ソースネクスト株式会社

ブランドなど:ウイルスセキュリティZEROポケトーク
情報・通信業ソフトウエアプライムTOPIX Small 2

売上高

利益

資産

キャッシュフロー

配当(単独)

ROE

EPS BPS




E05647 Japan GAAP


2【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。

 

(1)財政状態及び経営成績の状況

(経営成績)

 当第3四半期連結累計期間におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の収束へ向けた動きが加速し、個人消費の拡大や海外からの渡航者の増加等、社会・経済活動に持ち直しの傾向が見られました。一方で、ウクライナ及びパレスチナにおける紛争の長期化等、地政学的なリスクの高まりによるエネルギー価格や原材料価格の高騰に加え、為替相場の変動等、依然として先行き不透明な状況が続いております。

 当社グループを取り巻く環境は、2023年4月~2023年12月におけるパソコン出荷台数が前年比95.3%で推移しました(2024年1月、JEITA調べ)。またインバウンド・アウトバウンドの回復が進み、2023年4月~2023年12月の訪日外客数は20,275,602人(2019年比14.9%減、前期比443.4%増)となり、出国日本人数は7,949,045人(2019年比47.6%減、前期比208.2%増)となりました(2024年1月、日本政府観光局調べをもとに当社作成)。

 このような環境下において、当社は「製品を通じて喜びと感動を世界中の人々に広げる」をミッションに、既存の製品における収益拡大と、お客様のニーズに合った製品の企画・開発による新しいビジネスの創造に取り組んでおります。

 

 製品別の状況につきましては、当社グループのAI通訳機「POCKETALK(ポケトーク)」の国内販売台数は、インバウンド需要の拡大や、今後の更なる回復への期待もあり、オンラインショップチャネルや法人向け販売を中心に前期比で増加しました。 海外市場については、特に米国において非ネイティブに向けた多言語対応需要等により、教育機関や医療機関、公共機関、その他企業に導入されており、メディアの露出による認知の拡大も進んでおります。

 2023年3月に、「ポケトーク」ブランドの新製品として、ChatGPTの開発元であるOpenAI社の技術を活用し、音声と字幕によりリアルタイム翻訳を可能とするソフトウェア「ポケトーク for BUSINESS」の「同時通訳」を発表いたしました。また、11月に同製品のダウンロード版に加えてウェブブラウザ版を発表し、お客様の利便性が向上したことを契機として、法人のお客様を中心に数多くのお問い合わせをいただき、続々と導入が進んでいます。利益率の高いソフトウェア製品かつサブスクリプション型製品である同製品は安定した収益基盤の形成に資するものであり、今後の成長の柱として注力してまいります。

 その他のIoT製品については、文字起こしAIボイスレコーダー「AutoMemo(オートメモ)」で、2020年12月の発売開始以来、アカウント登録数が順調に増加し続け、累計アカウント数(「オートメモ」のサービスを利用する有料・無料会員の合計)は2023年12月末時点で110,000アカウントを突破いたしました。また、これまで販売・提供してきた専用端末やスマートフォンアプリに加え、パソコンに付属するマイクからの録音機能を2024年1月に発表したことにより、サブスクリプション型テキスト化サービスの会員数も順調に増加しております。

 360度webカメラシリーズ(「Meeting OWL Pro(ミーティングオウル プロ)」、「KAIGIO CAM360(カイギオ カム360)」)の販売は法人のお客様からの需要を獲得し、好調に推移しております。2023年12月に、「ミーティングオウル プロ」の新型機である「Meeting OWL3(ミーティングオウル3)」及び同製品の専用拡張マイクの販売を開始いたしましたが、専用拡張マイクを接続することで、より大きな会議室にも対応可能となったことによりお客様の利便性も更に向上いたしました。

 ソフトウェアでは、当社の主力製品である年賀状ソフト3ブランド「筆まめ」「筆王」「宛名職人」で、安定的に利益を確保しているものの、年賀状の市場縮小等の影響により、前期比で売上高が減少いたしました。一方で、同じく当社の主力製品である「いきなりPDF」は、電子帳簿保存法の改正等に伴いペーパーレス化が進んだことによる需要拡大により、法人からの受注が増加し、前期比で売上高が増加しております。また、読める留守番電話「スマート留守電」のサブスクリプション型サービスの売上高も前期比で増加し、好調に推移しました。しかしながら年賀状ソフトの低調等が影響し、ソフトウェア全体の売上高は前期比で減少いたしました。

 

 これらの結果、当第3四半期連結累計期間の売上高は82億8百万円(前期比5.6%増)、売上総利益44億73百万円(前期比12.0%増)となりました。

 販売費及び一般管理費につきましては、今後の「ポケトーク」事業拡大のための人件費や広告宣伝費の増加、当社直販サイトを新システムへ移行することに伴う業務委託費の一時的な増加等がありました。結果、販売費及び一般管理費は63億43百万円(前期比17.2%増)となりました。

