売上高

利益

資産

キャッシュフロー

配当(単独)

ROE

EPS BPS




E01596 Japan GAAP


2 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 経営成績

当第3四半期連結累計期間における当社を取り巻く事業環境は、AI/IoT/5G/VR等技術革新の加速や、Afterコロナを展望した市場/顧客の変化によるビジネス展開が進展しており、このようなニューノーマルな環境に対応した新しいビジネスモデル/経営基盤の構築が求められております。また“持続可能な開発目標(SDGs)”を受け、長期的な展望で持続可能な社会の実現に向けた取り組みは社会全体で更に加速しております。

一方、サプライチェーンの分断と物流の混乱は沈静化しつつあるものの、ロシア・ウクライナ紛争の長期化や米中緊張関係の継続による資源高や世界的なインフレ等による諸コストの高騰、中国経済の回復遅延や投資活動の抑制、新興国における外貨不足などにより経済活動が制約を受けました。

このような事業環境の中、当第3四半期連結累計期間は、縫製工場・電子部品製造受託工場の設備投資が慎重になり、特に最大市場である中国、東南アジアにおける投資の具体化が遅れており、また南アジア等の新興国の外貨不足に起因する購買の先送りなどにより、売上高は675億4千6百万円(対前年比22.4%減)と大幅な減少となりました。

利益面につきましては、前年高騰した半導体コストの正常化や物流費、生産コスト削減に加え、中国における工場再編、販売拠点の人員削減や国内外工場での一時帰休、経費の徹底した抑制等、コスト構造改革にも着手し、効果を刈り取りつつありますが、当初想定以上の大幅な売上減少、工場稼働率の低下に加え海外の材料費や経費等の円安影響による負担増もあり、またコスト構造改革による特別退職金等の特別損失を計上したことから、営業損失は28億7千万円(前年同期は24億8千7百万円の利益)、経常損失は31億1千7百万円(前年同期は20億3千5百万円の利益)、親会社株主に帰属する四半期純損失は40億6千2百万円(前年同期は10億1千1百万円の利益)となりました。

 

(主なセグメント別の概況)

① 縫製機器&システム事業

工業用ミシンの売上高は、主に中国、東南アジアにおいてアパレルメーカーからの受注減により縫製工場の投資の具体化が遅れており、更に南アジア等の新興国の外貨不足に起因する購買の先送りなどにより売上が減少した結果、縫製機器&システム事業全体の売上高は420億8千1百万円(対前年比29.8%減)となりました。

利益面においては、半導体コストの正常化や物流費、生産コスト削減に加え、コスト構造改革にも着手し、効果を刈り取りつつありますが、当初想定以上の売上の大幅な減少と工場稼働率の低下などにより、セグメント損失(経常損失)は29億3千万円の損失(前年同期は6億2千5百万円の利益)となりました。

 

② 産業機器&システム事業

産業装置の売上は、欧米では堅調な設備投資需要を背景に前年比売上を伸ばしましたが、特に中国では電子部品製造受託工場の投資需要の低迷などにより大きく伸び悩み、全体の売上は前年比減少しました。一方、国内を中心とした受託加工等のグループ事業の売上は、お客様のサプライチェーン分断への対応など設備投資需要の高まりもあり堅調に推移しました。この結果、産業機器&システム事業全体の売上高は252億1千7百万円(対前年比6.5%減)となりました。

利益面においては、産業装置における中国での売上減などにより、セグメント損失(経常損失)は3億6千2百万円(前年同期は14億9千8百万円の利益)となりました。

 

 

(2) 財政状態

当第3四半期連結会計期間末の総資産は、売上減少に伴い売掛金が減少する一方で棚卸資産が増加したことなどにより前連結会計年度末に比べ26億5千7百万円増加して1,478億2千7百万円となりました。負債は、借入金が増加したことなどにより前連結会計年度末に比べ40億1百万円増加して1,116億8千9百万円となりました。純資産は、為替換算調整勘定が増加する一方で、純損失や配当金支払により利益剰余金が減少したことなどにより前連結会計年度末に比べ13億4千4百万円減少して361億3千7百万円となりました。

 

(3) 事業上及び財務上の対処すべき課題

当第3四半期連結累計期間において、当連結会社の事業上及び財務上の対処すべき課題に重要な変更及び新たに生じた課題はありません。

 

(4) 研究開発活動

当第3四半期連結累計期間における当社グループ全体の研究開発費の総額は、33億9千2百万円であります。

 

(5) 生産、受注及び販売の実績

当第3四半期連結累計期間において、縫製機器&システム事業の生産実績が著しく減少しております。これは売上の大幅な減少に加え在庫抑制のための一時帰休を含む工場稼働率の低下などによるものであり、縫製機器&システム事業の生産実績は305億1千6百万円(前年同期比33.6%減)となりました。