アーキテクツ・スタジオ・ジャパン株式会社( )

ブランドなど:ASJ建築家ネットワーク
サービス業建設コンサルグロース

売上高

利益

資産

キャッシュフロー

配当

ROE 自己資本利益率

EPS BPS




E30119 Japan GAAP


2 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 文中の将来に関する事項は、当中間連結会計期間の末日現在において当社が判断したものであります。

 

(1)  財政状態及び経営成績の状況

当中間連結会計期間におけるわが国経済は、雇用・所得環境の改善が進むなか、インバウンド需要が寄与したこともあり内需主導で景気が緩やかに回復しているものの、ウクライナ情勢の長期化に伴う資源価格上昇、中東地域での地政学的不安定さの長期化、中国経済の先行き懸念などが重なり、世界的な金融引締め等が続く中、海外景気の下振れが、わが国の景気を下押しするリスクとなっております。

このような社会経済情勢において、当社の主たる事業である住まい関連市場への事業環境は海外からの投資の流入などがあったものの、若干下向き傾向となっております。当社の収益に直結する新設住宅着工戸数は、国土交通省の建築着工統計調査報告(2025年4月30日発表)の2024年度の新設住宅着工戸数では新設住宅の着工戸数は79万2195戸(前年度比3.3%減)、床面積は6087万平方メートル(同5.1%減)で、戸数は2年連続の減少、床面積では3年連続の減少となっております。利用関係別の着工戸数で見ても、持家は21万8175戸(同2.8%減)で3年連続の減少、貸家は34万2092戸(同0.5%減)、分譲住宅は22万5315戸(同8.5%減)とそれぞれ2年連続の減少と、大都市圏を中心とした賃貸需要の高まりや分譲マンションの価格高騰はあるとはいえ、業界自体が上向いているとは言い難い状況であります。資材価格や人件費の上昇に伴う建設コストの増加を背景に住宅販売価格が上昇するなか、住宅ローン金利も上昇傾向にあり、当社グループの主に属する住宅業界におきましては、住宅取得マインドの低下が懸念される状況が続いております。

 

業績全般の状況

このような市場環境の下で、当社グループは中期経営計画に沿った事業展開を前期より開始しましたが、新たに設定した3つのセグメントによる当中間連結会計期間の売上高は、414,417千円(前年同期比26.3%)となりました。各セグメントとも予定していたプロジェクトの推進や取り組みに至らず、前年同期との比較において減収となっております。

損益面においては、営業損失は277,824千円(前年同期営業利益21,994千円)となり、賃貸料収入等の営業外収益の計上により、経常損失は272,149千円(前年同期経常利益19,658千円)となりました。そして、親会社株主に帰属する中間純損失は251,709千円(前年同期親会社株主に帰属する中間純損失6,169千円)となりました。

住まい関連事業は業種としての特性で例年、第1四半期の売上高が低迷する傾向にあり、そのために上半期の売上高も伸び悩みますが、この傾向は当中間期にもおいても改善出来ておりません。この傾向を補完するために新たなセグメントでの事業展開として、暮らし関連事業の立上げを計画しましたが、様々な要因により遅れたことにより、業績改善に至らなかったことが、上記の損失計上となった要因であると考えております。

 

 

  セグメントの概況

当社グループは上記のとおりに3つのセグメントによる事業展開を開始しておりますので、ここにセグメント別の情報を記載いたします。各報告セグメントに配分しない会社費用を調整額として表記することで各事業単位の事業収支の明確化を果たせております。

 

報告セグメント

調整額
 

中間連結損益
計算書計上額

住まい関連

事業

 暮らし関連
 事業

 投資関連
 事業

売上高

224,155

188,522

1,739

414,417

414,417

事業損益

71,727

18,380

  239

90,347

△368,172

△277,824

 

 

(住まい関連事業)

  売上高は当社による工事請負契約及び建築設計・監理業務委託契約分売上、契約ロイヤリティ売上、マーケティング売上に子会社の売上高を合わせて224,155千円となり、セグメント損益は71,727千円の利益となりました。

  これは工事請負契約件数が原材料高騰により工事の見積もり調整が難航していることからプロデュース事業本部の受注額が大幅減となり、又ネットワーク事業本部の契約ロイヤリティ売上も退会スタジオによるスタジオ運営会社数の減少、FC先のマーケティング投下費用の減少などにより受注総額が大幅に減少したことが主な原因となります。少子高齢化が進む中で、新築住宅を中間層よりやや上の層に訴求する従来型のASJ建築家ネットワークモデル には成長モデルを探る限界があり、かつ昨年度より取り組み始めました新規加盟契約の獲得を目的としたビジネスサポート事業の一環である「共同購買システム」等も新規加盟を期待させる効果的かつ魅力的なメニューとはならず、当期中での加盟契約数増加を得ることはできませんでした。

  一方、「住まい関連事業」におけるビジネスサポート事業として昨年度事業提携したColors JAPAN社に関しましては、定期的な事業説明会により、若干の加盟契約締結を得たものの、もとより収益構造が弱く、住まい関連事業の事業計画数値をカバーする事業とはなっておりません。

  又、海外での「住まい」関連事業の展開として、2024年7月に当社子会社化としましたSupaspace Pte Ltd.のシンガポール市場での公団住宅のリフォーム事業もショールーム及びホームページの開設を行い本格的な営業活動を開始しましたが、買収後から当中間期に至るまでほぼ受注が見込めない状況となりました。

 

(暮らし関連事業)

