E00884 Japan GAAP
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
(1)財政状態及び経営成績の状況
当第3四半期連結累計期間におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の感染症法上の位置づけが5類に移行したことで、経済活動は正常化に向かい、個人消費や輸出に持ち直しの動きが見られましたが、世界的な設備投資意欲の減退など依然として厳しい状況となりました。世界経済は、金融引き締め等が続く中、米国景気は底堅い一方、欧州は景気減速傾向にあり、また中国は輸出の低迷や不動産市況悪化の影響等により景気回復が遅れております。加えて、ロシア・ウクライナ情勢の長期化や中東地域をめぐる情勢の悪化による資源エネルギー価格の高止まり・物価上昇など、先行き不透明な状況にあります。
化学業界におきましては、為替相場は米欧の長期的な金融引き締め観測から円安方向に推移しておりましたが、米国のインフレ率の鈍化や日銀による金融政策正常化への期待が高まったことなどから、当四半期後半にかけて円が反発しており、また原油価格は世界的な景気の鈍化と供給不安から価格上昇下落双方の思惑が交錯するなど、事業環境は予断を許さない状況にあります。
このような環境下における当第3四半期連結累計期間の売上高は、販売量の減少などにより1,221億3千2百万円(前年同期比9.0%減)となりました。利益面では、販売量の減少などにより営業利益は42億1千7百万円(前年同期比35.0%減)、経常利益は68億8千4百万円(前年同期比22.6%減)、親会社株主に帰属する四半期純利益は29億8千万円(前年同期比52.6%減)となりました。
セグメントごとの経営成績は次のとおりであります。
<生活・健康産業関連分野>
生活産業関連分野は、液体洗濯洗剤用界面活性剤及びポリエチレングリコールが国内外ともに市況が低迷し需要が減少したため、売上高は減少しました。
健康産業関連分野は、高吸水性樹脂が日本及びアジアで販売数量が減少し、売上高は大幅に減少しました。
以上の結果、当セグメントの売上高は353億5千6百万円(前年同期比20.6%減)、営業損失は11億1千1百万円(前年同期は3億5百万円の営業利益)となりました。
<石油・輸送機産業関連分野>
石油・輸送機産業関連分野は、自動車生産回復により、自動車内装表皮材用ウレタンビーズ、潤滑油添加剤、自動車シートなどに使われるポリウレタンフォーム用原料が増加したため、売上高は好調に推移しました。
以上の結果、当セグメントの売上高は387億1千9百万円(前年同期比6.2%増)、営業利益は21億4千2百万円(前年同期比8.7%減)となりました。
<プラスチック・繊維産業関連分野>
プラスチック産業関連分野は、永久帯電防止剤が電子部品需要低迷のため低調となり、塗料コーティング用薬剤・添加剤も中国向け需要が減少し売上高は減少しました。
繊維産業関連分野は、炭素繊維用薬剤が国内外ともに低調に推移し、またタイヤコード糸等の製造時に使用される油剤の需要回復が遅れており、売上高は低調に推移しました。
以上の結果、当セグメントの売上高は191億7千6百万円(前年同期比10.8%減)、営業利益は18億9千5百万円(前年同期比15.6%減)となりました。
<情報・電気電子産業関連分野>
情報産業関連分野は、トナー関連材料の需要が減少したものの、原料価格高騰等による価格改定により売上高は増加しました。
電気電子産業関連分野は、半導体市場の回復により関連材料の売り上げが増加しましたが、アルミ電解コンデンサ用電解液が低調に推移し売上高は減少しました。
以上の結果、当セグメントの売上高は171億1千3百万円(前年同期比1.2%減)、営業利益は16億5千2百万円(前年同期比5.7%減)となりました。
<環境・住設産業関連分野他>
環境産業関連分野は、高分子凝集剤用のカチオンモノマーの需要が低迷したため、売上高は低調に推移しました。
住設産業関連分野は、家具・断熱材などに用いられるポリウレタンフォーム用原料及び建築シーラント用原料の販売が減少しました。
以上の結果、当セグメントの売上高は117億6千5百万円(前年同期比18.2%減)、営業利益は5億6千5百万円(前年同期比42.2%減)となりました。
当第3四半期連結会計期間末の財政状態は以下のとおりであります。
総資産は、前連結会計年度末に比べて39億5千6百万円増加し2,061億3千9百万円となりました。
また、純資産は前連結会計年度末に比べて1億2千4百万円減少し1,488億7千万円となり、自己資本比率は前連結会計年度末から1.2ポイント減少し71.0%となりました。
(2)キャッシュ・フローの状況
当第3四半期連結会計期間末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末残高と比較し60億7千3百万円増加し、当第3四半期連結会計期間末残高は231億1千5百万円となりました。
各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動による資金の増加は、143億6千6百万円(前年同期は100億5千1百万円の増加)となりました。これは、税金等調整前四半期純利益50億1百万円、減価償却費81億4千5百万円、仕入債務の増加65億7千6百万円などによる資金の増加が、法人税等の支払額25億9千7百万円、売上債権の増加33億6百万円などによる資金の減少を上回ったことによるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動による資金の減少は、44億1千6百万円(前年同期は90億6千8百万円の減少)となりました。これは、固定資産の取得に55億1千5百万円を支出したことなどによるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動による資金の減少は、40億9千7百万円(前年同期は2億4千5百万円の減少)となりました。これは配当金の支払額37億4千7百万円などの資金の減少が、短期借入金の増加2億5千8百万円(純額)などの資金の増加を上回ったことによるものです。
(3)重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
前事業年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定の記載について重要な変更はありません。
(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当第3四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。
(5)研究開発活動
当第3四半期連結累計期間におけるグループ全体の研究開発活動の金額は38億8千4百万円となりました。
なお、当第3四半期連結累計期間において、研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
(6)主要な設備
前連結会計年度末において計画中であった主要な設備の新設、休止、大規模改修、除却、売却等について、当第3
四半期連結累計期間に著しい変更があったものは、次のとおりであります。
(変更)
会社名 事業所名 |
所在地 |
設備の内容 |
セグメントの 名称 |
投資予定金額 |
資金調達 方法 |
着手及び完了予定年月 |
完成後の 増加能力 (t/年) |
||
総額 (百万円) |
既支払額 (百万円) |
着手 |
完了 |
||||||
提出会社 鹿島工場 |
茨城県 神栖市 |
炭素繊維用薬剤 製造設備 (新設) |
プラスチック・繊維産業関連分野 |
686 |
35 |
自己資金 |
2022年6月 |
2024年10月 (注1) |
1,184 |
提出会社 名古屋工場 |
愛知県 東海市 |
アルミ電解コンデンサ用電解液製造設備(Step2) (生産能力増強) |
情報・電気電子産業関連分野 |
530 |
1 |
自己資金 |
2023年1月 |
2026年4月 (注2) |
770 |
サンノプコ 株式会社 |
愛知県 東海市 |
高機能分散剤製造設備 (生産能力増強) |
プラスチック・繊維 産業関連分野 |
415 |
28 |
自己資金 |
2022年9月 |
2024年8月 (注3) |
2,380 |
(注1)投資完了予定年月を2024年5月から2024年10月に変更しております。
(注2)投資完了予定年月を2025年4月から2026年4月に変更しております。
(注3)投資完了予定年月を2024年4月から2024年8月に変更しております。