売上高

利益

資産

キャッシュフロー

配当

ROE 自己資本利益率

EPS BPS




E01303 Japan GAAP


2【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中の将来に関する事項は、当中間連結会計期間の末日現在において判断したものであります。

(1) 財政状態及び経営成績の状況

当中間連結会計期間における世界経済は、米国による関税引き上げの施行、中東情勢や米欧とロシアの関係緊迫等、複合的な地政学リスクが相まった不透明な状況が続きましたが、米国内外企業が関税を一時的に負担する形で悪影響を緩和したこと、また駆け込み輸出が長期化したことにより、2025年通期で3%を上回る成長率を確保できる見通しとなっています。米国経済は、関税コストの大半を米国内企業が吸収したため、関税引き上げの消費者物価への波及が限定的となる一方、今後は徐々に価格転嫁が進み、収益下押しを通じた労働需給の減退から労働市場も軟化する見通しとなっています。中国経済は、輸出ドライブや第三国輸出拡大が対米輸出の減少を相殺するも、不動産市場の調整の継続、消費促進策の効果の剥落で、景気減速が続く見通しとなっています。日本経済は、今後関税影響が顕在化する一方、原油安によるコスト抑制で企業収益は高水準を維持し、また食料価格の上昇鈍化や原油安もあって物価上昇も鈍化し、消費の緩やかな回復により景気の腰折れを回避する見通しとなっています。

このような経済状況の中、当社グループでは、2030年を目標年度とする長期経営計画である10年ビジネスプランと、2025年度より新たにスタートした25-27中期経営計画を推進しております。25-27中期経営計画では、「Reinvent Ahresty ~未来に向けてアーレスティを再発明する~」 をコンセプトとして、当社のものづくりの継承と再構築を念頭としたSMARTなものづくりの追求、自動車の電動化を見据えた製品ポートフォリオの見直し、CO2削減活動の加速、製品の開発リードタイムの短縮、および従業員エンゲージメントやダイバーシティの推進等を柱としています。加えて「資本コストや株価を意識した経営」実現のための財務運営指針となる財務戦略を運営していくことで財務体質と経営基盤の強化を図り、自己資本比率40%、配当性向35%、設備投資1,400億円、ROE9%達成を10年ビジネスプラン期間における4本柱の財務目標として掲げております。

上記経済状況と戦略の下、当社は各国・地域の自動車会社向け販売量の変動に合わせた操業日数や人員体制の適正化、昨年度大きな赤字を計上した米国工場の再建、労務費やエネルギー価格上昇影響等の価格反映について継続的に取り組み、基礎的収益力の向上に努めました。これら構造改革効果の着実な刈り取りに加え、受注量の回復も寄与し、当社グループ業績は営業損益、経常損益、当期損益とも黒字を計上することとなりました。

当中間連結会計期間の財政状態及び経営成績は以下のとおりとなりました。

①財政状態

(資産)

当中間連結会計期間末の総資産は、130,911百万円となり、前連結会計年度末に比べ3,182百万円の減少となりました。流動資産は63,389百万円で、前連結会計年度末に比べ724百万円の減少となり、その主な要因は、現金及び預金が363百万円増加した一方、売上債権が522百万円、棚卸資産が980百万円減少したことによるものです。固定資産は67,521百万円で、前連結会計年度末に比べ2,458百万円の減少となり、その主な要因は、有形固定資産が3,019百万円減少したことによるものです。

(負債)

当中間連結会計期間末の負債は、80,636百万円となり、前連結会計年度末に比べ1,469百万円の減少となりました。流動負債は58,980百万円で、前連結会計年度末に比べ4,689百万円の減少となり、その主な要因は、仕入債務が1,003百万円、短期借入金が1,395百万円、1年内返済予定の長期借入金が1,986百万円減少したことによるものです。固定負債は21,655百万円で、前連結会計年度末に比べ3,220百万円の増加となり、その主な要因は、長期借入金が3,438百万円増加したことによるものです。

 

(純資産)

