売上高

利益

資産

キャッシュフロー

配当(単独)

ROE

EPS BPS




E37458 


 

2 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中の将来に関する事項は、当第2四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。

 

(1) 財政状態及び経営成績の状況

① 経営成績の状況

当第2四半期連結累計期間における我が国経済の状況は、物価上昇や海外経済の減速による下振れが懸念される一方で、新型コロナウイルスの感染による景気へのマイナス効果が薄らぎ、景気は確実に持ち直しており、雇用の改善や賃金の増加が見られました。企業部門は利益の増加が続き、インバウンド需要も順調に回復している模様です。こうしたなかで、各企業の中長期視点からの設備投資への意欲が増している状況となっております。

当社グループの属する業界においては、2010年代後半から活発化していた各企業のデジタルトランスフォーメーション(DX)関連の投資が継続して増加の傾向にあり、特にソフトウエアの分野において顕著であります。なかでもChatGPTを代表とする生成系AIが注目を浴びており、業務改善、事業改革に積極的な企業はすでに活用フェーズに入っております。これまでDXが進んでいなかった業種、業界からも生成系AIに対する関心は高く、その導入はより広がるものと見込んでおります。また、引き続き既存システムの刷新やデータ分析のAI化に対する期待は高く、今後もこの流れは加速していくと見られています。一方で、エンジニアの不足は深刻化しており、優秀な人材の獲得競争が激化しております。

そのような状況下、当社グループは、「テクノロジーに想像力を載せる」という経営理念の下、人にやさしいICTサービスの提供を目指し、当社グループ独自のテクノロジーで新たな時代への橋渡しとなるイノベーションを追求しております。GPU/データセンターに関する事業を行う子会社・株式会社ゼロフィールドとの事業シナジーを活かし、生成AI時代におけるAI開発力とコンピューティングパワーを併せもつ唯一無二のAIベンチャーとして、事業を推進してまいります。

当第2四半期連結累計期間においては、各企業のDXへの大規模な投資が加速する概況に照準を合わせ営業活動を行いました。展示会への出展やウェビナーを通じて、AI導入をゼロからサポートする月額制のサービス「AIラボ」を積極的に展開し、これまでDXで出遅れていた建設・製造・飲食業界を中心に受注が着実に進んでおり、今後の大きな収益源となることを見込んでおります。また、請負案件においても、当社AI技術へのニーズは高く、画像分析や需要予測といったAI開発では、当該期間において大型案件の受注や問い合わせが増えているのが特徴です。

AIZE関連では、白ナンバー事業者へのアルコール検知の義務化の改正道路交通法が2023年12月に施行されたことにより、AIZEシステムにアルコールチェッカーとの連携機能を搭載したサービスの受注が増加し、業績へ貢献いたしました。該当サービスに関する月額利用料については継続的な取引となるため、今後の業績拡大も見込まれております。さらに、従前から勤怠システムサービスを展開する企業と連携を図ってきた効果が現れるとともに、当第2四半期連結会計期間には新たにコールセンターサービスを提供する企業と連携することで、AIZEプロダクトの拠点ID数は確実に増加しております。

同時に、社内業務においても積極的に生成系AIを活用することで、開発工程の効率化、生産性向上も効果が見られ、この点でも成長を見込んでおります。

子会社である株式会社ゼロフィールドは、2024年1月のビットコインの現物ETF(上場投資信託)を米国証券取引委員会が承認するという追い風を受け、マイニングマシンの販売事業が好調に推移しました。さらに新規事業として、当社と共同でオンプレミスで利用できるAIサービスの開発を進めております。クラウドサービス上に情報保存することにリスクを感じている企業や公的セクターに対して、機密データをローカルで処理し管理するシステムを提供しております。併せて、当社従来のクラウドプラットフォームを活用することにより柔軟性の高いハイブリッドクラウドシステムも提供しております。当社のAIクラウドシステムと株式会社ゼロフィールドのGPUサーバーを併用することで、さらに競争優位性のあるサービスを実現していきます。

一方、エンジニア不足が継続する状況の中、先駆けてエンジニア人材強化のため先行投資を進めております。また、マイニングマシンの研究開発の過程で取得した暗号資産において、評価益24百万円が発生しております。

 

 

これらの結果、当第2四半期連結累計期間の経営成績は、売上高は2,034,585千円(前年同期比85.1%増)、営業損失は10,897千円(前年同期は営業損失33,428千円)、経常利益は33,599千円(前年同期は経常損失30,808千円)、親会社株主に帰属する四半期純利益は29,623千円(前年同期は親会社株主に帰属する四半期純損失401,262千円)となりました。

 

セグメント別の経営成績は、次のとおりであります。

なお、第1四半期連結会計期間より「AIソリューション事業」、「GPUサーバー事業」の2事業区分に、報告セグメントの利益の開示を四半期連結損益計算書の営業利益又は営業損失から経常利益又は経常損失にそれぞれ変更し、当社グループの経営状況をより適切に表示することとしています。

また、前第2四半期連結累計期間のセグメント情報は、当第2四半期連結累計期間の報告セグメントの区分に基づき作成したものを開示しております。

 

(AIソリューション事業)

