売上高

利益

資産

キャッシュフロー

配当(単独)

ROE

EPS BPS




E01478 IFRS


2【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 経営成績の状況

 当第3四半期連結累計期間(2023年4月1日~2023年12月31日)におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症が5類感染症に移行したことにより、経済活動の正常化が進んでおります。一方で、エネルギー価格、原材料価格、物流価格の上昇や地政学リスクなどは継続しており、先行きの不透明感は依然として高いままであります。

 このような状況の中で当社グループは、環境負荷低減に向けて最適なエネルギー提案を実施し、またスーパーメンテナンス会社の実現に向け、お客様設備との接続台数拡大を推進し、サービスの品質向上に努めてまいりました。

 当第3四半期連結累計期間における連結業績につきましては、国内においては、機器販売事業では小型貫流ボイラ及び関連機器の販売が堅調に推移しておりますが、アイナックス稲本株式会社(以下、「アイナックス」という。)が持分法適用会社となった影響により売上が減少しております。海外においては、韓国や中国でボイラ販売が堅調に推移しており、売上が増加しております。利益面につきましては、営業活動の活発化やシステム関係の経費の増加はありましたが、販売機器構成の変化やメンテナンス事業の増収効果もあり、増益となりました。この結果、売上収益は107,957百万円(前年同期比2.1%増)、営業利益は15,702百万円(前年同期比5.1%増)、税引前四半期利益は18,496百万円(前年同期比13.5%増)、親会社の所有者に帰属する四半期利益は13,687百万円(前年同期比14.3%増)となりました。

 セグメントの経営成績の状況は、以下のとおりであります。

 なお、JENSEN-GROUP NV(本社所在地:ベルギー)と業務用ランドリー機器等の製造販売に関する資本業務提携を目的とした出資契約及び合弁契約を締結し、アイナックスの株式の一部を現物出資したことに伴い、アイナックスが当社の連結子会社から持分法適用会社となったため、第2四半期連結会計期間より管理区分の見直しを行い、「国内ランドリー事業」を「国内機器販売事業」に統合しております。

①国内機器販売事業

 国内機器販売事業は、小型貫流ボイラ及び関連機器、アクア機器やコンプレッサの販売が堅調に推移しておりますが、アイナックスが持分法適用会社となった影響により売上が減少しております。この結果、当事業の売上収益は50,731百万円と前年同期(53,537百万円)に比べ5.2%減となりました。セグメント利益につきましては、原材料価格の上昇や営業活動に伴う費用の増加がありましたが、販売機器構成の変化もあり、4,531百万円と前年同期(4,119百万円)に比べ10.0%増となりました。

②国内メンテナンス事業

 国内メンテナンス事業は、有償保守契約件数や舶用機器の部品販売増加により売上を伸ばしました。この結果、当事業の売上収益は30,438百万円と前年同期(28,152百万円)に比べ8.1%増となりました。セグメント利益につきましては、8,713百万円と前年同期(8,080百万円)に比べ7.8%増となりました。

③海外機器販売事業

 海外機器販売事業は、韓国や中国でボイラ販売が堅調に推移し、売上が増加しました。この結果、当事業の売上収益は18,518百万円と前年同期(16,976百万円)に比べ9.1%増となりました。セグメント利益につきましては、人件費の増加や営業活動の活発化の影響により販管費が増加し、1,378百万円と前年同期(1,725百万円)に比べ20.1%減となりました。

④海外メンテナンス事業

 海外メンテナンス事業は、各国での有償保守契約の積極的な取得により売上を伸ばしました。この結果、当事業の売上収益は8,229百万円と前年同期(7,023百万円)に比べ17.2%増となりました。セグメント利益につきましては、人件費の増加や行動制限解除の影響により販管費が増加しましたが、増収効果もあり1,220百万円と前年同期(1,165百万円)に比べ4.7%増となりました。

 

(2) 財政状態の状況

(単位:百万円)

 

前連結会計年度

(2023年3月31日)

当第3四半期連結会計期間

(2023年12月31日)