当中間連結会計期間末の純資産は、50,275百万円となり、前連結会計年度末に比べ1,713百万円の減少となりました。その主な要因は、利益剰余金が1,632百万円増加した一方、為替換算調整勘定が3,637百万円減少したことによるものです。

以上の結果、自己資本比率は前連結会計年度末38.68%から38.31%となりました。

②経営成績

(売上高)

売上高は、主にダイカスト事業日本において、国内自動車生産の回復等に伴い受注量が増加し、前中間連結会計期間から3,894百万円増加の82,090百万円(前年同期比5.0%増)となりました。

(売上原価、販売費及び一般管理費、営業利益)

売上原価は、ダイカスト事業北米(米国工場)における人件費等の製造コストの上昇影響があった一方、ダイカスト事業日本及びダイカスト事業アジアにおける生産体制の合理化及び固定費の削減効果により、前中間連結会計期間から1,504百万円増加の74,016百万円(前年同期比2.1%増)となりました。

販売費及び一般管理費は、前中間連結会計期間から331百万円増加し、6,268百万円(前年同期比5.6%増)となりました。

以上の結果、営業利益は1,804百万円(前年同期は253百万円の営業損失)となりました。

(経常利益)

営業外収益は、前中間連結会計期間から158百万円減少し、231百万円(前年同期比40.7%減)となりました。これは主に、スクラップ売却益が129百万円減少したことによるものです。営業外費用は、前中間連結会計期間から322百万円増加し、995百万円(前年同期比48.0%増)となりました。これは主に、為替差損が145百万円増加したこと並びにシンジケートローン手数料が140百万円発生したことによるものです。

以上の結果、経常利益は1,040百万円(前年同期は536百万円の経常損失)となりました。

(特別利益)

特別利益は、前中間連結会計期間から1,133百万円増加し、1,279百万円(前年同期比775.1%増)となりました。これは主に、阿雷斯提精密模具(広州)有限公司の出資持分の譲渡により関係会社株式売却益1,109百万円を計上したことによるものです。

(特別損失)

特別損失は、前中間連結会計期間から976百万円減少し、99百万円(前年同期比90.7%減)となりました。これは主に、前中間連結会計期間において特別退職金1,005百万円を計上したことによるものです。

(親会社株主に帰属する中間純利益)

当中間連結会計期間の親会社株主に帰属する中間純利益は2,079百万円(前年同期は2,696百万円の親会社株主に帰属する中間純損失)となりました。以上の結果、当中間連結会計期間における1株当たり中間純利益は83円86銭(前年同期は1株当たり中間純損失108円08銭)となりました。

(EBITDA)

当中間連結会計期間のEBITDA(営業利益+減価償却費)は7,389百万円(前年同期比35.2%増)となりました。

セグメントごとの経営成績は次のとおりであります。

(ダイカスト事業 日本)

日本自動車市場では、主要顧客からの受注量の増加により、売上高は33,506百万円(前年同期比11.0%増)となりました。収益面においては、受注量の増加に加えて前期に実施した人員規模適正化による固定費の圧縮等の影響により、セグメント利益は1,164百万円(前年同期はセグメント損失149百万円)となりました。

(ダイカスト事業 北米)

北米自動車市場では、新規製品の量産が開始したこと等による受注量の増加により、売上高は26,248百万円(前年同期比3.4%増)となりました。収益面においては、米国工場で人件費等の製造コストの上昇が継続している一方、前期の減損損失計上による減価償却費の減少等により、セグメント利益は78百万円(前年同期はセグメント損失419百万円)となりました。

(ダイカスト事業 アジア)

アジア自動車市場では、中国工場の第2四半期(4月~6月)において一部主要顧客の販売が減少した影響を受け、売上高は17,282百万円(前年同期比0.4%増)にとどまりました。収益面においては、中国工場における生産体制の合理化や固定費の削減等があったものの、インド工場において一部製品の生産が安定しないことに伴う生産コストの増加や原材料費の高騰等により、セグメント利益は166百万円(前年同期比34.9%減)となりました。

 

(アルミニウム事業)

