売上高

利益

資産

キャッシュフロー

配当

ROE 自己資本利益率

EPS BPS




E01591 IFRS


2【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 文中の将来に関する事項は、当中間連結会計期間の末日現在において当社グループ(当社及び連結子会社)が判断したものです。

 

(1)経営成績の分析

 2024年第2四半期の世界経済は、ウクライナ情勢の長期化等の地政学上の問題等によりエネルギー確保の動きが活発に推移する一方で、中国の不動産市況低迷の長期化による景気回復の遅れ、欧米等の金融引き締めによる需要抑制影響や大幅な円安進行などがあり、先行き不透明な状況が続きました。

 インダストリアル事業の主要市場であるLNG、次世代エネルギー関連市場では、中長期的なエネルギー確保、低・脱炭素化の動きによって設備投資需要は拡大基調で推移しています。航空機産業は、コロナ禍以降、航空機需要の回復に伴い、寸断したサプライチェーンの再構築、増産に取り組んできましたが、昨今の航空機メーカーの品質問題の影響も重なって、機体の完成や引渡しには当初の想定より時間を要する事態となり、業界の回復は半年から1年程度の後ずれが予想されています。メディカル事業の主要市場である血液透析市場では、国内需要はほぼ例年並みとなり、海外はタイ等のアジア、欧州市場の引き合いが好調に推移した一方、中国市場は一時的に需要が減少しました。

 当中間連結会計期間においては、中期経営計画「Nikkiso 2025 フェーズ2」(対象期間:2023年~2025年)の基本方針の一つとして取組みを進めている事業ポートフォリオの再構築に伴う一過性の損失はありますが、航空宇宙事業は業界の回復遅れの影響はあるものの、円安効果もあって対前年比で増収増益、メディカル事業は対前年比で減収減益となるも概ね想定通りに推移、インダストリアル事業については主力の米国子会社Clean Energy & Industrial Gasグループ(CE&IGグループ)が当初想定より生産・出荷が進捗し、当期後半の引渡し、売上計上分が前倒しとなった影響を受けて対前年比で大幅な増収増益に加え収益性も改善しており、主力事業においては順調な滑り出しとなりました。

 なお、事業ポートフォリオの再構築に伴う一過性の損失は、ヘルスケア製品に関する棚卸資産の評価損を482百万円(「医療部門」計上)、UV-LEDパッケージに関する棚卸資産の評価損を702百万円(「工業部門」計上)、CRRT事業に関する減損損失を655百万円(「調整額(全社費用等)」計上)の計1,840百万円を当第2四半期連結会計期間に計上しています。

 この結果、当中間連結会計期間の当社グループ業績は、受注高118,394百万円(前年同期比20.2%増)、売上収益 102,676百万円(同17.7%増)、営業利益 2,736百万円(前年同期は26百万円)、税引前中間利益は、主に円安による為替差益を3,837百万円計上したことにより 7,105百万円(同30.5%増)、親会社の所有者に帰属する中間利益は 5,952百万円(同53.7%増)となりました。

 

 

セグメント別の状況                                                      (単位:百万円)

 

2023年12月期

中間期実績

2024年12月期

中間期実績

前年同期比

増減額

増減率

受注高

98,510

118,394

+19,884

+20.2%

 

工業部門

58,632

80,097

+21,465

+36.6%

 

インダストリアル事業

51,963

71,399

+19,435

+37.4%

航空宇宙事業

6,245

8,278

+2,032

+32.5%

医療部門

40,032

38,438

△1,593

△4.0%

売上収益

87,219

102,676

+15,457

+17.7%

 

 

 

工業部門

45,483

63,053

+17,569

+38.6%

 

 

インダストリアル事業

38,679

54,002

+15,323

+39.6%

航空宇宙事業

6,373

8,729

+2,356

+37.0%

医療部門

41,887

39,748

△2,138

△5.1%

セグメント利益

26

2,736

+2,709

 

工業部門

△989

3,217

+4,206

 

インダストリアル事業

570

4,622

+4,051

+709.7%

 

航空宇宙事業

△763

52

+816

医療部門

3,658

1,419

△2,239

△61.2%

調整額(全社費用等)

△2,680

△1,943

+737

税引前中間利益

5,444

7,105

+1,660

+30.5%

親会社の所有者に帰属する中間利益

3,873

5,952

+2,079

+53.7%

※ 工業部門合計欄には、深紫外線LED事業の金額が含まれています。

※ セグメントごとの各金額欄には、内部取引控除前の金額を表示しています。

 

 

 

