売上高

利益

資産

キャッシュフロー

配当(単独)

ROE

EPS BPS




E01502 IFRS


2【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

当第3四半期連結累計期間における経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析は以下のとおりであります。文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1) 財政状態及び経営成績の状況

①経営成績の状況

当第3四半期連結累計期間における業績は、売上収益は3,802億円(2,541百万EUR、前年同四半期比14.2%増)、営業利益は356億円(238百万EUR、前年同四半期比33.1%増)、税引前四半期利益は314億円(210百万EUR、前年同四半期比29.2%増)、親会社の所有者に帰属する四半期利益は230億円(154百万EUR、前年同四半期比38.9%増)となりました(EUR建表示は2023年1月から9月の期中平均レート149.6円で換算しております)。

当第3四半期の連結受注額は、前年同期比7.5%減の3,995億円と、期初想定以上の受注水準となりました。5軸加工機、複合加工機などの工程集約機を中心に自動化、フルターンキー化、DX(デジタル・トランスフォーメーション)、GX(グリーン・トランスフォーメーション)を実現するMX(マシニング・トランスフォーメーション)への需要は引き続き堅調です。お客様への付加価値提案力に加え、円安の影響もあり、機械1台当たりの受注単価が59.5百万円(2022年度平均:49.8百万円)へと大きく上昇したことが主因です。また、連結受注の約20%を占めるサービス・補修部品の受注額も前年同期比14%増と寄与いたしました。

地域別受注額は、前年同期比、欧州(構成比:55%)が1%増と堅調に推移しました。一方、米州(同:19%)が9%減、日本(同:11%)が26%減、中国(同:10%)が11%減、アジア他(同:5%)が24%減となりました。産業別の需要は、宇宙・航空、医療、エネルギー・発電関連が引き続き堅調に推移しております。

年度の連結受注見通しについては、5,200億円を見込んでおります。機械本体の受注残高は、2022年12月末の2,540億円から、2023年9月末には2,800億円まで増加いたしました。当第4四半期(10-12月)の売上収益を1,450億円程度と計画していることから、2023年12月末の受注残高は、前年度末同水準の2,550億円程度を見込んでおり、豊富な受注残が来期以降の業績安定に寄与します。

2023年~2025年を期間とする「中期経営計画2025」でも掲げているとおり、当社は工程集約・自動化・DX・GXにより、お客様へより付加価値の高い製品、システム、サービスを提供すること、またそれらを通じて地球環境保護にも貢献する、MX戦略による持続的成長を目指しております。お客様の加工ニーズへのソリューションを一気通貫で提供できる企業としての基盤強化に取り組んでまいります。

当社は倉敷紡績株式会社が保有する倉敷機械株式会社(以下、倉敷機械)の株式を100%譲り受け、連結グループ化することを決議いたしました。倉敷機械が中心事業とするCNC横中ぐりフライス盤は、今後中長期的な成長が期待できる宇宙・航空、新エネルギー、重機械産業での需要が増加しております。倉敷機械の開発・製造技術とお客様を確保し当社の製品群・お客様領域をより充実させること、また高品質なアフターサービスやソリューション提案を提供できるエンジニアを確保することは、今後のMX戦略において非常に重要であると考えます。倉敷機械とのシナジー効果を追求し、当社グループの持続的な成長と企業価値向上に努めてまいります。

また、当社グループ会社である株式会社マグネスケールは、2025年5月の完成を目指し奈良県にレーザスケールの生産工場を建設することを決定いたしました。レーザスケールは加工や検査の精度が向上する中、その需要と重要性が高まっている位置検出システムです。新事業所の建設後には、既存の神奈川県・伊勢原事業所と合わせて最大6万軸の生産能力を確保する予定をしております。

人材育成の面では、全国のお客様や地域の学生に対し、当社実機を用いた加工に関するトレーニングを提供する場としてDMG MORI ACADEMY仙台を開所いたしました。本研修施設の新設は浜松、金沢に続く3拠点目となり、今後は岡山、福岡と2025年にかけて全国5カ所での開所を予定しております。また、2024年1月より5軸加工技術の普及と高度専門技術者の地位向上を目的とした資格制度「5軸加工技術検定」の提供を開始いたします。本資格制度は、5軸加工の基礎学習者を対象とするWeb試験で、技術者の技術水準を4段階で評価します。5軸加工研究会及び切削加工ドリームコンテストとの連携や、既存の各教育プログラムと併せてご提供することも計画しております。本制度の導入により、5軸加工機技術者の育成と地位向上、業界全体の技術力向上に寄与してまいります。

技術面では、高精度5軸制御横形マシニングセンタ「INH 63 / INH 80」を開発いたしました。本製品はPrecision(高精度)、Productivity(生産性)、Flexibility(柔軟性)の3つを特長とした当社独自の技術を備え、お客様のMXを実現します。既存設備と組み合わせた自動化システムの構築が可能であり、幅広いワークを1つの自動化システムで生産可能です。さらに消費電力やCO2排出量を抑え、省エネな生産を実現するための工夫を随所に施しており、工程集約・自動化・DXを通して省エネでサステナブルな生産現場作りに貢献いたします。

販売面では、9月にドイツ・ハノーバーで実施された「EMO HANNOVER 2023」へ出展いたしました。その他、小規模商談会「テクノロジーフライデー」も引き続きグローバルに開催しております。今後もデジタルとリアルの両方でお客様とつながり、お客様ニーズに沿ったご提案を行ってまいります。

