売上高

利益

資産

キャッシュフロー

配当(単独)

ROE

EPS BPS




E05114 Japan GAAP


2【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 文中の将来に関する事項は、四半期報告書提出日(2023年11月10日)現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)経営成績の状況

 当社グループの当第2四半期連結累計期間における経営成績の概況は、連結売上高982,096千円(前年同四半期比45.8%減)となり、大幅な減収となりました。

 これは、主に前第1四半期連結会計期間にリリースしたHTML5ゲーム「Flyff Universe(フリフユニバース)」の売上高が前年同四半期と比較して減少したことによります。

 また、HTML5ゲーム事業に係る支払チャネリングフィーの減少により売上原価が減少しております。

 販売費及び一般管理費につきましては、主に「Flyff Universe(フリフユニバース)」に係るマーケティング活動費用が減少したことにより減少となりました。

 これらの結果、営業損失111,318千円(前年同四半期営業利益280,511千円)、経常損失78,836千円(前年同四半期経常利益263,123千円)、親会社株主に帰属する四半期純損失71,045千円(前年同四半期親会社株主に帰属する四半期純利益172,922千円)となりました。

 

 セグメントごとの経営成績の概況は、次のとおりであります。

① 日本

 日本セグメントでは、連結子会社Gala Lab Corp.が開発したスマートフォンゲームアプリ「Rappelz(ラペルズモバイル)」について、2021年10月にアメリカ・カナダでのサービス提供を開始いたしましたが、2022年11月にサービス提供を一時終了いたしました。現在、「Rappelz(ラペルズモバイル)」にブロックチェーン技術を組み合わせてNFTゲーム/ブロックチェーンゲーム(※1)「Rappelz Universe(ラペルズユニバース)」にリニューアルし、グローバルエリアにおけるリリースに向けて準備を進めております。NFTゲーム/ブロックチェーンゲームは、ゲーム内のアイテム等が暗号資産基盤技術であるブロックチェーン(※2)により「NFT(※3)化」され、ユーザーがゲーム内で得たアイテム等を暗号資産に変えて取引所等で売買が可能となります。これにより、ゲームの魅力をより高め、スマートフォンアプリ事業の収益化に向けて注力してまいります。現在、「Rappelz Universe(ラペルズユニバース)」のリリース準備を進めておりますが、ゲーム内で使用する暗号資産の韓国国内での法律面及び税務面での検討に時間を要しており、現在のところサービス開始日が未定となっております。

 また、連結子会社㈱ツリーフルが新規事業として沖縄県名護市で行っているツリーハウスリゾート事業は、ツリーハウス及び地上の建築物であるエアロハウスを1つのセットにして宿泊者に提供するリゾート事業であります。㈱ツリーフルは、2021年7月に「旅館業法に基づく旅館業営業許可申請」が許可され、日本で初めて宿泊料を受けて宿泊が可能なツリーハウスリゾートとして2021年8月にオープンいたしました。

 ツリーハウスリゾートのコンセプトは、「サステイナブル(持続可能な)リゾート」であり、化石燃料を使用せず、代わりに電気を使用し、使用量よりも多くの太陽光発電により持続可能な社会を構築することを目指しております。当社グループは、ツリーハウスリゾート事業について成長戦略を見出し、グループの企業価値向上を目指してまいります。

 当第2四半期連結累計期間において、上記のツリーハウスリゾート事業の売上高計上があったものの、前期に行ったクラウド関連事業における契約形態の変更等の影響により前年同四半期と比較し売上高(内部取引を含む)が減少いたしました。

 費用面では、主に貸倒引当金繰入額の減少があったものの、役員報酬の増加により販売費及び一般管理費が増加いたしました。

 これらの結果、日本セグメントにおける売上高は30,816千円(内部取引を含む)と前年同四半期比で13,937千円(31.1%)の減少となり、セグメント損失が190,315千円(前年同四半期は115,475千円のセグメント損失)となりました。

 

② 韓国

 韓国セグメントでは、2022年5月にサービス提供を開始したHTML5ゲーム「Flyff Universe(フリフユニバース)」について、前年同四半期のサービス提供開始後の売上高が大きかったこと、また、契約形態の変更により、売上高の計上方法がパブリッシャーとしてのパブリッシング売上高から受取ライセンス料によるライセンス売上高に変更になったことから前年同四半期と比較し売上高(内部取引を含む)が減少いたしました。HTML5ゲームは、ダウンロード不要でPC及びスマートフォン等、様々なデバイスからプレイが可能な接近性が高いゲームであります。Gala Lab Corp.は、2023年7月にBPMG Co., Ltd.及びWemade Connect Co., Ltd.との間でHTML5ゲーム「Flyff Universe(フリフユニバース)」のHTML5ゲームの要素にブロックチェーン技術によるPlay To Earn(P2E)(※4)要素を組み合わせたNFTゲーム/ブロックチェーンゲーム「Flyff Universe(フリフユニバース)」について、パブリッシング及びゲーム事業に関する戦略的提携契約を締結いたしました。現在、リリースに向けて準備を進めておりますが、「Rappelz Universe(ラペルズユニバース)」と同様の理由によりNFTゲーム/ブロックチェーンゲーム「Flyff Universe(フリフユニバース)」について、現在のところサービス開始日が未定となっております。

