E00883 IFRS
当中間連結会計期間における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、経営成績等)の状況の概要及び経営者の視点による経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は、以下のとおりです。
なお、文中の将来に関する事項は、当社グループが当中間連結会計期間の末日現在において合理的であると判断する一定の前提に基づいており、実際の結果とは様々な要因により大きく異なる可能性があります。
注:以下、「実質」とは為替変動の影響を除く増減率を表示しています。また、数量等には製品構成差を含んでいます。
下記表内の2023年12月期中間会計期間と増減率の営業利益以下の下段数値は、2023年度に実施した構造改革に係る影響を除いた「コア利益」に基づいて算出しています。
世界経済は着実に回復傾向にあるものの、その足取りは国や地域によって異なる様相を呈しています。日本経済は緩やかな回復基調にあります。一方で、為替変動や中国経済の減速、欧州や中東での地政学リスク等により、先行きは不透明な状況にあります。
当社グループの主要市場である日本のコンシューマープロダクツ(トイレタリー及び化粧品)市場は、小売店の販売実績や消費者購入調査データによると、2024年1月から6月において前年同期を上回りました。
当社グループは、花王グループ中期経営計画「K27」の達成のため、顧客の重大なニーズに、エッジの効いたソリューションで世界No.1の貢献をする「グローバル・シャープトップ戦略」を順調に推進しています。
売上高は、前年同期に対して6.7%増の7,880億円(為替4.8%増、実質1.9%増(内訳:数量等0.9%増、価格1.1%増))となりました。営業利益は579億円(対前年同期320億円増)となり、税引前中間利益は644億円(対前年同期358億円増)となりました。中間利益は448億円(対前年同期271億円増)となりました。
当第2四半期(中間期)の海外連結子会社等の財務諸表項目(収益及び費用)の主な為替の換算レートは、次のとおりです。
注:[ ]内は前年同期の換算レート
セグメントの業績
販売実績
(億円、増減率%)
注:コンシューマープロダクツ事業は、外部顧客への売上高を記載しており、ケミカル事業では、コンシューマープロダクツ事業に対する売上高を含めています。地域別の売上高は、販売元の所在地に基づき分類しています。
売上高 対前年同期比分析
注:ケミカル事業の売上高は、セグメント間取引を含んでいます。
売上高に占める海外に所在する顧客への売上高の割合は、前年同期の45.4%から46.4%となりました。
コンシューマープロダクツ事業
売上高は、前年同期に対して5.6%増の6,094億円(為替3.7%増、実質1.9%増(内訳:数量等0.8%減、価格2.7%増))となりました。
世界では、一時のインフレ基調が徐々に収まり、また、消費者には低価格志向の傾向が出始めています。日本市場は消費の持ち直しやインバウンド需要に回復の動きが見られた一方で、中国市場では、経済の減速等の影響を受けました。このような中、DXを活用したマーケティング手法の高度化、高付加価値製品の提案やその価値に見合った価格設定等の取り組みにより収益性が向上しました。
日本の売上高は、前年同期に対して3.9%増の3,825億円となりました。
アジアでは、売上高は2.0%減の1,111億円(実質9.3%減)となりました。
米州の売上高は、18.3%増の720億円(実質5.1%増)となり、欧州の売上高は、26.7%増の438億円(実質11.5%増)となりました。
営業利益は、2023年から始めた構造改革の取り組み等の効果もあり、423億円(対前年同期281億円増)となりました。
当社は、〔ハイジーン&リビングケア事業〕、〔ヘルス&ビューティケア事業〕、〔ライフケア事業〕、〔化粧品事業〕を総称して、コンシューマープロダクツ事業としております。
〔ハイジーン&リビングケア事業〕
売上高は、前年同期に対し4.0%増の2,556億円(為替2.1%増、実質1.9%増(内訳:数量等2.9%減、価格4.8%増))となりました。
ファブリック&ホームケア製品の売り上げは、前年同期に対して8.5%増の1,721億円(為替1.1%増、実質7.4%増(内訳:数量等2.3%増、価格5.1%増))となりました。
ファブリックケア製品では、日本の衣料用洗剤で高付加価値の新製品を連続して提案したこと等により、売り上げは市場伸長を上回り、シェアも拡大しました。また、衣料用漂白剤は新しいコミュニケーションが奏功し、シェアが伸長しました。
ホームケア製品の売り上げは、前年同期を上回りました。日本では、食器用洗剤「キュキュット」が売り上げ、シェアを伸ばしたほか、バスクリーナーやトイレクリーナーの高付加価値製品が好調を維持しています。
ファブリック&ホームケア製品の営業利益は、280億円(対前年同期119億円増)となりました。
サニタリー製品の売上高は、前年同期に対して4.2%減の834億円(為替3.8%増、実質8.0%減(内訳:数量等12.4%減、価格4.4%増))となりました。
生理用品「ロリエ」の売り上げは、日本では4月に発売した新製品が好調に推移しましたが、中国の売り上げが減少したことにより前年同期をわずかに下回りました。ベビー用紙おむつ「メリーズ」の売り上げは、前年同期を下回りました。日本では堅調に推移しましたが、中国では市場縮小や競争激化の影響を受けました。
サニタリー製品の営業利益は、ベビー用紙おむつ事業の構造改革効果やペットケア事業譲渡益の計上等により59億円(対前年同期202億円増)となりました。
ハイジーン&リビングケア事業の営業利益は、339億円(対前年同期321億円増)となりました。