≪事業セグメント別の事業環境と事業概況≫

事業

主要製品

2024年12月期

第2四半期の事業・受注環境

2024年12月期

第2四半期の業績概況

インダストリアル事業

産業用ポンプ・システム

・中東、アジアを中心とした化学プラント関連の需要が堅調に推移。受注残の遂行に注力し、受注高は前年を下回る。

・製品Mixの見直し、販売価格の適正化が奏功、収益性の回復が継続。

液化ガス・産業ガス関連機器・装置

・LNG市場は、エネルギー確保や低・脱炭素化に向けた需要が活況で、北米、欧州、アジア地域の液化・受入基地等の案件で活発な動きが継続。

 

・水素、アンモニア等の次世代エネルギー関連市場は、実証実験投資含めた活発な動きが継続するも、業績への本格的な貢献は数年先以降と見込む。

 

・受注高は、水素ステーション・LNG関連の大型受注で大幅な増加。

主要プレイヤーであるCE&IGグループは、

・LNGや水素ステーション事業などの受注案件の工事遂行が進み、売上収益が大きく増加。但し、前倒し遂行による影響が大きく通期売上見込みに大きな変更はなし。

・収益面では、体制整備等の固定費などが増加も、着実な案件遂行と増収効果で収益性は大きく改善。

精密機器

・半導体需要低迷の影響で電子部品市場は設備投資の調整局面が続く。受注高は前年を僅かに下回る。

・販売価格適正化の取組が奏功し、収益性は回復基調。

航空宇宙事業

民間航空機向け炭素繊維強化プラスチック(CFRP)成形品

・コロナ禍以降、航空機需要の回復に伴い、航空機産業全体が寸断したサプライチェーンの再構築、増産に取り組んできたが、航空機メーカーの品質問題の影響で7月以降の計画修正が見込まれ、先行きは不透明な状況。

・航空機産業のサプライチェーン再構築が進む中、主力製品のカスケード、ベトナム ハノイ工場の生産部品等の出荷は緩やかに増加。

 

・増収効果、円安影響、前期からの段階的な販売価格の適正化等で、採算性の回復は継続。一方、増産対応等により固定費は増加しており、収益性の改善は継続課題。

メディカル事業

血液透析関連製品

・血液透析装置及び消耗品の国内需要はほぼ前年並み。

・海外では中国市場は一時的に受

注は減少、アジア市場は好調な引

き合いが継続。

・米国市場は、血液透析装置の販売許認可の取得後の拡販に備えた体制整備を継続。

・血液透析装置の国内販売は、部品不足解消に伴う出荷促進があった前年と比較すると僅かに減少するも業況は堅実。

 

・海外販売は、欧州、アジア市場

が好調も、中国市場が一時的に縮

小したことで減収。

 

・消耗品は透析用剤・血液回路の販売価格適正化の取組が奏功し、増収。

 

・欧州等の増収影響、販売価格の適正化や血液回路製品の型式削減など製品の収益性改善があるも、中国市場の減益、固定費・経費の支出で、前年から減益。

CRRT(急性血液浄化療法)関連製品

・主力の中国市場は一時的に受注

は減少

・主力の中国市場の減収により減益。

・2024年12月中に同事業を運営する子会社2社の株式譲渡を予定

 

 

(2)財政状態の分析

 当中間連結会計期間末の資産合計は322,664百万円となり、前連結会計年度末に比べて26,436百万円増加しました。営業債権及びその他の債権の増加が主な要因です。

 当中間連結会計期間末の負債合計は180,378百万円となり、前連結会計年度末に比べて10,438百万円増加しました。未払法人所得税等が減少した一方、借入金が増加したことが主な要因です。

 当中間連結会計期間末の資本合計は142,286百万円となり、前連結会計年度末に比べ15,997百万円増加しました。在外営業活動体の換算差額の増加が主な要因です。

 

(3)キャッシュ・フローの分析

 当中間連結会計期間末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べて3,872百万円増加し、35,050百万円となりました。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 当中間連結会計期間の営業活動によるキャッシュ・フローは△18,072百万円となりました。これは主に法人所得税の支払額があったことによるものです。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 当中間連結会計期間の投資活動によるキャッシュ・フローは△679百万円となりました。有形固定資産の取得による支出が主な要因です。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 当中間連結会計期間の財務活動によるキャッシュ・フローは+20,560百万円となりました。借入による収入が借入の返済による支出を上回ったことが主な要因です。

 

(4)経営方針・経営戦略等

 当中間連結会計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。

 

(5)事業上及び財務上の対処すべき課題

 当中間連結会計期間において、当社グループの事業上及び財務上の対処すべき課題に重要な変更及び新たに生じた課題はありません。

 

(6)研究開発活動

 当中間連結会計期間の研究開発費の総額は1,409百万円です。