 続いて、スマートフォンアプリ事業では、現在、Gala Lab Corp.がスマートフォンゲームアプリ「Flyff Legacy(フリフレガシー)」を提供しており、また、連結子会社Gala Mix Inc.が歩数計アプリ「winwalk(ウィンウォーク)」、スマートフォンアプリ「winQuiz(ウィンクイズ)」及びスマートフォンアプリ「Poll Cash(ポールキャッシュ)」を提供しております。グローバルなネットワークを活かした多言語展開による配信を進めておりますが、前年同四半期と比較し売上高(内部取引を含む)が減少いたしました。

 また、オンラインゲーム事業では、Gala Lab Corp.の主力ゲーム「Flyff Online(フリフオンライン)」及び「Rappelz Online(ラペルズオンライン)」について、サービス提供を行っております。現在、ライセンス展開及びチャネリング(※5)展開を進めておりますが、前年同四半期と比較して売上高(内部取引を含む)が減少いたしました。

 さらに、当社グループは、収益貢献へのもう一つの施策として、Gala Lab Corp.、韓国における大手電機通信事業会社LG Uplus Corp.及び韓国最大規模のデジタルIT企業であるMegazone Corporationとメタバース(※6)キャンパスプラットフォーム「UVERSE(ユーバース)」事業(以下、「Meta Campus事業」という。)を進めております。Meta Campus事業は、メタバースプラットフォームによる仮想キャンパスを開発・構築し、大学等の教育機関に生徒のコミュニティ空間や大学入試説明会等のイベントの場としてメタバースプラットフォームを提供していく事業であります。業務の役割分担は、Gala Lab Corp.がメタバースプラットフォームの開発、LG Uplus Corp.が学校誘致及びマーケティング、Megazone Corporationがクラウド等のインフラ提供を担当いたします。現在、複数の有名大学と契約を締結しサービス提供しております。

 また、当社は、2023年9月11日開催の取締役会において、韓国のROAD101 Co., Ltd.が実施する第三者割当増資の引受及び同社を子会社化することについて決議し、2023年9月14日に同社の株式を取得いたしました。これに伴い、当社グループは、VFX事業を新規事業として開始いたします。

 VFXとは、視覚効果を意味するvisual effectsの略で、映画やテレビドラマなどの映像作品において、現実には見ることのできない画面効果を実現するための技術のことをいいます。VFX事業は、VFX技術を用いた映画・CMコンテンツ制作事業であります。

 なお、同社のみなし取得日を2023年9月30日としているため、当第2四半期連結累計期間は貸借対照表のみ連結しており、当第2四半期連結累計期間における四半期連結損益計算書に同社の業績は含まれておりません。

 費用面では、主に「Flyff Universe(フリフユニバース)」に係るマーケティング活動費用が減少したことにより販売費及び一般管理費が減少いたしました。

 これらの結果、韓国セグメントの売上高は975,117千円(内部取引を含む)と前年同四半期比で834,134千円(46.1%)の減収となり、セグメント利益が87,454千円(前年同四半期は402,533千円のセグメント利益)となりました。

 

(※1)NFTゲーム/ブロックチェーンゲームとは、暗号資産基盤技術であるブロックチェーン(※2)を利用し、ゲーム内アイテムが「NFT(※3)化」されているゲームをいいます。GameFi(GameとDecentralized Finance:ゲームと分散型金融を掛け合わせた造語)とも言われております。

(※2)ブロックチェーンとは、分散型ネットワークを構成する複数のコンピューターに暗号技術を組み合わせ、取引情報等のデータを同期して記録する手法であり、一定期間の取引データをブロック単位にまとめ、コンピューター同士で検証し合いながら正しい記録をチェーン(鎖)のようにつないで蓄積する仕組みであります。

(※3)NFT(Non-Fungible Token:非代替性トークン)とは、「偽造不可な鑑定書・所有証明書付きのデジタルデータ」のことであり、暗号資産と同じく、ブロックチェーン上で発行及び取引されるデジタルデータであります。

(※4)Play To Earn(P2E)とは、ブロックチェーンゲーム内で得た収入やポイントを暗号資産に変えて取引所等で売買が可能であり、このゲームで遊んで収入が得られることが「Play To Earn」(P2E)と呼ばれております。

(※5)チャネリングとは、オンラインゲーム等に関して、他社のゲームポータルサイトにてプレイできるようになるサービスをいいます。

(※6)メタバース(Metaverse)は、超を意味するメタ(meta)と宇宙を意味するユニバース(universe)から作られた合成語で、多人数が参加可能で、参加者がその中で自由に行動できるインターネット上に構築された多人数参加型の3次元仮想空間です。利用者はアバターと呼ばれる自分の分身を介して仮想空間に入ることでその世界の探索、他の利用者とのコミュニケーションを図ることができます。また、ユーザーが独自のゲームを作成し、他のユーザーにプレイさせて収益化することやユーザーがゲーム内のアイテム等をNFT(※3)として他のユーザーと暗号資産により売買することができる仕組みを構築できます。

