売上高

利益

資産

キャッシュフロー

配当

ROE 自己資本利益率

EPS BPS




E01570 Japan GAAP


2 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 経営成績の状況

当中間連結会計期間(2025年4月1日~9月30日)の世界経済は、米国の関税政策を巡る混乱と先行きの不透明感が景気の足かせとなりました。米国経済は、金利の高止まりと景気の先行き懸念から、労働市場が減速、住宅投資も低調に推移しました。欧州経済は、回復基調にある一方、関税発動前の駆け込み需要の反動により、経済が下押しされました。中国経済は、不動産市場の低迷や、政府消費刺激策の効果が一巡し、内需を中心に厳しい環境が続きました。日本経済は、堅調だったものの、米国関税の発動が輸出を下押ししました。アジア経済は、雇用環境の改善やインフレ圧力の緩和が内需を下支えしたものの、米国関税が重石となりました。

このような事業環境のもと、当社グループは、2025年度が最終年度となる戦略経営計画「FUSION25」の後半3ヵ年計画(2023~2025年度)で掲げた、カーボンニュートラルやソリューションの推進といった成長戦略を軸に、重点戦略テーマの実行を加速させ、中長期の成長と持続的発展に向けた取り組みを進めております。

また、厳しい事業環境が続く中にあってもマイナス影響を吸収すべく、2025年度は、以下を当期取り組むべき具体的なテーマとして定め、最大限の成果創出に向けて取り組んでおります。

 

・ 販売価格政策の推進と当社シェアの向上の両立

・ 米国新政権の関税政策に向けた対応策の構築と、状況変化に応じた迅速な実行

・ 新商品・差別化商品投入の加速

・ グループトータルでのコスト力・調達力の抜本的強化

・ グローバルでのアプライド空調事業の積極的拡大と、用途や市場ごとの付加価値提供による業務用ソリュー

   ション事業の収益拡大

・ 既存固定費の抜本的効率化と、システム投資等の投資効果極大化

・ 全社最適でのグローバル生産拠点の最大活用、実行してきた買収案件の成果創出

 

これらの取り組みを進めるにあたり、各地域で需要が低迷するなど厳しい事業環境の中においても、稼ぐ力の強化を意識し、きめ細かなフォローアップと確実な実行を積み重ねております。また、事業環境のさらなる変化にも迅速に対応し、当期計画の確実な達成とさらなる成果の上積みを目指しております。

当中間連結会計期間の経営成績については、売上高は2兆4,787億98百万円(前年同期比0.6%減)となりました。利益面では、営業利益は2,466億2百万円(前年同期比0.0%増)、経常利益は2,418億87百万円(前年同期比7.9%増)、親会社株主に帰属する中間純利益は1,609億33百万円(前年同期比6.1%増)となりました。

 

セグメントごとの経営成績を示すと、次のとおりであります。

 

①空調・冷凍機事業

空調・冷凍機事業セグメント合計の売上高は、前年同期比0.4%減2兆3,068億52百万円となりました。営業利益は、前年同期比6.0%増2,323億20百万円となりました。

国内空調では、業務用市場の需要は、インバウンド需要等を背景に、小売店舗などの建築着工件数が増加したほか、更新需要も堅調に推移し、前年同期を上回りました。住宅用市場の需要は、4月からの猛暑予測による先行需要や買い替え需要の増加に加え、6〜8月の記録的な猛暑により、前年同期を上回りました。当社グループは、このような状況下で、業務用空調機器市場においては、省エネ性と施工性に優れた「FIVE STAR ZEAS」に加え、低温暖化冷媒R32の採用と業界トップレベルの省エネ性を実現したビル用マルチエアコン「VRV 7」など高付加価値商品を中心にユーザー提案を強化しました。また、既設配管を再利用できることでスムーズな空調機器更新を可能にする「VRV Q」シリーズなどの販売を強化し、売上高は前年同期を上回りました。住宅用空調機器市場においては、省エネ意識の高まりや夏場の使用時間の増加を背景に、高温下でも安定した冷房性能を発揮する高外気タフネス冷房機能と高い省エネ性を両立した『うるさらX』を中心にユーザー提案を強化し、売上高は前年同期を上回りました。