当セグメントにおきましては、AI、IoT、DXに係る開発、WEBシステム開発やAIZE関連請負開発に関する売上高が堅調に推移しました。その結果、当第2四半期連結累計期間において、売上高は1,337,718千円(前年同期比21.7%増)となり、セグメント利益は32,910千円(前年同期はセグメント損失30,808千円)となりました。

また、当セグメントのうち、SI部門における経営上の指標であるエンジニア単価については608千円(前連結会計年度比0.2%減)、エンジニア人数については1,521人月(前連結会計年度比53.9%の進捗)、AIZE部門における経営上の指標である拠点ID数は6,396件(前連結会計年度末比96.8%増)となりました。

 

(GPUサーバー事業)

当セグメントは、株式会社ゼロフィールドの子会社化によりGPUマシン販売・保守管理を軸とした事業として、第1四半期連結会計期間より開始いたしました。

マシン販売・保守管理に関する売上高が想定通り推移した結果、当第2四半期連結累計期間において、売上高は696,867千円となり、セグメント利益は691千円となりました。また、当セグメントにおけるKPIである、マシン販売台数の実績は316台となりました。なお、当セグメントについては前第2四半期連結累計期間における実績がないため、比較分析は行っておりません。

 

 

② 財政状態の状況

(資産)

当第2四半期連結会計期間末における資産の合計は、4,070,182千円と前連結会計年度末と比較して1,767,534千円増加しております。

流動資産は2,641,719千円(前期末比489,028千円増)となり、主な要因としては、商品及び製品が349,980千円増加したことであります。

固定資産は1,428,462千円(前期末比1,278,506千円増)となり、主な要因としては、のれんが584,098千円、顧客関連資産が282,830千円、建物及び構築物が237,135千円それぞれ増加したことであります。

 

(負債)

当第2四半期連結会計期間末における負債の合計は、3,408,454千円と前連結会計年度末と比較して1,437,952千円増加しております。

流動負債は2,075,786千円(前期末比1,229,067千円増)となり、主な要因としては、契約負債が767,007千円、短期借入金が281,060千円それぞれ増加したことであります。

固定負債は1,332,667千円(前期末比208,885千円増)となり、主な要因としては、繰延税金負債が117,989千円、長期借入金が84,406千円それぞれ増加したことであります。

 

(純資産)

当第2四半期連結会計期間末における純資産は、661,728千円と前連結会計年度末と比較して329,582千円増加しております。主な要因としては、資本剰余金が970,019千円増加したことおよび資本金が670,060千円減少したことであります。これらは、第三者割当増資等により資本金及び資本剰余金がそれぞれ149,979千円増加したため、また減資により資本金を資本剰余金に820,039千円振り替えたためであります。

 

③ キャッシュ・フローの状況

当第2四半期連結会計期間末における現金及び現金同等物は、1,534,881千円と前連結会計年度末と比べ219,684千円の減少となりました。各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動によるキャッシュ・フローは、273,005千円の収入(前年同期は54,548千円の支出)となりました。主な要因は、契約負債の増加による収入199,485千円(前年同期は3,526千円の減少)、のれん償却費の計上46,324千円(前年同期は1,419千円)、棚卸資産の減少による収入39,309千円(前年同期は25,685千円の増加)、税金等調整前四半期純利益の計上28,733千円(前年同期は税金等調整前四半期純損失382,212千円)、売上債権の増加による支出46,780千円(前年同期は36,176千円の減少)等であります。また、前年同期は減損損失の計上324,873千円等がございました。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動によるキャッシュ・フローは、894,153千円の支出(前年同期は352,130千円の支出)となりました。主な要因は、連結範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出939,144千円(前年同期はなし)、投資有価証券の売却による収入53,285千円(前年同期はなし)であります。また、前年同期は投資有価証券の取得による支出213,285千円、無形固定資産の取得による支出125,626千円等がございました。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動によるキャッシュ・フローは、401,463千円の収入(前年同期は21,345千円の収入)となりました。主な要因は、株式の発行による収入298,626千円(前年同期はなし)、短期借入金の純増加額163,774千円(前年同期は短期借入金の純増加額32,000千円)、長期借入による収入100,000千円(前年同期は30,000千円の収入)、長期借入金の返済による支出160,948千円(前年同期は長期借入金の返済による支出40,654千円)であります。

 

 

(2) 研究開発活動

当第2四半期連結累計期間における研究開発費の総額は19,411千円であります。研究開発活動は次のとおりであります。

(AIソリューション事業)

主にAIZE技術開発を目的としたソフトウエア開発に関する費用であり、金額は19,272千円となっております。

(GPUサーバー事業)

主に製品の機能向上のための開発に関する費用であり、金額は139千円となっております。

 

(3) 従業員数

第1四半期連結会計期間において、株式会社ゼロフィールドを連結の範囲に含めたことにより、GPUサーバー事業において従業員数が27名増加いたしました。これらの結果、当第2四半期連結会計期間末における当社グループの従業員数は256名となっております。

 

(4) 主要な設備の状況

第1四半期連結会計期間において、株式会社ゼロフィールドを連結の範囲に含めたことにより、主要な設備が増加しております。同社の連結子会社化に伴い、当第2四半期連結会計期間末において、有形固定資産は266,698千円、無形固定資産は868,222千円それぞれ増加しております。有形固定資産は主に建物及び構築物、無形固定資産は主にのれんであります。