売上高

利益

資産

キャッシュフロー

配当(単独)

ROE

EPS BPS




E05120 Japan GAAP


2 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1) 経営成績の状況・分析

当第3四半期連結累計期間(2023年4月1日~2023年12月31日)におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症(以下、「感染症」という)が5類に引き下げられたことなどにより、社会経済活動の正常化が一層進み、景気は緩やかな回復傾向を維持しました。しかしながら、ウクライナ情勢の長期化、原材料の価格高騰、為替変動などの影響により、依然として先行き不透明な状況が続いております。

当社グループの属する情報サービス業界におきましては、DXの進展に伴い、基幹システムのモダナイゼーション(※1)や、クラウドマイグレーション(※2)等への取り組みの加速が予想されます。当社の顧客企業においても、中長期の事業拡大を見据えた基幹システムの刷新や、セキュリティ意識の高まりなどを背景としたクラウドサービスの活用が進んでいます。また、IT人材不足の解消やBCP対策のためシステムの保守・運用業務等をアウトソーシングする動きが見られることなどから、今後もIT投資の拡大を見込んでおります。当社グループでは、引き続き人材育成や採用活動の強化などによる人的資本経営への取り組みに注力するとともに、中期経営計画「Vision2026」(2024年3月期~2026年3月期)の主要戦略として、「ITフルアウトソーシングの推進による既存顧客の領域拡大および新規顧客の獲得」等を掲げ、受注規模の拡大やコスト削減に向けたニアショア活用等を推進しています。また2023年12月には、技術力や顧客基盤の融合による企業価値の更なる向上を目指し、株式会社ジャパンコンピューターサービスを子会社化いたしました。

(※1)システムで稼働しているソフトウエアやハードウエアなどを、稼働中の資産を活かしながら最新の製品や設計で置き換えること

(※2)システムが稼働する環境を物理的な基盤(オンプレミス環境)からインターネット上の仮想基盤(クラウド環境)に移行すること

 

駐輪場業界におきましては、各種規制の緩和などに伴い外出機会が増え、駐輪場の利用が増加しています。しかしながら、働き方の多様化に伴う行動変容など、今後も外部環境に起因するリスクが懸念されるため、環境変化や需要変動に柔軟に対応できるビジネスモデルへの転換が必要となります。当社グループは、収益性の安定化を目指し、料金改定の更なる推進や駐輪場運営のDX化など、事業の構造改革を加速させています。さらには、市場ニーズにマッチした利便性の高い無人駐輪場や、多様なモビリティに対応する次世代駐輪場の拡大などサービスの高付加価値化に取り組んでおり、主に鉄道会社に対し、月極駐輪場「ECOPOOL」や新製品のキャッシュレス決済専用精算機「ES410」の導入などに注力しています。

 

当第3四半期連結累計期間につきましては、IT関連事業(システム開発事業、サポート&サービス事業)において業務領域が拡大したこと、また、パーキングシステム事業において駐輪場利用料収入が増加したことなどにより、前年同期比で増収増益となりました。

以上により、当第3四半期連結累計期間の売上高は、18,213百万円(前年同期比10.0%増)、営業利益1,492百万円 (前年同期比52.7%増)、経常利益1,505百万円(前年同期比52.2%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益は988百万円(前年同期比58.8%増)となりました。

 

 

 

当第3四半期連結累計期間におけるセグメント別の業績は、以下のとおりであります。

 

システム開発事業

保険会社の新商品のシステム開発案件や製造業の基幹システム刷新案件における業務領域が拡大し、堅調に推移したことなどにより、前年同期比で増収となりました。利益面におきましては、各種プロジェクト管理が順調で利益を拡大できたことや、主にアプリケーションの保守業務においてNCDサービスモデルへの移行が進み収益性が向上していることなどにより、前年同期比で大幅な増益となりました。これらの結果、売上高7,540百万円(前年同期比12.8%増)、セグメント利益1,100百万円(前年同期比48.7%増)となりました。

 

サポート&サービス事業

保険会社のクラウド関連等の業務領域が拡大したことなどにより、前年同期比で増収となりました。利益面におきましては、各種案件は概ね順調に推移したものの、前年は高収益のスポット案件があったことから、前年同期比で減益となりました。これらの結果、売上高5,350百万円(前年同期比7.4%増)、セグメント利益536百万円(前年同期比6.9%減)となりました。

 

パーキングシステム事業

感染症に係る各種規制の緩和に加え、天候に恵まれたことにより外出機会が増え、主に時間貸駐輪場の利用が増加しました。また、引き続き自営駐輪場を中心に料金改定を推進し、駐輪場利用料収入が感染症拡大前の水準を大きく上回って推移しました。その結果、前年同期比で増収となりました。利益面におきましては、駐輪場利用料収入の大幅な増加を受け、駐輪場の採算性が大きく改善したことや、グループ子会社を活用した外部委託業務の内製化に努めたことなども寄与し、前年同期比で大幅な増益となりました。これらの結果、売上高5,303百万円(前年同期比8.9%増)、セグメント利益1,004百万円(前年同期比56.2%増)となりました。

 

(2) 財政状態

当第3四半期連結会計期間末の資産は、前連結会計年度末に比べ1,557百万円増加し、13,944百万円となりました。増加した主なものは、現金及び預金1,375百万円、有価証券200百万円、のれん125百万円及び仕掛品120百万円です。一方、減少した主なものは、受取手形、売掛金及び契約資産265百万円です。負債は、前連結会計年度末に比べ652百万円増加し、7,994百万円となりました。増加した主なものは、退職給付に係る負債276百万円、短期借入金225百万円、未払法人税等168百万円及び役員退職慰労引当金147百万円であります。一方、減少した主なものは、賞与引当金205百万円及び株式報酬引当金(流動)125百万円であります。また、純資産は、前連結会計年度末に比べ904百万円増加し、5,950百万円となり、自己資本比率は、前連結会計年度末の40.4%から42.3%となっております。

 

(3) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

当第3四半期連結累計期間において、優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題に重要な変更及び新たに生じた課題はありません。