売上高

利益

資産

キャッシュフロー

配当(単独)

ROE

EPS BPS




E34739 Japan GAAP


2【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 文中の将来に関する事項は、当第2四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。

 

(1)経営成績の状況の分析

当第2四半期連結累計期間における我が国の経済は、感染症による影響も弱まり、経済活動の正常化やインバウンドの回復、所得・雇用環境の改善などにより持ち直しの動きが見られました。一方で、ウクライナ・中東地域をめぐる情勢や米中関係の地政学的リスク、主要各国での金融引き締めによる金利上昇等により、資源・エネルギー価格の高騰や円安基調の為替変動、物価上昇などの影響が見られ、引き続き先行きには十分に注意する必要があります。

当社グループを取り巻く環境においては、引き続き開発依頼は高い需要を維持しております。産業分野では自動車や産業機器製造業向けの売上が大きく伸びております。技術分野ではシミュレータ・仮想空間技術の売上が落ち込んだものの、主力であります組込みソフトウェアをはじめ、セキュリティ及びセーフティの技術分野が好調に推移しました。さらに、当第2四半期連結会計期間においてイーガー社を新たに連結子会社とした影響もあり、売上高は前年同期比増収となりました。

 営業利益においては、売上高が前年同期比増収となったものの、増収に向けて外部リソース活用割合を増加させている他、給与水準の引き上げ、設立や株式取得による子会社の増加、新規事業の推進、事業の拡大、営業活動の強化などに向けた人員の増強や拠点の整備、コロナ関連の制限緩和による出張経費の増加、人材確保に向けた採用関連コストの増加等により売上総利益率の低下と販管費が増加した結果、前年同期比減益となりました。

 経常利益及び親会社株主に帰属する四半期純利益においては、営業利益の減少に加え、Go-Tech事業(成長型中小企業等研究開発支援事業)に係る補助金収入及び助成金収入等が減少した結果、前年同期比減益となりました。

 

 この結果、当第2四半期連結累計期間の経営成績は、売上高1,487,572千円(前年同期比16.5%増)、営業利益124,824千円(同21.8%減)、経常利益138,225千円(同23.0%減)、親会社株主に帰属する四半期純利益85,917千円(同32.0%減)となりました。

 

 セグメント別の経営成績は、次のとおりであります。

 なお、前年同期比増減率が1,000%以上となる場合は、前年同期比増減率の記載に代えて、前年同期額を記載しております。

 

1. ソフトウェア開発事業

 当セグメントは、自動車・産業製品向けの制御ソフトウェアの受託、自動車関連のシミュレーション及びモデルベース開発技術の提案・開発・提供、近年の電子機器装置の安全性を担保するために必要なコンサルティング・安全性分析支援などを行っております。なお、連結子会社である株式会社スクデット・ソフトウェア及び当第2四半期連結会計期間に株式取得し、新たに連結子会社としたイーガー社は当セグメントに含めております。

 経営成績の状況といたしましては、シミュレータ・仮想空間の技術分野の売上が落ち込んだものの、主力であります組込みソフトウェアの技術分野が好調であり、自動車向け及び産業機器製造業向けの売上が好調に推移し、売上高は前年同期比増収となりました。

 一方で、増収に向けて外部リソースの活用割合を増加させている他、給与水準の引き上げなどにより粗利率の低下があり、営業利益は減益となりました。

 この結果、売上高は1,339,292千円(前年同期比10.8%増)、セグメント利益(営業利益)は329,861千円(同12.0%減)となりました。

 

2. サービスデザイン事業

 当セグメントにおいては、組込みシステム開発を通じて獲得した中核技術のノウハウを積極活用した新たな 商品及びサービスの提供などを行っております。なお、連結子会社である株式会社イマジナリー及び第1四半期連結会計期間に新たに設立した子会社であるクリスタライト社は当セグメントに含めております。

 経営成績の状況といたしましては、事業の開始から間もなく、また、サービス事業創出のための投資を行っている段階でありますが、製造業DXであるデジタルツインなどの提供や自律製品の安全性に関する支援サービスなどにより、シミュレータ・仮想空間やセキュリティ及びセーフティの技術分野で自動車産業や産業機器製造業向けの売上が増加し、売上高及び営業利益は前年同期比増収増益となりました。

 この結果、売上高は123,927千円(前年同期比249.5%増)、セグメント利益(営業利益)は25,909千円(前年同期は356千円)となりました。

 

3. その他

 当セグメントにおいては、株式会社アトリエ、株式会社ヴィッツ沖縄が含まれております。

 経営成績の状況としましては、組込みソフトウェア、セキュリティ及びセーフティの技術分野で自動車産業や産業機器製造業向けの売上が好調に推移したため、売上高及び営業利益は前年同期比増収増益となりました。

