売上高

利益

資産

キャッシュフロー

配当(単独)

ROE

EPS BPS




E34587 Japan GAAP


2 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1) 財政状態及び経営成績の状況

当第3四半期連結累計期間における我が国の経済は、雇用・所得環境が改善するなかで、各種政策の効果もあり、緩やかな回復基調で推移しました。一方で、世界的な金融引き締めや中国経済の先行き懸念など海外景気の下振れによる影響や、物価上昇や金融資本市場の変動等の影響には十分に注意する必要があります。

このような経済環境の中、当社グループは2024年3月期を第二創業期と位置づけグループミッション「どこにもないふつう」の実現を加速させる施策を取って来ております。従来では、システム請負、リノベーション請負の様な単発型ビジネス(フロー型ビジネス)が中心でしたが、各セグメントでストック型ビジネスの強化に向けて着手しております。ストック型ビジネスのポイントは、ビジネスのモデル、オペレーションを標準化・共通化することで顧客に受入れられるソリューション&サービスを創造することにより、顧客への提供コスト(売上原価)を「一定」以下に抑えることで得られる利益率が上がるモデルとなっており、今期より2年程度は投資が売上を上回る予定で投資先行型になっております。ストック型を目指す新規ビジネスは、ITセグメントでは「Redxサービスビジネス」、暮らしセグメントでは「運営サービスビジネス」となります。

当第3四半期連結累計期間におきまして、ITセグメントでは、標準化を推進するため新たに組織強化を行いました。Redxの方向性としては、今後業務SW(ソフトウェア)の標準化・共通化を継続して行うことで、カスタマイズの必要性を実質“0(ゼロ)”にし導入コストの従来比半減化を実現します。このことでリテール(小売業界)向けフロントシステムの共通基盤を目指します。一方、暮らしセグメントでは、当領域でgoodroom residence(レジデンス)として「学芸大学」、「保土ケ谷」、及び「調布国領(2024年春予定)」をオープンさせ、今後不動産取得、サブリース、投資小口化等の手段を通じて施設数を拡大し運営サービスビジネスのストック化を図る予定です。

以上の結果、当第3四半期連結累計期間における売上高は前年同期を上回りましたが、営業利益、経常利益及び親会社株主に帰属する四半期純利益におきましては、前年同期を下回る結果となっております。

 

 

前第3四半期

連結累計期間

(百万円)

当第3四半期

連結累計期間

(百万円)

増減

(百万円)

増減率

(%)

売上高

4,635

4,884

249

5.4

営業利益

419

220

△199

△47.5

経常利益

421

217

△203

△48.3

親会社株主に帰属する

四半期純利益

279

134

△144

△51.9

 

 

セグメント別の概況

当社グループの報告セグメントは「ITセグメント」、「暮らしセグメント」の2つのセグメントとなっております。

ITセグメントは、上述の通り強化するビジネスを明確にするため、ビジネスセグメントの変更を行いました。

従来の「金融ビジネス」、「流通小売ビジネス」、「サービスビジネス」の構成から、サービスビジネスのシステム保守とソフトウェア・ハードウェアの販売・導入等を金融ビジネスと流通小売ビジネスに振り分けた上、新たにRedxサービスビジネスを新設し「金融ビジネス」、「流通小売ビジネス」、「Redxサービスビジネス」の構成に変更しております。

金融ビジネスにおきまして、主力である金融機関におけるインターネットを中心とした決済システム(EC決済、カード決済等)の開発支援及び運用保守を継続して行っております。大規模なシステム改修の周期(3年~4年程度)のピークを超えてきており、売上は前年同期比10.3%減となりました。

流通小売ビジネスにおきまして、既存顧客に向けたシステム保守に関連したシステム改修を実施し、この中より既存POSをセルフ化、既存POSと新しいクラウドサービスの連携等新しいシステム開発の受注につながりましたが、Redxサービスビジネス強化にリソースを振り向けた為、売上は前年同期比15.6%減となりました。

Redxサービスビジネスにおきまして、第1四半期連結会計期間に株式会社ロフトに向けて本格導入を開始(注1)したRedxクラウドPOSの全国各店舗への導入を継続して進めております。合わせてRedxのコンセプトの徹底を図るため先行投資として標準化開発を進めております。一方、当第3四半期連結累計期間に受注した複数顧客へのRedxの標準化適用の進行、業務標準化の質的向上、拡大に合わせたプラグインモジュールの組合せで可能となるRedxサービスの業態の拡大を進めております。Redxのコンセプトの顧客層への浸透が始まり、引合いが増えて来ております(今期5社程度の受注)。その結果、売上は前年同期比116.1%増となりました。今後標準化、共通化を進めることでCX(注2)マーケティングを強化して参ります。