〔ヘルス&ビューティケア事業〕
売上高は、前年同期に対して11.6%増の2,106億円(為替6.2%増、実質5.4%増(内訳:数量等5.1%増、価格0.2%増))となりました。
スキンケア製品の売り上げは、前年同期を上回りました。日本では、UVケア製品に加え、特にシート関連の新製品が好調に推移しました。「グローバル・シャープトップ戦略」のもと展開しているUVケア製品等の「スキンプロテクション」のビジネスは、計画通り進捗しています。2023年11月に買収した「Bondi Sands」の売り上げも寄与しています。
ヘアケア製品の売り上げは、前年同期を上回りました。日本では、「エッセンシャル」をリブランディングし、好調に推移しています。また、新プレミアム戦略を着実に推進しています。欧米では、「JOHN FRIEDA」の新製品が好調で、売り上げは前年同期を上回りました。欧米のヘアサロン向け製品は、前年同期を上回りました。
パーソナルヘルス製品の売り上げは、前年同期を下回りました。「めぐりズム」は好調に推移しましたが、入浴剤が競合からの価格攻勢の影響を受けました。
営業利益は、欧米子会社で構造改革費用を計上したこと等により150億円(対前年同期10億円減)となりました。
〔ライフケア事業〕
売上高は、前年同期に対して0.7%減の265億円(為替3.2%増、実質3.9%減(内訳:数量等5.7%減、価格1.9%増))となりました。
業務用衛生製品の売り上げは、前年同期を下回りました。日本では、外食産業や宿泊施設等で利用客数の大幅増加により厨房用洗浄剤や客室消耗品の需要が引き続き高まりましたが、消毒剤等は市場縮小の影響を受けました。米国の売り上げは、前年同期を下回りました。
営業利益は、5億円(対前年同期6億円増)の損失となりました。
〔化粧品事業〕
売上高は、前年同期に対して0.8%増の1,167億円(為替3.4%増、実質2.6%減(内訳:数量等5.1%減、価格2.5%増))となりました。
日本市場が回復する中、「KANEBO」、「ALLIE」、「ソフィーナiP」等が好調に推移しましたが、中国向け越境ECの市況低迷とメイク市場シェアNo.1の「KATE」の売り上げが、昨年の大ヒットの反動で減少したことにより、日本全体の売り上げは前年同期に比べ微増にとどまりました。中国では市場伸長の鈍化に加え、競争環境が厳しい中、「キュレル」が苦戦し売り上げは前年同期を下回りました。欧米では「SENSAI」の新製品が好調に推移し、売り上げは前年同期を上回りました。
営業利益は、61億円(対前年同期36億円減)の損失となりました。
ケミカル事業
売上高は、前年同期に対して8.8%増の1,998億円(為替7.7%増、実質1.1%増(内訳:数量等5.3%増、価格4.2%減))となりました。
油脂製品では、顧客の需要が回復基調となっている中で、新規稼働設備の活用等も通じて、販売数量の増加につなげたことで、売り上げは伸長しました。
機能材料製品は、国内の自動車関連分野等の一部対象市場の停滞と海外での競争激化の影響が続き、売り上げは減少しました。
情報材料製品では、ハードディスクや半導体関連等の対象分野の需要回復の動きを着実に捉えて、売り上げは伸長しました。
営業利益は、油脂製品を中心とした利幅の改善と需要の回復を捉えて伸長した分野の貢献で、167億円(対前年同期56億円増)となりました。
資産合計は、前連結会計年度末に比べ781億円増加し、1兆8,478億円となりました。主な増加は、棚卸資産152億円、営業債権及びその他の債権149億円、のれん143億円、現金及び現金同等物123億円です。
負債合計は、前連結会計年度末に比べ30億円増加し、7,607億円となりました。主な増加は、未払法人所得税等55億円です。
資本合計は、前連結会計年度末に比べ751億円増加し、1兆871億円となりました。主な増加は、在外営業活動体の換算差額663億円、中間利益448億円であり、主な減少は、配当金359億円です。
なお、親会社所有者帰属持分比率は、前連結会計年度末の55.6%から57.1%となりました。
営業活動によるキャッシュ・フローは、641億円となりました。主な増加は、税引前中間利益644億円、減価償却費及び償却費444億円、主な減少は、法人所得税等の支払額150億円、営業債務及びその他の債務の増減額115億円です。
投資活動によるキャッシュ・フローは、△205億円となりました。主な内訳は、有形固定資産の取得による支出264億円です。
営業活動によるキャッシュ・フローと投資活動によるキャッシュ・フローを合計したフリー・キャッシュ・フローは、436億円となりました。
財務活動によるキャッシュ・フローは、△525億円となりました。主な内訳は、非支配持分への支払いを含めた支払配当金359億円、短期借入金の増減額133億円、リース負債の返済による支出106億円です。
当中間期末の現金及び現金同等物の残高は、為替変動による影響を含めて前連結会計年度末に比べ123億円増加し、3,040億円となりました。
当中間連結会計期間における研究開発費は、315億円です。
中国経済の減速や欧州や中東での地政学リスク、さらには原材料価格の上昇等の不透明な事業環境を想定しています。
下半期の業績は厳しい状況を予想しますが、上半期の業績が好調に推移したこと等で、2024年5月9日に公表した連結業績予想の修正を行いました。花王グループ中期経営計画「K27」を達成するため「グローバル・シャープトップ戦略」を推進し、戦略ブランドへの集中投資やROIC(投下資本利益率)のより一層の改善を進めることで、公表数値の達成を目指していきます。
修正した数値については、2024年8月8日公表の「2024年12月期 第2四半期(中間期)決算短信」を参照ください。