株式会社ストリームメディアコーポレーション

ブランドなど:SM ENTERTAINMENT
情報・通信業インターネットグロース

売上高

利益

資産

キャッシュフロー

配当(単独)

ROE

EPS BPS




E05088 Japan GAAP


2【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。

 

(1)財政状態及び経営成績の状況

① 経営成績の状況

 当第3四半期連結累計期間における当社グループに関連する市場につきましては、コンサート市場は、コロナ前の2019年規模まで回復すると予想されています。一方、制作費においては、コロナ期間中にコンサート関連の人材が現場を離れた影響により人件費が高騰していることに加えて物価上昇も続いており、コロナ以前の水準には戻っていません。

 このような事業環境の中でも当社ではチケット価格の見直しや、コスト管理の強化などの対策をしています。

 メディア業界では、多チャンネルサービスの加入世帯減少傾向が続き厳しい状況です。ライツ業界では、韓国コンテンツの人気が継続しており新作版権の獲得競争が激化している一方、アーカイブ作品の視聴需要も高まっています。

 このような厳しい経営環境の中ではありますが、積極的に事業を展開した結果、前期に続き当社グループの当第3四半期連結累計期間におきましても当初計画通りに推移しています。

 エンターテインメント事業では、NCTグループが初の大型スタジアムコンサートを開催し計4日間で約22万人を動員した他、aespaが海外アーティスト史上最速での東京ドームコンサートを行い計2日間で約9.4万人を動員するなど、大型公演を中心に開催いたしました。エンターテインメント事業では当第3四半期連結累計期間において計80公演のオフラインコンサートを実施し約120万人を動員いたしました。

 ライツ&メディア事業では、当第3四半期連結累計期間においてKPIに掲げているK-POPプレミアムコンテンツをKNTVで計10作品放送いたしました。11年ぶりにインドネシア・ジャカルタで開催された「SMTOWN LIVE 2023 : SMCU PALACE@JAKARTA with KB Bank」(以下「SMTOWN LIVE」)は東方神起や今年9月にグローバルデビューしたRIIZEをはじめとするSMエンターテインメント所属アーティストが計8組出演した大型コンサートで、KNTVにて生放送をいたしました。第4四半期では、年末に韓国地上波で放送される授賞式などの放送も予定しており、K-POPプレミアムコンテンツの拡充に注力しています。KNTVでは引き続き日本初放送のドラマ作品を数多く放送しながら、K-POPファン層へも新規加入促進を図ってまいります。

ライツ事業では、韓国コンテンツの人気高騰に伴いアーカイブ作品の視聴需要も依然高く、新規人気ドラマの獲得とともに保有作品の販売にも注力しています。

 この結果、当第3四半期連結累計期間の売上高7,499百万円(前年同期比36.2%増)、営業利益は366百万円(前年同期は118百万円の営業損失)、経常利益は376百万円(前年同期は104百万円の経常損失)、親会社株主に帰属する四半期純利益は318百万円(前年同期は35百万円の親会社株主に帰属する四半期純損失)となりました。

 

 セグメント別の業績は、次のとおりです。

(エンターテインメント事業)

 コンサート事業では、大型コンサートを中心に24公演開催し、約45万人を動員いたしました。NCTグループが初の大型コンサート「NCT STADIUM LIVE ‘NCT NATION : To The World-in JAPAN’」(9月9日、10日、16日、17日)をヤンマースタジアム長居と味の素スタジアムで計4日間開催し約22万人を動員いたしました。その他にも、aespaが海外アーティスト史上最速での東京ドームコンサート「aespa LIVE TOUR 2023 ‘SYNK : HYPER LINE’ in JAPAN -Special Edition-」(8月5日、6日)を行い計2日間で約9.4万人を動員いたしました。

 MD事業では、大型コンサートの開催に伴い関連グッズの販売が好調に推移し業績に寄与いたしました。その他にも原宿でギャラリーとカフェが一体となったNCTのポップアップ空間『NCT@XYZ』をオープンいたしました。このようなポップアップは、今後もコンサート開催の有無にかかわらず定期的にオープンする予定です。またNCT DREAMのファミリーマート限定グッズや、アミューズメント専用景品なども販売し、多くの人にとって身近な場所でグッズを目にする機会を増やすことで認知度向上とファン獲得のPRにも力を入れています。

 音楽事業では、CHEN(EXO)の1stミニアルバム「ポラリス」(8月17日)をリリースいたしました。またKAI(EXO)の日本ソロライブ『KAI Japan Special Live 2023』、EXO約5年振りのファンクラブイベント『EXO-L-JAPAN presents EXO CHANNEL “THE BEST”』、SUPER JUNIOR約5年振りのドーム公演『SUPER JUNIOR WORLD TOUR -SUPER SHOW 9 : ROAD in JAPAN』のDVD&Blu-rayも発売いたしました。

 その他活動では、7月27日からNCT New Team(仮)のメンバーを決めるデビューサバイバル番組「NCT Universe: LASTART」(日本テレビ、Hulu等)が放送されました。当番組で選ばれたメンバーがプレデビューし、10月に行われた東京公演では計2日間で約8千人を動員しました。日本を中心に活動予定のNCT New Team(仮)は、来年正式デビューを予定しており、第4四半期には全国9都市で24公演のファンイベントを行い、プロモーション活動に注力してまいります。