  売上高は前期に買収し子会社化したMED株式会社(2024年12月買収:100%子会社)、チャミ・コーポレーション株式会社(2025年2月買収:51%子会社)、トルネードジャパン株式会社(2025年3月買収:51%子会社)による売上を中心に188,522千円となり、またセグメント利益は18,380千円でありました。

  売上内容としては当中間連結期間においては、当社として前期より準備してきておりました家具等の物品販売による売上が輸入家具の輸送、通関手続き等において予定よりも大幅に遅れたために家具・アートのセレクト店舗として計画した「エースリーセレクト」が当中間期の開業に至らず、売上計上できなかったことから、子会社の売上を中心とした内容となりました。

  暮らし関連事業は「ASJだから提供できる上質な製品とサービスの提供」とし「衣+食+住+遊+健康」をテーマとして、取扱いジャンルを家具(輸入・国内)、絵画・アート類、インテリア雑貨・食器類、アパレル、グルメ、ヘルスケア関連製品まで設定した「ASJセレクト」事業をECサイト&リアルセールスの小売販売を開始すべく、準備を進め、まずは家具・インテリア雑貨・アートのセレクト店舗として「エースリーセレクト」を東京都中央区日本橋小伝馬町に開業させることとなりましたが、前述のように輸入関連に予期せぬ時間を要したために開業時期がずれ込むこととなり、当中間連結会計期間での開業は行えませんでした。

  暮らし関連事業の中核を為す、当社グループ会社の株式会社チャミ・コーポレーションは当期中において特定建設業の許可申請を行ない、事業地域、請負規模の拡充を予定しており、またグループ会社のMED株式会社も単体の事業収支のみならず、業界のDX化を含む当社のデジタル関連業務の内製化に貢献が期待されましたが、いずれも期待した効果を実現することはできませんでした。

 

 (投資関連事業)

  売上高はJR別府駅前プロジェクトの売上1,739千円を計上、セグメント利益は239千円となりました。

  売上の内容としてはJR別府駅前プロジェクトについて店舗設備の貸与収入を計上しております。

  株式会社トルネードジャパンを介してリフォーム住宅の販売といった短期的な資金運用可能な投資案件や宅地建物取引業免許を活用した住まい関連事業と協業する不動産関連案件プロジェクトへの参画による収益確保も計画しておりましたが、当中間期においては実現できませんでした。

  ALINプロジェクト(亜臨界水技術(※))に関しましては当中間期での実績は確保できませんでしたが、「環境問題」「エネルギー問題」「食の問題」につきグリーンイノベーションを旗印に建築家と地球レベルで議論する事業に育ってきており、事業パートナー先では待望の亜臨界水専用工場が2026年4月に完成予定です。現在数多くの相談を受けており、単なる有機系廃棄物の循環社会となる未来型のインフラの提供に留まらず、新素材の抽出の可能性を各専門領域より期待を込めて説明を受けており2026年度では収益の柱となるべく今後とも開発、営業、事業設計の確立強化を計ってまいります。

 ※亜臨界水処理技術とは高温・高圧領域で高速加水分解反応により有機廃棄物を効率的に分解することで肥料等に資源利用する技術を示します

  その他、当社の投資方針としては、当社の特徴である3000人近い建築家のプラットホームである当社事業との親和性の高い企業への出資やM&Aは国内外を対象に検討してまいりますが、取締役会の方針のみならず第三者の意見聴取・コンサルタントの活用・法務部との連携強化など適切な手順を踏み判断し、株主還元につなげていく考えです。

 

  財政状態につきましては、当中間連結会計期間末における総資産は1,594,674千円となり、前連結会計年度末と比べて536,723千円減少いたしました。

  流動資産は前連結会計年度末に比べ、42,270千円減少し、588,312千円となりました。これは主として現金及び預金の減少27,112千円等によるものであります。

  固定資産は前連結会計年度末に比べ、494,452千円減少し、1,006,361千円となりました。これは主に投資不動産の減少475,232千円等によるものであります。

  当中間連結会計期間末における負債合計は1,375,707千円となり、前連結会計年度末と比べて520,440千円減少いたしました。

  流動負債は前連結会計年度末に比べ、126,117千円減少し、449,539千円となりました。これは主に、契約負債の減少69,090千円及び未払金の減少54,350千円等によるものであります。

  固定負債は前連結会計年度末に比べ、394,323千円減少し、926,168千円となりました。これは長期借入金の減少357,748千円によるものであります。

  当中間連結会計期間末における純資産は218,966千円となり、前連結会計年度末と比べて16,282千円減少いたしました。これは親会社株主に帰属する中間純損失251,709千円を計上するとともに、非支配株主持分が45,332千円減少した一方、資本金及び資本剰余金がそれぞれ141,217千円増加したことによるものであります。

 

(2)  キャッシュ・フローの状況

当中間連結会計期間末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ、27,112千円減少184,263千円となりました。

各キャッシュ・フローの状況は、次のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動による資金の減少は444,623千円(前年同期は25,623千円の増加)となりました。これは主に、税金等調整前中間純損失313,415千円の計上に加え、仕入債務の増加67,344千円、減損損失の計上43,621千円等の収入要因、棚卸資産の増加63,105千円、未払金の減少54,347千円等の支出要因によるものであります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動による資金の増加は533,286千円(前年同期は28,867千円の減少)となりました。これは主に短期貸付金の減少97,543千円、有形固定資産の売却による収入442,321千円等の収入要因、投資有価証券の取得による支出13,000千円等の支出要因によるものであります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動による資金の減少は114,887千円(前年同期は17,278千円の減少)となりました。これは株式の発行による収入281,328千円等の収入要因、短期借入金の返済による支出375,871千円等による支出要因によるものであります。