシ等を配布するポスティングサービスも、不動産関連のチラシの取り扱いが好調だったものの、住宅イベントや飲食店等のチラシの取り扱いが伸び悩み、業績はほぼ横ばいとなりました。

 一方、「ココカラ。」ブランドで展開するコンサルティングサービスは、北陸及び新潟の旺盛な採用ニーズを背景に、北陸におけるメーカーの工場新設に向けた大規模採用プロジェクトへの参画や登録者獲得に向けたプロモーションの奏功等により、転職領域の業績が拡大しました。さらに、住宅領域やブライダル領域も順調に推移し、全領域で増収となりました。その他、Indeedの取り扱いやWeb制作をはじめとするWeb関連サービスの業績も順調に推移しました。

 この結果、情報出版事業の売上高は1,841百万円(前年同四半期比7.8%増)、営業利益は275百万円(同170.7%増)となりました。

(HRプラットフォーム事業)

 HRプラットフォーム事業において、「日本の人事部」関連サービスに関するマーケットは、HR領域の課題解決のための業務の効率化やDX化に向けた設備投資、採用や育成に関するサービス等の販促ニーズが引き続き堅調に推移しております。また、人事労務に関する研修やセミナーへの集客ニーズも高い状況が続いております。こうした中、コロナ禍の収束後に販促活動を抑制していた一部顧客の広告出稿が回復してきたことで、人事・労務に関する情報ポータルサイト「日本の人事部」の広告収入も改善傾向となりました。さらに、2023年11月に開催したオンライン人事イベント「HRカンファレンス2023-秋-」も、売上高が過去最高を更新しました。

 この結果、HRプラットフォーム事業の売上高は1,012百万円(前年同四半期比27.3%減)、営業利益は532百万円(同20.6%減)となりました。

 なお、2022年10月に㈱クロノスの全株式を譲渡したことにより、当第3四半期連結累計期間には同社の業績が含まれておらず、前第3四半期連結累計期間(前第2四半期連結累計期間までは同社業績を含む)との業績に差異が生じております。

(海外事業)

 海外事業において、米国では自動車関連メーカーや食品メーカー等の製造業、物流やIT業界をはじめ、引き続き幅広い分野で採用ニーズが旺盛でした。こうした中、2022年1月開設のダラス、同年12月開設のシカゴ、2023年4月開設のアーバイン(現オレンジカウンティ)、さらに同年9月開設のアトランタの運営も軌道に乗り、人材紹介、人材派遣ともに増収となりました。また、メキシコでも製造業各社における生産拡大の動きに伴い、日本からの出向者の増加に合わせて通訳や翻訳の採用ニーズが高まったことに加え、エンジニアや営業職をはじめとする現地人材の紹介にも注力し、業績が大きく拡大しました。

 英国では、企業の採用ニーズが旺盛な状況の中、人材派遣が増収となりました。また、人材紹介は営業体制の強化に加え、2023年4月にCentre People Appointments Ltdが設立したCentre People Appointments B.V.によるオランダでの新規開拓の本格化により、国際間の転職支援(クロスボーダーリクルートメント®)を含め順調に推移しました。

 中国では、各種法令変更に伴う様々な情報提供等により相談顧問サービスは底堅く推移しました。また、研修サービスや人事制度設計が好調だったことで、人事労務コンサルティングの業績は引き続き順調でした。一方、人材紹介は、国内景気の厳しさを背景に企業の採用ニーズが採用難易度の高い人材に制限される中、細かなニーズへの対応や継続的な営業強化により業績は改善傾向となりました。また、ベトナムでは国内景気が緩やかに回復する中、既存顧客の欠員補充ニーズへの対応が順調だったことに加え、医療分野やベトナムへ新たに進出する企業の顧客開拓が進み増収となりました。さらに、タイでも採用ニーズは欠員補充中心という状況が続く中、営業職をはじめとする比較的採用ニーズと転職希望者の多い職種を中心に営業強化に取り組み増収となりました。

 この結果、海外事業の売上高は1,322百万円(前年同四半期比31.8%増)、営業利益は228百万円(同47.1%増)となりました。

 

②財政状態

 当第3四半期連結会計期間末における総資産は、20,233百万円となり、前連結会計年度末と比較して54百万円増加しました。主な要因は受取手形及び売掛金が減少しましたが、投資有価証券が増加したこと等によるものであります。

 負債合計は、4,327百万円となり、前連結会計年度末と比較して2,126百万円減少しました。主な要因は、賞与引当金、未払法人税等が減少したこと等によるものであります。

 純資産合計は15,905百万円となり、前連結会計年度末と比較して2,180百万円増加しました。主な要因は、親会社株主に帰属する四半期純利益の計上による利益剰余金の増加であります。なお、自己資本比率は78.6%と前連結会計年度末と比較して10.6ポイント改善しました。

(2)会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

 前事業年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定の記載について重要な変更はありません。

 

(3)経営方針・経営戦略等及び経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

 当第3四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等及び経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等について重要な変更はありません。

 

(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

 当第3四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。

 

(5)研究開発活動

 該当事項はありません。