売上高

利益

資産

キャッシュフロー

配当(単独)

ROE

EPS BPS




E00880 Japan GAAP


2【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。

 

(1)財政状態及び経営成績の状況

 当第3四半期連結累計期間(2023年4月1日から2023年12月31日までの9ヵ月間)は、ウクライナ危機の長期化、米中の対立、中東情勢の緊迫化、原燃料価格の高止まり、世界的なインフレ継続と金融引締めに伴う影響もあり、世界経済の先行きは不透明な状況が続きました。国内においては、新型コロナウイルス感染症が日本国内における感染症法上の位置づけとして「5類感染症」に移行されたことを受けて、社会経済活動の正常化が進み、個人消費や設備投資、生産活動等に緩やかな回復傾向が見られました。

 当社グループを取り巻く事業環境は、国内の景気は緩やかに回復しているものの、中国経済停滞の長期化による下振れの影響が懸念される状況にありました。

 このような事業環境下、当社グループは当事業年度を初年度とする3ヵ年計画「2025中期経営計画」において、「実践と躍進」を基本方針として掲げ、課題である「市場の変化を捉えた事業拡大」「新製品・新技術開発の加速」「生産性の向上」「安全・安心の追求」「CSRの推進」に取り組み、新市場開拓と拡販ならびに生産コストの低減に努め、持続的成長に向けた経営努力を積み重ねてまいりました。

 これらの結果、当第3四半期の財政状態および経営成績は以下のとおりとなりました。

 

①財政状態

 資産は、前期末に比べ18,078百万円増加し、327,517百万円となりました。

 負債は、前期末に比べ261百万円増加し、69,697百万円となりました。

 純資産(非支配株主持分を含む)は前期末に比べ17,817百万円増加し、257,819百万円となりました。

 

②経営成績

 当第3四半期の売上高は、160,099百万円(前年同期比1.4%の増収)となりました。また、営業利益は、33,262百万円(前年同期比9.9%の増益)、経常利益は、35,733百万円(前年同期比9.9%の増益)、親会社株主に帰属する四半期純利益は、26,011百万円(前年同期比0.6%の増益)となりました。

 

 セグメント別の経営成績は、次のとおりであります。

 

 当会計年度より従来「ライフサイエンス事業」として表示していた報告セグメントの名称を「医薬・医療・健康事業」に変更しております。なお、主要製品の呼称につきましても「食用加工油脂」を「食用加工油脂・食品機能材」に、「機能食品関連製品(栄養食品、健康関連製品)」を「健康関連製品」に変更しております。

 また、連結子会社であるNOF EUROPE GmbHにつきましては、従来「機能化学品事業」に含めておりましたが、当該子会社の業務管理区分を見直し、「医薬・医療・健康事業」に含めて表示する方法に変更しております。

 なお、以下の前年同期比については、変更後の報告セグメントの区分に組み替えた数値で比較をしております。

 

(機能化学品事業)

 脂肪酸誘導体は、アジアにおける環境エネルギー関連の出荷が減少し、売上高は減少しました。

 界面活性剤は、トイレタリー関連の出荷が減少し、売上高は減少しました。

 エチレンオキサイド・プロピレンオキサイド誘導体は、海外向け需要が低調に推移し、売上高は減少しました。

 有機過酸化物は、アジアでの需要が堅調に推移し、売上高は増加しました。

 特殊防錆処理剤は、海外向け自動車関連の需要が堅調に推移し、売上高は増加しました。

 これらの結果、機能化学品事業の売上高は、99,027百万円(前年同期比2.7%減)、営業利益は、16,937百万円(前年同期比6.8%減)となりました。

 

(医薬・医療・健康事業)

 食用加工油脂・食品機能材は、製パン・製菓・加工食品向けの需要が落ち着いたものの原燃料価格高騰を受け販売価格を改定し、売上高は前年同期並みとなりました。

 健康関連製品は、健康食品向けの出荷が増加し、売上高は増加しました。

 

 生体適合性素材は、MPC(2-メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン)関連製品の出荷が減少し、売上高は減少しました。

 DDS(ドラッグ・デリバリー・システム:薬物送達システム)医薬用製剤原料は、欧米への出荷が好調で、売上高は増加しました。

 これらの結果、医薬・医療・健康事業の売上高は、41,675百万円(前年同期比9.2%増)、営業利益は、16,927百万円(前年同期比23.6%増)となりました。

 

(化薬事業)

 産業用爆薬類は、売上高は増加しました。

 宇宙関連製品は、ロケット向け製品の出荷が増え、売上高は増加しました。

 防衛関連製品は、売上高は増加しました。

 機能製品は、売上高は前年同期並みとなりました。

 これらの結果、化薬事業の売上高は、18,942百万円(前年同期比8.5%増)、営業利益は、1,261百万円(前年同期は営業損失125百万円)となりました。

 

(その他の事業)

 その他の事業は、運送事業および不動産事業から構成されております。その売上高は、452百万円(前年同期比13.5%増)、営業利益は、184百万円(前年同期比10.0%減)となりました。

 

(2)経営方針・経営戦略等

 当第3四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について、重要な変更はありません。

 

(3)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

 当第3四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上および財務上の課題について、重要な変更はありません。

 

(4)研究開発活動

 当第3四半期連結累計期間におけるグループ全体の研究開発活動の金額は、5,307百万円であります。

 なお、当第3四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。

 

(5)従業員数

 当第3四半期連結累計期間において、当社グループの従業員数に著しい増減はありません。

 

(6)生産、受注及び販売の実績

 当第3四半期連結累計期間において、当社グループの生産、受注及び販売の実績に著しい変動はありません。

 

(7)主要な設備

 当第3四半期連結累計期間において、当社グループの主要な設備、設備計画に著しい変動はありません。

 

(8)資本の財源及び資金の流動性についての分析

 当社グループは現在、運転資金および設備資金につきましては、内部資金または借入により資金調達することとしております。このうち、借入による資金調達に関しましては、運転資金については期限が1年以内の短期借入金で、銀行等からの借入金および海外子会社の現地での借入金から構成されております。これに対して、生産設備などの長期資金は原則として固定金利の長期借入金で調達しております。

 当社グループは、その健全な財務状態、営業活動によるキャッシュ・フローを生み出す能力および借入により、当社グループの成長を維持するために将来必要な運転資金および設備投資資金を調達することが可能と考えております。