売上高

利益

資産

キャッシュフロー

配当(単独)

ROE

EPS BPS




E33623 Japan GAAP


2【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において、当社グループ(当社及び連結子会社)が判断したものであります。

 

(1)経営成績の分析

 当社グループは、Open Doorという企業理念のもと、いまだ誰も突破できていない障壁のある生活に密着した分野で、誰よりも先んじて事業機会を創造し、事業を展開し、産業構造を変え、あるべき社会を実現すべく、さまざまな事業に取り組んでおります。特に、新しいIT技術を活用した通信環境の提供によりフィリピン経済の発展に貢献するため、フィリピンにおいて事業の拡大を図っております。

 

 当第3四半期連結累計期間におきましては、欧米を中心にインフレ鎮静化のための金融の引き締めが行われるともに、ロシアによるウクライナ侵攻の長期化やパレスチナ・ガザ地区での衝突など、経済の先行きに対する不透明な状況が続いております。日本においては、為替相場での円安が長期化し、商品価格・エネルギー価格の高騰などの影響を受けるものの、新型コロナウイルス感染症が季節性インフルエンザと同じ分類に引き下げられ、社会経済活動の正常化が進んだことから、経済の緩やかな回復基調が続いております。当社グループの主要市場の一つであるフィリピンにおいては、商品価格の高騰や米国の金融引き締めの長期化を受けた高い政策金利が続くものの、政府支出の回復により、2023年第3四半期のGDP成長率は5.9%と第2四半期の4.3%から回復し、2023年第3四半期累計期間のGDP成長率は5.5%となっております。新型コロナウイルス感染症をきっかけとしたリモートワークによる新しい働き方などの社会の変化が続いており、通信回線を介してのコミュニケーションの重要性がさらに増大しております。社会を支える生活基盤としての通信回線の整備・拡充は、日本・フィリピンを始め世界中で急務となっており、今後とも積極的に事業の拡大を図ってまいります。

 当社グループでは、フィリピンとシンガポール・香港を結ぶ海底ケーブル(City-to-City Cable System、以下「C2C回線」)の使用権の一部及び各国の陸上回線から成る国際通信ネットワーク(以下「国際通信ネットワーク」)を取得して、キャリアズキャリア(通信事業者のための卸売業者)としてのポジションを確立し、拡大する通信需要に応えると共に、フィリピン国内基幹回線の拡充のため、フィリピン国内海底ケーブルの建設が2023年12月に完成し、フィリピン陸上回線の敷設を進めるなど、さらなる事業の拡大に努めております。

 日本においては、通信トラフィック需要が増加しているコールセンター事業者向けを中心に、ソフトウェア、通信回線及びコンサルテーションを顧客毎に最適化したサービスの提供が拡大しております。

 メディカル&ヘルスケア事業においては、2022年6月に設立したShinagawa Healthcare Solutions Corporationが、人間ドック・検診センター「Shinagawa Diagnostic & Preventive Care Center」を2023年4月に開院し、サービスの普及を図っております。

 以上の結果、当第3四半期連結累計期間における売上高は8,350百万円(前年同期比5.1%減)、営業利益は1,455百万円(同37.5%減)、経常利益は1,555百万円(同32.6%減)となり、親会社株主に帰属する四半期純利益は951百万円(同38.9%減)となりました。

 

 セグメント別の業績は、次のとおりであります。

 なお、第1四半期連結会計期間より、「国際通信事業」「フィリピン通信事業」「国内通信事業」「メディカル&ヘルスケア事業」および「その他」の区分について、事業の連携がこれまで以上に高まる「国際通信事業」「フィリピン通信事業」と事業進捗管理が同じ部門である「その他」の区分を「国際通信事業」区分に統合し、「国際通信事業」「国内通信事業」および「メディカル&ヘルスケア事業」に報告セグメントを変更しており、以下の前年同四半期比較については、前年同四半期の数値を変更後のセグメント区分に組み替えた数値で比較分析しております。

 

 

(国際通信事業)

