E30917 Japan GAAP
(1) 経営成績の状況
①当中間連結会計期間の概況
当社グループは、2024年11月に公表した中期経営計画 “Fly to the next stage!”(2025年3月期から2028年3月期)において、①新たな価値創造の取り組み、②資本コストを意識した経営の強化、③ESG経営の推進に取り組んでおります。
主力事業である建機用フィルタ事業においては、当中間連結会計期間において、新車需要の回復や交換需要が堅調に推移したことにより増収増益となりました。また、関税の影響については、当社グループへの業績に与える影響は極めて軽微であります。
また、当社グループでは、中期経営計画に掲げた新たな価値創造の取り組みである、北米市場におけるシェア拡大、環境負荷低減に寄与する素材であるナノファイバーを用いた製品の採用拡大が着実に進展しており、建機用フィルタ事業の一層の成長と資本効率の改善が見込まれます。
エアフィルタ事業においては、基幹システムの入れ替えに伴う生産及び出荷遅延により売上高の低迷が継続したことに加え、システム運用に係る費用の増加により大幅な減収減益となりました。
この基幹システムの入れ替えに伴う混乱については、当社グループ全体の課題として捉えており、改善に向けた対応により、第3四半期会計期間以降、オペレーションの安定化と供給体制の改善が図られる見通しであります。
今後、当社グループは、ロングライフ、低圧損、高捕集率といった高い付加価値を持つナノファイバー製エアフィルタ(製品名NanoWHELP(ナノウェルプ))の供給の拡大に向け、直販体制の強化に取り組むとともに、国内市場のみならず、欧州市場をはじめとした海外市場の開拓にも積極的に取り組んでまいります。
新規事業領域においては、実績のあるアパレル分野に加え、耐熱性、導電性の特性を活かし、断熱材市場やスマートテキスタイル市場への進出を視野に入れ、販売・マーケティング体制の強化、研究開発及び量産体制の整備を進めております。また、当中間連結会計期間において、これら新規事業の立ち上げに伴う先行投資として、設備投資や人材採用に掛かる一時的な費用が発生しております。
さらには、当社グループの新たなエクイティストーリー「YAMASHIN FILTER VISION 2030 」の公表を2025年12月に予定しており、Yamashin Nano FilterTM の持つ素材の可能性を活かした、参入市場の選定と中期的な成長戦略、利益目標と実現に向けたロードマップを明確に市場に開示し、企業価値向上を具現化してまいります。
今後も当社グループは、総合フィルタメーカーとして「環境」「空気」「健康」をテーマに持続可能な社会・経済活動に貢献する企業として社会的責任を果たしてまいります。
以上の結果、当中間連結会計期間の売上高は102億89百万円(前年同期比3.8%増)となり、営業利益は13億71百万円(前年同期比0.3%減)、経常利益は13億50百万円(前年同期比5.9%減)、親会社株主に帰属する中間純利益は9億9百万円(前年同期比4.5%増)となりました。
②連結業績
当中間連結会計期間(自 2025年4月1日 至 2025年9月30日)業績について
(単位:百万円)
売上高については、建機用フィルタ事業において6.2%の増収、エアフィルタ事業において12.4%の減収となったことから、全体では3.8%の増収となりました。
営業利益については、エアフィルタ事業において、基幹システムの入れ替えに伴う生産及び出荷遅延やシステム運用に係る費用の増加により大幅な減益となったものの、建機用フィルタ事業において、新車需要の回復等により8.6%の増益となり、連結では0.3%の減益となりました。
経常利益については、為替差損の増加等により5.9%の減益となりました。
親会社株主に帰属する中間純利益については、4.5%の増益となりました。
③事業セグメント別の売上高と営業利益
(建機用フィルタ事業)(自 2025年4月1日 至 2025年9月30日)業績について
(単位:百万円)
売上高については、新車需要の回復等により6.2%の増収となりました。
営業利益については、増収の影響等により8.6%の増益となりました。
(エアフィルタ事業)(自 2025年4月1日 至 2025年9月30日)業績について
(単位:百万円)
売上高については、基幹システムの入れ替えに伴う生産及び出荷遅延により12.4%の減収となりました。
営業利益については、減収の影響や、システム導入に係る費用の増加により大幅な減益となりました。
(2) 財政状態の状況
資産、負債及び純資産の状況は、次のとおりであります。
(流動資産)