 

(2)財政状態の状況

 当社グループの当第2四半期連結会計期間末における純資産は、前連結会計年度末に比べて9,455千円減少し、2,225,315千円となりました。

 主な増減は、資産では、のれんが371,058千円、有形固定資産のその他(純額)が262,745千円、売掛金が67,946千円、敷金及び保証金が55,836千円増加した一方で、現金及び預金が349,762千円減少いたしました。のれん、売掛金、敷金及び保証金の増加は、主にROAD101 Co., Ltd.を連結の範囲に含めたことにより増加したものであります。有形固定資産のその他(純額)は、 上記の理由及び㈱ツリーフルが建設中のツリーハウス・エアロハウスに係る建設仮勘定の増加によるものであります。現金及び預金の減少は、主にROAD101 Co., Ltd.を連結の範囲に含めたことに係る連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出によるものであります。

 負債では、短期借入金が244,200千円、前受収益が60,833千円、前受金が59,587千円増加いたしました。短期借入金、前受金の増加は、主にROAD101 Co., Ltd.を連結の範囲に含めたことにより増加したものであります。前受収益は、NFTゲーム/ブロックチェーンゲームに係るパブリッシング及びゲーム事業に関する戦略的提携契約の締結による増加であります。

 純資産では、為替換算調整勘定が23,143千円、非支配株主持分が40,241千円増加した一方で、利益剰余金が71,045千円減少いたしました。利益剰余金は、親会社株主に帰属する四半期純損失の計上によるものであります。

 

(3)キャッシュ・フローの状況

 当第2四半期連結累計期間における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、前連結会計年度末残高に比べて349,762千円減少し当第2四半期連結会計期間末には1,489,393千円となりました。

 当第2四半期連結累計期間における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

 

① 営業活動によるキャッシュ・フローの状況

 営業活動によるキャッシュ・フローは、32,749千円の資金使用(前年同四半期は407,738千円の資金獲得)となりました。主な内訳は、前受収益の増加53,500千円、長期前受収益の増加11,009千円、退職給付に係る負債の増加14,668千円の収入要因に対して、税金等調整前四半期純損失78,836千円、売上債権の減少45,967千円、未払金の減少41,676千円の支出要因によるものであります。

 

② 投資活動によるキャッシュ・フローの状況

 投資活動によるキャッシュ・フローは、366,949千円の資金使用(前年同四半期は250,166千円の資金使用)となりました。主な内訳は、連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出223,133千円、有形固定資産の取得による支出135,287千円の支出要因によるものであります。

 

③ 財務活動によるキャッシュ・フローの状況

 財務活動によるキャッシュ・フローは、63千円の資金獲得(前年同四半期は1,281,080千円の資金獲得)となりました。内訳は、非支配株主からの払込による収入4,863千円の収入要因に対して、長期借入の返済による支出4,800千円の支出要因によるものであります。

 

(4)会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

 前事業年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定の記載について重要な変更はありません。

 なお、評価につきましては、過去の実績や状況に応じて合理的と考えられる要因等に基づき実施しておりますが、見積り特有の不確実性があるため、実際の結果は異なる場合があります。

 また、新型コロナウイルスの感染拡大に伴う影響については、その収束時期等を正確に予測することは困難な状況にありますが、日本でも感染症法上の分類が5類へ移行されるなど、社会活動が正常化に向かっている現状から概ね2023年12月にかけて徐々に収束していくとの仮定により期末時点で入手可能な情報に基づき会計上の見積りを行っております。

 

(5)経営方針・経営戦略等

 当第2四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。

 

(6)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

 当第2四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。

 

(7)研究開発活動

 該当事項はありません。

 

(8)資本の財源及び資金の流動性についての分析

 当社グループの資金需要のうち主なものは、運転資金及び設備投資資金であります。運転資金及び設備投資資金については、主に自己資本により調達することを基本としております。

 当社は2022年5月13日開催の当社取締役会において、第三者割当による新株式の発行及び第7回新株予約権(以下「本新株予約権」といいます。)の発行を決議し、2022年5月30日に払込手続が完了しており、事業運営上必要な資金を確保及び流動性の維持を図っております。

 本新株予約権により調達した5,231千円及び本新株予約権の行使により調達する550,012千円の合計額から発行諸費用の概算額を控除した552,588千円(手取概算額)の資金使途は、NFTゲーム/ブロックチェーンゲーム「Flyff Universe(フリフユニバース)」のマーケティング活動資金及び人件費等の運営資金に充当する予定であります。なお、本新株予約権の行使期間中に行使が行われない場合又は当社が取得した本新株予約権を消却した場合には、上記手取概算額は減少いたします。