 この結果、当第3四半期連結累計期間の営業損失は18億70百万円(前期営業損失14億16百万円)となりました。

 円安の進行に伴う為替差益を1億27百万円計上した一方で、持分法による投資損失を1億50百万円計上したこと等により、当第3四半期連結累計期間の経常損失は19億46百万円(前期経常損失14億14百万円)となりました。非支配株主に帰属する四半期純損失が2億93百万円となり、親会社株主に帰属する四半期純損失は16億60百万円(前期親会社株主に帰属する四半期純損失13億32百万円)となりました。

 

 当社グループはIoT製品、ソフトウェアの企画・開発・販売及びその他のサービス事業の単一セグメントです。各販売チャネルの営業概況は以下の通りです。

 

ア)オンラインショップ

当チャネルでは、当社直販サイト及びAmazon等の国内ウェブサイトにおけるオンラインショップにおいて、「ポケトーク」や「オートメモ」をはじめとするIoT製品、年賀状ソフトやセキュリティソフト等のソフトウェア製品を販売しております。

当第3四半期連結累計期間はAmazon等の国内ウェブサイトでの販売が好調に推移し、インバウンドの復活による「ポケトーク」の需要回復や、販売製品数の拡充等により、売上高が前期よりも増加しました。一方で、当社直販サイトではパソコン出荷台数の減少やサイト訪問者数減少等の影響があり、売上高が前期比で減少しました。

この結果、当チャネルの売上高は38億91百万円(前期比7.3%減)となりました。

 

イ)家電量販店

当チャネルでは、主に全国の家電量販店において、個人ユーザー向けのIoT製品及びパソコンソフト等を販売しております。

当第3四半期連結累計期間はハードウェア製品を中心に販売が好調に推移しました。インバウンド・アウトバウンドの復活により「ポケトーク」の需要が回復したことや360度webカメラシリーズの販売が好調に推移したことにより、売上高は前期比で増加しました。

この結果、当チャネルの売上高は12億80百万円(前期比10.3%増)となりました。

 

ウ)法人営業

当チャネルでは、「ポケトーク」を始めとするIoT製品並びにweb会議関連のハードウェアの法人向け販売・レンタル提供や、セキュリティ製品・PDF編集ソフト等のパソコンソフトの販売をしております。「スマート留守電」を中心とするスマートフォンアプリケーションのサブスクリプション型サービス提供にも注力しております。

当第3四半期連結累計期間は、360度webカメラシリーズ等のハードウェア製品やスマート留守電等のサブスクリプション型サービスが好調に推移し、法人向け大型案件の獲得も進んだことにより、売上高は前期比で増加しました。

この結果、当チャネルの売上高は21億91百万円(前期比29.1%増)となりました。

 

エ)その他

海外では米国や欧州のAmazonにおける販売及び法人への直接販売を中心に「ポケトーク」を販売しております。

当第3四半期連結累計期間において、海外での「ポケトーク」販売は法人向け販売を中心に、好調に推移いたしました。米国にて法人による大型のリピート購入が進んでおり、売上高は前期比で増加しました。

この結果、「その他」の売上高は8億44百万円(前期比18.7%増)となりました。

 

(財政状態)

当第3四半期連結会計期間末における資産は、前連結会計年度末と比較し22億58百万円減少し、173億80百万円となりました。主な要因は、現金及び預金の減少24億26百万円、商品及び製品の減少5億74百万円、無形固定資産の増加4億85百万円によるものです。

負債は、前連結会計年度末と比較し6億6百万円減少し、91億29百万円となりました。主な要因は、返済に伴う長期借入金の減少3億90百万円、その他流動負債の減少3億7百万円によるものです。

経営の安定性を示す自己資本比率は、当第3四半期連結会計期間末において45.4%(前連結会計年度末46.9%)と、財務の安全性が保持されております。

また、当社の連結子会社であるポケトーク株式会社は2023年12月に1億30百万円の資金調達を行いました(Pre-Valuation 237億9百万円)。これにより、同社の累計資金調達金額は38億39百万円となりました。(Post-Valuation 238億39百万円、ソースネクストの持株比率 83.9%=200億円)。

 

(2)会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

 前事業年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の会計上の見積り及び当期見積りに用いた仮定の記載について重要な変更はありません。

 

(3)経営方針・経営戦略等

 当第3四半期連結累計期間において、経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。

 

(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

 当第3四半期連結累計期間において、優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題に重要な変更及び新たに生じた課題はありません。

 

(5)研究開発活動

 当第3四半期連結累計期間の研究開発費の総額は27百万円です。