E01055 Japan GAAP
当第3四半期連結累計期間における経済情勢は、コロナ禍での行動規制緩和に伴う経済活動の正常化が進み、景気は緩やかな回復基調が続きましたが、ウクライナ情勢の長期化や中東情勢の緊迫化、資源・エネルギー価格高騰による物価上昇、主要国での金融引締めの長期化に伴う景気減速が懸念されるなど、先行き不透明な状況が続きました。
このような状況のもと、当社グループは、中国シフトが進む液晶ディスプレイ関連の需要拡大に応じた生産・供給体制の強化・合理化を推進するとともに、自動車や情報・電子デバイスなど成長分野での新たなニーズ獲得に注力し、安定収益基盤の拡大と収益性の向上を図っております。また、環境変化に強い事業構造への転換に向けて、バイオマス材料・製品や革新的生産プロセスの開発、新規事業開発体制の強化などに取り組んでおります。
当第3四半期連結累計期間の業績につきましては、スマートフォンなど情報・電子分野の需要低迷が続きましたが、液晶ディスプレイ関連分野での生産調整が一巡し、中国市場を中心に需要の回復が進んだことにより、売上高は310億11百万円(前年同期比6.6%増)となりました。利益面では、液晶ディスプレイ関連用途の粘着剤の増産効果にくわえて、コスト削減や採算是正の効果などにより、営業利益は31億33百万円(前年同期比112.4%増)となり、経常利益は31億26百万円(前年同期比88.6%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益は23億62百万円(前年同期比106.8%増)となりました。
セグメントの状況は、以下のとおりです。
<ケミカルズ>
ケミカルズの売上高は288億55百万円(前年同期比8.5%増)となりました。製品別の状況は、以下のとおりです。
粘着剤製品は、液晶ディスプレイ関連分野での需要回復が顕著となり、中国市場を中心に販売数量が増加したことなどにより、売上高は208億71百万円(前年同期比23.5%増)となりました。
微粉体製品は、中国市場での光拡散用途の需要は回復傾向にありましたが、トナー・塗料用途の需要低迷により販売数量が前年同期を下回り、売上高は19億13百万円(前年同期比2.3%減)となりました。
特殊機能材製品は、中国市場でのスマートフォン市況低迷の影響を受けて電子材料用途の販売数量が減少し、採算是正による収益改善の効果はありましたが、売上高は18億86百万円(前年同期比17.7%減)となりました。
加工製品は、中国市場でのスマートフォン市況低迷に伴う価格競争の激化や電子表示用途での在庫調整の影響を受けて機能性粘着テープの販売が減少したことなどにより、売上高は41億85百万円(前年同期比23.2%減)となりました。
<装置システム>
装置システムについては、設備関連の受注は堅調に推移したものの、熱媒体油の販売が低調であったことから、売上高は21億55百万円(前年同期比13.7%減)となりました。
当第3四半期連結会計期間末(以下「当期末」という。)の総資産は、前連結会計年度末(以下「前期末」という。)に比べて28億62百万円増加し、501億37百万円となりました。
流動資産は、棚卸資産が減少したものの、受取手形、売掛金及び契約資産、有価証券が増加したことなどにより、前期末に比べ20億73百万円増加し、293億62百万円となりました。
固定資産は、有形固定資産が増加したことなどにより、前期末に比べ7億88百万円増加し、207億75百万円となりました。
一方、負債については短期借入金、賞与引当金が減少したものの、契約負債等のその他流動負債が増加したことなどにより、前期末に比べ1億11百万円増加し、174億9百万円となりました。
当期末における純資産は、利益剰余金、為替換算調整勘定が増加したことなどにより、前期末に比べ27億50百万円増加し、327億27百万円となりました。
この結果、自己資本比率は前期末63.4%から1.9ポイント増加し65.3%となりました。
当第3四半期連結累計期間において、当社グループの事業上及び財務上の対処すべき課題に重要な変更及び新たに生じた課題はありません。
当第3四半期連結累計期間における研究開発費の総額は10億34百万円であります。
なお、当第3四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
① 当第3四半期連結累計期間において、前連結会計年度末に計画中であった主要な設備の新設について完了したものは、次のとおりであります。
② 当四半期報告書提出日現在における主要な設備の新設の計画は次のとおりであります。