当中間連結会計期間末における流動資産の残高は、前連結会計年度末比6百万円増加し、144億40百万円となりました。その主な要因は、現金及び預金が7億9百万円減少(前連結会計年度末比11.8%減)した一方で、受取手形及び売掛金が2億51百万円増加(前連結会計年度末比5.3%増)、商品及び製品が2億8百万円増加(前連結会計年度末比11.2%増)、原材料及び貯蔵品が1億25百万円増加(前連結会計年度末比8.6%増)、その他が1億31百万円増加(前連結会計年度末比37.8%増)したことによるものです。
(固定資産)
当中間連結会計期間末における固定資産の残高は、前連結会計年度末比3億54百万円増加(前連結会計年度末比2.9%増)し、125億62百万円となりました。その主な要因は、投資その他の資産が3億36百万円増加(前連結会計年度末比40.4%増)したことによるものです。
(流動負債)
当中間連結会計期間末における流動負債の残高は、前連結会計年度末比6億45百万円増加(前連結会計年度末比19.1%増)し、40億34百万円となりました。その主な要因は、短期借入金が9億円増加した一方で、1年内返済予定の長期借入金が2億1百万円減少(前連結会計年度末比63.1%減)したことによるものであります。
(固定負債)
当中間連結会計期間末における固定負債の残高は、前連結会計年度末比22百万円減少(前連結会計年度末比3.5%減)し、6億11百万円となりました。その主な要因は、退職給付に係る負債が16百万円増加(前連結会計年度末比5.7%増)した一方で、資産除去債務が7百万円減少(前連結会計年度末比3.6%減)、その他が31百万円減少(前連結会計年度末比21.7%減)したことによるものです。
(純資産)
当中間連結会計期間末における純資産の残高は、前連結会計年度末比2億63百万円減少(前連結会計年度末比1.2%減)し、223億56百万円となりました。その主な要因は、自己株式が74百万円増加(前連結会計年度末比75.2%増)、利益剰余金が2億53百万円減少(前連結会計年度末比2.8%減)したことによるものです。
当中間連結会計期間における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、前中間連結会計期間末より1億82百万円減少し、50億42百万円となりました。
当中間連結会計期間における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は、6億98百万円(前年同期は得られた資金は14億38百万円)となりました。
その主な内訳は、税金等調整前中間純利益13億37百万円、減価償却費の計上3億81百万円があった一方で、法人税等の支払額による支出3億26百万円があったこと等によるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は、3億18百万円(前年同期は使用した資金は3億29百万円)となりました。
その主な内訳は、有形固定資産の取得による支出2億51百万円があったこと等によるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は、11億18百万円(前年同期は使用した資金は6億94百万円)となりました。
その主な内訳は、自己株式の取得による支出12億73百万円があったこと等によるものです。
1.経営方針
当社グループの経営理念は「仕濾過事」(ろかじにつかふる)であります。この経営理念には、当社の創業者である山崎正彦のフィルタビジネスを通じて社会に貢献するという意思が込められており、当社グループは、この不変のDNAを通じ、フィルタビジネスを通じて「環境」、「空気」、「健康」をテーマに持続可能な社会の実現のための課題解決に取り組み、コーポレートサステナビリティの更なる強化に努めるとともに、企業価値の最大化を図ってまいります。
2.目標とする経営指標
当社は経営指標として「MAVY’s(マービーズ)」という独自の指標を設けております。MAVY’sは投下資本を通じ獲得される事業収益から創出される付加価値の定量指標であり、当社の企業価値の持続的成長を判断する最重要経営指標であります。また、「MAVY’sのスプレッド」の目標を毎期設定し、常に資本コスト(WACC)の最適化と収益力(ROIC) の最大化を図ることにより長期的持続的成長に努めてまいります。このMAVY’s経営においては、達成すべき目標値(KGI)としてROEやPBRを重要な経営指標として設定するとともに、各KGIを達成するための主要プロセス目標(KPI)を具体的に設定し、KGI やKPIを達成するための各部門別行動目標(KSF)や従業員各人別の目標を定量・定性的に明確に設定することにより、全社一体となった企業価値向上に向けた取り組みを行っております。
3.中長期的な会社の経営戦略及び会社の対処すべき課題
