売上高

利益

資産

キャッシュフロー

配当(単独)

ROE

EPS BPS




E01708 Japan GAAP


2【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。

 

(1)経営成績の状況及び分析

当第3四半期連結累計期間における世界経済は、欧米によるインフレ抑制に向けた金融引き締めの継続や中国不動産市場の不振により回復ペースが鈍化するなど、先行き不透明な状況が続きました。

半導体業界につきましては、PCやスマートフォンなどの民生品需要の落ち込みにより、関連する半導体需要の低迷が長引いています。一方、生成AIの普及に向け、超広帯域メモリ(HBM:High Bandwidth Memory)などサーバー向け投資は力強い需要が継続しており、今後も継続的な投資が期待されます。また、2024年は生成AI向けの積極的な投資の継続に加え、メモリ半導体を中心にPCやスマートフォンなど民生品向けの設備投資の回復も見込まれることから、さらなる半導体市場の拡大が予想されています。

このような状況のもと、当第3四半期連結累計期間の当社グループの業績は、PCやスマートフォンなど民生品向けの売上が低調であることから、売上高は対前年同期比で減収となりました。利益につきましては、売上高の減少に伴い、各段階利益ともに対前年同期比で減益となったものの、当第3四半期におきましては、車載向けなど付加価値の高いトランスファ装置の売上増加やコンプレッション装置の売上比率の増加にともない、当第2四半期から利益率が改善いたしました。また、生成AI関連向けのコンプレッション装置は、予定通り当第3四半期から納入が始まり、第4四半期以降に納入が本格化していく見込みです。

受注につきましては、引き続き、韓国における生成AI向けHBMの増産に向けた投資が堅調であったことに加え、中国において車載や通信用デバイス、メモリ半導体向けの投資が加速したことから、当第3四半期連結累計期間の受注高は402億46百万円(前年同期比48億87百万円、13.8%増)となり、当第3四半期末における受注残高は373億2百万円となりました。

 

当第3四半期連結累計期間の経営成績は次のとおりであります。

 

 売上高                               320億32百万円(前年同期比81億38百万円、20.3%減)

営業利益                              40億75百万円(前年同期比34億37百万円、45.8%減)

経常利益                              43億18百万円(前年同期比33億44百万円、43.6%減)

親会社株主に帰属する四半期純利益      31億12百万円(前年同期比25億18百万円、44.7%減)

 

当第3四半期連結累計期間の営業利益の主な増減要因(対前年同期)は次のとおりであります。

 

売上高の減少による影響額                                              35億49百万円減

製品ミックスや販売単価上昇などによる影響額                            7億58百万円増

製造原価に含まれる開発費などの増加による影響額                        2億95百万円減

販売管理費の増加による影響額                                         3億51百万円減

 

※画像省略しています。

 

セグメントごとの経営成績は次のとおりであります。

 

[半導体製造装置事業]

半導体製造装置事業における経営成績は、地政学的リスクの観点や車載用半導体需要の高まりから東南アジア地域での売上は堅調に推移いたしました。また、中国では半導体内製化に向けた投資の再加速により、受注・売上ともに回復傾向ではあるものの、台湾を中心に民生品向け投資の低迷が続いたことから、売上高は286億51百万円(前年同期比82億83百万円、22.4%減)となりました。利益につきましては、売上高の減少に伴い、営業利益36億29百万円(前年同期比34億57百万円、48.8%減)となりました。

 

[ファインプラスチック成形品事業]

ファインプラスチック成形品事業における経営成績は、コロナ終息により、医療分野での一般検査、診断、治療などの回復に伴い、成形品の需要が増加したことから、売上高16億24百万円(前年同期比1億97百万円、13.8%増)、営業利益3億53百万円(前年同期比79百万円、29.1%増)となりました。

 

[レーザ加工装置事業]

レーザ加工装置事業における経営成績は、開発体制の強化や事業拡大に向けた人件費の増加などにより、売上高は17億56百万円(前年同期比52百万円、2.9%減)、営業利益91百万円(前年同期比60百万円、39.7%減)となりました。

 

(2)財政状態の分析

当第3四半期連結会計期間末における総資産は、前連結会計年度末に比べ42億76百万円増加し777億44百万円となりました。これは、現金及び預金、棚卸資産等の流動資産並びに時価評価による投資有価証券の増加によるものです。

負債総額は、前連結会計年度末からほぼ同額の258億46百万円となりました。これは、借入金の減少があった一方で、買掛金等の支払債務増加に加え繰延税金負債の増加があったことによるものです。

純資産は、利益剰余金、為替換算調整勘定及びその他有価証券評価差額金が増加したことなどにより、前連結会計年度末に比べ42億74百万円増加し518億97百万円となりました。

その結果、当第3四半期連結会計期間末における自己資本比率は66.8%(前連結会計年度末比2.5ポイント増加)となりました。

 

(3)経営方針・経営戦略等

当第3四半期連結累計期間において当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。

 

(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

当第3四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。

 

(5)研究開発活動

当第3四半期連結累計期間における当社グループの研究開発活動の金額は、6億97百万円であります。

当第3四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。

なお、セグメントごとの研究開発費は、次のとおりであります。

[半導体製造装置事業]

半導体製造装置事業に係る研究開発費は、6億53百万円であります。

[レーザ加工装置事業]

レーザ加工装置事業に係る研究開発費は、43百万円であります。

 

(6)資本の財源及び資金の流動性についての分析

当社グループは、運転資金及び設備資金については、内部資金又は借入により資金調達することとしております。このうち、借入による資金調達に関しましては、運転資金については短期借入金で、生産設備などの長期資金は、固定金利の長期借入金で調達しております。

2023年12月31日現在、長期借入金の残高は44億25百万円であります。また、当第3四半期連結会計期間末において、取引銀行6行と総額185億円の当座貸越契約及びコミットメントライン契約を締結しております(借入実行残高94億円、借入未実行残高91億円)。

 

(7)会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

前事業年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定の記載について重要な変更はありません。