株式会社エンバイオ・ホールディングス

サービス業土木工事グロース

売上高

利益

資産

キャッシュフロー

配当(単独)

ROE

EPS BPS




E30445 Japan GAAP


2【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。

 

(1)経営成績の分析

 当第3四半期連結累計期間(2023年4月1日から2023年12月31日まで)におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症に対する行動制限の緩和・経済活動の再開により回復基調で推移しました。

 物価については、人件費や物流コストの増加と相まって、強い上昇圧力の状態が今後も続くと予想されており、消費者マインドの冷え込みにより景気回復の鈍化が懸念されております。また、幅広い業種での人手不足、供給制約の問題など、経済の先行きについても不透明な状態は続いております。

 当社グループの業績に大きな影響を及ぼす建設業界におきましては、公共投資は底堅さを維持し、民間設備投資が着実に進み、建設需要は増加傾向です。他方、建設資材価格が総じて高い価格水準にあることに加え、慢性的な労働者不足から労務費も上昇の傾向がみられ、引き続き経営環境への影響を注視する状況が続いております。また、不動産業界におきましては、住宅需要は堅調に推移しているものの、建築資材価格の高騰により販売価格相場の上昇傾向がみられ、物件の割高感が増しており、住宅需要はその影響を受け始めております。住宅ローン金利は低水準を維持しているものの、事業環境の変化の兆しを注視する必要があります。

 このような背景のもと、当社グループは、ESG経営に積極的に取り組むとともに、土壌汚染対策事業におきましては、リスク管理型手法や責任施工保証の提案、工事品質管理、工事原価管理の徹底、DXの推進による業務効率化などの施策を推進しております。ブラウンフィールド活用事業におきましては、土壌汚染問題に直面する事業用地等を積極的に取得し、市場のニーズに合わせ、企画開発力を生かして付加価値を高めた形で、お客様に対し再販することに努めております。また、自然エネルギー事業におきましては、FITに頼らないビジネスモデルとして、工場、物流倉庫、ホームセンター等へのPPAモデルの提案を積極的に展開しております。

 その結果、当第3四半期連結累計期間の売上高は6,986,182千円(前年同四半期比3.2%増)となりました。経常利益は546,223千円(同60.1%減)となりました。親会社株主に帰属する四半期純利益は345,231千円(同59.7%減)となりました。

 以下に各事業セグメントの状況を報告いたします。

 

①土壌汚染対策事業

 当第3四半期連結累計期間の売上高は3,198,367千円(同5.2%減)となり、セグメント利益は149,903千円(同55.0%減)となりました。

 国内では土壌汚染対策工事の引き合いは、堅調さを維持しており、受注に関してはほぼ計画どおりに進捗しております。完全浄化以外の選択肢を求める顧客が増えており、土壌汚染の管理を目的とする経済的な対策(リスク管理型手法)や土壌調査と対策工事をセットにし対策費用の総額を保証して実施する責任施工など差別化された提案に注力しております。稼働中の工場の長期化する地下水汚染に対するリスク管理型手法の有力工法として米社から新たに導入した原位置透過壁工法(プルームストップ工法)については、第一号案件を成功裏に完工しました。当社が保有する原位置化学酸化技術とプルームストップ工法を組み合わせたハイブリッド工法は、東京都の「地下水汚染拡大防止技術支援」で推奨する技術メニューに認定されました。これらの技術的成果を足元の引き合いに生かして提案して参ります。顧客都合等で着工遅延が発生していた大型案件や元請の大型原位置浄化案件が進捗したことから売上の回復と原価率の改善が進みました。回復基調は第4四半期連結会計期間も継続する見通しで、売上と利益は共に期初予想での着地を見込んでおります。

 中国では日系企業の工場移転や事業撤退に伴う土壌汚染対策に注力しております。引き合い件数は増えてきたものの、工場売却先の中国資本が主導権を握るケースが散見されることから、より丁寧な対応が求められる受注環境になりつつあります。

 

②ブラウンフィールド活用事業

 当第3四半期連結累計期間の売上高は2,549,047千円(同11.4%増)となり、セグメント利益は257,496千円(同68.0%減)となりました。

 株式会社エンバイオ・リアルエステートでは、引き続き仕入れ競争が激化している中、大手や中小の仲介業者に相対で進められる案件や入札案件の情報収集を積極的に行い、15物件を仕入れました。また、販売においては8物件の販売を行いました。なお、目黒区内のメッキ工場跡地の案件は、弊社グループにて浄化工事を行っております。

 大規模な土壌汚染地を扱う株式会社土地再生投資では、仕入れはありませんでしたが、2件のコンサル受注および11件の受注斡旋を行いました。

 前期と比較し増収・減益となっておりますが、今期予算を達成すべく引き続き販売活動に注力して参ります。

 

③自然エネルギー事業

 当第3四半期連結累計期間の売上高は1,238,767千円(同11.8%増)となり、セグメント利益は243,243千円(同7.6%減)となりました。

 当第3四半期連結会計期間末日における国内外の太陽光発電所は開発中含め50箇所、総発電量49MWとなっております。長野県に設置している太陽光発電所(リース物件)1箇所にて設備の故障が発生し、利益を圧迫したため減益となりました。なお、当該故障による逸失利益は第4四半期連結会計期間以降に保険金収入で補填される見込みであります。

 クリーンエネルギーの需要は依然として高く、海外を含む新規案件の情報収集、セカンダリー発電所やコーポレートPPA案件、再生可能エネルギーを用いた新たなビジネススキームの検討に注力しております。インドネシア内で太陽光発電所の開発投資を行った結果、同国内での稼働済み太陽光発電所の発電量は6.3MWとなり、インドネシアを含めた総発電量は55.3MWとなっております。

[国内]

 株式会社シーアールイーが開発する物流施設「LogiSquare(ロジスクエア)」の屋根を活用した太陽光発電所(ロジスクエア一宮、ロジスクエア厚木、ロジスクエア松戸)の着工準備をしております。

[海外]

 ヨルダンにおいて、引き続き水資源開発の可能性を調査しております。またトルコにて開始しているバイオマス発電事業のフル稼働の早期実現に向け注力しております。

 

(2)財政状態の分析

 当第3四半期連結会計期間末における資産につきましては、総資産は18,691,305千円となり、前連結会計年度末に比べ1,341,350千円増加いたしました。これは主に棚卸資産が720,129千円減少したものの、現金及び預金が414,678千円、受取手形、売掛金及び契約資産が393,506千円、機械装置及び運搬具が791,806千円、土地が341,445千円、投資その他の資産が93,062千円増加したことによるものであります。

 負債につきましては、10,268,353千円と前連結会計年度末に比べ224,361千円減少いたしました。これは主に短期借入金が481,583千円、長期借入金が391,259千円、流動負債その他が179,045千円、買掛金が72,719千円及び資産除去債務が60,971千円増加したものの、1年内返済予定の長期借入金が1,028,091千円、未払法人税等が280,462千円及び契約負債が122,873千円減少したことによるものであります。

 純資産につきましては、8,422,952千円と前連結会計年度末に比べ1,565,711千円増加いたしました。これは主に資本金が528,000千円、資本剰余金が528,663千円、利益剰余金が286,544千円及び為替換算調整勘定が149,885千円増加したことによるものであります。

 

(3)事業上及び財務上の対処すべき課題

 当第3四半期連結累計期間において、当社グループが対処すべき課題について重要な変更はありません。

 

(4)研究開発活動

 当第3四半期連結累計期間におけるグループ全体の研究開発活動の金額は、4,969千円であります。