① 新たな価値創造の取り組み
当社は、新たな価値創造の取り組みとして、主力事業である建機用フィルタ事業においては、多様なアプローチによるシェア拡大、高付加価値製品の導入、アフターマーケット活動の進化に取り組み、更なる事業規模の拡大と収益性の改善に取り組んでまいります。
また、ナノファイバー技術による先端素材を建機用フィルタ事業やエアフィルタ事業により積極的に展開し、新規事業分野への進出等を図り、より付加価値の高いビジネスを創出し、長期的持続的な成長性を実現し、企業価値向上を図ってまいります。
(注)中期経営計画
(https://www.yamashin-filter.co.jp/ja/ir/library/Mid-term.html)
② 資本コストを意識した経営の強化
当社は、総合的な企業価値指標である「MAVY」の持続的な拡大を経営の基本としており、「MAVY」を、財務情報、非財務情報、株主還元情報の3つに区分し、それぞれ定量目標を開示しております。
2028年3月期の定量目標として、財務情報としては、MAVY's 2%以上、ROIC10%以上、WACC7.3%以下、非財務情報としては、FTSE4.0、CDP Aスコア取得、株主還元情報としては、DOE10%以上、配当性向80%以上を目標として中期経営計画書に開示しております。
このように、定量目標の開示により、投資家との対話を推進するとともに、社内における各部門や従業員の取り組むべき課題や目標を明確にすることで、資本コストを意識した経営の強化と、企業価値の向上を図ってまいります。
(注)中期経営計画
(https://www.yamashin-filter.co.jp/ja/ir/library/Mid-term.html)
③ ESG経営の推進
当社は持続可能な環境・社会を実現するための取り組みとして、気候変動に対する取り組み及び人的資本への積極的な投資を掲げております。具体的には、「気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)」に賛同を表明し、企業や自治体の環境への取り組みを評価する国際環境非営利団体CDPが行う「CDP気候変動」Aスコアを取得しておりますが、FTSE RussellのESGスコア4.0を目標にした取り組みも強化してまいります。
また、人的資本への投資としては、「多様な価値観を持つ人的資本」への投資を図ることを通じ、従業員等にとり「ウェル・ビーイング」な社会を実現すべく努めてまいります。
更に、当社はコーポレート・ガバナンス及び経営課題に関する事項等について幅広く議論し、コーポレート・ガバナンス機能の継続的な充実を図ることを目的とした取締役会の諮問機関として、ガバナンス委員会を設置しております。同委員会は、取締役会の経営の監督機能の実効性の評価、課題に対する取締役会への助言、改善提案、報告、執行役員への通知といった活動を行っております。同委員会は透明性及び客観性を確保するため、委員は独立社外取締役で構成されております。
加えて、グループ会社が行う業務執行に関するリスクの監視・牽制機能(モニタリング)、内部監査で実施される評価業務の支援を目的とした社内委員会として、代表取締役社長の諮問機関である業務監理委員会を設置しております。この内部統制組織の拡充強化を通じ、当社連結グループ全体のガバナンス及びコンプライアンスの更なる改善を図ってまいります。当社はこのようなガバナンス委員会及び業務監理委員会の活動を通じ、より一層牽制機能の強化等による業務執行の適切な監督を行うことで経営の透明性と質の向上を図り、アカウンタビリティ(説明責任)をより明確に果たし、コーポレート・ガバナンスの強化に努めてまいります。
(注)サステナビリティレポート
(https://www.yamashin-filter.co.jp/ja/sustainability/data.html)
(注)統合報告書
(https://www.yamashin-filter.co.jp/ja/ir/library/integratedreport.html)
(5)経営方針、経営戦略等
当中間連結会計期間において、当社グループが定めている経営方針、経営戦略等については、(4)経営方針、経営環境及び対処すべき課題に記載のとおりであり、重要な変更はありません。
当中間連結会計期間において、当社グループが対処すべき課題については、(4)経営方針、経営環境及び対処すべき課題に記載のとおりであり、重要な変更はありません
当中間連結会計期間における研究開発費の総額は2億38百万円であります。
なお、当中間連結会計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。