アルミニウム事業においては、販売重量が前年同期比9.1%減となったことにより、売上高は3,145百万円(前年同期比9.2%減)となりました。収益面においては、原材料費の減少により、セグメント利益は94百万円(前年同期比34.0%増)となりました。

(完成品事業)

完成品事業においては、売上高は1,906百万円(前年同期比2.0%減)となり、前年同期と同水準で推移しました。収益面においては、原価低減効果等の影響もありセグメント利益は235百万円(前年同期比31.1%増)となりました。

(2) キャッシュ・フローの状況

当中間連結会計期間における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ18百万円増加し、当中間連結会計期間末には13,465百万円となりました。

当中間連結会計期間における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動により増加した資金は、6,794百万円(前年同期は5,602百万円の増加)となりました。これは主に、売上債権の増加額194百万円、仕入債務の減少額542百万円、未払消費税等の減少額243百万円、関係会社株式売却益1,109百万円等の資金減少要因に対し、税金等調整前中間純利益2,220百万円、減価償却費5,585百万円等の資金増加要因があったことによるものであります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動により減少した資金は、5,667百万円(前年同期は8,554百万円の減少)となりました。これは主に、連結の範囲の変更を伴う子会社株式の売却による収入465百万円等の資金増加要因に対し、有形固定資産の取得による支出5,855百万円等の資金減少要因があったことによるものであります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動により減少した資金は、676百万円(前年同期は858百万円の増加)となりました。これは主に、短期借入れによる収入76,623百万円及び長期借入れによる収入6,660百万円の資金増加要因に対し、短期借入金の返済による支出77,978百万円、長期借入金の返済による支出5,319百万円、配当金の支払額445百万円等の資金減少要因があったことによるものであります。

(3) 2040年ビジョン/10年ビジネスプラン/中期経営計画

自動車産業においては今、カーボンニュートラルへの対応やパワートレインの電動化、モビリティとしての自動車の役割など、さまざまな変化が速いスピードで進んでいます。自動車関連のダイカスト事業を主力とする当社グループは、こうした外部環境の変化を変革のチャンスと捉え、2040年における当社のありたい姿を定めた「2040年ビジョン」、2030年戦略目標を定めた「10年ビジネスプラン」及び2025年度より新たにスタートした「25-27中期経営計画」(計画期間2025年度~2027年度)に沿って各施策を推進しております。

1.期待を超える2040

当社グループは収益力の向上に向けて、生産性改善、リーンな生産体制の構築を推進しており、各工程の様々なムダやロスの削減による収益体質強化を図っております。また、リーンな生産体制の構築のため、良品を効率的に生産するための仕組みをつくり、徹底した合理化、省人化生産体制を追求しています。改善や検査作業の自動化、からくり活用による工夫などでムダな工程や作業内容を見直し、生産性向上と原価低減を図るとともに、今後の価格競争に勝ち抜く金型原価の実現を目指します。こうした施策取り組みの結果としての2027年度営業利益目標を60億円、営業利益率目標を3.5%としています。また環境ロードマップに沿ってCO2削減活動に取り組み、CO2排出量総量の削減目標(2013年度比)を2027年度△41%、2030年度△50%に設定しております。

2.軽量化で地球の未来に貢献する

自動車の電動化シフトの急速な進展を踏まえ、当社グループは従来のパワートレイン系部品に加え、電動車搭載部品の受注・量産の拡大、足回り部品やボディ・シャーシ等の車体系部品への進出とその基盤となる技術開発に取り組みます。電動車搭載部品の売上高に占める割合については、2030年度55%を目指すとともに、顧客基盤についてもこれまでの主要なお客様との関係を維持しつつ電動車に強い顧客との取引拡大を進めております。

3.Ahrestyで良かった!を実現する

主要顧客からの最上位評価獲得、従業員エンゲージメントの向上・ダイバーシティの実現を目指します。経営幹部の多様化、従業員及び管理職の女性比率向上においては、ダイバーシティ&インクルージョンに対する理解を深める意識改革、多様な人材が活躍できる職場の拡大、人事の戦略的運営とキャリア支援の実施を目指します。

