E34960 Japan GAAP
文中の将来に関する事項は、当第3四半期連結会計期間の末日現在において判断したものです。
(1)経営成績に関する説明
当社グループは、「出会いからイノベーションを生み出す」というミッションの下、「ビジネスインフラになる」というビジョンを掲げ、クラウドソフトウエアにテクノロジーと人力によってアナログ情報をデジタル化する仕組みを組み合わせた手法を軸に、人や企業との出会いをビジネスチャンスにつなげる、働き方を変えるDXサービスを提供しています。
具体的には、企業の営業活動や請求書業務、契約書業務等に対して、デジタルトランスフォーメーション(DX)を促進するサービスを展開しており、DXへの意識改革や働き方の変化、SaaSビジネスへの関心の高まり等によって、DX市場は2030年度に6兆5,195億円(2022年度見込比3兆7,918億円増)(注1)、国内SaaS市場は2027年度に2兆990億円(2023年度見込比6,862億円増)(注2)の規模に達すると予想されています。当社が提供する営業DXサービス「Sansan」は、法人向け名刺管理サービス市場において82.4%のシェア(注3)を占めており、同市場は当社サービスの成長等につれて、2013年から2022年にかけて約16倍に拡大しています。また、当社が提供するインボイス管理サービス「Bill One」は、クラウド請求書受領サービス市場においてNo.1の売上高シェア(注4)を獲得しており、2022年度の同市場は、前年同期と比べて156.8%拡大しています。
当第3四半期連結累計期間の経営成績は以下の通りです。
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(単位:百万円) |
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前第3四半期 連結累計期間 |
当第3四半期 連結累計期間 |
前年同期比 |
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売上高 |
18,177 |
24,234 |
+33.3% |
売上総利益 |
15,746 |
20,649 |
+31.1% |
調整後営業利益 |
760 |
1,113 |
+46.5% |
経常利益 |
501 |
677 |
+35.2% |
親会社株主に帰属する四半期純利益 |
738 |
539 |
△26.9% |
当第3四半期においては、好調な受注状況を背景に、さらなる売上高成長の実現に向け、「Sansan」及び「Bill One」の営業体制の強化やサービスの機能拡充等に取り組みました。また、Eight事業においては、収益化に取り組みました。
以上の結果、当第3四半期連結累計期間における売上高は前年同期比33.3%増、売上総利益は前年同期比31.1%増、売上総利益率は85.2%(前年同期比1.4ポイント減)となり、好調な実績となりました。売上高が伸長したことに加え、主には売上高広告宣伝費率が低下したこと等により、調整後営業利益は前年同期比46.5%増、経常利益は前年同期比35.2%増となりました。また、親会社株主に帰属する四半期純利益は、前年同期には関係会社株式売却益を計上していたこと等により、前年同期比26.9%減となりました。
(注)1. 「2023 デジタルトランスフォーメーション市場の将来展望 市場編/ベンダー戦略編」富士キメラ総研
2. 「ソフトウェアビジネス新市場 2023年版」富士キメラ総研
3. 「営業支援DXにおける名刺管理サービスの最新動向2024」(2024年1月 シード・プランニング調査)
4. デロイト トーマツ ミック経済研究所「驚異的な成長を続けるクラウド請求書受領サービス市場」(ミックITリポート2023年11月号)
セグメント別の業績は以下の通りです。
①Sansan/Bill One事業
当事業セグメントには、営業DXサービス「Sansan」やインボイス管理サービス「Bill One」等のサービスが属しています。
当第3四半期連結累計期間におけるSansan/Bill One事業の成績は以下の通りです。
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(単位:百万円) |
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前第3四半期 連結累計期間 |
当第3四半期 連結累計期間 |
前年同期比 |
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売上高(注5) |
16,232 |
21,669 |
+33.5% |
「Sansan」 |
14,548 |
16,758 |
+15.2% |
「Sansan」ストック |
13,781 |
15,846 |
+15.0% |
「Sansan」その他 |
766 |
911 |
+18.9% |
「Bill One」 |
1,543 |
4,269 |
+176.6% |
その他 |
140 |
641 |
+356.9% |
調整後営業利益 |
5,197 |
6,289 |
+21.0% |
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「Sansan」 |
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契約件数 |
8,844件 |
9,474件 |
+7.1% |
契約当たり月次ストック売上高 |
180千円 |
193千円 |
+7.2% |
直近12か月平均月次解約率(注6) |
0.46% |
0.44% |
△0.02pt |
「Bill One」 |
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MRR(注7) |
229 |
570 |
+149.0% |
有料契約件数 |
1,300件 |
2,607件 |
+100.5% |
有料契約当たり月次ストック売上高 |
176千円 |
218千円 |
+23.9% |
直近12か月平均月次解約率(注6) |
0.59% |
0.33% |
△0.26pt |
(注)5. 外部顧客への売上高及びセグメント間の内部売上高または振替高の合計値
6. 各サービスの既存契約のMRRに占める、解約に伴い減少したMRRの割合
7. Monthly recurring revenue(月次固定収入)
a. 「Sansan」