増減

資産合計

229,560

227,276

△2,283

負債合計

60,648

53,105

△7,542

資本合計

168,912

174,170

5,258

 

当第3四半期連結会計期間末の財政状態につきましては、資産合計は、前連結会計年度末に比べ2,283百万円減少し、227,276百万円となりました。流動資産は、主に棚卸資産が8,119百万円増加した一方、売却目的で保有する資産が20,366百万円、現金及び現金同等物が4,646百万円、その他の流動資産が3,234百万円減少したことにより、20,900百万円の減少となりました。非流動資産は、主に持分法で会計処理されている投資が17,107百万円、その他の金融資産が1,231百万円増加したことにより、18,617百万円の増加となりました。

負債合計は、前連結会計年度末に比べ7,542百万円減少し、53,105百万円となりました。流動負債は、主に契約負債が2,672百万円増加した一方、売却目的で保有する資産に直接関連する負債が8,286百万円、未払法人所得税等が912百万円、営業債務及びその他の債務が848百万円減少したことにより、7,752百万円の減少となりました。非流動負債は、主にリース負債が102百万円、退職給付に係る負債が64百万円、繰延税金負債が20百万円増加したことにより、210百万円の増加となりました。

 なお、2023年3月にアイナックスの株式の一部を現物出資することを決議し、JENSEN-GROUP NVと業務用ランドリー機器等の製造販売に関する資本業務提携を目的とした出資契約及び合弁契約を締結したことに伴い、前連結会計年度において、IFRS第5号「売却目的で保有する非流動資産及び非継続事業」に基づき、アイナックスが所有する資産及び負債を「売却目的で保有する資産」及び「売却目的で保有する資産に直接関連する負債」に組替えております。2023年4月3日、当社が保有するアイナックス株式の一部について、JENSEN-GROUP NVへの現物出資が完了しました。本株式譲渡によって、アイナックスは当社の連結子会社から持分法適用会社となりました。そのため、売却目的で保有する資産が減少した一方、残存保有投資額を計上したことにより、持分法で会計処理されている投資が増加しました。

 資本合計は、主に自己株式の取得5,905百万円により減少した一方、利益剰余金が8,105百万円、その他の資本の構成要素が2,786百万円増加したことにより、前連結会計年度末に比べ5,258百万円増加し、174,170百万円となりました。この結果、親会社所有者帰属持分比率は76.3%となりました。

 

(3) キャッシュ・フローの状況

 当第3四半期連結累計期間における各キャッシュ・フローの状況は以下のとおりであります。

 営業活動によるキャッシュ・フローは、9,458百万円の収入(前年同四半期は7,036百万円の収入)となりました。主な増加は、税引前四半期利益18,496百万円、減価償却費及び償却費4,974百万円、主な減少は、棚卸資産の増減額7,285百万円、法人所得税等の支払額5,537百万円によるものです。

 投資活動によるキャッシュ・フローは、1,806百万円の支出(前年同四半期は6,156百万円の支出)となりました。主な内訳は、定期預金の払戻による収入27,392百万円、定期預金の預入による支出25,169百万円、有形固定資産の取得による支出1,854百万円、持分法で会計処理されている投資の取得による支出1,619百万円によるものです。

 財務活動によるキャッシュ・フローは、14,319百万円の支出(前年同四半期は9,667百万円の支出)となりました。主な内訳は、自己株式の取得による支出5,932百万円、配当金の支払額5,446百万円によるものです。

 以上により、当第3四半期連結会計期間末における現金及び現金同等物の残高は、前連結会計年度末と比べ6,132百万円減少し、25,919百万円となりました。

 

(4) 事業上及び財務上の対処すべき課題

 当第3四半期連結累計期間において、当社グループが対処すべき課題について重要な変更はありません。

 なお、当社は「株式会社の財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針」については、定めておりません。

 

(5) 研究開発活動

 当第3四半期連結累計期間の研究開発費の総額は、2,373百万円であります。

 なお、当第3四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。