売上高

利益

資産

キャッシュフロー

配当

ROE 自己資本利益率

EPS BPS




E34960 Japan GAAP


2【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中の将来に関する事項は、当中間連結会計期間の末日現在において判断したものです。

 

(1)経営成績に関する説明

当社グループは、「出会いからイノベーションを生み出す」というミッションの下、「ビジネスインフラになる」というビジョンを掲げています。この実現に向け、クラウドソフトウエアにテクノロジーと人力オペレーションを組み合わせ、名刺、請求書、契約書といった企業活動の中で発生する非定型かつアナログな情報を高精度にデータ化し、業務プロセスの効率化や高度なデータ活用を可能とする、働き方を変える各種のAXサービスを提供しています。

 

AI活用が進展する中、生成AIを活用して大きな価値を創出するには、企業固有の活動に紐づく構造化・正規化されたデータが重要となります。これまで当社グループでは、事業領域をDX(デジタルトランスフォーメーション)として定義してきましたが、AI活用を前提に、業務プロセスやデータの在り方そのものを進化させる価値をより明確に示すため、事業領域をAX(AIトランスフォーメーション)として再定義しました。これにより、生産性の向上に留まらず、AI活用を継続的に支えるデータインフラとしての価値を提供していきます。

 

市場環境としては、AI関連投資が世界的に拡大する中、AIを活用したグローバルでの業務改革市場は、2024年の約50.2兆円から2029年には約199.2兆円の規模に達する見通しとされています(注1)。日本国内においても、AIによる業務プロセスの効率化や高度化に向けた企業の需要が高まっており、AIシステム市場は2024年の1.3兆円から2029年には4.1兆円規模へ拡大すると予測されています(注2)。

 

このような環境の下、ビジネスデータベース「Sansan」は、法人向け名刺管理サービス市場において85.8%のシェア(注3)を有しており、同市場は2013年から2024年の間で約21倍に拡大しています。また、経理AXサービス「Bill One」は、クラウド請求書受領サービス市場においてNo.1の売上高シェア(注4)を獲得しています。同市場は、インボイス制度や電子帳簿保存法の法改正対応需要が一巡した2024年度においても、前年比52.4%増と引き続き高い成長を示しました。

 

 当中間連結会計期間の経営成績は以下の通りです。

 

 

 

(単位:百万円)

 

前中間

連結会計期間

当中間

連結会計期間

前年同期比

 

 

 

 

売上高

20,058

25,381

+26.5%

売上総利益

17,341

22,348

+28.9%

調整後営業利益(注5)

828

3,024

+265.2%

経常利益

139

2,885

+1,974.6%

親会社株主に帰属する中間純利益

320

1,959

+512.4%

 

当中間連結会計期間においては、堅調な受注状況を背景に、さらなる売上高成長の実現に向け、「Sansan」「Bill One」「Contract One」において、テレビCMの放映を中心としたマーケティング施策のほか、営業体制の強化や機能開発を推進しました。また、Eight事業においては、収益性に焦点を当てた事業方針の下、さらなる収益拡大に取り組みました。

 

以上の結果、当中間連結会計期間における売上高は前年同期比26.5%増、売上総利益は前年同期比28.9%増、売上総利益率は88.0%(前年同期比1.5ポイント増)となり、堅調な実績となりました。調整後営業利益は売上高成長や売上総利益率の改善に加え、人件費率が前年同期比で低下したことや、前年同期に発生した本社移転関連費用がなくなったことにより、前年同期比265.2%の大幅な増益となりました。これらに加え、前年同期比で株式報酬関連費用が減少したこと等により、経常利益は前年同期比1,974.6%増、親会社株主に帰属する中間純利益は前年同期期512.4%増と大幅な増益となりました。

 

(注)1.「Artificial Intelligence (AI) In Digital Transformation Global Market Report 2025」(The Business Research Company)より試算 ※2025年11月末のレートに基づき、1ドルを156.15円にて換算

   2.国内AIシステム市場予測(IDC Japan調査)

   3.「営業支援DXにおける名刺管理サービスの最新動向2026」(2026年1月 シード・プランニング調査)

 

   4. デロイト トーマツ ミック経済研究所「高成長が続くクラウド請求書受領サービス市場」 (ミックITリポート2025年12月号)

   5.調整後営業利益:営業利益+株式報酬関連費用+企業結合に伴い生じた費用(のれん償却額及び無形固定資産の償却費)

 

 セグメント別の業績は以下の通りです。

 

①Sansan/Bill One事業

当事業セグメントは、ビジネスデータベース「Sansan」、経理AXサービス「Bill One」、取引管理サービス「Contract One」等のサービスで構成されています。

当中間連結会計期間におけるSansan/Bill One事業の成績は以下の通りです。

 

 

 

(単位:百万円)

 

