売上高

利益

資産

キャッシュフロー

配当(単独)

ROE

EPS BPS




E00885 Japan GAAP


2【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。

 

 (1) 財政状態及び経営成績の状況

①経営成績の状況

当第3四半期連結累計期間におけるわが国経済は、企業の設備投資には足踏みが見られるものの、個人消費は持ち直しており、景気は緩やかに回復しました。しかしながら、資源価格の高止まり、海外景気の下振れ、中東地域をめぐる情勢、物価上昇による消費者の節約志向の高まりなど、依然として先行き不透明な状況が続いています。

このような環境のもと、当社グループでは、販売数量の減少と工場稼働率低下による工費負担増、原材料価格の高騰などが利益を圧迫し、減収減益となりました。一方、半導体やディスプレイ関連の市況回復や、価格転嫁、経費削減をはじめとした「底入れ」への各種対策が進んだことから、当四半期(10-12月)の前年同期比較では、大幅な増収増益となりました。

今期は、次期中期経営計画に向けた土台づくりのため、極めて重要な一年と捉えております。2025年3月期を最終年度とする中期経営計画「FELIZ 115」の目標達成に向けて、価格転嫁と経費削減の継続、研究開発テーマの早期実績化により確実な収益確保をめざします。

今年の年間標語は「成果への執着心」としました。人事制度の刷新と人材育成の強化により企業の持続的な発展につなげてまいります。

当第3四半期連結累計期間の業績としましては、『機能材料』セグメントの海外向け難燃剤が大きく落ち込んだことにより、売上高は456億34百万円(前年同期比7.1%減)となりました。

損益面につきましては、原材料・エネルギー価格の高騰や、『機能材料』セグメントや『電子デバイス材料』セグメントでの販売が大きく落ち込んだことにより、営業利益は5億29百万円(前年同期比46.4%減)、経常利益は5億56百万円(前年同期比48.4%減)となりました。これに投資有価証券売却益などを加減しました結果、親会社株主に帰属する四半期純利益は2億99百万円(前年同期は3億95百万円の損失)となりました。

 

 セグメントの業績は次のとおりであります。

 

<界面活性剤>

界面活性剤の売上高は、総じて低調に推移しました。

国内では、塗料・色材用途は堅調に推移しましたが、IT・電子用途、ゴム・プラスチック用途は低調に推移しました。石鹸・洗剤用途は大きく落ち込みました。

海外では、ゴム・プラスチック用途、塗料・色材用途は堅調に推移しました。

その結果、当セグメントの売上高は136億72百万円(前年同期比5.4%減)となりました。

営業利益は、売上高が落ち込んだことに加え、原材料価格高騰の影響を受け12億24百万円(前年同期比11.0%減)となりました。

 

<アメニティ材料>

アメニティ材料の売上高は、総じて堅調に推移しました。

国内では、セルロース系高分子材料はエネルギー・環境用途が低調に推移し、ビニル系高分子材料はゴム・プラスチック用途が低調に推移しました。ショ糖脂肪酸エステルは食品用途が堅調に推移しました。

海外では、ショ糖脂肪酸エステルは食品用途が低調に推移し、香粧品用途が堅調に推移しました。

その結果、当セグメントの売上高は61億89百万円(前年同期比0.9%増)となりました。

営業利益は、営業経費の削減などにより2億10百万円(前年同期比137.3%増)となりました。

 

<ウレタン材料>

ウレタン材料の売上高は、総じて堅調に推移しました。

フロン規制に関連する環境配慮型の合成潤滑油は大きく落ち込みましたが、公共工事に関連する土木用薬剤は大幅に伸長しました。

その結果、当セグメントの売上高は65億24百万円(前年同期比0.4%増)となりました。

営業利益は、原材料価格高騰の影響を受け2億49百万円の営業損失(前年同期は2億26百万円の損失)となりました。

 

<機能材料>

機能材料の売上高は、総じて大きく落ち込みました。

国内では、光硬化樹脂用材料はIT・電子用途が大幅に伸長しました。水系ウレタンはIT・電子用途が堅調に推移しましたが、繊維用途が低調に推移しました。難燃剤はゴム・プラスチック用途が大きく落ち込みました。