また、当社では「よく遊び、よく学び、よく働く」を経営理念に掲げ、従業員の心身のため継続的な健康施策を展開しております。2021年に健康経営宣言を発表し、2023年には経済産業省と日本健康会議が共同で選定する「健康経営優良法人2023」の大規模法人部門 ホワイト500に認定されました。今後も従業員の健康の維持・増進に向けて全社的に取り組んでまいります。

さらに、三重県伊賀市にスポーツ振興を図ると同時に地域の交流拠点となる屋内体育施設「DMG MORIアリーナ」を開所いたしました。1,600人の観客を収容できる第一競技場をはじめ、3種の壁が屋内に常設された国内唯一のアリーナとして注目されるスポーツクライミング施設、アスレチック施設、カフェテリアを併設しております。当施設を通じて、地域の皆様の健康増進と競技者の技術向上に寄与してまいります。

当社は持続可能な社会を目指し、資源循環型の社会に向けた取組みを行っております。当社グループ最大の生産拠点である三重県・伊賀事業所に自家消費型太陽光発電システムを導入し、2023年2月に第1期の発電を開始いたしました。2024年を予定している第3期の発電開始後には、伊賀事業所の年間電力需要量の約30%を賄い、年間約5,300トンのCO2排出量を削減できます。今後も再生可能エネルギーの活用拡大を図るとともに、カーボンニュートラルな社会の構築に貢献してまいります。

 

セグメントの動向及び業績は以下のとおりです。なお、以下の売上収益においては、セグメント間の取引を相殺消去しております。

マシンツールセグメントではエネルギー、航空・宇宙、医療向けの業績が好調に推移いたしました。その結果、売上収益は248,602百万円(前年同四半期比14.4%増)となり、セグメント損益は27,459百万円(前年同四半期比87.2%増)のセグメント利益となりました。

インダストリアル・サービスセグメントでは、部品販売、修理復旧の業績が好調に推移いたしました。その結果、売上収益は131,531百万円(前年同四半期比13.8%増)となり、セグメント損益は23,176百万円(前年同四半期比14.3%増)のセグメント利益となりました。

 

②資産、負債及び資本の状況

(ⅰ)資産

流動資産は、主として棚卸資産が50,283百万円、現金及び現金同等物が3,011百万円増加したことにより、345,385百万円(前期比51,400百万円の増加)となりました。

非流動資産は、主として有形固定資産が19,773百万円、その他の無形資産が11,304百万円、のれんが9,355百万円増加したことにより、437,627百万円(前期比51,278百万円の増加)となりました。

この結果、資産合計は783,012百万円(前期比102,678百万円の増加)となりました。

(ⅱ)負債

流動負債は、主として社債及び借入金が32,180百万円、その他の金融負債が15,153百万円、契約負債が10,595百万円増加したことにより、360,488百万円(前期比79,158百万円の増加)となりました。

非流動負債は、主としてその他の金融負債が2,456百万円、社債及び借入金が1,941百万円増加したことにより、156,059百万円(前期比7,429百万円の増加)となりました。

この結果、負債合計は516,548百万円(前期比86,587百万円の増加)となりました。

(ⅲ)資本

資本は、主として利益剰余金が12,442百万円、その他の資本の構成要素が11,560百万円増加したことにより、266,464百万円(前期比16,090百万円の増加)となりました。

 

 

③キャッシュ・フローの状況

当第3四半期連結累計期間における現金及び現金同等物は、40,003百万円(前年同四半期50,119百万円)となりました。

(ⅰ)営業活動によるキャッシュ・フロー

「営業活動によるキャッシュ・フロー」は、20,135百万円の収入(前年同四半期46,176百万円の収入)となりました。主な増加要因は、税引前四半期利益31,411百万円、減価償却費及び償却費19,332百万円、営業債権及びその他の債権の減少額11,879百万円であり、主な減少要因は、棚卸資産の増加額33,154百万円であります。

(ⅱ)投資活動によるキャッシュ・フロー

「投資活動によるキャッシュ・フロー」は、30,823百万円の支出(前年同四半期33,354百万円の支出)となりました。主な減少要因は、有形固定資産の取得による支出19,647百万円、無形資産の取得による支出10,878百万円であります。

(ⅲ)財務活動によるキャッシュ・フロー

「財務活動によるキャッシュ・フロー」は、10,152百万円の収入(前年同四半期14,387百万円の支出)となりました。主な増加要因は、長期借入れによる収入41,719百万円、短期借入金の純増加額27,957百万円であり、主な減少要因は、長期借入金の返済による支出39,362百万円、配当金の支払額9,700百万円であります。

 

(2) 経営方針・経営戦略等

当期上半期において、グローバルで受注が好調に推移したことから、前事業年度の有価証券報告書に記載した今期目標とする経営指標について、下記のとおり修正いたしました。

 

 

 

(単位:億円)

 

連結受注高

売上収益

営業利益

前事業年度有価証券報告書

5,000

5,000

500

今回修正

5,200

5,250

525

(注)1.為替レートにつきましては、米ドルレートは139.8円、ユーロレートは151.0円と想定しております。

2.連結業績予想につきましては、現時点で入手可能な情報に基づき判断した見通しであり、実際の業績等は業況の変化等により、予測数値と異なる場合があります。

なお、経営方針及び経営戦略について重要な変更はありません。

 

(3) 会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

前事業年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定の記載について重要な変更はありません。

 

(4) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

当第3四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更及び新たに生じた課題はありません。

 

(5) 研究開発活動

当第3四半期連結累計期間における当社グループ全体の無形資産に計上された開発費を含む研究開発費の金額は、20,645百万円となっております。

なお、当第3四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。