売上高

利益

資産

キャッシュフロー

配当(単独)

ROE

EPS BPS




E01247 Japan GAAP


2【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。

(1)財政状態及び経営成績の状況

 a.経営成績

当第3四半期連結累計期間における日本経済は、新型コロナウイルスの2類から5類への感染症分類移行をはじめとするウィズコロナによる経済正常化の進展などから、景気は総じて緩やかな持ち直しの動きがみられましたが、建設資材の価格上昇などから住宅および非住宅着工は弱含んで推移するなど一部に弱さも見られております。

世界経済におきましては、米国では個人消費が底堅く推移する一方、中国では雇用情勢の悪化、不動産市場の低迷などの影響から景気の停滞がみられており、加えてウクライナ情勢の長期化の影響などから、不透明感が増しております。

鉄鋼業においては、日本国内では、半導体の供給制約の解消などにより自動車生産が増加した一方で、住宅建築着工や機械生産の減少などから、鉄鋼生産・受注ともに減少傾向が続いております。

海外鉄鋼市場では、アジア市場を中心に中国の鉄鋼需給ギャップの影響などから、市況は弱含んでおります。

このような環境のなか、当社グループの当第3四半期連結累計期間の経営成績は、売上高153,465百万円(前年同期比18,096百万円減)、営業利益8,939百万円(同1,832百万円減)、経常利益11,948百万円(同2,617百万円減)、親会社株主に帰属する四半期純利益7,751百万円(同726百万円減)となりました。

日本国内では主に鋼板商品の販売数量減少に伴う売上減などから減収減益となりました。

海外では、主に台湾の子会社である盛餘股份有限公司(以下、SYSCO社という。)の売上減などから減収となりましたが、損益は改善しました。

 

セグメントごとの経営成績は次のとおりであります。

 

①鋼板関連事業

売上高は145,857百万円(同18,911百万円減)、営業利益は8,896百万円(同2,303百万円減)となり、減収・減益となりました。

<鋼板業務>

日本においては、各品種で販売価格は改善しましたが、建築需要の停滞などからひも付き(特定需要家向け)店売り(一般流通向け)いずれにおいても販売量は減少し、減収・減益となりました。

海外では、台湾のSYSCO社は、主に輸出向けの販売量が減少し、販売価格も下落したことなどから減収となりましたが、台湾国内向けの販売量が回復したことなどから小幅ながら増益となりました。中国の子会社である淀川盛餘(合肥)高科技鋼板有限公司(YSS社)は、不動産市場の低迷などの影響から業績は悪化しました。タイの子会社であるPCM PROCESSING(THAILAND)LTD.(PPT社)は、採算の改善などから減収ながら増益となりました。

<建材業務>

建材業務では、エクステリア商品では物置など、また外装建材商品についてはヨドルーフの販売数量減少などの要因からいずれも減収となりました。

 

②ロール事業

売上高は2,489百万円(同430百万円増)、営業利益は49百万円(前年は営業損失233百万円)であります。

販売価格が改善したことなどから増収となり損益も改善しました。

 

③グレーチング事業

売上高は2,598百万円(同3百万円減)、営業利益は156百万円(同110百万円増)であります。

販売価格が改善したことなどから増益となりました。

 

④不動産事業

売上高は964百万円(同38百万円増)、営業利益は616百万円(同11百万円増)であります。

売上・損益ともにほぼ前年同期並みに推移しました。

 

⑤その他事業

売上高は1,555百万円(同349百万円増)、営業利益は256百万円(同53百万円増)であります。

売上・損益ともにほぼ前年同期並みに推移しました。

 

 b.財政状態

(資産)

当第3四半期連結会計期間末における流動資産は、前連結会計年度末より3,521百万円増加し154,389百万円となりました。主な要因としては、現金及び預金の増加(7,196百万円)、受取手形及び売掛金の増加(3,645百万円)、有価証券の減少(1,990百万円)、商品及び製品の減少(1,477百万円)、仕掛品の減少(526百万円)、原材料及び貯蔵品の減少(3,381百万円)等となっております。

固定資産は前連結会計年度末より6,100百万円増加し、106,289百万円となりました。主な要因としては、投資有価証券の増加(6,014百万円)等となっております。

以上の結果、連結総資産は260,679百万円となり、前連結会計年度末と比べ9,622百万円増加しました。

(負債)

当第3四半期連結会計期間末における流動負債は、前連結会計年度末より4,834百万円減少し、30,257百万円となりました。主な要因としては、支払手形及び買掛金の減少(2,392百万円)、未払法人税等の減少(2,238百万円)等となっております。

固定負債は前連結会計年度末より2,088百万円増加し、16,147百万円となりました。主な要因としては、その他に含まれる繰延税金負債の増加(1,896百万円)等となっております。

この結果、連結負債合計は46,404百万円となり、前連結会計年度末より2,746百万円減少しました。

(純資産)

当第3四半期連結会計期間末における純資産は、前連結会計年度末より12,368百万円増加し、214,275百万円となりました。主な要因としては、利益剰余金の増加(4,136百万円)、その他有価証券評価差額金の増加(4,130百万円)、為替換算調整勘定の増加(2,193百万円)、非支配株主持分の増加(1,891百万円)等となっております。

 

(2)会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

前事業年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定の記載について重要な変更はありません。

 

(3)経営方針・経営戦略等

当第3四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。

 

(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

当第3四半期連結累計期間において新たに発生した優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題はありません。

 

(5)研究開発活動

当第3四半期連結累計期間におけるグループ全体の研究開発活動の金額は、433百万円であります。なお、当第3四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。

 

(6)経営成績に重要な影響を与える要因及び経営戦略の現状と見通し

日本経済は、新型コロナウイルスの分類移行による人流の回復、供給制約の緩和などから2023年度中は緩やかな回復が見込まれているものの、直近では能登半島地震の景気への影響の懸念などリスク要因も見られております。世界経済は、不動産市場の低迷から足踏みの続く中国経済、欧米の金融引締めに伴う景気後退への懸念、長期化するウクライナ情勢に加えて中東ではパレスチナ自治区をめぐる新たな紛争と混乱が発生するなど、極めて不透明な状況が続くものと想定されます。

鉄鋼市場においては、日本国内市場・海外市場いずれにおいても、鉄鋼原材料と資源・エネルギーコストの上昇に一服の動きがみられるものの、停滞する中国経済とその鉄鋼市場からの影響に加え、地政学リスクの高まりへの懸念も加わり、当面は需給バランスも含め不安定な状況が続くものと予想されます。

当社グループにとっても、各地域の需要およびコスト環境は予断を許さない不安定な動きが続くものと考えられ、厳しい事業環境が継続するものと予想されます。

このような不透明な事業環境の中、当社グループとしましては、変化の激しい市況に応じた機動的な営業・生産活動につとめるとともに、「淀川製鋼グループ中期経営計画2025」の着実な実行に取り組むことで、収益力強化を図ってまいります。