 当第3四半期連結累計期間における国際通信事業は、引き続き当社グループが使用権を保有する国際通信ネットワークC2C回線の販売を強化し、ストック型ビジネスの拡大を図りました。また、InfiniVAN, Inc.の収益の柱であるマニラ首都圏での法人向けインターネット接続サービスの販売の強化を引き続き推進し、2023年9月末の顧客数も2023年6月末より114件増加し962件となっております。しかし、通信機器の販売などの計上がなされたものの、前年同期においては大口のC2C回線のIRU提供案件の入金により売上が計上されたことから、減収減益になっております。

 この結果、売上高は3,950百万円(前年同期比9.2%減)、セグメント利益は659百万円(同47.7%減)となりま

した。

(注) IRUとはIndefeasible Right of Useの略で、当事者間の合意がない限り破棄又は終了させることのできない長期的・安定的な通信回線使用権のこと。当社は、主に15年間などの長期のIRU契約を締結して国際通信回線使

用権を仕入れ、販売しております。

 

(国内通信事業)

 当第3四半期連結累計期間における国内通信事業は、当社が日本国内の販売代理権を持つ、インドのDrishti-soft Solutions Pvt. Ltd.が開発したコールセンターシステム「AmeyoJ」に、大手電気通信事業者が提供している着信課金サービス(フリーダイヤル)を大量に仕入れて、コールセンター事業者向けに秒単位で販売する秒課金サービスを組み合わせたコールセンター向けソリューションにおいて、前期に計上されていたコロナウイルス感染症関係のトラフィックが大きく減少したものの、新規顧客開拓の強化や、電話網のIP化(PSTNマイグレーション)に対応した通信機器の構築、システム開発およびサービスの提供を行ったことにより、増収増益となりました。

 この結果、売上高は、3,192百万円(前年同期比0.5%増)、セグメント利益は、663百万円(同6.1%増)となりました。

 

(メディカル&ヘルスケア事業)

 当第3四半期連結累計期間におけるメディカル&ヘルスケア事業では、SLACCにおいて、主力であるレーシックにおいて一部競争の激化や物価の上昇によるコスト増加の影響を受けました。

 また、Shinagawa Healthcare Solutions Corporationにおいて、画像診断など日本が得意とする技術を導入した高品質の人間ドック・検診センター「Shinagawa Diagnostic & Preventive Care Center」を2023年4月に開院いたしました。フィリピンにおいては予防医療の認知が低く、その重要性をフィリピンの方々に浸透させる必要があります。また、人間ドックの運営のためのCTスキャンやMRIなどの先行投資による減価償却費などの増加の影響を受けました。

 この結果、売上高は1,207百万円(前年同期比4.9%減)、セグメント利益は126百万円(同72.1%減)となりました。

 

(2)財政状態の分析

(資産の状況)

 当第3四半期連結会計期間末の流動資産は13,980百万円となり、前連結会計年度末に比べ290百万円減少いたしましたこれは主に現金及び預金が2,261百万円減少した一方、売掛金が816百万円、リース投資資産が285百万円、その他流動資産が908百万円それぞれ増加したことによるものでありますまた、固定資産は14,751百万円となり前連結会計年度末に比べ3,912百万円増加いたしましたこれは主に設備投資により有形固定資産が3,767百万円増加したことによるものであります

 この結果、資産合計は28,774百万円となり、前連結会計年度末に比べ3,645百万円増加しました。

 

(負債の状況)

 当第3四半期連結会計期間末の流動負債は11,547百万円となり、前連結会計年度末に比べ703百万円減少いたしました。これは主に、買掛金が1,034百万円減少したことによるものであります。また、固定負債は3,306百万円となり、前連結会計年度末に比べ2,292百万円増加いたしました。これは主に長期借入金が2,285百万円増えたことによるものであります

 この結果、負債合計は14,854百万円となり、前連結会計年度末に比べ1,588百万円増加しました。

 

(純資産の状況)

 当第3四半期連結会計期間末の非支配株主持分を含めた純資産は13,920百万円となり、前連結会計年度末に比べ2,056百万円増加いたしました。これは主に、為替換算調整勘定の増加1,249百万円及び親会社株主に帰属する四半期純利益を951百万円計上したことによるものであります

 この結果、自己資本比率は38.8%(前連結会計年度末は37.2%)となりました。

 

(3)経営方針・経営戦略等

 当第3四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。

 

(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

 当第3四半期連結累計期間において、優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題に重要な変更及び新たに生じた課題はありません。

 

(5)研究開発活動

 該当事項はありません。