売上高

利益

資産

キャッシュフロー

配当(単独)

ROE

EPS BPS




E05267 Japan GAAP


2【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。

 

 (1)経営成績等の概要及び分析

 当第3四半期連結累計期間(2023年4月1日~2023年12月31日)の当社グループの主要顧客である土木・建築業界を取り巻く環境に関し、公共投資については、引き続き国土強靭化計画に基づく防災対策等の対応もあり、底堅く推移しているものの、足元の公共工事は勢いを欠いている状況です。また、民間投資については、概ね堅調に推移しました。他方で、今後ますます建設現場における人材不足、資材価格高騰等の影響が強まると考えられ、予断を許さない状況が続いております。

 

 こうした状況において、当社グループでは新たな付加価値の創出を目指し、2024年3月期から2026年3月期までの3ヵ年を対象とした中期経営計画を策定いたしました。当社グループでは従来、建設業・建設現場を主要顧客として、主に建設現場を支援する商品・サービスの開発と提供に努めてまいりました。近年では建設ICTの専門企業として、特にハードレンタルを主としたITインフラ環境の構築支援を積極的に展開してまいりました。しかし、今後においてはハードレンタルを主としたビジネスから脱却し、建設現場の業務支援に特化してデータ・情報関連サービスを統合的に提供していくことにより付加価値を創出するビジネスへと事業転換を図ってまいります。その中核がDDS事業において統合的なサービス体系として開発・強化を進めている「サイトアシストサービス」です。「サイトアシストサービス」では、当社が建設現場向けに提供している各種ICTサービス(「クラウドストレージサービス」・「クラウド映像サービス」・「コミュニケーションサービス」・「通信・ネットワークサービス」・「プリンティングサービス」)を統合的に提供していくことで、建設業界における現場の見える化及び情報・データの利活用の推進を強力に支援してまいります。

こうした考えに基づき、本中期経営計画期間を、個別商品・サービスのレンタルではなく、「サイトアシストサービス」により、情報・データに基づく付加価値を提供していく企業へ姿を変えるための移行期間ととらえ、次の通り中期経営方針及び目標を定め、活動してまいります。

 

<中期経営方針>

ハードを主体としたITインフラのレンタル企業から、データ・情報関連サービスを統合的に提供し

(サイトアシスト)、建設現場の業務を支援する建設ICTの専門企業へ変身する

 

 どこへ

 ・地場ゼネコンから広域ゼネコンへターゲット拡大

 ・土木系から建築系へ対象顧客の業種拡大

 何を

 ・ハード主体のITインフラサービスからデータ・情報関連が中心のデジタルデータサービスへ

(サイトアシストサービス)

 どのように

 ・マーケティング・インサイドセールス機能の強化

 ・DDS事業により、効率的に顧客開拓・顧客基盤の構築を推進

 

<中期経営目標>

 ・売上高               140億円(2023年3月期対比 30%超)

 ・営業利益                           36億円(2023年3月期対比 30%超)

 ・営業利益率             25%超

 ・ROE               20%超

 ・リピート率(※)          90%超

 

※リピート率は、直接的なユーザーである現場代理人を対象に、下記の計算式で算出しております。

 

 リピート率 = 前期取引があり、かつ当期取引があった現場代理人数 ÷ 前期取引があった現場代理人数

 

当第3四半期連結累計期間の業績につきましては、DDS事業の商品・サービスの営業に注力した結果、既存顧客を中心に受注が堅調に推移し、売上高は8,243百万円(前年同期比1.1%増)となりました。利益面では、付加価値の高いDDS事業のレンタル・サブスクリプションサービスの売上高が堅調に推移したことから、売上総利益が4,268百万円(前年同期比5.0%増)となりました。また、販売費及び一般管理費は、主に処遇改善等による人件費の増加に加え、マーケティング活動を含む営業活動費用が増加したこと等により、2,135百万円(前年同期比3.0%増)となりましたが、売上総利益の増加が大きく、営業利益は2,132百万円(前年同期比7.2%増)となりました。その結果、経常利益、親会社株主に帰属する四半期純利益においても前年同期を上回る実績となりました。

 

 また、リピート率につきましては、クラウドストレージサービス等のサブスクリプションサービスの提供拡大

及び現場単位取引の法人契約化(BtoB取引化)の増加により、68.7%(前年同期比0.7pt増)となりました。

 

※リピート率の計算に関して、分子である「前期取引があり、かつ当期取引があった現場代理人数」につきまして は当期累計実績を参照しているのに対して、分母である「前期取引があった現場代理人数」につきましては、前年通期の実績を参照しておりますので、リピート率は経過とともに高まっていく見込みです。

 

 以上の結果、当第3四半期連結累計期間の実績は、下記表のとおりとなりました。

 

▼当社グループ                                 (単位:百万円、%)

 

前第3四半期連結累計期間

(自 2022年4月1日

 至 2022年12月31日)

当第3四半期連結累計期間

(自 2023年4月1日

 至 2023年12月31日)

前年同期比

売上高

8,152

8,243

1.1

営業利益

1,990

2,132

7.2

営業利益率

24.4

25.9

1.5pt

経常利益

2,033

2,122

4.4

親会社株主に帰属する

四半期純利益

1,294

1,424

10.1

 

