売上高

利益

資産

キャッシュフロー

配当(単独)

ROE

EPS BPS




E01020 Japan GAAP


2 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1) 財政状態及び経営成績の状況

当第3四半期連結累計期間における世界経済は、欧米でのインフレ制御を目的とした金融政策や、長期化するウクライナ情勢、中国での不動産市況の低迷などにより、景気回復ペースが鈍化し不透明な状況が続きました。

日本経済は、インバウンド需要の増加や部材不足の緩和により、企業の生産活動や設備投資、個人消費などの回復を受け、景気の持ち直しの動きが継続したものの、原材料やエネルギー価格をはじめとした物価の上昇や海外需要の鈍化が経済活動に影響を及ぼしました。

このような環境下、当社グループの海外事業は、欧州の粘接着剤用樹脂が低迷した他、中国の紙、板紙の生産量減少の影響を受け、売上高は前年同四半期に比べ減少しました。利益面は、エネルギー価格高騰などによる製造原価の上昇により、前年同四半期に比べ減少しました。

国内事業は、市場価格が上昇したこともあり、売上高は前年同四半期並となりましたが、利益面では製造原価の上昇により、前年同四半期に比べ減少しました。

その結果、当社グループの当第3四半期連結累計期間の連結業績は、売上高は696億6百万円となり、前年同四半期に比べ22億1千3百万円(△3.1%)の減収となりました。

利益面では、エネルギー価格高騰などによる製造原価上昇もあり、営業損失は1億9千3百万円(前年同四半期は営業利益24億7千7百万円)となりました。経常利益は1億9千4百万円となり、前年同四半期に比べ32億1千8百万円(△94.3%)の減益となりました。親会社株主に帰属する四半期純損失は1億8百万円(前年同四半期は親会社株主に帰属する四半期純利益19億8千4百万円)となりました。

当社グループの部門別経営成績の概況は次の通りであります。

 

(樹脂化成品)

 売上高は、市場価格が上昇したことにより162億4千1百万円と、前年同四半期に比べ19億5千万円(13.6%)の増収となりました。営業利益は、1億7千1百万円となり、前年同四半期に比べ1億3千7百万円(402.4%)の増益となりました。

・塗料用樹脂は、一般家庭や工場など建築用塗料の需要が堅調に推移し、原材料価格高騰分を販売価格へ転嫁できたこともあり、売上高は前年同四半期に比べ増収となりました。

・印刷インキ用樹脂は、商業用印刷や新聞などに使用されるインキ市場縮小が継続しましたが、原材料価格高騰分を販売価格へ転嫁できたことから、売上高は前年同四半期に比べ増収となりました。

・合成ゴム用乳化剤は、合成ゴムの生産量減少に伴い販売数量は減少しましたが、原材料価格高騰分を販売価格へ転嫁できたことから、売上高は前年同四半期に比べ増収となりました。

 

(製紙用薬品)

 売上高は、180億7千6百万円と前年同四半期に比べ8億6千4百万円(△4.6%)の減収となりました。営業利益は、原燃料価格など製造原価上昇の影響を受け11億8百万円となり、前年同四半期に比べ2億2百万円△15.4%)の減益となりました。

・紙力増強剤は、国内では段ボール原紙の需要が減少しました。中国では競合他社との価格競争などにより、販売数量が減少したため、売上高は前年同四半期に比べ減収となりました。

・サイズ剤は、紙・板紙の生産量が減少したことにより、国内、米国ともに販売数量が減少しましたが、米国で原材料価格高騰分を販売価格へ転嫁できたことから、売上高は前年同四半期並となりました。

 

 

 

(電子材料)

 売上高は、はんだ材料事業の買収による事業拡大で87億3千2百万円となり、前年同四半期に比べ21億1千6百万円(32.0%)の増収となりました。営業利益は4億1千3百万円となり、前年同四半期に比べ2億1千万円(103.8%)の増益となりました。

・はんだ付け材料は、事業買収により海外事業が拡大しました。また、自動車生産台数の増加に伴い、売上高は前年同四半期に比べ増収となりました。

・熱交換器用ろう付け材料は、自動車生産台数の増加に伴い、売上高は前年同四半期に比べ増収となりました。

・半導体用機能性樹脂は、半導体需要が回復傾向にあるものの、パソコン、スマートフォンの市況回復遅れにより、売上高は前年同四半期に比べ減収となりました。

 

(ローター)

 売上高は、欧州での需要低迷の影響もあり237億2千3百万円と、前年同四半期に比べ66億4千4百万円△21.9%)の減収となりました。営業利益は、エネルギー価格の高騰や世界的なインフレの影響で製造原価が上昇したことにより13億7千8百万円の営業損失(前年同四半期は営業利益17億1千4百万円)となりました。

・粘接着剤用樹脂分野は、顧客の在庫調整による需要減少は底打ちの傾向が見られたものの、特に欧州の需要が低調に推移しました。また、路面標示塗料用樹脂や合成ゴム用乳化剤の需要も低迷したことから売上高は前年同四半期に比べ減収となりました。

・印刷インキ用樹脂分野は、物価上昇に伴う消費材の需要が低調となり、新聞や商業印刷などの出版用インキの出荷が落ちこみました。また、需要減少に伴う競合他社との価格競争などが原因で、欧州、北米、アジアでの販売数量が減少したため、売上高は前年同四半期に比べ減収となりました。

 

 

 当第3四半期連結会計期間末における総資産は前期末に比べ139億6千4百万円増加し、1,064億3百万円となりました。

 増減の主な内容は以下の通りです。

(流動資産)受取手形及び売掛金が30億7千9百万円増加し、原材料及び貯蔵品が37億4千1百万円増加しておりま

            す。
(固定資産)機械装置及び運搬具が14億8千4百万円増加し、投資有価証券が7億6千2百万円増加しております。
(流動負債)支払手形及び買掛金が20億9千6百万円、短期借入金が152億9千8百万円それぞれ増加し、1年内返済

      予定の長期借入金が57億6千5百万円減少しております。

(純資産)為替換算調整勘定が21億5千2百万円増加したことにより純資産は増加しましたが、総資産も増加したこ

     とで、自己資本比率は36.1%となりました。

 

(2) 事業上及び財務上の対処すべき課題

 当第3四半期連結累計期間において、当社グループの事業上及び財務上の対処すべき課題に重要な変更及び新たに生じた課題はありません。

 

(3) 研究開発活動

 当第3四半期連結累計期間の研究開発費の総額は21億4千3百万円であります。なお、当第3四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。