米州では、住宅用空調機器については、依然として厳しい経済情勢において、米国関税に起因するインフレや、住宅ローン金利の高止まりなどにより、需要は低迷しました。このような状況の中、当社グループは、顧客の取り戻し、既存販売店の支援及び新規販売店の開発に取り組みました。さらに、環境性と省エネ性に優れた低温暖化冷媒R32機の拡販によるシェア拡大、省エネ性能の高い環境プレミアム商品『Fit(フィット)』の拡販、また、販売価格政策の推進により利益率の改善・向上にも努めました。これらの取組みの結果、売上高は前年同期を上回りました。アプライド空調機器については、メキシコのチラー工場の活用及び既存工場の生産能力増強により、拡大する需要を取り込み販売は伸長しました。特に、市場拡大が続くデータセンター向け機器では、カスタムエアハンドリングユニットメーカーでの新工場稼働を活用した販売拡大及び新規買収効果も寄与し、売上高は前年同期を上回りました。

中国では、不動産不況の影響により需要が大きく減速し、地域全体の売上高は前年同期を下回りました。利益面では、高付加価値商品の拡販、ソリューションの強化、コストダウン等に取り組み、これまでの高水準を維持しました。住宅用空調機器市場では、景気が減速する中、ユーザーダイレクトのオフラインの小売販売に加え、ライブ放送・Web戦略・SNSなどオンラインを組み合わせた当社グループ独自の販売活動を強化しました。また、空調・換気・ヒートポンプ床暖房・空気質センサーなどのシステム商品の販売に加え、IoTやデータ分析を活用し、顧客ごとに最適な空気質やライフスタイルに応じた提案を行うホームソリューションを強化しました。業務用空調機器市場では、カーボンニュートラル政策の推進による政府物件・工場・グリーンビル(環境性能が高まるよう配慮して設計された建物)などの市場に対し、省エネを切り口とした提案を強化しました。アプライド空調機器市場では、半導体・医療関連など底堅い需要がある分野に資源を投入したことに加え、サービス・保守事業の強化、省エネ更新・改造提案を強化しました。

アジア・オセアニアでは、アセアン地域・インドでの天候不順等により、地域全体の売上高は前年同期を下回りました。住宅用空調機器については、アセアン地域・インドで昨年に比べ低温・多雨となった影響で需要が低迷し、流通在庫が高止まりしました。このような状況下で、販売店や消費者への販促施策の強化に取り組んだものの、売上高は前年同期を下回りました。一方、業務用空調機器については、アセアン地域で景気の先行き不透明感の高まりによりプロジェクトの遅延や投資の見直しが発生する中、販売店の開発・育成、インドでの継続的な販売拡大により、売上高は前年同期を上回りました。アプライド空調機器については、データセンター向け等の販売を強化しました。

欧州では、地域全体の売上高は前年同期を上回りました。住宅用空調機器では、中東欧や、従来、空調機の普及率が低かったドイツや英国での拡販により、売上高は前年同期を上回りました。住宅用ヒートポンプ式温水暖房機器では、昨年度後半に需要の減速が底を打ったと見られておりますが、従来の燃焼式暖房への規制の遅れや補助金制度の見通しが不透明な状況が続いており、全体としては横ばいで推移しております。こうした市場環境の中においても、当社は燃焼式暖房からの置換が進むドイツでの販売を着実に伸ばし、売上高は前年同期を上回りました。業務用空調機器では、環境意識の高まりを背景に、低温暖化冷媒R32を採用した製品の販売を伸ばしました。

中近東・アフリカでは、売上高は前年同期を大きく上回りました。サウジアラビアやUAEでの大型物件の受注増加が販売を牽引しました。トルコでは、住宅用空調機器において猛暑による需要増加により、売上高を大きく伸ばしました。

フィルタ事業では、半導体市場の回復遅れを受けた中国・東南アジアでの価格競争の激化等のマイナス影響がありましたが、総じて需要は堅調に推移しました。しかしながら、為替のマイナス影響により、フィルタ事業全体の売上高は前年同期を下回りました。米国では、高粗利商材の販売が伸長しましたが、低収益事業の縮小の影響もあり、売上高は減少しました。欧州では、北欧地域を中心に更新需要の獲得で売上を伸ばし、売上高は前年同期を上回りました。アジア・中東では、中国は不動産不況の長期化や物価下落傾向による需要の停滞が長引いている影響で販売は減少しましたが、東南アジアの半導体市場などでの拡販、中東の大口顧客からの新規受注が好調であったため、中東・インドを含むアジア地域全体の販売は増加しました。また、国内では、電子半導体市場向けでは、建設業界の人手不足による工期延期や規模縮小が続いておりますが、拡販施策の徹底などにより、売上高は前年同期を上回りました。ガスタービン・集塵機事業は、欧州での海上油田向け特殊フィルタの販売が低調なこともあり、売上高は前年同期を下回りました。

