E11661 Japan GAAP
(1)経営成績に関する説明
当第3四半期連結累計期間(2023年4月1日~2023年12月31日)における我が国の経済は、新型コロナウイルス感染症の行動制限緩和や人流の回復など、社会経済活動の正常化が進捗し、景気回復傾向が継続しております。また、海外からの入国制限緩和により、2023年の訪日外国人消費額は過去最高となり、消費活動の持ち直しはより顕著なものとなっております。一方で、欧米諸国との金融政策の隔たりによる為替の円安傾向は継続、ロシア・ウクライナ情勢の長期化によるエネルギー・原材料価格の高止まり、イスラエル・パレスチナの紛争拡大による地政学的リスクも高まっており、依然として景気の下振れリスクが存在する状況が続いております。
このような環境において当社グループは、企業理念「人々のこころを豊かで幸せにする良質なエンタテインメントを創出する!」のもと、プリントシール事業の拡大、若年女性層の顧客基盤を活用したマネタイズの多様化、キャラクターIP(知的財産)を利用した商品販売に注力し、2024年3月期を初年度とする「中期ビジョン」実現のための取り組みを行いました。世界観ビジネスが当社の業績を牽引、ガールズトレンドビジネスの収益性が安定していることから、中期ビジョンにおける売上高、利益目標に対し、業績は順調に推移しております。
この結果、当第3四半期連結累計期間の連結業績は、売上高は32,550百万円(前年同期比119.1%)、営業利益は3,513百万円(前年同期比167.7%)、経常利益は3,501百万円(前年同期比164.7%)、親会社株主に帰属する四半期純利益は2,351百万円(前年同期比167.9%)となりました。
セグメント別の経営成績は、次のとおりであります。
なお、第1四半期連結会計期間より、報告セグメントの区分を変更しており、前年同期比較は、前年同期の数値を変更後のセグメント区分に組み替えた数値で比較しております。詳細は、「第4 経理の状況 1 四半期連結財務諸表 注記事項(セグメント情報等)3.報告セグメントの変更等に関する事項」に記載のとおりであります。
(世界観ビジネス)
世界観ビジネスにおきましては、定番キャラクターや、人気漫画作品及び世界的人気ゲーム等の多数のIP版権の獲得とその商品化に引き続き注力しました。
商品の生産は主に中国で行っているためドル建てでの決済でありますが、為替変動リスクを軽減するための対策を適宜実施し、利益面への影響を限定的としております。
クレーンゲーム景品は、クレーンゲーム市場拡大と複数の人気IPの商品化に加えて、前述のインバウンド需要の回復も後押しした結果、売上規模は大きく拡大しております。
海外物販は、主要マーケットである中国及びアメリカからの受注状況改善のため、新規販路の拡大や海外向けのIP版権取得に注力しております。
高価格帯ホビーは、ホビーECサイト「FURYU HOBBY MALL(フリューホビーモール)」を通じて、より商品バリエーションを拡大し販売しております。商品の販売状況も好調のため前年を上回る売上となっております。
この結果、世界観ビジネスにおける当第3四半期連結累計期間の売上高は17,964百万円(前年同期比145.1%)、営業利益は1,589百万円(前年同期比683.2%)となりました。
(ガールズトレンドビジネス)
プリントシール事業におきましては、新型コロナウイルス感染症がもたらしたライフスタイルやニーズの多様化といった外部環境の変化に対応するため、様々なシールデザインを楽しめる新機種の導入や、定番人気キャラクターや人気アーティストとのコラボの実施など、ユーザー拡大のための販促施策を実施しました。以上から、当第3四半期連結累計期間のプレイ回数は2,442万回(前第3四半期連結累計期間は2,480万回)となりました。
プリントシール画像取得・閲覧サービス「ピクトリンク」におきましては、重要なKPIと位置付けている有料会員数は、当四半期を通じて緩やかな回復傾向が継続し、2023年12月末時点で147万人(2022年12月末時点は148万人)となりました。今後の当サービスのさらなる成長戦略として、5月にプレミアム会員向けにフォトストレージ・サービス「PiCTLINK photos」をリリースし、10月にスタンダード会員まで対象を拡大しました。
この結果、ガールズトレンドビジネスにおける当第3四半期連結累計期間の売上高は11,784百万円(前年同期比102.5%)、営業利益は3,442百万円(前年同期比107.3%)となりました。
(フリューニュービジネス)
家庭用ゲームソフト事業につきましては、7月発売の「クライマキナ/CRYMACHINA」の販売が好調に推移しており、既存タイトルのダウンロード版や海外販売と合わせて同事業を牽引しました。
ゲームアプリ事業においては、既存2タイトルの運営を継続する一方、今後の顧客層拡大のため、新規タイトル「廻らぬ星のステラリウム」の開発に取り組んでおります。
アニメ事業は、昨年ヒットした映画「ゆるキャン△」のBlu-ray・DVDや同シリーズの関連商品の販売好調に加えて、新作TVアニメ「政宗くんのリベンジR」の配信が売上に大きく貢献しております。
カラーコンタクトレンズ事業につきましては、自社ECサイト「Mew contact(ミューコンタクト)」上で、開設10周年キャンペーンなどの販売促進施策を実施するとともに、サイトの顧客利便性改善を継続することで、引き続き顧客流入数を増加させる取り組みを進めてまいります。
データ広告事業につきましては、新規顧客獲得のための営業活動に注力し、収益力の向上に努めております。
この結果、フリューニュービジネスにおける当第3四半期連結累計期間の売上高は2,801百万円(前年同期比80.9%)、営業損失は247百万円(前年同期は169百万円の営業損失)となりました。
(2)財政状態に関する説明
当第3四半期連結会計期間末の財政状態は、総資産が28,080百万円、負債が6,545百万円、純資産が21,535百万円となりました。また、自己資本比率は76.7%となりました。
(資産)
資産につきましては、前連結会計年度末に比べ2,148百万円増加し、28,080百万円となりました。これは主に受取手形及び売掛金の増加979百万円、電子記録債権の増加605百万円、棚卸資産の増加874百万円、無形固定資産の増加110百万円があった一方で、現金及び預金の減少546百万円、有形固定資産の減少31百万円があったことによるものであります。
(負債)
負債につきましては、前連結会計年度末に比べ765百万円増加し、6,545百万円となりました。これは主に未払法人税等の増加695百万円、賞与引当金の増加202百万円、受注損失引当金の増加56百万円、退職給付に係る負債の増加74百万円があった一方で、電子記録債務の減少314百万円があったことによるものであります。
(純資産)
純資産につきましては、前連結会計年度末に比べ1,383百万円増加し、21,535百万円となりました。これは主に親会社株主に帰属する四半期純利益計上に伴う利益剰余金の増加2,351百万円があった一方で、配当金の支払いによる利益剰余金の減少1,004百万円があったことによるものであります。
(3)会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
前事業年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の
分析」中の会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定の記載について重要な変更はありません。
(4)経営方針・経営戦略等
当第3四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更は
ありません。
(5)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当第3四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重
要な変更はありません。
(6)財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針
当第3四半期連結累計期間において、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方
針について重要な変更はありません。
(7)研究開発活動
当第3四半期連結累計期間におけるグループ全体の研究開発活動の金額は、1,169百万円であります。
なお、当第3四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。