売上高

利益

資産

キャッシュフロー

配当(単独)

ROE

EPS BPS




E05033 Japan GAAP


2【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 経営成績の状況

当第3四半期連結累計期間における経済環境をみると、不安定な世界情勢、インフレーションの継続及び海外金利の上昇といった経済環境の中でも、企業のDX(デジタルトランスフォーメーション)や業務改革、新たなデジタルサービス開発といったITを通じた経営改革への取組みは引き続き旺盛です。また、働き方改革関連法の施行等に伴う、従業員の働き方及び企業全体のサプライチェーンの見直しや、ESG・SDGs関連分野におけるITの活用も加速しており、あらゆる業種や領域においてIT投資が活発化しています。個人においては、ECサイト経由での購買、動画やオンラインを活用した娯楽やスポーツ観戦、ネットサービス上での教育、自己啓発など、ITの利用が定着し、これらに関連した様々なサービスが生まれています。

このような状況下、当社においては多種多様な顧客から案件を獲得したことに加え、中長期的な成長に資する大型プロジェクトが進行した結果、当社グループの当第3四半期連結累計期間の売上高は44,222百万円(前年同期比11.6%増)、営業利益は10,383百万円(同10.9%増)と増収増益となりました。一方、親会社株主に帰属する四半期純利益については、前期は特別利益として投資有価証券売却益を計上していたことなどから、7,119百万円(同1.1%減)と若干の減益となりました。

各セグメントの業績(売上高・営業利益)については以下のとおりです。

 

① ITコンサルティング&サービス事業

フューチャーアーキテクト株式会社(フューチャー株式会社のテクノロジー部門を含む)は、小売業の調達・製造・品質管理を一貫してデータ管理するプラットフォームの設計、アパレル業の基幹システムの刷新、新聞社グループのDX推進のグランドデザインのほか、食品卸や公共サービス業における基幹システム、ITインフラの刷新に係る設計・開発を行う等、引き続き多種多様な顧客の案件を獲得・推進いたしました。これらに加え、当社の中長期的な成長に資する、地域金融機関向け次世代バンキングシステム導入プロジェクトが、1行目は来期のリリースに向けた最終的な統合テスト、2行目は開発フェーズに入り、順調に推移したことをはじめ、物流業向けプロジェクトなど多くの企業向けのDX支援も順調に進行いたしました。また、品質管理を徹底しながらプロジェクトを進めた結果、前年同期比で増収増益となりました。

フューチャーインスペース株式会社は、定常的な保守運用サービスに加え、既存顧客システムのシステム基盤更改及びクラウド移行案件の開発が好調に推移し、前年同期比で増収増益となりました。

FutureOne株式会社は、強みであるオリジナルのパッケージソフトウェア「InfiniOne」の販売において、鉄鋼業界など業界特化型の営業展開による受注が拡大しました。一方で、インボイス制度への対応後に中小企業のIT投資が鈍化した影響で受注が鈍り、前年同期比で減収減益となりました。

株式会社ワイ・ディ・シーは製造業を中心とした新規の顧客開拓及び既存顧客への深堀、拡大が引き続き順調に推移し、これら従来のSIに加えて、基幹システム刷新やSmartFactory構想のグランドデザインコンサルティングといった戦略立案フェーズからの展開が増加しました。更には「YDC SONAR®」のライセンス販売の増加などもあり、前年同期比で増収増益となりました。

株式会社ディアイティは、脆弱性診断、インシデント対応、ネットワークセキュリティソリューションなど、サイバーセキュリティ関連のサービスの新規案件が増加したものの受注が計画に届かず、製品の販売も規模の大きな案件の獲得がありませんでした。また、採用コストも継続して発生しており、前年同期比で減収減益となりました。

この結果、本セグメントの売上高は38,067百万円(前年同期比12.5%増)、営業利益は10,631百万円(同7.0%増)と増収増益となりました。

 

② ビジネスイノベーション事業

株式会社YOCABITOは、滞留在庫のクリアランスが一段落したことに加え、デジタルプラットフォームの活用により適正利益を単品管理し商品改廃や戦略売価の設定等を進めたことで粗利率が回復しましたが、競争が激しいアウトドア市場での販売が引き続き苦戦しており、前年同期比で減収減益となりました。

東京カレンダー株式会社は、雑誌販売が堅調に推移し、広告売上も回復基調にあるものの、新サービス「グルカレ」の展開に係る費用が発生したことから、前年同期比で増収減益となりました。

コードキャンプ株式会社は、個人向けは広告を抑制したことから売上が減少したものの、法人研修事業が引き続き伸長しました。加えて、コストを適切にコントロールしたことから、前年同期比で増収増益となりました。

ライブリッツ株式会社は、建設業や飲食業などで新規の構築案件が順調に推移したことに加え、会員管理パッケージ「FastBiz」やデータ分析システム「Fastball」を導入しているスポーツチームにおける機能の追加開発が増加したことから、前年同期比で増収増益となりました。

この結果、本セグメントの売上高は6,061百万円(前年同期比2.6%増)、営業損失は323百万円(前年同期は営業損失307百万円)となり、前年同期比で増収減益となりました。

なお、報告セグメントにおけるフューチャー株式会社の持株会社機能の収益並びに費用及びセグメント間の取引消去を計上する「調整額」の営業利益が199百万円となり、前年同期比で440百万円の増益(前年同期は営業損失240百万円)となりました。これは、主にフューチャー株式会社がITコンサルティング&サービス事業から受け取る技術支援料等が増加したことによるものです。

 

(注)上記のセグメントの業績数値は、セグメント間の内部売上高又は振替高を調整前の金額で記載しております。

 

(2) 財政状態の状況

当第3四半期連結会計期間末の総資産は63,558百万円となり、前連結会計年度末に比べ5,581百万円増加しました。その主な要因は、配当金の支払いにより現金及び預金が減少(前連結会計年度末比△1,920百万円)した一方で、受取手形、売掛金及び契約資産が増加(同+1,554百万円)したほか、その他流動資産が増加(同+3,265百万円)したこと等によるものです。

負債は14,693百万円となり、前連結会計年度末に比べ1,546百万円増加しました。その主な要因は、賞与引当金が増加(前連結会計年度末比+1,129百万円)したことによるものです。

純資産は48,864百万円となり、前連結会計年度末に比べて4,035百万円増加しました。その主な要因は、利益の積み上げ等により利益剰余金が増加(前連結会計年度末比+3,576百万円)したことによるものです。

 

(3) 事業上及び財務上の対処すべき課題

当第3四半期連結累計期間において当社グループの事業上及び財務上の対処すべき課題に重要な変更及び新たに生じた課題はありません。

 

(4) 研究開発活動

当第3四半期連結累計期間における研究開発費は938百万円であります。なお、当第3四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。