売上高

利益

資産

キャッシュフロー

配当(単独)

ROE

EPS BPS




E36698 Japan GAAP


2 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において当社グループが判断したものであります。

 

 (1) 業績の状況

 当第3四半期連結累計期間における世界経済は、一部の地域においては依然弱さがみられ世界経済全体の回復ベースは鈍化しているものの業況感は緩やかに改善いたしました。

 米国では、企業投資の伸びは鈍化する中で、雇用情勢の改善による底堅い個人消費が下支えとなり、景気は回復基調で推移しました。

  中国では、厳しい雇用・所得環境を背景に個人消費は本格的な回復には至らず、また企業の設備投資意欲の低迷、不動産市況悪化等により、政府による経済対策効果はあるものの、景気持ち直しの動きに減速感が強まりました。

 日本では、原材料価格の上昇や世界経済の先行きの不透明感を背景に企業の設備投資の伸びが鈍化するなか経済に一部足踏みも見られますが、雇用・所得環境が改善しサービス消費が堅調であることから国内景気は緩やかに回復しました。

  車載用リチウムイオン二次電池(LIB)の市場では、コロナウイルスや半導体不足の影響がほぼ解消し電気自動車(xEV)の販売台数は引き続き増加した一方、バッテリー駆動モデルの米国内における在庫増加等により成長率の伸びに鈍化の兆しが見え始めました。

  回路基板用銅箔の主な市場である電子部品業界では、通信キャリアの設備投資の伸び悩みが要因の一つとなり需要は減速しました。スマートフォンに関しては、機能の成熟や中古市場の拡大などを背景に買い替え周期が延びるなど欧米では停滞傾向が続きましたが、中国やインドなど新興市場では減少傾向から脱却の兆しも見られました。

 このような情勢のなか、当社グループにおける車載電池用分野においては、米国IRA法の影響により輸出用の国内製造電池向け銅箔の販売は引き続き低調に推移し、米国向け銅箔は在庫調整により若干計画を下回りました。202310月より、従来製品に比べ薄箔でありセル容積の低減に貢献する高容量 LIB 用銅箔の本格量産化を開始しました。回路基板用分野においては、中国の新規スマートフォン向けについては需要減速が影響し拡販には至りませんでしたが、ハイエンド製品についてはサプライチェーンの在庫調整が終了し販売が回復しました。一方で、20236月に発生したDenkai America整流器故障により、生産能力低下の影響を受け販売が低迷しました。なお、本設備に関しましては20231212日に復旧いたしました。

  収益面においては、車載電池用銅箔の売上高が回復したものの、整流器故障の影響が長引き、営業利益以下の各段階利益は赤字となりました。

  これらの結果、当第3四半期連結累計期間における生産数量は全品種合計で6,352㌧(前年同期比3.6%減)、売上高は12,348百万円(同2.9%減)、営業損失は888百万円(前年同期は営業損失870百万円)、経常損失は757百万円(前年同期は経常損失1,055百万円)、親会社株主に帰属する四半期純損失は1,073百万円(前年同期は親会社株主に帰属する四半期純損失994百万円)となりました。

 

(2) 財政状態の分析

(資産)
  当第3四半期連結会計期間末の総資産は、前連結会計年度末に比べて1,626百万円7.2%)減少し、21,052百万円となりました。流動資産は主に現金及び預金の減少2,091百万円、売掛金の減少901百万円、製品の増加144百万円、仕掛品の増加61百万円、原材料及び貯蔵品の減少52百万円により2,944百万円(31.5%)減少し、6,399百万円となりました。固定資産は主に建物及び構築物の減少62百万円、機械装置及び運搬具の減少414百万円、建設仮勘定の増加1,796百万円により1,318百万円9.9%)増加し、14,652百万円となりました。

 

 

 (負債)
  当第3四半期連結会計期間末の負債は、前連結会計年度末に比べて555百万円3.6%)減少し、14,675百万円となりました。流動負債は主に買掛金減少264百万円短期借入金増加200百万円1年内返済予定の長期借入金減少169百万円により346百万円(3.8%)減少し、8,879百万円となりました。固定負債は主に長期借入金減少194百万円により208百万円(3.5%)減少し、5,795百万円となりました。

 
(純資産)
  当第3四半期連結会計期間末の純資産は、主に親会社株主に帰属する四半期純損失1,073百万円為替換算調整勘定の減少4百万円により前連結会計年度末に比べて1,070百万円14.4%)減少し、6,376百万円となりました。 

 以上の結果、自己資本比率は前連結会計年度末の32.8%から30.3%へと2.5ポイント下降いたしました。

 

(3) 会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

  前事業年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定の記載について重要な変更はありません。

 

(4) 経営方針・経営戦略等
  当第3四半期連結累計期間において、当社グループの経営方針・経営戦略等に重要な変更はありません。

 

(5) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
 当第3四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題に重要な変更及び新たに生じた課題はありません。

 

(6) 研究開発活動
 当第3四半期連結累計期間における当社グループの研究開発費の総額は140百万円であります。

 

(7) 主要な設備

   前連結会計年度末において計画中であった重要な設備の新設等について、当第3四半期連結累計期間において、変更があったものは、次のとおりであります。

事業所名

(所在地)

設備の内容

投資予定額

資金調達

方法

着工

年月

完成

予定

年月

完成後

の増加

能力

総額

(百万円)

既検収額

(百万円)

Camden Factory
(米国サウス
カロライナ州)

車載電池用

銅箔生産設備

4,126

3,486

借入金

2022年

3月

2024年

3月

 

(注) 1.投資予定額の総額及び完成予定年月を変更しております。

   2.投資予定額は、決算日の直物為替相場により円貨に換算しております。