売上高

利益

資産

キャッシュフロー

配当(単独)

ROE

EPS BPS




E34091 Japan GAAP


2【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間末日現在において判断したものであります。

 

(1)経営成績の状況

当第1四半期連結累計期間におけるわが国経済は、社会経済活動の正常化が進み、インバウンド需要の復調や雇用・所得環境の改善など、国内景気は緩やかな回復傾向が見られました。一方、世界的な地政学リスクの長期化に伴う資源価格の高騰及び円安進行による物価上昇や、金融政策の変動等の影響により、依然として先行きが不透明な状況が続いております。

当社が法人向けSMS配信事業を2010年に開始して以降、15年間にわたって日本で法人向けSMS配信市場を創造し、牽引してきたパイオニアとして、「コミュニケートするすべての人に、セキュアで最適なプラットフォームを提供する」というミッションの実現に取り組んでまいりました。その間に、グローバルIT企業や国内大手企業など様々な企業にご利用いただくことで、現在ではSMS最終利用企業数が5,000社を突破し、年間10億通規模のSMS配信できる基盤を構築できるまでに成長してまいりました。また2021年からグループ3社を加えたことで現在ではサービス利用企業数も10,000社を超える規模に成長し、同時に日本国内のみならず、中長期的には「アジアのアクリートたる」として海外、特にアジア地域で、日本での事業展開から培った知見や経験、事業ネットワーク・アライアンスを活用することでアジアという広大なマーケットでの事業拡大を推進することを目論んでおります。すでに事業展開に着手しているベトナムに加え、タイ、中国での具体的な事業展開の準備は進んでおり、当期中の事業立ち上げ、業務提携などを計画しております。

当社グループの主たる事業である国内メッセージングサービス事業のうち、SMS配信サービスの市場環境につきまして、国内SMS領域においては、SMS利用用途や顧客の拡大につながるソリューションを展開すべく、行動変容生成AI技術を用いたSMSの付加価値サービスの実現を目指したパートナーとの連携を進めております。国内におけるSMS市場は、通数に関しては引き続き成長を続けると予想されておりますが、競合他社参入による価格競争激化のため配信単価の下落傾向が続いております。また海外アグリゲーター経由の日本向けSMS配信においても同様で、コロナ禍以後に通信キャリアによるSMS市場への直接参入が始まったことで、シェア獲得のための価格面での競争が一層激化しております。事業環境にこうした大きな変化がもたらされたこともあり、価格競争に巻き込まれずに、顧客の取り込みを実現するべく施策や新たなサービスを鋭意開発中であります。

また、海外メッセージングサービス事業においては、当社は連結子会社VietGuysJ.S.C.(以下、「VGS社」という。)が事業展開するベトナムのSMS配信市場での一定のシェア維持、獲得を目指して、事業推進しておりますが、今後は従来とは異なる、新たな経営体制へ転換し、海外のSMS事業者等との業務提携、新たなサービスの導入等を進めることで引き続き事業拡大に取り組んでおります。

加えて、更なる成長を目指すために、SMSだけの事業展開からの脱却を図るため、SMS以外での事業領域においても事業展開しております。当社がSMSで培った強みでもある「認証」に焦点をあてた事業展開と、さらにGPUサーバやセンサー機器を含めた、多様なハードウェアと通信ネットワーク連携を図る「ハード・アンド/プラス・サービス」という新たな事業展開を推進しております。また、当社の今後の事業展開における新たなアイテムとして「AI」技術に由来するサービスの導入を計画しており、「AI」技術において優位性を持つ、海外企業との協業を模索しており、現在見直し、策定作業を行っている中期経営計画の修正において、お知らせ出来るように準備を行っております。

このような状況下で、当第1四半期連結累計期間の業績につきましては、売上高は1,297,395千円(前年同四半期比10.8%減)、営業利益は40,202千円(前年同四半期比78.6%減)となりました。経常利益は40,543千円(前年同四半期比77.5%減)となり、親会社株主に帰属する四半期純利益は31,443千円(前年同四半期比73.0%減)となりました。当第1四半期は、前年比こそマイナスではありますが、当社にて期首に設定した計画に対してはほぼ計画予算通りに推移しております。

現在、すでに公表させていただいている中期経営計画の策定時期である2022年8月とコロナ禍明けの2023年来の事業環境は大きく乖離したこともあり、2024年2月に中期経営計画(2024年12月期)の修正を公表するとともに、2024年3月29日開催の第10期定時株主総会で選出された新たな経営陣によって現在、2025年12月期の計画の見直しを進めておりますので、出来る限り早急にお知らせさせていただきます。また、2024年3月15日開示した「事業計画及び成長可能性に関する事項」についても更新開示いたします。

 