▼主要KPI                                      (単位:%)

 

前第3四半期連結累計期間

(自 2022年4月1日

 至 2022年12月31日)

当第3四半期連結累計期間

(自 2023年4月1日

 至 2023年12月31日)

前年同期比

リピート率

68.0

68.7

0.7pt

 

 

 セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。

<DDS事業(デジタルデータサービス事業:Digital Data Service)>

 当事業につきましては、「クラウドストレージサービス」・「クラウド映像サービス」・「コミュニケーションサービス」・「通信・ネットワークサービス」・「プリンティングサービス」等について統合的な提案活動に注力してまいりました。また、「サイトアシストサービス」につきましては、活用ツールの開発・メニューの充実と営業人材の育成に努めてまいりました。現状では機能の完成度・営業人材の教育進捗とも満足いく状況ではないものの、部分的ながらサービス提案を開始するにいたりました。実際の導入状況では、現場支援室の設置等、新たな仕事の進め方を模索する中において「サイトアシストサービス」の提案内容は一定の評価を得ており、今後は利用シーンの増加が期待されます。こうした状況の中、収益面では主に統合的なサービス提案に基づく既存顧客からの受注が堅調に推移し、当事業の売上高は4,760百万円(前年同期比11.5%増)となりました。利益面は、「クラウドストレージサービス」「クラウド映像サービス」をはじめとしたレンタル・サブスクリプションサービスの売上高伸長により売上総利益が増加しました。また、営業・マーケティング活動費用の増加に加え、デジタル機器管理センターの体制強化に伴う人件費の増加等により、販売費及び一般管理費も増加いたしましたが、売上総利益の増加が大きく、セグメント利益(営業利益)は1,466百万円(前年同期比13.1%増)となりました。

 

<SMS事業(測量計測システム事業:Surveying Measurement System)>

 当事業につきましては、中期経営計画に基づき、既存顧客及びDDS事業の商品・サービスによる新規顧客をターゲットに、レンタルによる測量計測システム等の提案を行ってまいりました。測量機器等については、メンテナンスなどの維持コスト、利用頻度、環境負荷等を踏まえると、レンタルの利便性が高いことから、レンタルによる利用の普及を進めるとともに、効率的な営業活動に努めてまいりました。併せて測量機器販売エリアの縮小・ICT施工関連のレンタル商材の絞り込み等を行い、DDS事業へリソースをシフトしてまいりました。その結果、反動による売上高の減少が想定以上に大きく、当事業の売上高は2,407百万円(前年同期比13.5%減)となりました。利益面は、処遇改善等により人件費が増加した一方、レンタルを主とした業務の絞り込みによる管理コストの削減・営業活動の効率化等が寄与したことにより、販売費及び一般管理費は減少いたしましたが、売上高の減少を補えず、セグメント利益(営業利益)は414百万円(前年同期比17.0%減)となりました。

 

<その他(※)>

 その他につきましては、売上高は1,075百万円(前年同期比2.4%減)となりました。セグメント利益(営業利益)は252百万円(前年同期比29.5%増)となりました。

 

▼セグメント                                   (単位:百万円、%)

 

前第3四半期連結累計期間

(自 2022年4月1日

 至 2022年12月31日)

当第3四半期連結累計期間

(自 2023年4月1日

 至 2023年12月31日)

前年同期比

DDS事業

 

 

 

 売上高

4,268

4,760

11.5

 セグメント利益

1,296

1,466

13.1

 セグメント利益率

30.4

30.8

0.4pt

SMS事業

 

 

 

 売上高

2,782

2,407

△13.5

 セグメント利益

499

414

△17.0

 セグメント利益率

17.9

17.2

△0.7pt

その他(※)

 

 

 

 売上高

1,102

1,075

△2.4

 セグメント利益

194

252

29.5

 セグメント利益率

17.7

23.5

5.8pt

※SH事業につきましては、2024年3月期から2026年3月期までの3ヵ年を対象とした中期経営計画より、
DDS事業への注力に伴う重要性の低下を想定し、「経営者による財政状態経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」のセグメント上「その他」へ変更いたしました。その結果、「その他」はSH事業、道路標示及び標識の工事等が含められております。

 

(2)財政状態の分析

(資産)

 当第3四半期連結会計期間末における総資産は15,684百万円となり、前連結会計年度末と比較して942百万円増加いたしました。これは主に投資有価証券が510百万円増加したことによるものであります。

 

(負債)

 当第3四半期連結会計期間末における負債は4,256百万円となり、前連結会計年度末と比較して97百万円増加いたしました。これは主に未払法人税等が271百万円減少した一方で、その他流動負債が379百万円増加したことによるものであります。

 

(純資産)

 当第3四半期連結会計期間末における純資産は11,427百万円となり、前連結会計年度末と比較して845百万円増加いたしました。これは主に剰余金の配当911百万円を行った一方で、親会社株主に帰属する四半期純利益1,424百万円の計上、その他有価証券評価差額金が331百万円増加したことによるものであります。

 以上の結果、自己資本比率は72.9%となりました。

 

(3)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

 当第3四半期連結累計期間において、当社グループ(当社及び連結子会社)が優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題に重要な変更及び新たに生じた課題はありません。

 

(4)研究開発活動

 該当事項はありません。