前中間

連結会計期間

当中間

連結会計期間

前年同期比

 

 

 

 

売上高(注6)

17,743

22,371

+26.1%

「Sansan」

12,748

15,181

+19.1%

「Sansan」ストック

12,059

14,151

+17.3%

「Sansan」その他(注7)

689

1,029

+49.4%

「Bill One」

4,456

6,295

+41.3%

その他

538

882

+63.8%

調整後営業利益

996

2,968

+197.7%

 

 

 

 

「Sansan」

 

 

 

契約件数

10,205件

11,435件

+12.1%

契約当たり月次ストック売上高

202千円

211千円

+4.5%

直近12か月平均月次解約率(注8)

0.39%

0.53%

+0.14pt

「Bill One」

 

 

 

MRR(注9)

779

1,069

+37.3%

有料契約件数

3,310件

4,599件

+38.9%

有料契約当たり月次ストック売上高

235千円

232千円

△1.3%

直近12か月平均月次解約率(注10)

0.33%

0.35%

+0.02pt

 

(注)6. 外部顧客への売上高及びセグメント間の内部売上高または振替高の合計値

   7. 初期費用等、ストック以外で発生する一時的な売上高

   8. サービスの既存契約のMRRに占める、解約に伴い減少したMRRの割合

   9. Monthly Recurring Revenue(月次固定収入)

   10. サービスの既存契約のMRRに占める、解約に伴い減少したMRRの割合。算出範囲に「Bill One経費」

        「Bill One債権管理」を含めており、前中間連結会計期間の実績にも遡及して反映。

 

a.「Sansan」

「Sansan」は、「名刺管理から、収益を最大化する」をコンセプトに、企業が有するさまざまな接点情報と企業情報とを組み合わせることでユーザーならではの独自のデータベースを構築し、そのデータ活用を促進することで、企業の売上拡大とコスト削減に寄与するサービスです。

当中間連結会計期間においては、主に人材育成による営業体制の強化に取り組んだこと等により、契約件数は前年同期比12.1%増、契約当たり月次ストック売上高は前年同期比4.5%増となりました。また、直近12か月平均月次解約率は0.53%(前年同期比0.14ポイント増)となり、1%未満の低水準を維持しました。

この結果、「Sansan」売上高は前年同期比26.1%増、うち、固定収入であるストック売上高は前年同期比19.1%増、その他売上高は前年同期比49.4%増となりました。

 

b.「Bill One」

「Bill One」は、「『なくせる』をつくり、全社の働き方を変える」をコンセプトに、請求書や経費精算、債権管理といった証憑を伴う全社的な業務プロセスを効率化し、月次決算を加速させ、組織全体の生産性向上に寄与するサービスです。

 当中間連結会計期間においては、営業体制の強化や販売手法の多様化を進めたことで、有料契約件数は前年同期比38.9%増となり、高成長が継続しました。有料契約当たり月次ストック売上高は小規模の顧客獲得が進んだことから前年同期比1.3%減となったものの、高水準を維持しました。また、直近12か月平均月次解約率は0.35%(前年同期比0.02ポイント増)となり、1%未満の低水準を維持しました。

 この結果、「Bill One」の売上高は前年同期比41.3%増となりました。

 

c.その他

その他には、取引管理サービス「Contract One」とグループ会社のナインアウト株式会社の業績が計上されています。「Contract One」は、紙やPDF、電子契約等のあらゆる形式の契約書を正確にデータ化し、全社での一元管理を可能とするクラウド型の取引管理サービスです。ナインアウト社は、主に顧客との接点を営業機会に変えるAIインターフェース「Ask One」を提供しています。

当中間連結会計期間では、「Contract One」の売上拡大に向け、既存サービスで培った強みや知見を活かして、営業体制の強化や機能拡充に取り組みました。また、ナインアウト社においては、「Ask One」の販売強化等に取り組みました。

この結果、その他売上高は前年同期比63.8%増となりました。

 

以上の結果、当中間連結会計期間のSansan/Bill One事業の売上高は前年同期比26.1%増となりました。調整後営業利益は売上高の成長や売上総利益率の改善等により、前年同期比197.7%増となりました。

 

②Eight事業

 当事業セグメントは、主に名刺アプリ「Eight」で構成されています。

 当中間連結会計期間におけるEight事業の成績は以下の通りです。

 

 

 

(単位:百万円)

 

前中間

連結会計期間

当中間

連結会計期間

前年同期比

 

 

 

 

売上高(注11)

2,135

2,921

+36.8%

BtoCサービス

194

218

+12.2%

BtoBサービス

1,941

2,703

+39.3%

調整後営業利益

△115

136

-

 

 

 

 

「Eight」

 

 

 

「Eight Team」契約件数

5,026件

5,814件

+15.7%

 