 この結果、売上高は5,507百万円(前年同期比85.3%増)、セグメント利益は596百万円(前年同期比329.9%増)となりました。

 

(ライツ&メディア事業)

 ライツ事業では、韓流コンテンツの人気が継続しておりアーカイブ作品の視聴需要も高まっているため、保有作品の有効活用に注力しています。しかしながら、OTTサービス事業者への大型納品が上半期に集中したため当第3四半期においては売上が減少しています。第4四半期には「夫婦の世界(原題)」など複数のアーカイブ作品がCSやBS上で放送されることが決定しています。

 メディア事業では、インドネシア・ジャカルタにて9月23日に開催された大型イベント「SMTOWN LIVE」をKNTVにて生放送した結果、9月の新規加入者は本事業年度における月間平均数の約3倍にのぼり、新規加入者獲得に大きく寄与いたしました。その他にも日本初放送の「SUPER JUNIOR-L.S.S. Let's Standing Show」、KAI(EXO)初のソロコンサート「#Cinema - KAI:Kloor」、BoAの20周年記念コンサート「BoA 20th Anniversary Live - THE BoA:Musicality」といったK-POPプレミアムコンテンツを放送しK-POPファンの新規獲得を促進いたしました。また、韓国地上波MBCで今年放送されたばかりの最新作「朝鮮弁護士(原題)」や、チェ・スヨン(少女時代)出演ドラマ「あなたが願いを言えば」など、多数のドラマ作品を日本初放送し加入者維持に努めています。当第3四半期においては編成ラインナップ強化のための費用が利益を一時的に押し下げる結果となっておりますが、新規加入者の増加は長期に渡って業績に寄与する見込みです。

 この結果、売上高は1,992百万円(前年同期比21.2%減)、セグメント利益は293百万円(前年同期比65.1%増)となりました。なお、前年同期におきましては株式会社Beyond Live Corporationが子会社であったことから、当第3四半期連結累計期間における売上高は減少しています。

 

(その他事業)

 その他事業では、売上高は0百万円(前年同期比90.9%減)、セグメント損失は25百万円(前年同期は29百万円のセグメント損失)となりました。なお、株式会社エブリシングジャパンが運営するカラオケアプリ「everysing」につきましては、11月6日にサービス終了を予定しています。不採算が続いていた本サービスを終了することで、来期以降の連結業績の改善が予想されます。

 

 

② 財政状態の状況

(資産)

 当第3四半期連結会計期間末の総資産は13,573百万円となり、前連結会計年度末に比べ3,505百万円増加いたしました。流動資産は10,580百万円となり、前連結会計年度末に比べ2,455百万円増加いたしました。その主な要因は、現金及び預金が910百万円減少したものの、売掛金が2,378百万円増加、コンテンツ事業権が457百万円増加及びその他が671百万円増加したことによるものであります。また、固定資産は2,992百万円となり、前連結会計年度末に比べ1,049百万円増加いたしました。その主な要因は、投資有価証券が1,050百万円増加したことによるものであります。

 

(負債)

 当第3四半期連結会計期間末の負債は5,833百万円となり、前連結会計年度末に比べ2,459百万円増加いたしました。流動負債は4,930百万円となり、前連結会計年度末に比べ2,091百万円増加いたしました。その主な要因は、買掛金が1,752百万円増加したことによるものであります。また、固定負債は903百万円となり、前連結会計年度末に比べ367百万円増加いたしました。その主な要因は、繰延税金負債が363百万円増加したことによるものであります。

 

(純資産)

 当第3四半期連結会計期間末の純資産は7,739百万円となり、前連結会計年度末に比べ1,045百万円増加いたしました。その主な要因は、その他有価証券評価差額金が408百万円増加及び非支配株主持分が266百万円増加、親会社株主に帰属する四半期純利益318百万円により利益剰余金が増加したことによるものであります。

 

(2)会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

 前事業年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定について重要な変更はありません。

 

(3)経営方針・経営戦略等

 当第3四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。

 

(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

 当第3四半期連結累計期間において、当社グループの優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題に重要な変

更はありません。また、新たに生じた課題もありません。

 

 (5)研究開発活動

 該当事項はありません。

 

 (6)従業員数

 当第3四半期連結累計期間において、従業員数の著しい増減はありません。

 

 (7)経営成績に重要な影響を与える要因

 当第3四半期連結累計期間において、当社グループの経営成績に重要な影響を与える新たな要因等は発生しておりません。

 

 (8)資本の財源及び資金の流動性についての分析

 ① 資金需要

 当社グループの事業活動における資金需要は、営業活動については、放送事業での番組、版権事業でのコンテンツ事業権等の棚卸資産の購入及び製造費、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。投資活動については、事業伸長、生産性向上等への設備投資への取得等であります。

 ② 財務政策

 当社グループは、事業活動の維持拡大に必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。営業活動及び投資活動とも内部資金を財源として行うことを基本としておりますが、財務状況により機動的な資金の調達先として銀行借入を選択する場合もあります。