海外では、光硬化樹脂用材料はIT・電子用途が低調に推移し、難燃剤はゴム・プラスチック用途が大きく落ち込みました。

その結果、当セグメントの売上高は152億38百万円(前年同期比10.1%減)となりました。

営業利益は、売上高が大きく落ち込んだことにより1億29百万円(前年同期比37.7%減)となりました。

 

<電子デバイス材料>

電子デバイス材料の売上高は、総じて大きく落ち込みました。

ディスプレイ用途のイオン液体は堅調に推移しましたが、太陽電池用途の導電性ペーストが大きく落ち込みました。

その結果、当セグメントの売上高は37億60百万円(前年同期比19.9%減)となりました。

営業利益は、売上高が大きく落ち込んだことに加え、営業経費が増加したことにより93百万円の営業損失(前年同期は1億47百万円の利益)となりました。

 

<ライフサイエンス>

ライフサイエンスの売上高は、前年同期と比べ1億24百万円減少し、2億49百万円(前年同期比33.3%減)となりました。

医薬品添加物や天然素材からの抽出物の濃縮化、粉末化による健康食品等の受託事業は低調に推移しました。

営業利益は、売上高が大きく落ち込んだほか、研究開発費を中心に営業経費が増加したことにより6億91百万円の営業損失(前年同期は6億5百万円の損失)となりました。

2025年3月期には、ライフサイエンス事業の黒字化に目途を立てるべく、①2023年8月に発売を開始した中高年の認知機能の一部である認知機能速度や視覚的な記憶力を維持するのに役立つ機能性表示食品「快脳冬虫夏草」を中心とするBtoC、②カイコ冬虫夏草粉末やスダチ果皮エキスなど素材販売を狙ったBtoB、③グループ会社である池田薬草の受託事業拡大などにより、事業の収益化を図ります。

 

②財政状態の状況

(資産)

当第3四半期連結会計期間末における流動資産は528億70百万円となり、前連結会計年度末に比べ74億58百万円増加しました。これは主に、商品及び製品などの棚卸資産の合計が20億70百万円減少したものの、現金及び預金が59億49百万円、受取手形及び売掛金が23億9百万円増加したことなどによるものです。固定資産は397億90百万円となり、前連結会計年度末に比べ1億76百万円増加しました。これは主に、繰延税金資産が1億78百万円減少したものの、投資有価証券が5億52百万円増加したことなどによるものです。

この結果、総資産は926億61百万円となり、前連結会計年度末に比べ76億35百万円増加しました。

 

(負債)

当第3四半期連結会計期間末における流動負債は241億38百万円となり、前連結会計年度末に比べ34億98百万円増加しました。これは主に、支払手形及び買掛金が14億20百万円、短期借入金が13億92百万円増加したことなどによるものです。固定負債は290億29百万円となり、前連結会計年度末に比べ29億40百万円増加しました。これは主に、長期借入金が31億12百万円増加したことなどによるものです。

この結果、負債合計は531億67百万円となり、前連結会計年度末に比べ64億38百万円増加しました。

 

(純資産)

当第3四半期連結会計期間末における純資産合計は394億93百万円となり、前連結会計年度末に比べ11億96百万円増加しました。これは主に、親会社株主に帰属する四半期純利益2億99百万円及び剰余金の配当5億73百万円などにより利益剰余金が2億74百万円減少しましたが、その他有価証券評価差額金6億5百万円、為替換算調整勘定が3億95百万円、非支配株主持分が4億80百万円増加したことなどによるものです。

この結果、自己資本比率は37.8%(前連結会計年度末は40.4%)となりました。

 

 (2) 経営方針・経営戦略等

 当第3四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。

 

 (3) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

 当第3四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。

 

 (4) 研究開発活動

 当第3四半期連結累計期間におけるグループ全体の研究開発活動の金額は23億50百万円であります。

 なお、当第3四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。

 

 (5) 従業員数

 当第3四半期連結累計期間において、当社グループの従業員数に重要な変動はありません。

 

 (6) 生産、受注及び販売の実績

 当第3四半期連結累計期間において、当社グループの生産及び販売実績に重要な変動はありません。

 なお、当社グループでは、受注生産を行っておりません。

 

 (7) 主要な設備

 当第3四半期連結累計期間において、当社グループの主要な設備に重要な変動はありません。