4.技術探求を続け、唯一を生み出す

製品ポートフォリオシフトを実現するために、製品開発のデジタルトランスフォーメーションによって開発リードタイムを短縮するなど技術開発力を強化し、市場の変化やお客様のニーズにいち早く応えていきます。工法・技術・素材の各分野で将来の事業に貢献する先駆的な技術探求を続け、新規需要の創出を図ります。また、製品製造の際のCO2排出量を実質ゼロにするカーボンニュートラルダイカストの開発に挑戦していくことで地球環境に貢献するとともに、当社の競争力向上を目指します。

(4) 経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

当中間連結会計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略について重要な変更はありません。

当社グループでは、引き続き自動車産業の環境変化を変革のチャンスとしてとらえながら、軽量化への貢献、電動化に向けた事業ポートフォリオのシフトを進めながら、リーンな工場経営を確立し、今後の収益性改善に一層努めてまいります。

(5) 会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

前事業年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定の記載について重要な変更はありません。

(6) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

当中間連結会計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。

(7) 研究開発活動

当中間連結会計期間におけるグループ全体の研究開発活動の金額は、348百万円であります。

なお、当中間連結会計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。

(8) 経営成績に重要な影響を与える要因について

当社グループの主要事業であるダイカスト事業を取り巻く全世界の自動車需要については、今後も中国・新興国を中心に成長が続くと予測されております。一方で環境規制が各国・地域で強化されていくため、ハイブリッド車やプラグインハイブリッド車が増加し、更には電気自動車や燃料電池車という全く内燃機関を使わない車へのシフトも必至と考えております。電気自動車については、技術革新によって電池の蓄電能力や大きさと価格の改善、充電時間や充電インフラの整備といった普及に向けた課題への対応が急速に進展しており、特に自動車の電動化を国の重点政策として掲げる中国においては地場新興メーカーも加わった電動化シフトが急速に進んでおります。ただし、その他の地域においては少なくとも2030年ごろまでは従来型とハイブリッド車やプラグインハイブリッド車などの内燃系エンジン搭載車も引き続き需要の拡大が見込まれ、自動車の電動化は地域によって異なるスピードで進行していくものと予想しています。

自動車の電気シフトが急速に進む状況下、今後も小型化や車体構造の変更のほか、軽量化材料への転換が一層進むものと考えられておりますが、当社グループでは軽量でリサイクル性に優れ、設計自由度や生産性に優れるアルミダイカストが車の軽量化分野で大きく貢献できると考えております。

また、エンジンやトランスミッション以外の車体や足回りなどの軽量化ニーズにも応えるために、専門チームを立ち上げ営業活動と市場調査を行っており、顧客の求める軽量化対象部品やその要求機能を理解し、それらに対応するものづくり力の強化に繋げ、当社グループの専門分野の拡大と将来の需要構造変化への準備を進めております。

(9)資本の財源及び資金の流動性についての分析

①資金需要及び財務政策

当社グループの資金需要のうち主なものは、運転資金及び事業拡大のための設備投資資金、配当金の支払等であります。これらの資金需要に対して当社グループでは、主として金融機関からの借入金と自己資金(手元資金と営業活動によって獲得した資金)により事業活動に必要な運転資金や将来の設備投資等に向けた充分な資金を確保しております。

資金調達手段としては、金融機関からの短期借入金、長期借入金で行っており、短期借入金については運転資金として月次の売上高の2分の1程度を調達する方針としております。長期借入金については、設備投資のための長期資金として3年~5年の借入期間で調達を行っております。また、短期借入金については、月次の資金繰り状況に応じ当座借越限度額の範囲内で反復利用を行い、長期借入金については、新規調達を行う一方で約定計画に基づき返済を行っております。

②資金の流動性

当社及び国内連結子会社はCMS(キャッシュ・マネジメント・システム)を導入しており、国内のグループ内資金を当社が一元管理しております。各グループ会社において創出したキャッシュ・フローを当社に集中することで資金の流動性を確保し、また、機動的かつ効率的にグループ内で配分することにより、金融負債の極小化を図っており、余剰資金が生じた場合には有利子負債の返済に充てる方針であります。