(注)11. 外部顧客への売上高及びセグメント間の内部売上高または振替高の合計値

 

a. BtoCサービス

BtoCサービスは、名刺アプリ「Eight」における個人向け有料機能の売上高で構成されており、名刺管理の利便性がさらに高まる複数の機能を提供しています。

 当中間連結会計期間は、引き続き着実にユーザーを獲得した結果、BtoCサービス売上高は前年同期比12.2%増となりました。

 

b. BtoBサービス

BtoBサービスは、「Eight Team」、ビジネスイベント、採用関連サービス等で売上高が構成されています。「Eight Team」は、主に小規模な企業・団体を対象とした名刺の管理や共有を可能とするサービスです。また、ビジネスイベントはオンラインとオフラインの双方で開催し、さまざまな参加企業を獲得しています。採用関連サービスでは、「Eight」のユーザーを対象とした転職支援サービスを提供しています。

当中間連結会計期間では、人員体制の拡充を進めたことで、ビジネスイベントの開催件数が増加しました。また、名刺管理サービス「Eight Team」の契約件数は堅調に成長し、前年同期比15.7%増となりました。さらに、採用関連サービスも順調に推移したことから、BtoBサービス売上高は前年同期比39.3%増となりました。

 

以上の結果、当中間連結会計期間のEight事業の売上高は前年同期比36.8%増となり、調整後営業利益は黒字へ転換しました。

 

(2)財政状態の状況

 

 

 

(単位:百万円)

 

前連結会計年度

当中間

連結会計期間

前連結

会計年度末比

 

 

 

 

資産合計

47,984

44,394

△3,590

負債合計

31,943

27,595

△4,347

純資産合計

16,040

16,798

+757

負債純資産合計

47,984

44,394

△3,590

 

(資産)

当中間連結会計期間末における総資産額は44,394百万円となり、前連結会計年度末に比べて3,590百万円減少しました。これは主に現金及び預金の減少3,096百万円、投資有価証券の減少1,763百万円、敷金の減少262百万円、売掛金の減少117百万円及び有形固定資産の126百万円減少、その他(流動資産)の増加1,408百万円、前払費用の増加285百万円及びソフトウエアの増加178百万円によるものです。

 

(負債)

当中間連結会計期間末における負債合計は27,595百万円となり、前連結会計年度末に比べ4,347百万円減少しました。これは主に株式売却契約損失引当金の減少2,301百万円、未払金の減少894百万円、顧客企業から契約期間分の料金を一括で受領すること等による前受金の減少566百万円、買掛金の減少402百万円、長期借入金の減少299百万円及び1年内返済予定の長期借入金の減少284百万円、賞与引当金の増加247百万円及びその他(流動負債)の増加173百万円によるものです。

 

(純資産)

当中間連結会計期間末における純資産額は16,798百万円となり、前連結会計年度末に比べ757百万円増加しました。これは主に親会社株主に帰属する中間純利益の計上による利益剰余金の増加1,959百万円、資本剰余金の減少1,344百万円によるものです。

 

(3)キャッシュ・フローの状況

 

 

 

(単位:百万円)

 

前中間

連結会計期間

当中間

連結会計期間

前年同期比

 

 

 

 

営業活動によるキャッシュ・フロー

1,009

△359

-

投資活動によるキャッシュ・フロー

△1,873

△712

-

財務活動によるキャッシュ・フロー

△359

△2,046

-

現金及び現金同等物の中間期末残高

23,503

28,076

+4,572

 

当中間連結会計期間末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、前中間連結会計期間末に比べ4,572百万円増加し、28,076百万円となりました。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動の結果支出した資金は359百万円(前年同期は1,009百万円の収入)となりました。主な減少要因はその他の資産の増加額1,465百万円、未払金の減少額887百万円、法人税等の支払額878百万円、前受金の減少額566百万円、仕入債務の減少額402百万円及び前払費用の増加額275百万円であり、主な増加要因は税金等調整前中間純利益の計上2,855百万円、非現金支出となる減価償却費の計上437百万円、賞与引当金の増加額246百万円及び売上債権の減少額121百万円です。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動の結果支出した資金は712百万円(前年同期は1,873百万円の支出)となりました。主な減少要因は投資有価証券の取得による支出2,483百万円及び無形固定資産の取得による支出382百万円であり、主な増加要因は投資有価証券の売却による収入2,028百万円及び敷金の回収による収入188百万円です。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動の結果支出した資金は2,046百万円(前年同期は359百万円の支出)となりました。主な減少要因は連結の範囲の変更を伴わない子会社株式の取得による支出1,465百万円及び長期借入金の返済による支出584百万円であり、主な増加要因は株式の発行による収入139百万円です。

 

(4)経営方針・経営戦略等

当中間連結会計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。

 

(5)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

当中間連結会計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。

 

(6)研究開発活動

該当事項はありません。