報告セグメントごとの業績は次のとおりであります。

①国内メッセージングサービス事業

国内メッセージングサービス事業は日本国内にて事業活動を行う当社及び国内子会社にて構成されております。当セグメントにおける、各サービスの概況は以下のとおりであります。

a.SMS配信サービス

当第1四半期連結累計期間において、国内SMS市場の配信数は引き続き増加傾向が続いておりますが、競合他社との価格競争による販売単価についても下落傾向が続いております。前四半期においては、一時的な特需によるSMS配信通数の増加がみられましたが、今期はその傾向は落ち着いたものの、前四半期の特需分を除いてもSMSによる通数・売上ともに増加しております。他方で海外SMSアグリゲーター経由でのSMS配信については、前連結会計年度において本格化したサービスへキャリア系大手企業の競合他社参入などによる影響のため、配信数及び販売単価について厳しい事業環境が続いておりますが、対前四半期では通数・売上ともに微減となり、2023年12月期の第2四半期以降に見られたようなペースでの売上・通数減少に歯止めがかかったと考えています。

そのような事業環境の中、当社は引き続き価格競争に巻き込まれずに事業拡大及び収益性の拡大を図るべく、昨年度来、声紋認証技術といった「認証」系の製品開拓・開発に取り組んできており、2024年度に販売開始を図るべく準備を重ねてきております。また、「ハード・アンド/プラス・サービス」という、新たな事業展開として、SMSに関連、派生する事業への展開や、SMSを応用、活用したサービス機器の開発などといった、新たな事業アライアンスの構築に取り組んでおり、実績としては当連結会計年度の第4四半期以降を見込んでおります。また、前述いたしましたように「AI」技術に由来するサービスの導入を計画しており、「AI」技術において優位性を持つ、海外企業との協業を模索しており、当期中の本格的な事業開始を目指しております。

b.メール配信サービス

子会社である株式会社テクノミックスにより、安心メールシステムとして、引き続き、学校・PTA・保護者間の連絡をスムーズに行うための手段として「学校安心メール」、住民と自治体間の防犯・防災危機管理緊急連絡システム「自治体安心メール」等を展開しております。従来、国内各地の展示会等に出展・協賛することにより新規顧客開拓、サービスの浸透に積極的に取り組んでまいりましたが、メール配信サービスの利用顧客は西日本エリアが中心であったため、当連結会計年度からは、当社及び販売代理店との連携強化により、東日本エリアへの営業活動を本格化することで顧客拡大に取り組んでおります。また、AI技術を応用した新たな教育ソフトの取り扱いも検討しており、テクノミックスの持つ営業インフラを活用する戦略による事業展開も計画しております。

この結果、当セグメントの売上高は909,847千円(前年同四半期比14.2%減)、セグメント利益は52,453千円(前年同四半期比70.8%減)となりました。

 

②海外メッセージングサービス事業

海外メッセージングサービス事業は、海外にて事業活動を行う海外子会社(以下、VGS社という)にて構成されております。VGS社が事業を展開しているベトナムを含めた東南アジアにおいては、メッセージ手段の多様化に伴い、メッセージングサービスのオムニチャネル化が日本よりも進んでいる状況であります。そのような状況の下、VGS社はCDP(Customer Data Platform)サービスを軸として、ベトナム国内におけるメッセージングサービスのオムニチャネル化を推進し、SMS以外のサービス拡充や他社との提携を推進することにより、事業拡大と収益率向上に取り組んでおります。

前四半期においては、特定顧客による季節的な販売促進展開によって売上が増加しましたが、当第1四半期では、季節的な販売促進展開が終了しています。また当第1四半期では、ベトナムの旧正月であるテト期間におけるSMS通数は減少していますが、ほぼ当初計画通りに推移しています。

この結果、当セグメントの売上高は387,548千円(前年同四半期比1.6%減)、セグメント損失は12,251千円(前年同四半期は8,060千円のセグメント利益)となりました。

 

(2)財政状態の状況

資産、負債、純資産別の財政状態は以下のとおりです。

(資産)

当第1四半期連結会計期間末の資産は、前連結会計年度末に比べて247,004千円減少し、3,964,355千円となりました。これは主に、その他流動資産が22,609千円増加した一方で、現金及び預金が172,047千円及び受取手形、売掛金及び契約資産が105,075千円減少によるものです。

(負債)

当第1四半期連結会計期間末の負債は、前連結会計年度末に比べて313,683千円減少し、1,750,812千円となりました。これは主に買掛金125,906千円及び長期借入金105,321千円、契約損失引当金50,616千円の減少によるものです。

(純資産)

当第1四半期連結会計期間末の純資産は、前連結会計年度末に比べて66,679千円増加し、2,213,542千円となりました。これは親会社株主に帰属する四半期純利益の計上による利益剰余金の増加31,443千円、新株予約権の権利行使に伴う資本金450千円及び資本剰余金450千円及び為替換算調整勘定25,678千円の増加によるものです。

 

(3)経営方針・経営戦略等

当第1四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。

 

(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

当第1四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更及び新たに生じた課題はありません。

 

(5)研究開発活動

該当事項はありません。