売上高

利益

資産

キャッシュフロー

配当(単独)

ROE

EPS BPS




E02343 Japan GAAP


2 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中の将来に関する事項は、当四半期会計期間の末日現在において判断したものであります。

 

(1)経営成績の状況

当第3四半期累計期間におけるわが国経済は、国内外の人の移動が戻ってきて観光業やサービス業中心に堅調に推移し、緩やかな回復傾向となりました。一方で、製造業は世界的な金利上昇により耐久消費財などの消費が減少してきたことを受けて、全体的な景況感は悪化しています。

国内製造業の業況は次のようになりました。航空機業界は新型コロナ以降需要が激減していましたが、人の移動制限が外れてから需要は戻してきていて、航空機部品も徐々に増加してきました。自動車業界も半導体不足や部品欠品などでなかなか予定台数を生産できない状態が続いていました。自動車メーカーでの検査不正による工場生産停止の影響も一部ありましたが、全体的な部品欠品も解消が進み、自動車生産台数は増えてきました。半導体業界では、パソコン、タブレット、スマートフォンなどの売上減少にともなうメモリーの在庫積み上がりで生産は落ち込んでいましたが、在庫調整も進み徐々に生産は戻してきています。生成AI、自動車の自動運転、EVなどは今後増加が予想されていて、先端半導体やパワー半導体などは堅調に推移しています。電子部品に関しては、車載向け電子部品は一定程度受注があったものの、パソコン、スマートフォン向けなどが在庫積み上がり生産減少しました。工作機械や生産設備は製造業全般の設備稼働率低下が影響して、受注減少しました。自動化や省略化などで産業用ロボットは増加していましたが、需要の大きかった中国が景気悪化したため減少しています。ロボットなどに使用する減速機も減少しました。

これらの結果、当第3四半期累計期間の売上高は1,197,597千円(前年同期比10.1%減)、営業利益は136,280千円(前年同期比43.8%減)、経常利益は145,112千円(前年同期比40.1%減)、四半期純利益は98,876千円(前年同期比40.1%減)となりました。

 

セグメント別の状況は次のとおりであります。

<コレットチャック部門>

当社の製造するコレットチャックは、主にCNC小型自動旋盤による精密部品加工に使用される工具であり、他には専用機、一般産業用機械にも使用されるものもあります。量産加工される精密部品に関わるものであり、工具の種類が多く精度が要求されるため、当社の対応力を高め高品質を維持することで受注確保が可能と考えております。

当第3四半期におけるコレットチャック部門では、自動車部品加工は戻してきましたが、電子部品、設備部品などが減少して国内の量産部品加工は減少し、コレットチャックの受注も低調に推移しました。1月は低水準で2月は自動車部品生産などがあり幾分戻しましたが、3月は電子部品や設備部品など低調で再び減少しました。

この結果、当セグメントの第3四半期累計期間の売上高は829,347千円(前年同期比9.9%減)、セグメント利益は320,591千円(前年同期比19.3%減)となりました。


 

 <切削工具部門>

切削工具は製造業の部品加工において、材料を削るときに幅広く使用される工具であり、様々な業種で数多く使用されます。加工する部品の品質を左右する重要な工具であり、多様化する顧客の要求に柔軟に対応することで、当社の受注を拡大していくことができると判断しております。
 当第3四半期における切削工具部門では、自動車部品加工が一部メーカーの工場停止などで影響を受けましたが、すそ野が広く一定の加工量はありました。逆に電子部品、電機、設備、工作機械などは総じて低調に推移し、当社の受注も減少しました。

別注切削工具の製作・再研磨は新たな加工案件や加工効率改善のため一定の需要はありましたが、製造業全体の加工量が減少したことを受けて減少となりました。売上高は105,457千円(前年同期比6.1%減)となりました。

市販切削工具の再研磨は、自動車部品加工以外で全体的に機械稼働率は低下している企業が多く、当社の受注も減少となりました。売上高は252,539千円(前年同期比12.7%減)となりました。

この結果、当セグメントの第3四半期累計期間の売上高は357,997千円(前年同期比10.9%減)、セグメント利益は47,887千円(前年同期比16.8%減)となりました。


   <自動旋盤用カム部門>

自動旋盤用カムは、主にカム式自動旋盤で使用される工具であり、大量生産部品加工に使用されるものであります。カム式自動旋盤は既に新規の製造がされておらず、現存する既存機械に使用されるための受注に限定されています。ただ当社の製造コストも限定されており、一定の受注が確保できれば利益を出せるものと判断しております。

当第3四半期における自動旋盤用カム部門では、製造業全般の業況は悪化しましたが、カムの更新や新たな加工向けなどで受注は微減にとどまりました。

この結果、当セグメントの第3四半期累計期間の売上高は10,253千円(前年同期比1.2%減)、セグメント損失は3,078千円(前年同期は636千円の利益)となりました。

 

 

(2)財政状態の分析

財政状態においては、当社の事業活動に大きな変化はなく、経常的な範囲内での動きとなりました。その内容は以下のとおりです。

 

(資産)

当第3四半期会計期間末における流動資産の残高は、6,662,730千円(前事業年度末は7,538,455千円)となり875,725千円の減少となりました。これは、仕掛品が15,381千円、その他が11,236千円増加しましたが、現金及び預金が860,902千円、受取手形及び売掛金が22,593千円、前払費用が17,193千円減少したこと等によるものであります。

また、当第3四半期会計期間末における固定資産の残高は、2,193,374千円(前事業年度末は1,668,136千円)となり525,237千円の増加となりました。これは、機械装置及び運搬具が40,721千円、長期前払費用が38,690千円、建物及び構築物が23,116千円減少しましたが、投資有価証券が598,805千円、有形固定資産のその他が24,932千円増加したこと等によるものであります。

この結果、当第3四半期会計期間末における総資産は、8,856,104千円(前事業年度末は9,206,592千円)となりました。

 

(負債)

当第3四半期会計期間末における流動負債の残高は、176,957千円(前事業年度末は201,502千円)となり24,545千円の減少となりました。これは、未払金が13,188千円、その他が9,148千円増加しましたが、未払法人税等が41,157千円、役員賞与引当金が3,400千円、買掛金が2,325千円減少したことによるものであります。

また、当第3四半期会計期間末における固定負債の残高は、551,003千円(前事業年度末は573,977千円)となり22,974千円の減少となりました。これは、その他が125,374千円増加しましたが、役員退職慰労引当金が137,440千円、退職給付引当金が10,908千円減少したことによるものであります。

この結果、当第3四半期会計期間末における負債合計は、727,960千円(前事業年度末は775,480千円)となりました。

 

(純資産)

当第3四半期会計期間末における純資産の残高は、8,128,144千円(前事業年度末は8,431,111千円)となり302,967千円の減少となりました。これは、自己株式の減少が497,716千円、その他有価証券評価差額金の増加が69,064千円ありましたが、利益剰余金が745,125千円、資本剰余金が124,623千円減少したことによるものであります。

 

 

(3)事業上及び財務上の対処すべき課題

当第3四半期累計期間において、当社が対処すべき課題について重要な変更及び新たに発生したものはありません。

 

(4)研究開発活動

該当事項はありません。