E01551 Japan GAAP
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において当社グループ(当社及び連結子会社)が判断したものです。
(1) 財政状態及び経営成績の状況
当第3四半期連結累計期間(2023年4月1日~12月31日)における世界の経済は、金利上昇に伴う景気減速懸念、中国経済の低迷等、先行き不透明な状況が続いています。
事業環境としては、自動車産業でEV関連投資が活発化しています。また、航空旅客数の回復に伴い空港における自動化投資も伸長しています。ここ数年、北米・日本において高水準で継続したeコマース関連投資は一時的な停滞局面にありますが、一般製造業の投資は回復基調にあります。半導体産業は中国におけるレガシー半導体を除き投資が抑制されています。
このような経済・事業環境の下、当第3四半期連結累計期間の受注は、前年度に為替の影響により大きく増加した分がなくなったことに加え、前年度に前倒し受注のあった半導体・液晶生産ライン向けシステムが減少しましたが、ほぼ計画通りに推移しました。
売上は、豊富な前期末受注残高をベースに自動車生産ライン、空港向けシステムが好調に推移した一方、一般製造業・流通業、半導体・液晶生産ライン向けシステムは前年同期の実績には及びませんでした。
この結果、受注高は4,481億82百万円(前年同期比25.3%減)、売上高は4,373億89百万円(同0.4%増)となりました。なお、売上高は、第3四半期連結累計期間としては過去最高です。
利益面は、北米の一般製造業・流通業向けシステムでは原材料・人件費高騰に伴うコスト増の価格への転嫁の進展等により、収益性が改善しました。半導体・液晶生産ライン向けシステムは減収の影響を受けました。空港向けシステムでは原材料・人件費高騰等の影響により収益性が低下しました。また、オセアニアの一部案件における一過性コストの計上もありましたが、自動車生産ライン向けシステムの増収、及び同システムの収益性改善により、全体としては計画を上回る進捗となりました。
この結果、営業利益は370億91百万円(同7.7%減)、経常利益は392億98百万円(同3.5%減)、親会社株主に帰属する四半期純利益は274億44百万円(同4.6%減)となりました。
なお、当第3四半期連結累計期間の当社グループの平均為替レートは、米ドルで139.56円(前年同期129.48円)、中国元で19.72円(同19.46円)、韓国ウォンで0.1067円(同0.1011円)等となりました。為替の変動により、前年同期比で売上高は約144億円、営業利益は約10億円、それぞれ増加しました。受注高は約35億円減少しました。これは、期中受注分が約146億円増加した一方、前期末受注残高に対する為替による増加額が前年同期比で約182億円少なかったことによるものです。
〔セグメントごとの業績〕
セグメントごとの業績は次のとおりです。受注・売上は外部顧客への受注高・売上高を、セグメント利益は親会社株主に帰属する四半期純利益を記載しています。
報告セグメントに関する詳細は、後記(セグメント情報等)をご覧ください。
なお、当社グループのうち、株式会社ダイフク、株式会社コンテックをはじめとする国内の会社が3月末決算であるのに対し、海外子会社については、そのほとんどが12月末決算のため2023年1月から9月末までの期間の状況を記載しています。
受注は、一般製造業・流通業向けシステムや、前年度に前倒し受注や為替の影響を受けて大きく増加した半導体・液晶生産ライン向けシステムが減少しました。
売上は、自動車生産ライン向けシステムが好調に推移したものの、一般製造業・流通業、半導体・液晶生産ライン向けシステムは減収となりました。
セグメント利益は、一般製造業・流通業向けシステムの減収に伴う影響を受けたものの、自動車生産ライン向けシステムの増収と関係会社配当金の増加により、若干の増益となりました。
この結果、受注高は1,605億15百万円(前年同期比33.7%減)、売上高は1,648億96百万円(同7.1%減)、セグメント利益は190億84百万円(同2.9%増)となりました。
日本市場では製造業向けを中心に販売が順調に推移しましたが、北米市場では医療機器や空港セキュリティ関連業界における在庫調整が続き、やや低調でした。
セグメント利益は、在庫の適正化に伴う評価減を計上したため、減益となりました。
この結果、受注高は153億19百万円(前年同期比0.9%増)、売上高は138億4百万円(同4.4%増)、セグメント利益は2億43百万円(同47.8%減)となりました。
受注は、一般製造業・流通業向けシステムが好調に推移しましたが、自動車生産ライン、半導体・液晶生産ライン、空港向けシステムは前年同期から減少しました。
売上は、豊富な受注残を背景に自動車生産ライン、空港向けシステムがけん引しました。
セグメント利益は、空港向けシステムが原材料・人件費高騰の影響を受けた一方、一般製造業・流通業向けシステムは原材料・人件費高騰に伴うコスト増の価格への転嫁の進展等により収益性が改善しました。自動車生産ライン向けシステムの増収もあり、全体としては好調に推移しました。
