売上高

利益

資産

キャッシュフロー

配当(単独)

ROE

EPS BPS




E01690 Japan GAAP


2【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。

(1) 財政状態および経営成績の状況

①財政状態

(資産)

当第2四半期連結会計期間末における総資産は、前連結会計年度末に比べ507百万円減少して、50,880百万円となりました。これは、電子記録債権等の流動資産の増加529百万円に対し、投資その他の資産等の固定資産において1,037百万円の減少があったことによるものであります。

(負債)

当第2四半期連結会計期間末における負債は、前連結会計年度末に比べ1,191百万円減少して、10,652百万円となりました。これは、短期借入金等の流動負債において909百万円、長期借入金等の固定負債において281百万円の減少があったことによるものであります。

(純資産)

当第2四半期連結会計期間末における純資産は、前連結会計年度末に比べ683百万円増加して、40,227百万円となりました。これは、利益剰余金等の増加によるものであります。

②経営成績

 当社グループは長期事業展望に「2031年8月期の売上高1,000億円」を掲げ、その達成に向けた数値目標や戦略を示した「長期ロードマップ・GIKEN GOALS 2031」に基づき、全社で具体的な取り組みを進めています。

 当第2四半期連結累計期間における事業環境は、国内の公共建設投資は底堅く、民間建設投資も堅調だったことから、顧客の設備投資が堅実に推移しました。しかしながら、建設資材価格の高止まり等により公共事業における施工規模の縮小傾向が続き、本設構造物の構築に用いる粗利率の高い製品や部品の販売に影響しました。製造につきましては、原材料や部品価格の高騰を受けて価格改定をしておりますが、今後も引き続き情勢を注視していく必要があります。

 国内における工法提案活動では、災害復旧・復興事業や防災・減災対策、国土強靭化関係を中心にインプラント工法※1の普及拡大に取り組みました。その結果、台風で崩落した国道の復旧や国道バイパスの拡幅、防潮堤構築、漁港の護岸改良等に採用されるなど、採用案件数は順調に推移しました。

 令和6年能登半島地震を受けた対応では、被災地の復旧・復興を支援するために1月下旬、石川県金沢市に臨時事務所を開設しました。現地調査と工法技術提案を継続しており、国内外の被災地で迅速な復旧・復興を実現してきた圧入技術への高いニーズや期待の高まりを実感しています。独自の技術力と豊富な実績を役立てることで当該地域の一日も早い復興に貢献してまいります。

 海外売上比率7割(2031年8月期に5割)を目指す海外展開では、圧入市場の継続的発展に向け、市場形成が軌道に乗りつつあるヨーロッパ、アジア地域を軸に市場拡大を加速する新たな事業モデルの構築を目指し、具体的な活動を進めています。その他の地域においては圧入市場の拡大に向け、市場の創造段階から見直しを図るため、市場調査等を行い、事業拡大に向けた取り組みを進めています。

 アジア地域では、東南アジアにおいて、活発な経済活動を背景にシンガポールやタイなどで市場が順調に拡大しております。中国においては、2020年に販売代理店契約および指定工場契約を結んだ河北省の大手建機販売企業「石家庄天遠科技集団有限公司/以下、天遠社」との協働の成果として、同社にサイレントパイラーを複数台納入しました。同国においても、防災・減災対策や旧市街地の上下水道等のインフラ再生工事などで多様な建設課題を解決する圧入工法のニーズが高まる中、天遠社等の代理店との連携強化を通じて着実に市場を広げています。韓国では、現地のユーザーに3台目となる鋼管杭回転切削圧入機「ジャイロパイラー※2」を納入しました。同国では当ユーザーの強い営業力を背景に災害復旧や高速道路、護岸構築などでジャイロパイラーの市場が拡大を続けています。当社グループはさらなる市場拡大に向け、引き続き技術指導や新工法提案などの体制を強化してまいります。

 このような状況のもと、当第2四半期連結累計期間における売上高は15,535百万円(前年同四半期比4.0%増)、営業利益は2,417百万円(同12.6%増)、経常利益は2,590百万円(同18.0%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益は1,849百万円(同34.6%増)となりました。

 

 セグメントの業績は次の通りです。

 

a.建設機械事業

 国内では、鋼矢板を硬質地盤に圧入する際のオーガ装置の掘削能力、施工能率を向上する「フライホイール式パイルオーガ」を標準搭載した硬質地盤対応機「サイレントパイラーF112」など一般機の販売が順調に進捗した一方、建設資材価格の高騰等が大型特殊機の販売に影響しました。海外においては、市場開拓が進んでいるヨーロッパ、アジア地域で製品販売が進捗したほか、戦略再構築中の米国等でも従来の活動成果により一時的に売上が増加しました。これにより当セグメントの売上高は11,086百万円(前年同四半期比9.9%増)、営業利益につきましては、原材料費等の高騰を受けて前期に実施した製品価格改定の業績寄与が始まったことなどから2,985百万円(同15.6%増)となりました。

 

b.圧入工事事業

 国内では、工法採用が堅実に推移する中、東日本大震災復興事業における水門工事の基礎(岩手県)、平成30年7月豪雨(西日本豪雨)で被災した肱川流域の護岸補強(愛媛県)、南海トラフ巨大地震に備えた河川護岸耐震補強工事(愛知県)、発電所の防水壁構築(岐阜県)等において工事が順調に進捗しました。しかしながら、海外における連結子会社の1社減少などにより、圧入工事事業の売上高は4,448百万円(前年同四半期比8.2%減)、営業利益は638百万円(同23.3%減)となりました。

 

※1 一本一本が高い剛性と品質を有した杭材(許容構造部材)を地中深く圧入し、地震や津波、洪水などの外力に粘り強く耐える「インプラント構造物」を構築する工法。

※2 当社独自のジャイロプレス工法に用いる圧入機。同工法は、鋼管杭の先端に切削爪を付けて回転切削圧入することで硬質地盤やコンクリートなどの地中障害物を貫通し、粘り強いインプラント構造物を構築します。既存構造物を残したまま機能の再生・強化を図ることができる合理的工法として国内外で採用が広がっています。

 

③キャッシュ・フローの状況

当第2四半期連結累計期間における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末から998百万円増加し、6,145百万円となりました。当第2四半期連結累計期間における各キャッシュ・フローの状況と主な要因は次のとおりであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動の結果獲得した資金は、前第2四半期連結累計期間に比べ417百万円増加して、1,736百万円となりました。これは主に、税金等調整前四半期純利益2,590百万円、棚卸資産の増加額550百万円等によるものであります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動の結果獲得した資金は、前第2四半期連結累計期間に比べ1,037百万円増加して、1,356百万円となりました。これは主に、定期預金の払戻による収入2,840百万円および定期預金の預入による支出1,680百万円等によるものであります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動の結果使用した資金は、前第2四半期連結累計期間に比べ1,482百万円増加して、2,177百万円となりました。これは主に、自己株式の取得による支出925百万円等によるものであります。

(2) 会計上の見積りおよび当該見積りに用いた仮定

前事業年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の会計上の見積りおよび当該見積りに用いた仮定の記載について重要な変更はありません。

(3) 優先的に対処すべき事業上および財務上の課題

 当第2四半期連結累計期間において、当社グループの優先的に対処すべき事業上および財務上の課題に重要な変更および新たに生じた課題はありません。

(4) 研究開発活動

 当第2四半期連結累計期間におけるグループ全体の研究開発活動の金額は348百万円であり、セグメントは全額「建設機械事業」であります。なお、当第2四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。