売上高

利益

資産

キャッシュフロー

配当(単独)

ROE

EPS BPS




E37156 


2 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において当社グループが判断したものであります。

(1) 財政状態及び経営成績の状況

[経営成績の状況]

当第1四半期連結累計期間における世界経済は、アフターコロナの流れの中で小売り、サービス業での回復が続いたことに加えて製造業でも改善の動きがみられ、景気は回復傾向を辿りました。一方で、中東情勢の不安定化、エネルギー価格の高騰等による物価上昇、中国での不動産市場の停滞懸念等、景気の先行きに対しての懸念材料が散見される状況となりました。

日本におきましては、雇用や所得環境が改善し、個人消費にも明るさが見え始めましたが、円安の進行や自動車業界における品質不正問題等が鉱工業生産に影響を及ぼし、一進一退の状況となりました。

電子部品業界におきましては、情報通信機器市場の低迷が長引いたことや中国における景気減速の影響を受けたこと等から厳しい状況が続きましたが、昨年夏から欧州における過剰在庫の調整が一定の進展を見せる等、下げ止まりの兆候が見られました。

こうした中当社では、中期経営計画の達成に向けて、新製品の開発と拡販、設備総合効率の改善、不採算製品や不採算受注の取引改善等、売上の拡大と収益構造の改善に努めました。

また、新規分野として注力している高純度石英ガラス製品の事業化への取組みや、高速光通信や光量子コンピュータ等への応用が期待されるPLZT光スイッチ技術の開発会社であるエピフォトニクス社の子会社化等、中長期的な成長に向けての施策にも取り組みました。

こうした中、当第1四半期連結累計期間の経営成績は、売上高は3,413百万円(前年同期比3.1%減)、営業利益は635百万円(前年同期比24.9%減)、経常利益は円安傾向が継続したことによる為替差益が発生したことにより、1,130百万円(前年同期比28.1%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益724百万円(前年同期比28.4%増)となりました。当第1四半期連結累計期間における期中平均レートは、1米ドルあたり148.62円となりました。

 

セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。

 

(リード端子事業)

当第1四半期連結累計期間におけるリード端子事業の売上高は1,929百万円(前年同期比3.5%増)、セグメント損失(営業損失)は13百万円(前年同期はセグメント利益28百万円)となりました。

自動車用エレクトロニクス市場では、昨年から続いたアルミ電解コンデンサ市場における過剰在庫の顕在化に伴う低迷が欧州、中国等で続き、加えて日本の自動車市場における品質不正問題による一部の自動車生産の停滞の影響を受けましたが、一部の品種が回復傾向を示す等、在庫調整の進展に伴う下げ止まりの兆候がみられました。

一方、情報通信機器用電源や民生機器市場におきましては、コロナ禍において発生したステイホーム需要の反動等による調整が長引き、厳しい状況が続きました。

こうした状況の中、一部品種の受注急増に伴う想定外の固定費上昇が一時的な利益押し下げ要因につながりましたが、中長期的な収益構造の改善に向けて、対振動特性や絶縁特性を大幅に改善した新製品「バリレス」の拡販や、小口受注の見直しや設備総合効率の改善等、収益構造の改善に取り組みました。

さらに、製品の品質と信頼性の向上や生産効率の改善に向け、高効率・高精度を実現する新しい溶接技術の開発に取り組みました。

 

 

(光部品・デバイス事業)

当第1四半期連結累計期間における光部品・デバイス事業の売上高は1,484百万円(前年同期比10.4%減)、セグメント利益(営業利益)は649百万円(前年同期比20.6%減)となりました。

海底ケーブル向け光デバイス製品では、一部顧客における在庫調整や海底ケーブルプロジェクトの延期等の影響を受けて前年同期比では需要の低迷が続きましたが、世界的な通信インフラの中長期的な強化の流れを背景としたプロジェクトが発表される等、光部品・デバイス需要の先行き見通しの改善から受注が回復傾向となり、売上は直前四半期に比べて増加しました。

陸上用光ファイバアレイ製品では、中国市場向けの需要の低迷等により、厳しい状況が続きました。

開発面では、情報通信の拡大ニーズに対応し、小型や複合製品、マルチコアファイバ用製品の開発を進めました。マルチコアファイバ用製品では、次世代光海底ケーブルシステム向けの新たな光アイソレータとファンイン/ファンアウト(※1)の複合光デバイスを開発、マルチコアファイバとしては世界最長となる18,090kmの光ファイバ伝送の実証に貢献し、光通信分野で世界最大級の国際会議「OFC2024」で、KDDI総合研究所らと共著での論文発表を行いました。

加えて、次世代事業として位置づけている高純度石英ガラス事業については、昨年発売した紫外線用非球面レンズの販売が増加しました。また、高純度石英ガラスSSG®の特徴である自由度の高い形状の製品サンプルを半導体装置メーカー向けに順次出荷し、量産採用に向けて取り組みました。

 

※1:ファンイン/ファンアウト(製品)

マルチコアファイバの各コアとシングルコアファイバのコアを接続する光部品。「ファンイン」とは複数の入力を一つの出力にまとめること、また「ファンアウト」は一つの入力を複数の出力に分岐することです。例えば、1本の光ファイバケーブルに複数のコアを内蔵するマルチコアファイバを海底ケーブルとして使用する際、数十キロメートルごとに設置する光中継器内で、一旦シングルコアファイバへ分岐して光信号を増幅した後に再度一つの出力にまとめ直す場合に使われます。

 

 

[財政状態の分析]

(資産)

流動資産は前連結会計年度末に比べ24百万円増加し、16,759百万円となりました。これは主に、受取手形及び売掛金283百万円仕掛品75百万円原材料及び貯蔵品59百万円増加した一方で、現金及び預金382百万円減少したこと等によるものであります。

固定資産は前連結会計年度末に比べ430百万円増加し、8,668百万円となりました。これは主に、機械装置及び運搬具(純額)145百万円工具、器具及び備品(純額)84百万円リース資産(純額)55百万円繰延税金資産66百万円増加したこと等によるものであります。

この結果、総資産は前連結会計年度末に比べ454百万円増加し、25,427百万円となりました。

 

(負債)

流動負債は前連結会計年度末に比べ18百万円減少し、2,504百万円となりました。これは主に、未払法人税等77百万円賞与引当金120百万円増加した一方で、短期借入金196百万円1年内返済予定の長期借入金47百万円減少したこと等によるものであります。

固定負債は前連結会計年度末に比べ49百万円減少し、2,341百万円となりました。これは主に、リース債務54百万円増加した一方で、長期借入金127百万円減少したこと等によるものであります。

この結果、負債合計は前連結会計年度末に比べ68百万円減少し、4,845百万円となりました。

 

(純資産)

純資産は前連結会計年度末に比べ522百万円増加し、20,581百万円となりました。これは主に、利益剰余金185百万円為替換算調整勘定336百万円増加したこと等によるものであります。

 

 

(2) 経営方針・経営環境等

当第1四半期連結累計期間において、重要な変更はありません。

 

(3) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

当第1四半期連結累計期間において、重要な変更はありません。

 

(4) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

当第1四半期連結累計期間において、重要な変更はありません。

 

(5) 研究開発活動

当第1四半期連結累計期間の研究開発費の総額は169百万円であります。

なお、当第1四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。