この結果、受注高は1,470億29百万円(前年同期比12.7%減)、売上高は1,323億62百万円(同17.9%増)、セグメント利益は97億88百万円(同79.5%増)となりました。
※2024年1月1日付で、社名をDaifuku North America, Inc. に変更しました。
受注は半導体メーカーの投資意欲が旺盛だった前年同期の実績を大きく下回り、売上も減少しました。
セグメント利益は、減収に伴い減益となりました。
この結果、受注高は165億52百万円(前年同期比58.9%減)、売上高は224億61百万円(同29.9%減)、セグメント利益は12億19百万円(同55.5%減)となりました。
「その他」は、当社グループを構成する連結子会社68社のうち、上記②③④以外の国内外の子会社です。これらの各社は、マテリアルハンドリングシステム・洗車機等の製造・販売・工事・サービスを行っています。主な子会社の状況は、次のとおりです。
国内子会社:
株式会社ダイフクプラスモアは、各種洗車機の販売等を行っています。販売台数は、顧客への政府補助金政策が続いていることから順調に推移しました。
海外子会社:
中国、台湾、韓国、タイ、インドなどにマテリアルハンドリングシステムの生産拠点があり、最適地生産・調達体制の一翼を担いつつ、販売・工事・サービスも行っています。
また、北中米、アジア、欧州、オセアニアには販売・工事・サービスを行う子会社を幅広く配置しています。
受注は、前年度アジアにおいて半導体・液晶生産ライン向けシステムを前倒し受注した反動により減少しました。
売上は、前期末受注残高をベースに概ね順調に推移しました。
セグメント利益は、オセアニアにおける一部案件で一過性コストを計上した影響を大きく受けました。
この結果、受注高は1,087億67百万円(前年同期比18.9%減)、売上高は1,045億73百万円(同4.0%増)、セグメント利益は19億66百万円(同56.9%減)となりました。
〔当社グループの財政状態〕
資産は、前連結会計年度末に比べ888億26百万円増加し、6,403億79百万円となりました。これは主に現金及び預金が165億97百万円、受取手形・完成工事未収入金等及び契約資産が254億11百万円、原材料及び貯蔵品が69億57百万円、有形固定資産が123億円、満期保有目的債券の取得等により投資その他の資産が175億48百万円それぞれ増加したことによるものです。
負債は、前連結会計年度末に比べ793億42百万円増加し、2,985億71百万円となりました。これは主に電子記録債務が50億22百万円減少したものの、契約負債が196億59百万円、転換社債型新株予約権付社債が611億39百万円それぞれ増加したことによるものです。
純資産は、前連結会計年度末に比べ94億84百万円増加し、3,418億7百万円となりました。これは主に利益剰余金が134億18百万円、為替換算調整勘定が140億円増加したものの、自己株式の取得に伴う200億44百万円の減少があったことによるものです。
当第3四半期連結累計期間における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ155億41百万円増加し、1,179億31百万円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動による資金の増加は、22億65百万円となりました(前年同四半期は300億50百万円の減少)。これは主に税金等調整前四半期純利益が386億40百万円あったものの、仕入債務の減少額が153億18百万円、法人税等の支払額が178億11百万円あったことによるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動による資金の減少は、184億29百万円となりました(前年同四半期は72億96百万円の減少)。これは主に固定資産の取得による支出が107億68百万円、投資有価証券の取得による支出が72億25百万円あったことによるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動による資金の増加は、252億46百万円となりました(前年同四半期は227億69百万円の減少)。これは主に自己株式の取得による支出が200億3百万円、配当金の支払額が140億6百万円あったものの、転換社債型新株予約権付社債の発行による収入が610億82百万円あったことによるものです。
当社グループの資金状況は、主として営業活動により得られた資金のほか、金融機関からの借入により必要資金を調達しております。当第3四半期連結累計期間においては、9月に転換社債型新株予約権付社債を発行しました。また、300億円のコミットメントラインを設定しており、緊急時の資金調達手段を確保しています。
当第3四半期連結累計期間における当社グループが支出した研究開発費の総額は9,035百万円です。
なお、当第3四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。