売上高

利益

資産

キャッシュフロー

配当(単独)

ROE

EPS BPS




E01650 Japan GAAP


2【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

  文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。

 

(1) 財政状態及び経営成績の状況

当第3四半期連結累計期間における世界経済は、米国やアジア地域全体においては景気の持直しが継続したものの、欧州や中国では回復に遅れが見られました。また、混迷を深めるウクライナ情勢に加え、中東情勢が緊迫化するなど、地政学リスクへの警戒感が強まりました。

わが国経済におきましては、社会経済活動の正常化による個人消費の回復や雇用環境の改善により、景気は回復基調となりました。一方で、円安の進行や物価上昇が継続しており、依然として先行き不透明な状況で推移いたしました。

こうした状況のなか、海外市場につきましては、金融市場及びリテール市場ともに、人手不足への対応や業務効率化を目的としたセルフ型の製品・サービスへの需要が堅調に推移いたしました。加えて、半導体等の部品調達難が大幅に緩和し、生産が正常化したことにより主要製品の販売が増加いたしました。

また、リテール市場向けソリューションの充実やソフトウェア事業の拡大を目的に、小売業向けクラウドソリューションであるユニファイド・コマース・プラットフォーム(*)を開発・販売する英国Flooid Topco Limitedの買収を2023年12月26日付で決議し、2024年1月12日付で手続きが完了いたしました。

国内市場につきましては、金融市場及び流通・交通市場では、2024年7月3日に予定されている新紙幣発行に伴う製品の更新や改造作業が本格化し、製品売上、保守売上ともに増加いたしました。また、遊技市場では、スマート遊技機向けカードシステムの販売が好調に推移いたしました。

この結果、当第3四半期連結累計期間の売上高は、259,706百万円(前年同期比 45.5%増)となりました。このうち、製品及び商品売上高は、157,707百万円(前年同期比 52.4%増)、保守売上高は、101,998百万円(前年同期比 36.0%増)でありました。利益につきましては、営業利益は、35,335百万円(前年同期は 1,621百万円の損失)、経常利益は、33,749百万円(前年同期は 1,490百万円の損失)であり、親会社株主に帰属する四半期純利益は、20,906百万円(前年同期は 4,689百万円の損失)となりました。

 

(*)ユニファイド・コマース・プラットフォームとは、複数の販売チャネルを一つのプラットフォームに統合することで、店舗やオンラインでの購入プロセスをスムーズにし、消費者に統一されたショッピング体験を提供する仕組み。

 

セグメントごとの経営成績は次のとおりであります。

 

(金融市場)

主要製品である「オープン出納システム」及び窓口用「紙幣硬貨入出金機」や「紙幣両替機」の販売は好調でありました。加えて、新紙幣発行に伴う改造作業により保守売上高も増加いたしました。

この結果、当セグメントの売上高は、55,620百万円(前年同期比 134.3%増)、営業利益は、19,021百万円(前年同期は 798百万円の損失)となりました。

 

(流通・交通市場)

主要製品である「レジつり銭機」及び警備輸送会社向け「売上金入金機」の販売は好調でありました。加えて、新紙幣発行に伴う改造作業により保守売上高も増加いたしました。

この結果、当セグメントの売上高は、52,007百万円(前年同期比 63.7%増)、営業利益は、7,143百万円(前年同期は 595百万円の損失)となりました。

 

(遊技市場)

主要製品である「カードシステム」の販売は、スマート遊技機向けのユニットが好調でありました。加えて、新紙幣発行に伴う改造作業により保守売上高も増加いたしました。

この結果、当セグメントの売上高は、21,214百万円(前年同期比 97.7%増)、営業利益は、7,493百万円(前年同期比 521.0%増)となりました。

 

 

(海外市場)

米州では、主要製品である金融市場向け「紙幣入出金機<RBG/GLRシリーズ>」及びリテール市場向け「紙幣硬貨入出金機<CI/CI-Xシリーズ>」の販売は好調であり、売上高は、60,112百万円(前年同期比 25.2%増)となりました。

欧州では、主要製品である金融市場向け「紙幣入出金機<RBG/GLRシリーズ>」の販売は低調でしたが、リテール市場向け「紙幣硬貨入出金機<CI/CI-Xシリーズ>」の販売は堅調であり、売上高は、55,118百万円(前年同期比 8.2%増)となりました。

アジアでは、リテール市場向け「紙幣硬貨入出金機<CI/CI-Xシリーズ>」の販売は好調であり、売上高は、11,386百万円(前年同期比 0.8%増)となりました。

また、Acrelecグループの売上高は、19,831百万円(前年同期比 28.3%増)であり、Revolutionグループの売上高は、12,989百万円(前年同期比 4.9%減)でありました。

この結果、当セグメントの売上高は、126,617百万円(前年同期比 14.9%増)、営業利益は、2,045百万円(前年同期は 511百万円の損失)となりました。

 

  その他の事業セグメントにつきましては、売上高は、4,245百万円(前年同期比 109.4%増)、営業損益は、368百万円の損失(前年同期は 923百万円の損失)となりました。

 

  また、当第3四半期連結会計期間末における財政状態は、次のとおりであります。

総資産は、前連結会計年度末に比べ47,937百万円増加し、429,210百万円となりました。主な要因は、受取手形、売掛金及び契約資産28,260百万円、棚卸資産21,003百万円の増加であります。

負債は、前連結会計年度末に比べ38,160百万円増加し、223,448百万円となりました。主な要因は、短期借入金24,190百万円、未払法人税等9,370百万円の増加であります。

純資産は、前連結会計年度末に比べ9,776百万円増加し、205,761百万円となりました。主な要因は、資本剰余金12,286百万円の減少、及び、利益剰余金16,798百万円、為替換算調整勘定7,656百万円の増加であります。

この結果、自己資本比率は47.8%(前連結会計年度末は50.7%)となりました。

 

(2) 会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

前事業年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定の記載について重要な変更はありません。

 

(3) 経営方針・経営戦略等

当第3四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。

 

(4) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

当第3四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。

 

(5) 研究開発活動

当第3四半期連結累計期間におけるグループ全体の研究開発活動の金額は、13,886百万円であります。なお、当第3四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。

 

(6) 経営成績に重要な影響を与える要因

経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「1.事業等のリスク」に記載のとおりであります。