以上の結果、当第3四半期連結累計期間における売上高は前年同期を上回りましたが、「Redxサービスビジネス」への先行投資があり、セグメント利益は前年同期を下回る結果となっております。

(注1)「『Redx(リデックス)クラウドPOS』初導入、ロフト店舗へ」(2023年5月18日公表)をご参照ください。

(注2)「CX(カスタマーエクスペリエンス)」は、商品やサービスの機能・性能・価格といった「合理的価値」だけでなく、購入するまでの過程・使用する過程・購入後のフォローアップ等の過程における経験である「顧客経験価値」、「顧客体験価値」の訴求を重視するものです。

 

ITセグメント

前第3四半期

連結累計期間

(百万円)

当第3四半期

連結累計期間

(百万円)

増減

(百万円)

増減率

(%)

売上高

2,379

2,776

397

16.7

セグメント利益

285

257

△28

△9.8

 

 

(暮らしセグメント)

暮らしセグメントについても、上述の通り強化するビジネスを明確にするためビジネスセグメントの変更を行いました。

従来の「リノベーションビジネス」、「賃貸(仲介、メディア)ビジネス」、「運営ビジネス」の構成から、仲介ビジネスをリノベーションビジネスへ取込み、メディアビジネスと運営ビジネスを一体化することで、「リノベーションビジネス」、「運営サービスビジネス」の構成に変更しております。

リノベーションビジネスにおきまして、受注先が従来の管理会社経由から、ファンド等の法人顧客、運営につながる遊休不動産の活用を求める事業会社等に広がっております。従来の通常案件(法人顧客以外の案件)については順調に推移しておりますが、大型案件の受注と完成見込みが繁忙期である第4四半期連結会計期間に偏ったことで、売上は前年同期比18.8%減となりました。また、今後の事業拡大に向けた施工体制の強化も継続して進めております。

運営サービスビジネスにおきまして、新しい暮らし方の実現に向けて運営施設の増設を進めております。当第3四半期連結累計期間にgoodroom residence「学芸大学」(全29戸)、「保土ヶ谷」(全55戸)を開設しており高い稼働率にて順調に推移しております。また、goodroom residenceでは過去最大規模となる「調布国領」(全70戸)の開設を2024年春に予定しております。強みである工事中の申込みも順調に進捗しており、入居希望者に対し2024年2月より段階的に入居を進めております。一方、新しい暮らし方と働き方の連携を図ることを目的としてgoodoffice(シェアオフィス、ワークラウンジ等)においても「学芸大学」、「汐留」、「保土ケ谷」、「東陽町」を開設しております。運営施設の増加及び好調な稼働率により、売上は前年同期比24.1%増となりました。

以上のようなリノベーションビジネスの大型案件の受注の偏り、運営サービスビジネスのgoodroom residence及びgoodoffice(シェアオフィス、ワークラウンジ等)の運営施設の開設等への投資により、当第3四半期連結累計期間の売上高及びセグメント利益は前年同期を下回る結果となっております。

 

暮らしセグメント

前第3四半期

連結累計期間

(百万円)

当第3四半期

連結累計期間

(百万円)

増減

(百万円)

増減率

(%)

売上高

2,255

2,107

△147

△6.6

セグメント利益

88

△62

△151

△171.2

 

 

  また、当第3四半期連結会計期間における財政状態の概況は次のとおりであります。

 

(資産)

当第3四半期連結会計期間末における総資産は3,751百万円となり、前連結会計年度末に比べ146百万円減少いたしました。これは主に投資その他の資産に含まれる投資有価証券が148百万円増加、有形固定資産に含まれる建物及び構築物が67百万円増加、未収還付法人税等が37百万円増加、未成工事支出金が35百万円増加、受取手形、売掛金及び契約資産が34百万円増加した一方で、現預金が515百万円減少したことなどによるものであります。

 

(負債)

当第3四半期連結会計期間末における負債は1,212百万円となり、前連結会計年度末に比べ264百万円減少いたしました。これは主に契約負債が113百万円増加した一方で、1年内返済予定の長期借入金が198百万円減少、未払法人税等が114百万円減少、未払金が78百万円減少したことなどによるものであります。

 

(純資産)

当第3四半期連結会計期間末における純資産は2,538百万円となり、前連結会計年度末に比べ117百万円増加いたしました。これは主に当第3四半期連結累計期間における親会社株主に帰属する四半期純利益によって利益剰余金が134百万円増加した一方で、配当金の支払により利益剰余金が16百万円減少したことなどによるものであります。

 

(2) 会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

前事業年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定の記載について重要な変更はありません。

 

(3) 経営方針・経営戦略等

当第3四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針、経営戦略等について重要な変更はありません。

 

(4) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

当第3四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。

 

(5) 研究開発活動

当第3四半期連結累計期間の研究開発費はありません。

なお、当第3四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。