売上高

利益

資産

キャッシュフロー

配当(単独)

ROE

EPS BPS




E32153 Japan GAAP


2【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。

 

(1)経営成績の状況

 当第3四半期連結累計期間におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の感染症法上の分類が5類に移行し、社会経済活動の正常化が進むなかで緩やかに回復しているものの、エネルギー価格の高騰や円安による物価上昇、海外景気の下振れ懸念など、先行きは依然として楽観視できない状況にあります。

 当社グループの顧客が属する医薬品業界では、世界人口の増加と新興国の所得水準の向上を背景として市場は成長しておりますが、特許切れによる後発薬の台頭、新薬開発の長期化等により製薬企業の収益性は厳しさを増しております。一方で、潤沢な資金を持つ大手製薬企業は、新たな収益源を求めて有望なパイプラインには積極的に投資する等、M&Aによる業界再編が進んでおります。このような状況を背景に、製薬企業では新薬開発を迅速かつ効率的に実施するために、臨床試験等の開発業務を外部のCRO(開発業務受託機関)へ委託するケースが増えており、当社がターゲットとしている前臨床試験におきましても製薬企業の外部委託は拡大傾向にあります。

 このような状況のもと、当社グループでは世界の大手製薬企業が研究開発拠点を置く米国を中心に、マウスの肝臓の70%以上がヒトの肝細胞に置き換えられたヒト肝細胞キメラマウス(当社製品名:PXBマウス)を用いた受託試験サービスを提供しております。

 当社グループの主要顧客である製薬企業や研究機関におけるPXBマウスの需要は海外市場を中心に増加しており、多くの引き合いを頂いております。受注高は全体で前年同期を上回り、安全性等分野においては核酸医薬品、遺伝子治療等の医薬品開発でPXBマウスが有用なツールとして認知度が高まっており、マウス販売の大型受注を獲得したことから前年同期を大きく上回りました。一方で、薬効薬理分野については海外製薬企業の予算見直しによる抗B型肝炎薬の開発中止や大幅な延期が相次いだことから低調に推移しており、前年同期を大きく下回りました。売上高については安全性等分野においてマウス販売が堅調であったことから前年同期を上回ったものの、薬効薬理分野では大型案件の反動減や受注の失速により前年同期から大きく落ち込み、全体では減収となりました。損益面につきましては、売上原価は受託試験の外注費が減少したものの、人件費、材料費等が増加しており、販売費及び一般管理費においても人件費を含めた営業経費等が増加していることから、営業利益は前年同期を大きく下回りました。

 この結果、当第3四半期連結累計期間の売上高は1,328,631千円(前年同期比20.0%減)、営業利益は30,718千円(前年同期比93.4%減)、経常利益は32,092千円(前年同期比92.8%減)、親会社株主に帰属する四半期純利益は14,383千円(前年同期比96.3%減)となりました。

 

(2)財政状態の分析

(資産)

 当第3四半期連結会計期間末における流動資産は2,120,361千円となり、前連結会計年度末に比べ171,755千円減少いたしました。これは主に原材料及び貯蔵品が51,914千円、仕掛品が41,798千円増加した一方で、現金及び預金が173,053千円、売掛金及び契約資産が85,485千円、それぞれ減少したことによるものです。また固定資産は577,486千円となり、前連結会計年度末に比べ149,058千円減少いたしました。これは主に投資有価証券の償還及び繰延税金資産の取崩しに伴い、投資その他の資産が153,884千円減少したことによるものです。この結果、資産合計は2,697,847千円となり、前連結会計年度末に比べ320,813千円減少となりました。

(負債)

 当第3四半期連結会計期間末における流動負債は402,827千円となり、前連結会計年度に比べ883,309千円減少いたしました。これは主に短期借入金が100,000千円、1年内返済予定の長期借入金が80,000千円増加した一方で、1年内償還予定の転換社債型新株予約権付社債が875,000千円、その他が116,615千円、未払法人税等が63,032千円、それぞれ減少したことによるものです。また固定負債は520,947千円となり、前連結会計年度末に比べ302,893千円増加いたしました。これは主に長期借入金が320,000千円増加したことによるものです。この結果、負債合計は923,774千円となり、前連結会計年度末に比べ580,416千円減少となりました。

(純資産)

 当第3四半期連結会計期間末における純資産合計は1,774,073千円となり、前連結会計年度に比べ259,602千円増加いたしました。これは主に転換社債型新株予約権付社債の転換等により資本金が108,901千円、資本剰余金が108,901千円、それぞれ増加したことによるものです。

 

(3)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

 当第3四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。

 

(4)研究開発活動

 当第3四半期連結累計期間におけるグループ全体の研究開発活動の金額は、124,277千円であります。

 なお、当第3四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。