売上高

利益

資産

キャッシュフロー

配当(単独)

ROE

EPS BPS




E00024 Japan GAAP


 

2 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において当社グループ(当社及び連結子会社)が判断したものであります。

 

(1)経営成績等の状況

当第3四半期連結累計期間の国内経済は、新型コロナウイルス感染症に係る行動制限の解除により経済活動の正常化が進み、個人消費やインバウンド需要の回復の動きが見られるなど、全体としては緩やかな回復基調で推移しました。

一方、米国経済は個人消費の回復や雇用環境の改善を背景に堅調に推移しているものの、中国経済は不動産市場や個人消費の低迷により景気減速の動きが見られる中、ウクライナ情勢の長期化や米中関係及び中東における地政学的リスクの高まり、世界的な金融引締め等に伴う海外景気の減速による下振れが懸念されております。

これらを背景とした原材料価格やエネルギーコストの上昇、急激な為替相場の変動等の影響により、依然として景気の先行きは不透明な状況が続いております。

 

当社グループを取り巻く環境としては、亜鉛及びロジウムの相場は下落基調で推移し、前年同期に比べ平均価格は下落しました。また、為替相場は前年同期に比べ円安が進行しました。

機能材料部門は、中国市場の低迷や在庫調整の長期化を背景に電子部品需要の回復が遅れていることから、主要製品の販売量は減少しました。モビリティ部門は、半導体不足の緩和により自動車市場が回復していることから、排ガス浄化触媒や自動車用サイドドアラッチの販売量は増加しました。

 

当社グループは、パーパスを基軸とした全社ビジョン(2030年のありたい姿)である「マテリアルの知恵で“未来”に貢献する、事業創発カンパニー。」を実現するため、2022年を初年度とする3ヵ年の中期経営計画「22中計」をスタートさせております。

「22中計」の2年目となる2023年度も厳しい経営環境ではありますが、全社ビジョン実現に向けた戦略は変更せず、引き続き各部門において「経済的価値」と「社会的価値」を両立した統合思考経営を実践することで、持続的な企業価値向上の仕組みを構築し、成長し続けるための重点施策に取り組んでおります。

 

この結果、当第3四半期連結累計期間の売上高は、前年同期に比べ217億円(4.4%)減少の4,765億円となりました。

営業利益は前年同期に比べ、円安の進行やモビリティ部門の販売量の増加による好転要因があったものの、非鉄金属相場の変動に伴う在庫要因の影響に加え、機能材料部門の販売量の減少やエネルギーコスト上昇の影響等により、37億円(20.2%)減少の148億円となりました。

経常利益は前年同期に比べ、営業利益が37億円、持分法による投資利益が10億円減少したものの、受取配当金が60億円増加したこと等により、25億円(10.6%)増加の269億円となりました。

特別損益においては、債務保証損失引当金繰入額24億円、固定資産除却損18億円等を計上しました。加えて、税金費用及び非支配株主に帰属する四半期純利益を計上した結果、親会社株主に帰属する四半期純利益は、前年同期に比べ20億円(11.9%)減少の151億円となりました。

 

セグメント別の業績は、次のとおりであります。

 

 機能材料セグメント

当部門の売上高は前年同期に比べ、プリント配線板用電解銅箔をはじめ主要製品の販売量が減少したものの、円安が進行したこと等から、横ばいの913億円となりました。

経常利益は前年同期に比べ、インジウム価格の変動に伴う在庫要因が好転したものの、主要製品の販売量が減少したこと等から、11億円(9.1%)減少の110億円となりました。

 

 金属セグメント

当部門の売上高は前年同期に比べ、円安が進行したものの、亜鉛のLME(ロンドン金属取引所)平均価格が下落したこと等から、171億円(8.9%)減少の1,759億円となりました。

経常利益は前年同期に比べ、亜鉛のLME平均価格が下落したことに加え、エネルギーコスト上昇の影響による減益要因があったものの、円安の影響や日韓共同製錬株式会社からの受取配当金66億円の影響等により、21億円(22.2%)増加の116億円となりました。

 

 モビリティセグメント

当部門の売上高は前年同期に比べ、排ガス浄化触媒は販売量が増加したものの主要原料であるロジウム等の価格が下落したことから減少しましたが、自動車用サイドドアラッチの販売量が増加したこと等から、44億円(2.7%)増加の1,674億円となりました。

経常利益は前年同期に比べ、ロジウム等の貴金属価格下落による減益要因があったものの、主要製品の販売量が増加したこと等により、29億円(68.9%)増加の72億円となりました。

 

 その他の事業セグメント

当部門の売上高は前年同期に比べ、亜鉛のLME価格下落の影響等により、135億円(14.3%)減少の811億円となりました。

経常利益は前年同期に比べ、製品の販売価格が改善したこと等により、16億円(878.9%)増加の18億円となりました。

 

主要な品目等の生産実績の当連結会計年度の推移は、次のとおりであります。

セグメント

品目

単位

第1

第2

第3

第4

累計

四半期

四半期

四半期

四半期

機能材料

銅箔

生産量

千t

3

4

4

12

金属

亜鉛

生産量

千t

44

59

54

158

生産量

千t

15

17

19

52

モビリティ

自動車部品

生産金額

億円

199

213

219

632

 

 * 亜鉛:共同製錬については当社シェア分

 

(2)財政状態の状況

資産合計は、現金及び預金63億円等の増加があったものの、棚卸資産59億円、流動資産のその他44億円等の減少により、前連結会計年度末に比べ48億円減少の6,270億円となりました。

負債合計は、固定負債の引当金25億円等の増加があったものの、長・短借入金及びコマーシャル・ペーパー残高140億円等の減少により、前連結会計年度末に比べ148億円減少の3,556億円となりました。

純資産合計は、当期中間配当金を含めた剰余金の配当120億円等の減少があったものの、親会社株主に帰属する四半期純利益151億円、為替換算調整勘定44億円、繰延ヘッジ損益15億円等の増加により、前連結会計年度末に比べ99億円増加の2,713億円となりました。この結果、自己資本比率は、前連結会計年度末に比べ1.8ポイント上昇の41.9%となりました。

 

 (3)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

当第3四半期連結累計期間において、当社グループの事業上及び財務上の対処すべき課題について、重要な変更はありません。また、新たに生じた事業上及び財務上の重要な対処すべき課題はありません。

 

  (4)研究開発活動

当第3四半期連結累計期間におけるグループ全体の研究開発活動の金額は、9,415百万円であります。

なお、当第3四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。