売上高

利益

資産

キャッシュフロー

配当(単独)

ROE

EPS BPS




E21649 Japan GAAP


2【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものです。

 

(1)経営成績の状況

当第1四半期連結累計期間におけるわが国経済は、企業活動や個人の消費活動に持ち直しの動きが見られ、経済活動の正常化が進み、景気は緩やかに回復しました。一方で、世界的には地政学リスクの高まりやインフレとそれに伴う金融引き締め、エネルギー・資源価格の高騰等、依然として先行き不透明な状況が続いております。

当社グループにおいては、民生電子機器や情報通信機器の需要が低下し、主要取引先において半導体製品等の電子部品の生産量が減少し、貴金属の取り扱い数量は前年同四半期を下回りました。

主要製品のうち、金の価格は米国金利の利上げが停止されるとの見方や、紛争による安全資産としての需要の高まりから、ドル建て価格が上昇し高い水準で堅調に推移しました。また円安ドル高傾向が続いたことも影響し、円建て価格は前年同四半期を上回りました。銅の価格は、世界最大の銅消費国である中国において需要が増加したことで、ドル建て価格は前年同四半期と同程度の水準で底堅く推移し、円安ドル高の影響により円建て価格は前年同四半期を上回りました。

このような事業環境の中、当社グループは資源循環型社会の実現に向け、経営基盤の強化及び新規事業の確立に努めました。また、社員一人ひとりが積極的にチャレンジする組織風土を目指し、前期に導入した新人事制度に基づいた評価体系のブラッシュアップや人材育成制度の構築に努めました。

既存事業では、DX化に伴い拡大が期待される電子部品業界において、取引先とのリレーション強化や独自技術を武器とした新規開拓に注力しました。収益力の向上に向け、営業力の底上げや製造工程の効率化によるコスト低減にも継続的に取り組んでおります。なお、当社取引先における電子部品の生産量は足元では回復傾向にあり、当社が取り扱う貴金属の数量も2024年9月期末にかけて増加していく見通しとなっております。

新規事業では、リチウムイオン電池(以下、LiB:Lithium-ion Battery)再生事業の事業化に向け、研究開発及び事業スキーム構築に注力しました。研究開発においては、CO排出量の削減とレアメタルの高回収率を両立するプロセスの構築に努めつつ、電池メーカーとの共同開発にも取り組んでおります。事業スキームの構築につきましては、現在も大きな枠組みの形成に向けて、複数企業とアライアンス締結に向けた交渉を継続しております。

当第1四半期連結累計期間の連結業績は売上高1,884,008千円(対前年同四半期10.1%減)、営業利益58,616千円(同67.1%減)、経常利益52,102千円(同69.1%減)、親会社株主に帰属する四半期純利益37,754千円(同70.2%減)となりました。貴金属の主要製品価格は前期を上回ったものの、取引先の減産等に伴い、取り扱い数量が減少したことで売上高が減少しました。加えて、中長期的な成長を見据えた組織体制の強化やLiB再生事業の研究開発への積極的な投資により、前年同期比で減収減益となりました。

 

各セグメントの経営成績は、次のとおりです。なお、各セグメントの金額については、セグメント間取引を含んでおります。また、間接部門の経費負担には、LiB再生事業における研究開発費用を含んでおります。

 

(貴金属事業)

主要製品の価格が前期を上回ったものの、貴金属の取り扱い数量が減少したことにより、売上高は1,580,432千円(対前年同四半期11.0%減)となりました。加えて、間接部門の経費負担の増加によりセグメント利益は57,976千円(同59.9%減)の減収減益となりました。

 

(環境事業)

主要製品の価格が前期を上回ったものの、販売数量の減少により売上高は259,559千円(同9.9%減)の減収となりました。加えて、材料費の高騰や生産設備の増強に伴う減価償却費等の経費負担の増加により、セグメント損失は6,942千円(前年同四半期は28,252千円の利益)となりました。

 

 

(システム事業)

主力製品である品質管理システムの販売が増加したことにより、売上高は37,421千円(対前年同四半期46.6%増)の増収となりました。一方で、間接部門の経費負担が増加したことにより、セグメント損失は10,489千円(前年同四半期は11,477千円の損失)となりました。

 

(その他)

その他に含まれる運輸事業等は、連結グループ内の取引額の増加により、売上高は86,719千円(対前年同四半期5.8%増)、セグメント利益は11,558千円(同57.2%増)の増収増益となりました。

 

(2)財政状態の状況

当第1四半期連結会計期間末における資産、負債及び純資産の状況は、以下のとおりです。

(資産の部)

前連結会計年度末に比べて60,554千円減少し、8,288,183千円となりました。

主な要因は、その他(流動資産)が206,311千円減少し、棚卸資産が26,858千円、建物及び構築物(純額)が23,192千円、機械装置及び運搬具(純額)が19,847千円、建設仮勘定が76,038千円増加したことです。

(負債の部)

前連結会計年度末に比べて58,746千円減少し、4,034,062千円となりました。

主な要因は、買掛金が35,221千円、賞与引当金が99,153千円、借入金が40,583千円減少し、その他(流動負債)が91,343千円、借入金地金が26,118千円増加したことです。

(純資産の部)

前連結会計年度末に比べて1,807千円減少し、4,254,121千円となりました。

主な要因は、利益剰余金が1,511千円減少したことです。

 

(3)会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

前連結会計年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定の記載について重要な変更はありません。

 

(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

当第1四半期連結累計期間において、新たに発生した当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題はありません。

 

(5)研究開発活動

当第1四半期連結累計期間におけるグループ全体の研究開発活動の金額は、106,404千円です。

主な活動の概要は、次のとおりです。

・レアメタルを含んだ廃棄物からの効率的な分離精製技術の開発

・レアメタルの加工技術の開発

・レアメタルの高純度化の開発

なお、当第1四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。