売上高

利益

資産

キャッシュフロー

配当(単独)

ROE

EPS BPS




E00941 Japan GAAP


2【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。

(1) 財政状態及び経営成績の状況

当第3四半期連結累計期間におけるわが国経済の景気は、緩やかに回復しております。個人消費は、新型コロナウイルス感染症の5類への移行により、外食・宿泊・娯楽などの対面型サービスを中心に回復しておりますが、物価高の影響で一部に弱い動きが見られます。インバウンド需要は水際対策の解除や円安の影響で大幅に増加しております。

消費者物価(生鮮食品を除く総合)は、2023年1月に前年比4.2%と約40年ぶりの高い伸びとなった後、政府の電気・都市ガス代に対する負担緩和策を受けて伸びが鈍化し、9月以降は同2%台で推移しております。

こうした経済状況をうけ、当社グループのヘルスケア事業は、第2四半期に引き続き、ナショナルブランド品の「ビフィーナ®」や「目もとパックシート」「口もとパックシート」といった、かねてよりインバウンド需要が高い製品の売り上げが復調傾向にあります。特に「ビフィーナ®」については、整腸効果をもつビフィズス菌を配合した機能表示食品分野において、27年連続売上No.1を獲得し、今年は発売から30周年の節目を迎えました。2023年12月には中国専売子ども向けサプリメントとして「ビフィーナⓇCute」を発売開始するなど、国内はもちろん、アジアを中心とした国や地域で新たなターゲット層の獲得に努めております。また今後、中国だけではなく、世界各地で拡販し、子どもたちのおなかの健康に貢献できるよう試行錯誤を続けてまいります。

機能性素材販売は堅調に推移しており、今後も新規案件の獲得を進めてまいります。またジェネリック医薬品の製造販売についても、堅調に推移しており、引き続き、患者様とそのご家族のQOL向上につながるよう、安定供給に努めてまいります。

カプセル受託事業は、可食分野においてフレーバーカプセルの販売が、産業用(非可食)分野においては化粧品シームレスカプセルが引き続き堅調に推移しております。また、2022年に発表した腸内の特定部位で崩壊するカプセル技術(大腸送達性製剤)の研究・開発を継続しており、製品化を目指しています。今後も、高付加価値シームレスカプセルの開発・製造、オープンイノベーションによるパートナーとの共創を推進してまいります。また、そこで得られた知見を新たなシームレスカプセル技術開発に応用するサイクルを構築して、社会へシームレスカプセル技術を通じたソリューションの提供を続けてまいります。

また、2023年12月にはワダカルシウム製薬株式会社の製造部門を会社分割により当社の100%子会社「株式会社MJ滋賀」として取得し、当社グループに加わりました。同社の食品、医薬品製造にかかる錠剤の製剤技術、及び製造、品質管理のノウハウを当社の持続的な成長及び企業価値最大化へつなげるべく、今後も事業を展開してまいります。

この結果、当第3四半期連結累計期間の財政状態及び経営成績は以下のとおりとなりました。

a.財政状態

(資産)

当第3四半期連結会計期間末における流動資産は7,444百万円となり、前連結会計年度末に比べ298百万円増加いたしました。これは主に仕掛品が404百万円増加したことによるものであります。固定資産は9,733百万円となり、前連結会計年度末に比べ775百万円増加いたしました。これは主に土地が259百万円、建物及び構築物が249百万円それぞれ増加したことによるものであります。

この結果、資産合計は、17,177百万円となり、前連結会計年度末に比べ1,073百万円増加いたしました。

 

(負債)

当第3四半期連結会計期間末における流動負債は3,237百万円となり、前連結会計年度末に比べ419百万円増加いたしました。これは主に短期借入金が300百万円増加したことによるものであります。固定負債は1,909百万円となり、前連結会計年度末に比べ16百万円増加いたしました。これは主に約定返済により長期借入金が94百万円減少しましたが、退職給付に係る負債が45百万円、繰延税金負債が14百万円それぞれ増加したことなどによるものであります。この結果、負債合計は、5,147百万円となり、前連結会計年度末に比べ436百万円増加いたしました。

 

(純資産)

当第3四半期連結会計期間末における純資産合計は12,030百万円となり、前連結会計年度末に比べ637百万円増加いたしました。これは主に利益剰余金が571百万円増加したことによるものであります。

この結果、自己資本比率は70.0%(前連結会計年度末は70.7%)となりました。

 

b.経営成績

当第3四半期連結累計期間の経営成績は、売上高9,363百万円(前年同四半期比12.0%増)、営業利益946百万円(前年同四半期比72.2%増)、経常利益988百万円(前年同四半期比68.3%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益735百万円(前年同四半期比66.5%増)となりました。

セグメントごとの経営成績は次のとおりであります。

① ヘルスケア事業

当セグメントにおきましては前述のとおり、「ビフィーナ®」をはじめとしたインバウンド需要と親和性の高い製品が復調にあり、また現地代理店との連携によりアジア地域での売り上げも堅調に推移しております。

当セグメントにおきましては、売上高は、6,321百万円(前年同四半期比0.1%増)、セグメント損失は、一時的な在庫評価減による影響で37百万円(前年同四半期はセグメント利益144百万円)となりました。

 

② カプセル受託事業

当セグメントにおきましては、フレーバーカプセルの製造受託による売上が前年同四半期と比べ増収となりました。今後もパートナー企業やアカデミアとの共同研究により、シームレスカプセルを用いた社会課題解決への取り組みを展開してまいります。

当セグメントにおきましては、売上高は、3,036百万円(前年同四半期比48.4%増)、セグメント利益は、977百万円(前年同四半期比143.1%増)となりました。

 

③ その他

当セグメントにおきましては、売上高は、5百万円(前年同四半期比101.8%増)、セグメント利益は、5百万円(前年同四半期比101.8%増)となりました。

 

(2) 経営方針・経営戦略等

当第3四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。

 

(3) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

当第3四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。

 

(4) 研究開発活動

当第3四半期連結累計期間におけるグループ全体の研究開発活動の金額は、671百万円であります。

なお、当第3四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。

 

(5) 経営成績に重要な影響を与える要因

当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因として、主に異業種を含む大手企業の新規参入など、市場の競合激化などであります。

これらについて、当社グループとしては、「伝統と技術と人材力を価値にする」をビジョンとして、引き続き積極的な営業活動を展開するとともに、通販ECサイトの拡充、当社独自の機能性素材販売の拡大施策、アジア・ASEAN地域を中心とした海外事業の拡大などに取り組んでまいります。

 

(6) 資本の財源及び資金の流動性についての分析

当社グループは健康関連商品の製造販売事業を行うための設備投資計画に照らして、必要な資金を主に銀行借入により調達しております。一時的な余資は安全性の高い金融資産で運用しております。