久光製薬株式会社

ブランドなど:サロンパス
医薬品医薬品プライムTOPIX Mid400

売上高

利益

資産

キャッシュフロー

配当(単独)

ROE

EPS BPS




E00944 Japan GAAP


2 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものです。

当社グループは、医薬品などの創製・育薬・製造・販売を通じて「世界の人々のQOL(クオリティ・オブ・ライフ:生活の質)向上を目指す」を経営理念と定めています。多様化するお客様のニーズに応えるべく、『「手当て」の文化を、世界へ。』という企業使命のもと、当社が培ってきた貼付剤技術をベースに事業活動を積極的に展開してまいります。また、今後も、地球にやさしい「エコ&コンパクト」パッケージの実現等をはじめとする、ESG(環境・社会・ガバナンス)及びSDGs(持続可能な開発目標)を推進する活動を行うことで、持続可能な社会の構築に貢献し、企業としての社会的責任を果たしてまいります。

 

(1) 財政状態及び経営成績の状況

(業績の状況)

当社は「医薬品事業」のみを報告セグメントとしており、当第3四半期連結累計期間の連結業績は以下の通りです。

① 売上高

売上高は、1,028億2千7百万円(前年同四半期比11.9%増)となりました。

国内市場において、医療用医薬品事業は、2023年4月の薬価改定や継続的な後発品使用促進策による影響を引き続き受けた一方で、2022年6月に腰痛症、肩関節周囲炎、頸肩腕症候群及び腱鞘炎への効能追加に関する承認事項一部変更承認を取得した経皮吸収型非ステロイド性疼痛治療剤「ジクトルテープ」等の売上の増加や、2023年6月に販売を開始した原発性手掌多汗症治療剤「アポハイドローション20%」の売上が寄与した影響もあり、前年同四半期比1.9%の増収となりました。なお、「モーラステープ20㎎」、「モーラステープL40㎎」の包装袋は、一次包装に医療用医薬品で初めて※1リサイクルPET80%※2を採用した環境に配慮した包装袋として、2023年6月に第47回木下賞「包装技術賞」、同年8月に2023日本パッケージングコンテスト「適正包装賞」を受賞しました。今後も積極的に商品や事業を通じて環境経営を推進し、世界の人々のQOL向上に貢献してまいります。一般用医薬品事業は、新型コロナウイルス感染症に関する行動規制が緩やかになったことに伴う人流の回復や各種イベントの開催に加え、訪日外国人の増加に伴いインバウンド需要が回復傾向にある中で販促活動の強化を行ったことにより、前年同四半期比33.6%の増収となりました。なお、当社は、エスエス製薬株式会社の「エスカップ」、「ラカルト」の両ブランドに関連する資産等の一部譲受について、2023年7月に合意及び関連する契約を締結し、10月に資産等の一部譲受を完了しました。今後も、「エスカップ」、「ラカルト」の価値最大化を図るとともに、貼付剤にとどまらず、さまざまな商品やサービスを提供し、幅広い事業展開を進めることで、世界の人々のQOL向上に貢献してまいります。

海外市場において、医療用医薬品事業は、米国で後発品の影響を受けたものの、女性ホルモン製剤の需要の高まりや円安の影響もあり、前年同四半期比9.7%の増収となりました。なお、経皮吸収型デキストロアンフェタミン製剤「XELSTRYM」は、注意欠如・多動性障害の治療薬として2023年6月に米国で販売を開始しています。一般用医薬品事業は、積極的な販売活動により米国やアジアを中心としたその他の地域で売上を伸ばしたことに加え、円安の影響もあり、前年同四半期比19.4%の増収となりました。

  ※1:当社調べ

  ※2:石油由来原料を削減するために、石油由来原料の部分を再生樹脂に置き換え、石油由来原料と

        再生樹脂を混合し、再生樹脂の割合を80%にすることで、CO2の排出量を減らすことが出来る材質

 

〔地域別売上高〕

                                         (単位:百万円)

 

2023年2月

第3四半期実績

2024年2月

第3四半期実績

増減額

増減率

売上高

91,881

102,827

+10,946

+11.9%

医療用医薬品

日本

40,162

40,907

+745

+1.9%

海外

11,879

13,034

+1,154

+9.7%

 米国

8,496

8,975

+478

+5.6%

 その他地域

3,382

4,059

+676

+20.0%

一般用医薬品

その他

日本

11,745

15,697

+3,951

+33.6%

海外

25,796

30,800

+5,004

+19.4%

 米国

12,024

14,237

+2,213

+18.4%

 その他地域

13,772

16,563

+2,791

+20.3%

その他事業

日本

2,297

2,387

+90

+3.9%

 

 

② 営業利益

営業利益は、122億7千万円(前年同四半期比44.2%増)となりました。その主な要因は、売上の増加に伴い売上総利益が増加したことによるものです。なお、販売費及び一般管理費は、463億3千万円(前年同四半期比4.6%増)となりました。

③ 経常利益

経常利益は、166億6千1百万円(前年同四半期比28.1%増)となりました。その主な要因は、営業利益の増加によるものです。

④ 親会社株主に帰属する四半期純利益

親会社株主に帰属する四半期純利益は、121億1千万円(前年同四半期比27.2%増)となりました。その主な要因は、経常利益の増加によるものです。

この結果、当第3四半期連結累計期間における1株当たり四半期純利益は156.64円となりました。

 

 

 

(財政状態の分析)

当第3四半期連結会計期間末の四半期連結貸借対照表の概要は以下のとおりです。

① 資産

総資産は、前連結会計年度末と比較して209億9千1百万円増加し、3,349億9百万円となりました。主な増減は、現金及び預金(110億1千3百万円減)、その他流動資産(89億2千3百万円増)及び投資有価証券(67億7千1百万円増)です。

② 負債

負債合計は、前連結会計年度末と比較して79億3百万円増加し、634億1千2百万円となりました。主な増減は、その他流動負債(70億5百万円増)です

③ 純資産

純資産合計は、前連結会計年度末と比較して130億8千8百万円増加し、2,714億9千6百万円となりました。主な増減は、利益剰余金(55億3千1百万円増)、自己株式(81億4千5百万円減)、その他有価証券評価差額金(47億6千万円増)及び為替換算調整勘定(106億8千6百万円増)です。

 

(2) キャッシュ・フローの状況

当第3四半期連結累計期間に係る四半期連結キャッシュ・フロー計算書を作成していませんので、記載を省略しています。

 

(3) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

当第3四半期連結累計期間において、当社グループの優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題に重要な変更及び新たに生じた課題はありません。

 

(4) 研究開発活動

 当第3四半期連結累計期間の研究開発費の総額は60億4千2百万円です。

  なお、当第3四半期連結累計期間において当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。