 この結果、売上高は146,780千円(前年同期比29.9%増)、セグメント利益(営業利益)は31,935千円(同13.9%増)となりました。

 

(2)財政状態の分析

(資産)

 流動資産は、2,071,421千円(前期末比8.2%減)となりました。主な内訳は、現金及び預金1,620,768千円(同15.5%減)、受取手形、売掛金及び契約資産267,465千円(同48.9%増)、仕掛品107,404千円(同5.8%増)であります。

 固定資産は、989,485千円(前期末比48.5%増)となりました。主な内訳は、投資有価証券301,372千円(同49.5%増)、保険積立金171,814千円(同8.2%増)、のれん154,248千円(同78.0%増)、有形固定資産42,147千円(同0.1%増)であります。

 この結果、当第2四半期連結会計期間末における総資産は、3,060,907千円(同4.7%増)となりました。

 

(負債)

 流動負債は、412,244千円(前期末比17.5%増)となりました。主な内訳は、賞与引当金132,685千円(同0.2%減)、未払法人税等58,228千円(同86.0%増)、買掛金57,721千円(同28.6%増)、資産除去債務30,870千円(前期末該当なし)であります。

 固定負債は、275,621千円(前期末比5.8%増)となりました。主な内訳は、退職給付に係る負債180,651千円(同9.1%増)、長期未払金91,495千円(前期末同額)であります。

 この結果、当第2四半期連結会計期間末における負債合計は、687,866千円(前期末比12.5%増)となりました。

 

(純資産)

 当第2四半期連結会計期間末における純資産は、2,373,040千円(前期末比2.6%増)となりました。主な内訳は、資本金612,524千円(前期末同額)、資本剰余金547,013千円(前期末比0.0%減)、利益剰余金1,264,281千円(同4.2%増)であります。

 

(3)キャッシュ・フローの状況の分析

 当第2四半期連結会計期間末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、1,120,768千円(前年同期比286,275千円減)となりました。

 当第2四半期連結累計期間における各キャッシュ・フローの状況とそれらの主な要因は次のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 営業活動の結果増加した資金は38,942千円(前年同期は105,039千円の収入)となりました。この主な要因は、税金等調整前四半期純利益の計上138,225千円、減価償却費15,389千円等による資金の増加があったものの、売上債権及び契約資産の増加額65,146千円、法人税等の支払額20,836千円、賞与引当金の減少額11,012千円等による資金の減少があったことによるものであります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 投資活動の結果減少した資金は61,185千円(前年同期は227,996千円の支出)となりました。この主な要因は、定期預金の純減額119,629千円等による資金の増加があったものの、投資有価証券の取得による支出100,000千円、差入保証金の差入による支出83,184千円、無形固定資産の取得による支出26,654千円、保険積立金の積立による支出9,311千円等による資金の減少があったことによるものであります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 財務活動の結果減少した資金は175,599千円(前年同期は128,794千円の支出)となりました。この主な要因は、非支配株主からの払込みによる収入9,000千円等の資金の増加があったものの、長期借入金の返済による支出138,760千円、配当金の支払額32,632千円、自己株式の取得による支出13,566千円等による資金の減少があったことによるものであります。

 

(4)会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

 前事業年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定の記載について重要な変更はありません。

 

(5)経営方針・経営戦略等

 当第2四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。

 

(6)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

 当第2四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。

 

(7)従業員数

 当第2四半期連結累計期間において、2023年12月1日付イーガー社の全株式を取得して連結子会社としたことに伴い、当社グループの従業員数が増加いたしました。これにより、報告セグメントの「ソフトウェア開発事業」において従業員数が19名増加しております。

 なお、従業員数は就業人数(当社グループからグループ外への出向者を除き、グループ外から当社グループへの出向者を含む。)であり、上記には臨時従業員数は含んでおりません。

 

(8)研究開発活動

 当第2四半期連結累計期間におけるグループ全体の研究開発活動の金額は、37,118千円であります。

なお、当第2四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。

 

(9)経営成績に重要な影響を与える要因

 当第2四半期連結累計期間において、当社グループが認識している経営成績に重要な影響を与える要因について重要な変更はありません。

 

(10)資本の財源及び資金の流動性についての分析

当第2四半期連結会計期間末における資金の残高は1,120,768千円(前期末1,318,611千円)となり、当面事業を継続していく上で十分な流動性を確保しております。また、当社の経営戦略の1つである“次世代事業の創生”のための研究開発資金を十分に確保できているものと認識しております。

 また、当社グループは、事業上必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としており、主に営業活動によるキャッシュ・フローを資金の源泉としております。