E32770 Japan GAAP
文中の将来に関する事項は、当四半期会計期間の末日現在において判断したものであります。
(1) 経営成績の状況
当第1四半期累計期間(2024年1月1日~2024年3月31日)における我が国経済は、個人消費の持ち直しや、企業業績の改善が見られ、緩やかな景気回復が継続する一方、ロシアとウクライナの戦争状態の長期化に加え、中東情勢の悪化、中国経済の停滞により、依然として不透明な状況であります。
当社を取り巻く試作・開発市場は、EV(電気自動車)開発の本格化により、複雑形状かつ大型サイズの試作需要の増加が継続しました。一方でFA(ファクトリーオートメーション(注1))協働ロボットについては、一部の量産案件において、顧客の最終消費地における需要状況の不透明化により、受注量の減少が見込まれております。
このような環境の中、新たな生産技術「ギガキャスト(注2)」に対応する大型低圧鋳造炉と、国内最大規模の砂型鋳造による工場棟「第8期棟」(いずれも2023年12月期に導入)の稼働を開始し、今後需要の増加が見込まれる大型鋳造品を中心とした受注活動の強化に努めましたが、新工場棟の操業開始に伴うコストを賄いきれず、営業利益は減益となりました。
この結果、当第1四半期累計期間の経営成績は、売上高900,355千円(前年同四半期比9.8%増)、営業利益109,086千円(前年同四半期比6.4%減)、経常利益111,878千円(前年同四半期比6.7%減)、四半期純利益74,980千円(前年同四半期比12.7%増)となりました。
セグメント別の経営成績は、次のとおりであります。
①3Dプリンター事業
3Dプリンター事業におきましては、心臓カテーテルシミュレーター「HEARTROID(ハートロイド)」で国際会議や展示会への出席及び出展のための人員を増強し、積極的な販売促進活動を実施したことで、北米地域向け輸出案件を中心に堅調に推移しました。
一方で工業向け試作品を中心とした出力サービスは、大口案件の獲得がなかったことや長納期案件の増加もあり、当第1四半期累計期間はやや低調な推移となりました。
この結果、3Dプリンター出力事業の売上高は138,493千円(前年同四半期比14.8%減)、セグメント利益は22,925千円(前年同四半期比31.7%減)となりました。
②鋳造事業
鋳造事業におきましては、自動車メーカー各社及びTier1(ティアワン)部品メーカーを中心とした国内外のEV関連の試作及び開発の活性化に伴い、高難易度、大型の鋳造部品の受注が増加しました。また、クラシックカーやバイクに関する新ブランド「PZ」(ピーゼット(注3))を立ち上げ、パーツラインナップや顧客層の拡充に向けた活動を強化しました。
生産面ではコンセプトセンター(長野県飯田市)の新たな砂型鋳造棟「第8期棟」での柔軟な生産体制の構築に向けた設備導入の検討を進めました。
この結果、鋳造事業の売上高は613,803千円(前年同四半期比17.6%増)、セグメント利益は107,163千円(前年同四半期比3.8%増)となりました。
③CT事業
CT事業におきましては、二次電池の研究開発、製造に必要なあらゆる技術・材料、装置及び二次電池メーカーが出展する大規模な展示会「BATTERY JAPAN(バッテリージャパン)国際二次電池展」への出展を契機に、次世代蓄電池の研究開発分野における産業用CTの認知拡大が進みました。また、顧客製品の不具合箇所を特定する「非破壊検査・選別サービス」の獲得もあり、売上高・セグメント利益とも堅調に推移しました。
この結果、CT事業の売上高は148,057千円(前年同四半期比9.2%増)、セグメント利益は115,213千円(前年同四半期比17.9%増)となりました。
(注1)ファクトリーオートメーション
工場における生産工程の自動化を図るシステムのことです。当社では需要増加が著しい協働ロボット分野で使用される筐体の金属部品に、軽量かつ高強度のマグネシウム鋳造品やアルミニウム鋳造品を提案しております。
(注2)ギガキャスト
大型の鋳造設備で複数のアルミ合金部品を1つのパーツとして成型し、大型の車体部品を生産する方法です。当社では自動車生産工程のギガキャスト化を見据え、試作段階での大型アルミニウム鋳造品の提案を強化しております。
(注3)ピーゼット
従来「JMC BASE」として取り組んできた多彩な旧車のアフターパーツ開発だけではなく、性能や品質といった付加価値を高められるラインナップに注力し、より魅力的なパーツの開発を目指すとともに、最新技術でかつての名車を蘇らせることで、全ての人が快適に乗車できる環境をつくることをコンセプトにした、当社の新たなレストアブランドです。(https://pz-vehicles.com/)
なお、当第1四半期累計期間の販売実績(内部取引を除く)を産業区分別に示すと次のとおりであります。
3Dプリンター事業
セグメント内産業区分 |
第33期 第1四半期累計期間 (自 2024年1月1日 至 2024年3月31日) |
||
販売件数(件) |
販売金額(千円) |
比率(%) |
|
卸売業 |
116 |
64,659 |