舶用事業では、海上コンテナ冷凍装置の販売を伸ばしましたが、冷凍機の販売が前年同期を下回り、舶用事業全体の売上高は前年同期を下回りました。

 

②化学事業

化学事業セグメント合計の売上高は、前年同期比2.2%減1,267億84百万円となりました。営業利益は、前年同期比47.8%減136億55百万円となりました。

フッ素化学製品全体の販売は、半導体分野を中心とする需要低迷、それに伴う流通在庫調整の動き、さらには米国の関税政策に起因する米国向け輸出抑制の動き等の影響がある中、拡販に努めましたが、為替のマイナス影響もあり、売上高は前年同期を下回りました。

フッ素樹脂は、米国のLAN電線や中国のデータセンター分野で需要の回復及び拡大が見られたものの、国内・中国・アジアでの半導体分野の需要低迷が続いたこともあり、売上高は前年同期を下回りました。一方、フッ素ゴムについては、自動車分野で需要の伸び悩みがありましたが拡販に努め、売上高は前年同期を上回りました。

化成品は、半導体プロセス向けエッチング剤の分野で新たに連結対象会社が加わったこともあり、エッチング剤の売上高は前年同期を大きく上回りましたが、表面防汚コーティング剤や撥水撥油剤の分野での需要低迷により、化成品全体の売上高は前年同期並みとなりました。

フルオロカーボンガスについては、販売価格政策や米国・アジアにおける拡販に努めましたが、欧州での需要の低迷が続いたことから、売上高は前年同期並みとなりました。

 

③その他事業

その他事業セグメント合計の売上高は、前年同期比3.6%減451億61百万円となりました。営業利益は、前年同期比52.6%減6億29百万円となりました。

油機事業では、産業機械用油圧機器は、国内市場並びに米国市場向けの販売が増加したことにより、売上高は前年同期を上回りました。一方、建機・車両用油圧機器は、国内主要顧客向けの販売が減少したことにより、売上高は前年同期を下回りました。

特機事業では、酸素濃縮装置の販売が堅調に推移しましたが、防衛省向けの受注が減少したこともあり、売上高は前年同期を下回りました。

電子システム事業では、品質課題の解決・設計開発期間の短縮・コストダウン支援といった顧客ニーズに合致した設計・開発分野向けデータベースシステム『SpaceFinder(スペースファインダー)』の販売減少により、売上高は前年同期を下回りました。

 

(2) 財政状態の状況

総資産は、5兆3,677億87百万円となり、前連結会計年度末に比べて2,343億71百万円増加しました。流動資産は、現金及び預金の増加等により、前連結会計年度末に比べて1,316億2百万円増加2兆9,852億56百万円となりました。固定資産は、投資有価証券の増加等により、前連結会計年度末に比べて1,027億69百万円増加2兆3,825億31百万円となりました。

負債は、社債の増加等により、前連結会計年度末に比べて536億10百万円増加2兆3,203億33百万円となりました。有利子負債比率は、前連結会計年度末の19.2%から19.5%となりました。

純資産は、親会社株主に帰属する中間純利益の計上等により、前連結会計年度末に比べて1,807億61百万円増加3兆474億54百万円となりました。

 

(3) キャッシュ・フローの状況

当中間連結会計期間のキャッシュ・フローについては、営業活動では、棚卸資産の増加等により、前年同期に比べて751億20百万円収入が減少し、2,434億16百万円の収入となりました。投資活動では、連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出の増加等により、前年同期に比べて121億48百万円支出が増加し、1,999億10百万円の支出となりました。財務活動では、短期借入金の減少幅の減少等により、前年同期に比べて361億80百万円支出が減少し、356億3百万円の支出となりました。これらの結果に為替換算差額を加えた当中間連結会計期間の現金及び現金同等物の増減額は、前年同期に比べて330億20百万円減少し、228億35百万円のキャッシュの増加となりました。

 

 

(4) 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等

当中間連結会計期間において、当連結会社の経営方針、経営環境及び対処すべき課題等に重要な変更はありません。

 

(5) 研究開発活動

当中間連結会計期間の研究開発費の総額は727億23百万円であります。