人員採用による営業体制の強化に取り組んだほか、市場環境やサービスの強化状況等を踏まえ、価格体系の最適化や料金設定の見直しを行った結果、「Sansan」の契約件数は前年同期末比7.1%増となり、契約当たり月次ストック売上高は前年同期比7.2%増となりました。また、直近12か月平均月次解約率は0.44%(前年同期比0.02ポイント減)となり、1%未満の低水準を維持しました。
この結果、「Sansan」売上高は前年同期比15.2%増、うち、固定収入であるストック売上高は前年同期比15.0%増、その他売上高は前年同期比18.9%増となりました。
b. 「Bill One」
人材採用を中心とした営業体制の強化に取り組んだほか、市場環境やサービスの強化状況等を踏まえ、価格体系と料金設定の適正化を行った結果、中堅・大企業をはじめとした新規契約の獲得が順調に進み、有料契約件数は前年同期末比100.5%増、有料契約当たり月次ストック売上高は前年同期比23.9%増となりました。また、直近12か月平均月次解約率は0.33%(前年同期比0.26ポイント減)となり、1%未満の低水準を維持しました。
この結果、「Bill One」売上高は前年同期比176.6%増、2024年2月におけるMRRは前年同期比149.0%増、ARR(注8)は6,844百万円となりました。
(注)8. Annual recurring revenue(年間固定収入)
c. その他
既存サービスで培った強みや知見、ノウハウ等を活かして、契約DXサービス「Contract One」の立ち上げに注力しました。また、2023年3月に連結子会社化したクリエイティブサーベイ株式会社の業績が前第4四半期連結会計期間より寄与しています。
この結果、その他売上高は前年同期比356.9%増となりました。
以上の結果、Sansan/Bill One事業の売上高は前年同期比33.5%増、調整後営業利益は前年同期比21.0%増となりました。
②Eight事業
当事業セグメントには、名刺アプリ「Eight」やイベント書き起こしサービス「logmi」シリーズが属しています。
当第3四半期連結累計期間におけるEight事業の成績は以下の通りです。
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(単位:百万円) |
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前第3四半期 連結累計期間 |
当第3四半期 連結累計期間 |
前年同期比 |
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売上高(注9) |
1,848 |
2,280 |
+23.3% |
BtoCサービス |
225 |
255 |
+13.2% |
BtoBサービス |
1,623 |
2,025 |
+24.8% |
調整後営業利益 |
△206 |
△7 |
- |
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「Eight」 |
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「Eight」ユーザー数(注10) |
324万人 |
352万人 |
+27万人 |
「Eight Team」契約件数 |
3,398件 |
4,397件 |
+29.4% |
(注) 9. 外部顧客への売上高及びセグメント間の内部売上高または振替高の合計値
10. アプリをダウンロード後、自身の名刺をプロフィールに登録した認証ユーザー数
a. BtoCサービス
デジタル名刺交換等の機能拡充を行った結果、「Eight」ユーザー数は前年同期末比27万人増の352万人となり、BtoCサービス売上高は前年同期比13.2%増となりました。
b. BtoBサービス
各サービスのマネタイズ強化に取り組んだ結果、BtoBサービス売上高は前年同期比24.8%増となりました。また、「Eight Team」契約件数は前年同期末比29.4%増となりました。
以上の結果、Eight事業の売上高は前年同期比23.3%増、調整後営業損失は前年同期と比較して198百万円縮小しました。
(2)財政状態の状況
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(単位:百万円) |
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前連結会計年度 |
当第3四半期 連結会計期間 |
前連結 会計年度末比 |
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資産合計 |
31,200 |
32,823 |
+1,622 |
負債合計 |
18,009 |
18,484 |
+475 |
純資産合計 |
13,190 |
14,338 |
+1,147 |
負債純資産合計 |
31,200 |
32,823 |
+1,622 |
(資産)
当第3四半期連結会計期間末における資産合計は32,823百万円となり、前連結会計年度末に比べて1,622百万円増加しました。これは主に、敷金の増加1,824百万円、前払費用の増加548百万円、投資有価証券の増加429百万円及びのれんの増加240百万円、現金及び預金の減少1,046百万円、売掛金の減少351百万円及び有形固定資産の減少117百万円によるものです。
(負債)
当第3四半期連結会計期間末における負債合計は18,484百万円となり、前連結会計年度末に比べて475百万円増加しました。これは主に、長期借入金の増加939百万円及び1年内返済予定の長期借入金の増加379百万円、未払金の減少666百万円及び賞与引当金の減少181百万円によるものです。
(純資産)
当第3四半期連結会計期間末における純資産合計は14,338百万円となり、前連結会計年度末に比べて1,147百万円増加しました。これは主に、ストックオプションの行使による資本金及び資本剰余金の増加がそれぞれ166百万円、親会社株主に帰属する四半期純利益の計上による利益剰余金の増加539百万円及び新株予約権の増加216百万円によるものです。
(3)経営方針・経営戦略等
当第3四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。
(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当第3四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。
(5)研究開発活動
該当事項はありません。