46.7 |
精密機械・医療機械器具製造業 |
112 |
19,556 |
14.1 |
電気機械器具製造業 |
69 |
14,993 |
10.8 |
専門サービス業(他に分類されないもの) |
16 |
9,522 |
6.9 |
輸送用機械器具製造業 |
18 |
7,975 |
5.8 |
一般機械器具製造業 |
31 |
5,744 |
4.1 |
その他の製造業 |
36 |
3,546 |
2.6 |
化学工業 |
14 |
2,734 |
2.0 |
その他の事業サービス |
8 |
1,953 |
1.4 |
その他 |
77 |
7,808 |
5.6 |
合計 |
497 |
138,493 |
100.0 |
鋳造事業
セグメント内産業区分 |
第33期 第1四半期累計期間 (自 2024年1月1日 至 2024年3月31日) |
||
販売件数(件) |
販売金額(千円) |
比率(%) |
|
一般機械器具製造業 |
279 |
439,100 |
71.6 |
輸送用機械器具製造業 |
61 |
97,890 |
15.9 |
卸売業 |
54 |
49,328 |
8.0 |
電気機械器具製造業 |
17 |
19,094 |
3.1 |
鉄鋼業、非鉄金属製造業 |
1 |
4,320 |
0.7 |
精密機械・医療機械器具製造業 |
8 |
3,435 |
0.6 |
自動車・自転車小売業 |
2 |
570 |
0.1 |
織物・衣服・身の回り品小売業 |
1 |
64 |
0.0 |
合計 |
423 |
613,803 |
100.0 |
CT事業
セグメント内産業区分 |
第33期 第1四半期累計期間 (自 2024年1月1日 至 2024年3月31日) |
||
販売件数(件) |
販売金額(千円) |
比率(%) |
|
輸送用機械器具製造業 |
56 |
48,751 |
32.9 |
卸売業 |
62 |
47,677 |
32.2 |
一般機械器具製造業 |
25 |
14,613 |
9.9 |
専門サービス業(他に分類されないもの) |
16 |
11,025 |
7.4 |
電気機械器具製造業 |
11 |
8,950 |
6.0 |
精密機械・医療機械器具製造業 |
4 |
4,700 |
3.2 |
その他の製造業 |
8 |
2,755 |
1.9 |
ゴム製品製造業 |
3 |
2,000 |
1.4 |
広告・調査・情報サービス業 |
2 |
1,940 |
1.3 |
その他 |
22 |
5,644 |
3.8 |
合計 |
209 |
148,057 |
100.0 |
(注)1.産業区分に関しては、株式会社帝国データバンクのTDB産業分類表の中分類に従っております。
2.販売件数、販売金額及び比率は、セグメント間の内部売上高又は振替高は含まれておりません。
(2) 経営方針・経営戦略等
当第1四半期累計期間において、当社が定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。
(3) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当第1四半期累計期間において、当社が優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。
(4) 研究開発活動
該当事項はありません。
(5) 財政状態の分析
(資産)
当第1四半期会計期間末における流動資産は1,657,488千円となり、前事業年度末に比べ94,967千円増加いたしました。これは主に商品及び製品が58,088千円、受取手形及び売掛金が54,992千円減少したものの、現金及び預金が134,587千円、前渡金が59,356千円増加したことによるものであります。
固定資産は3,368,181千円となり、前事業年度末に比べ49,902千円減少いたしました。これは主に建物が24,408千円、リース資産が16,987千円減少したことによるものであります。
この結果、総資産は5,025,669千円となり、前事業年度末に比べ45,065千円増加いたしました。
(負債)
当第1四半期会計期間末における流動負債は1,070,937千円となり、前事業年度末に比べ57,966千円減少いたしました。これは主に短期借入金が50,000千円増加したものの、未払法人税等が54,535千円、賞与引当金が36,575千円減少したことによるものであります。
固定負債は1,006,176千円となり、前事業年度末に比べ15,651千円増加いたしました。これは主にリース債務が19,368千円減少したものの、長期借入金が34,996千円増加したことによるものであります。
この結果、負債合計は2,077,114千円となり、前事業年度末に比べ42,315千円減少いたしました。
(純資産)
当第1四半期会計期間末における純資産合計は2,948,555千円となり、前事業年度末に比べ87,380千円増加いたしました。これは四半期純利益を74,980千円計上したことによるものであります。