E01396 Japan GAAP
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において当社グループが判断したものであります。
(1)財政状態及び経営成績の状況
(経営成績の状況)
当第3四半期連結累計期間における国際情勢は、国内で新型コロナウイルス感染症の5類への移行により社会、経済活動が正常化に向かう一方、原材料やエネルギー価格の高止まり、中国経済の減速やウクライナ・中東情勢等地政学リスク、インフレ収束に向けた各国政策など、引き続き先行き不透明な状況が続いております。
こうした中、当第3四半期連結累計期間の業績は、売上高は321億40百万円(前年同四半期比8.7%増)となり、営業利益は3億53百万円と前年同四半期に比べ14億92百万円の増益となりました。また、為替変動に伴う為替差益1億51百万円の計上、資本効率向上に向けた政策保有株式の縮減による投資有価証券の売却等により、経常利益は2億95百万円と前年同四半期に比べ14億12百万円の増益となりました。親会社株主に帰属する四半期純利益は83百万円と前年同四半期に比べ10億35百万円の増益となりました。
当社グループは、中期経営計画に沿って資本コストを意識した経営に取り組んでおります。収益力の向上、競争力強化と拡販、電動関連製品・非自動車事業の拡大など事業構造変革によりROE向上を図り、ESG経営を通じて非財務価値を含めた企業価値向上を目指しております。
収益力の向上については、設備の寄せ停めや整流化推進のための組織(BR再構築支援室)を設置し、取り組みを加速しております。
競争力強化の柱である、モノづくり革新「未来Factory」は、当期中に順次量産ラインへ展開予定です。また、グローバル最適生産の一環であるタイ第2拠点については、当期中に一部製品の生産を開始する予定です。
電動関連製品については、新型ハイブリッド車用のインバーター部品について、2023年年初の増産に加え、2024年1月以降に国内子会社において新規生産ラインの稼働開始を予定しており、今後も拡大を図ってまいります。
さらに、事業構造変革を加速するため、技術と営業が一体となった組織(新規拡販室)を新設しました。
ESG経営については、顧客や株主・投資家をはじめ、あらゆるステークホルダーの信頼をより確かなものにするため、企業基盤を強化すべくコーポレートガバナンス部を新設しました。コンプライアンス強化、人的資本への投資などを含め、重点分野にリソーセスを投入してまいります。
これらの推進にあたっては、営業キャッシュフローに加え、政策保有株式の縮減など資産処分により資金を創出し、重点配分を行うことで資本効率の向上を図ってまいります。
セグメントの業績を示すと、次のとおりであります。
①自動車焼結事業
当第3四半期連結累計期間においては、タイ第2工場の操業前費用やDX投資などによる固定費増加の一方、半導体不足に伴う減産影響の解消が本格的に進み、国内や米国自動車向け製品の販売量が回復したことに加え、前期分を含めた原材料やエネルギー価格高騰の影響を販売価格へ調整したことや、国内収益構造改善、米国のロス低減が進んだことにより、増収増益となりました。
これらの結果、当第3四半期連結累計期間における売上高は292億52百万円と前年同四半期と比べ24億82百万円(9.3%)の増収となり、セグメント利益につきましては、15億43百万円と前年同四半期と比べ17億44百万円の増益となりました。
②鉄道焼結事業
新幹線用ブレーキライニング及び新幹線用すり板の搭載車両増加に加え、また新型コロナウイルス感染拡大の影響に伴う減便の影響も解消したことから受注が増加傾向となっており、増収増益となりました。
これらの結果、当第3四半期連結累計期間における売上高は15億97百万円と前年同四半期と比べ5億7百万円(46.5%)の増収となり、セグメント利益につきましては、3億57百万円と前年同四半期と比べ2億66百万円(295.3%)の増益となりました。
③油圧機器製品事業
主要取引先の一つである北米顧客が、新型コロナウイルス感染症による仕入リスク対応のため高めに確保していた安全在庫を、仕入リスク減少により在庫調整を実施したため、減収減益となりました。
これらの結果、当第3四半期連結累計期間における売上高は12億82百万円と前年同四半期と比べ4億19百万円(△24.6%)の減収となり、セグメント利益につきましては、2億19百万円と前年同四半期と比べ2億56百万円(△53.9%)の減益となりました。
(財政状態の状況)
(資産)
資産は519億64百万円となり、前連結会計年度末に比べ、27億68百万円増加いたしました。主にタイ子会社第2拠点立上げなどに伴う建設仮勘定の増加(前連結会計年度末比30億39百万円増)、保有株縮減を上回る株式の評価額上昇に伴う投資有価証券の増加(前連結会計年度末比6億64百万円増)によるものであります。
(負債)
負債は326億88百万円となり、前連結会計年度末に比べ、17億59百万円増加いたしました。これは、支払手形及び買掛金の増加(前連結会計年度末比3億85百万円増)、電子記録債務の増加(前連結会計年度末比3億14百万円増)、中期経営計画に沿ったモノづくり革新用設備投資等による長期借入金の増加(前連結会計年度末比10億93百万円増)によるものであります。
(純資産)
純資産は192億75百万円となり、前連結会計年度末に比べ、10億8百万円増加いたしました。これは、主に円安進行に伴う為替換算調整勘定の増加(前連結会計年度末比3億90百万円増)、その他有価証券評価差額金の増加(前連結会計年度末比4億56百万円増)、利益剰余金の増加(前連結会計年度末比83百万円増)によるものであります。
(2)研究開発活動
当第3四半期連結累計期間の研究開発費の総額は4億51百万円であります。